レビュー:キルケラン ワークインプログレスⅡ 進化の過程

KILKERRAN 6yo Work in ProgressⅡ(キルケラン ワークインプログレスⅡ 6年熟成)を飲んだ。65点。
キルケランは、グレンガイル蒸留所からのリリース。この蒸留所、2004年にキャンベルタウンに125年ぶりにできた新蒸留所だ。同じくキャンベルタウンのスプリングバンクと同じクロスヒル湖の水を使用しているらしい。
今回のボトルは Work in Progress つまり、「進化の過程」と自ら名乗ってリリースしている。
さてはて、香味やいかに。

キルケラン 6年熟成

【評価】
グラスから立上る香りは、いぶした麦と塩っぽさ、おつまみのよう。少し尖った面もある。
口に含めば、炎天下の焼けたタイヤ。粘土の多い土。プールサイド。レザー。
木のテーブルでじっくり読書しながら飲みたいウィスキー。

【Kawasaki Point】
65point

【基本データ】
銘柄:KILKERRAN 6yo Work in ProgressⅡ(キルケラン ワークインプログレスⅡ 6年熟成)
地域:Campbeltown, キャンベルタウン
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

いぶした麦と塩っぽさ、おつまみのよう

炎天下の焼けたタイヤ。粘土の多い土。プールサイド。レザー。


フォントの使い方が思い切っている良いデザインのボトル



レビュー:グレンスコシア12年 特級表示 焦がした麦の香りが風に乗って

The Glen Scotia 12yo Old Bottle(グレンスコシア 12年熟成 オールドボトル)を飲んだ。83点。
今回のグレンスコシアは特級表示だから、少なくとも1989年以前のボトル。
さてはてその香味やいかに。

グレンスコシア12年熟成 特級表示

【評価】
その香りは、燻した麦の殻を感じる。熟したイチジクの瑞々しさ。
口に含めば、水飴のようなサラッとした甘みと、焦がした麦の香りが風に乗ってきた感じ。
落ち着いて飲める一杯。

【Kawasaki Point】
83point

【基本データ】
銘柄:The Glen Scotia 12yo Old Bottle(グレンスコシア 12年熟成 オールドボトル)
地域:Campbeltown, キャンベルタウン
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, 公式ボトル

特級表示のウィスキー。
当時の基準ではスコッチは全部特級

Fine Malt


焦がした麦の香りが風に乗ってきた感じ

イギリスのスコットランドはキャンベルタウンに位置するグレンスコシア。

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レビュー:キャパドニック1992 20年 モリソン&マッカイ 幻想的で、鋭く、はかない

CAPERDONICH 1992 20yo MORRISON & MACKAY Seriese:WORLD WONDERS(モリソン&マッカイのワールド・ワンダーズ キャパドニック 1992 20年熟成)を飲んだ。89点。
このワールド・ワンダーズのシリーズは総じて樽チョイスのレベルが高い。

このボトルのラベルに描かれたWorld Wonders(世界の七建造物)は「ギザの大ピラミッド」だ。非常に精度の高い建造物で、今もってそこに込められた意図や、建設過程はナゾに包まれている・・・。しかし、今回もラベルとボトルの中身は一切関係ないと思われる。

果たして今回のボトルの中身の香味やいかに。

キャパドニック 1992 20年熟成

【評価】
グラスから立上るのは、甘い煙がアルコールと融合して、正体のつかめない魅惑のフルーツ、しかしはっきりとブドウと古い木を感じる。ほんのわずかにシナモン。木でできた小屋のとなりに咲く赤い花をつける背の低い古木。
口に含めば、予想していたフルーティさに襲われる。ペッパー、ほどよい粘度を感じ、しっとり。鋭角なスパイス、鼻から抜ける煙が後味を支えている。
ガラス作家のつくる作品のように繊細で、幻想的で、鋭く、はかない。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: CAPERDONICH 1992 20yo(キャパドニック 1992 20年熟成)
地域: Highland, ハイランド
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:MORRISON & MACKAY, モリソン&マッカイ

正体のつかめない魅惑のフルーツ

ギザの大ピラミッド

キャパドニックはもう閉鎖している蒸留所だ

ガラス作家のつくる作品のように繊細で、幻想的で、鋭く、はかない。



レビュー:グレンリベット1980 31年 セラーコレクション 上品なウッディ

GLENLIVET 1980 31yo CELLAR COLLECTION(グレンリベット1980 31年 セラーコレクション)を飲んだ。88点。
このボトルは世界500本限定で、日本にも2011年に43本しか入っていなかったはず。まさか43分の1に、しかも今、非常によい保存状態で出会えるとは、縁とは不思議なものだ。(たまたま、「割とウィスキーが好きで・・」、という話をしていたらそのお話相手が「ならば・・・」と出してくれたボトルだ)

ザ・グレンリベット 1980 31年熟成

【評価】
グラスから立上る、甘くほのかに香るスパイス、パウンドケーキと紅茶に振りかけて。
口に含めば、とろけるような甘いしびれ。ハンス・J・ウェグナーのYチェアの肘掛部分の木の質感と香り。鼻から抜けるスパイス。
これは上品なウッディ、美しい一杯。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENLIVET 1980 31yo CELLAR COLLECTION(グレンリベット1980 31年 セラーコレクション)
地域:Highland, ハイランド
樽:American Oak, アメリカンオーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


ウィスキーコニサー(鑑定家)のために・・・
というコンセプトのセラーコレクションシリーズ

ノンチルフィルター、カスクストレングスの限定品

これは上品なウッディ、美しい一杯。

グレンリベット蒸留所はイギリスのスコットランドはハイランド地域に位置している。

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レビュー:グレンモーレンジ シグネット 心を落ち着かせる気品

GLENMORANGIE SIGNET(グレンモーレンジ シグネット)を飲んだ。89点。
グレンモーレンジの鬼才、ビル・ラムズデン博士とマスターブレンダーのレイチェル・バリーが「詳細は秘密」にしてリリースした新作。深煎りしたモルトを使用するなど、いろいろ新しいことをやっているとの噂。
いずれにせよ、肝心の香味はどのようなものだろうか。

グレンモーレンジ シグネット

【評価】
グラスから立上るのは、甘く華やかな蜜、かといって重厚な香り。心を落ち着かせる気品が漂う。ろうそくの灯で照らされた夜会。
口に含めば、甘くしっとりとした木の蜜。シナモンの後味。焦がしたシダー片。
穏やかな日、祖父との思い出の一日。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENMORANGIE SIGNET(グレンモーレンジ シグネット)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

独特のデザイン

ボトル自体がグラデーションしている。底の方が透明

甘く華やかな蜜、かといって重厚な香り



ドーノック湾に面したグレンモーレンジ蒸留所の場所を地図で確かめてみて。

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レビュー:白州25年 森で出会った果実と・・・

白州25年熟成(HAKUSHU 25yo)を飲んだ。89点。
この白州25年は、白州ブランドの中で一番長熟のものだ。希少な原酒を使用しているだけあって、さすがにボトルのデザインも品がよい。
さてはて、その香味やいかに。

白州25年熟成

【評価】
グラスから香るのは、甘くすっきり、うっとりする森の香り。土の香り。風呂を沸かす薪の炎。レモンと白い花。光が降り注ぎ柔らかなふかふかの土を照らし、ゆったりとした散歩をしている。
グラスを傾け、そっと口に含めば、甘くとろけるようなイチゴとチョコレート、そしてイチジクが舌の上でねっとり展開するが、木の葉の渋みと森の土の香りを感じさせることで、まとまりを見せる。
森で出会った果実と、午後の幸せなひと時。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:白州25年熟成(HAKUSHU 25yo)
地域:山梨県 日本
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

甘くすっきり、うっとりする森の香り


白州の和紙
森で出会った果実と、午後の幸せなひと時。


山梨県にある白州上流所の位置はココ。森に囲まれている。

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レビュー:マッカラン33年 モリソン&マッカイ 海の見えるレストランの壁に・・・

MACALLAN 1979 33yo MORRISON & MACKAY Seriese:WORLD WONDERS(モリソン&マッカイのワールド・ワンダーズ  マッカラン 1979 33年熟成)を飲んだ。82点。

このボトルのラベルに描かれたWorld Wonders(世界の七建造物)は、「バビロンの空中庭園」で、紀元前600年ごろに実際にあったとされる。実物は“空中に浮いているかのように見える”、高台に建造されたロマンティックな庭園だったようだ。

さて、ラベルはさておき、肝心の内容の香味はどのようなものだろうか。

ワールド・ワンダーズのマッカラン33年熟成

【評価】
グラスを傾け、鼻を近づければ、穏やかな樽の中で眠っている静寂さ。杏子、バナナ、ミント、シトラス。少しスパイシー。
口に含めば、軽く香りが華やぐ。ほんのりオイリーで、深くなりすぎず、海の見えるレストランの壁に飾ってある小さな人物画。色彩は明るく柔らかい。
穏やかで、大きなインパクトはないが、まとまった一杯。

【Kawasaki Point】
82point

【基本データ】
銘柄: MACALLAN 1979 33yo(マッカラン 1979 33年熟成)
地域: Highland, ハイランド
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:MORRISON & MACKAY, モリソン&マッカイ

1979年5月-2012年12月 リフィルホグスヘッド 33年熟成

HANGING GARDENS OF BABYRON

ほんのりオイリーで、深くなりすぎず

穏やかで、大きなインパクトはないが、まとまった一杯

マッカラン蒸留所の位置を地図で確かめてみて。スコットランドの北。

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レビュー:マックミラ 初のスウェーデン・ウィスキー

MACMYRA THE 1st EDITION(マックミラ ザ・ファースト・エディション)を飲んだ。56点。
これは初めてのスウェディッシュ(スウェーデン生産)のウィスキー。なんでも仲間内で「スウェーデン産のウィスキーがなぜないんだろう」という話になり、「じゃ、つくろうぜ!」と盛り上がって本当につくったらしい。
ウィスキー好きにとっては夢のような話だが、さてはて、香味やいかに。

スウェーデンからやってきた「マックミラ」

【評価】
グラスから立上るのは、甘い麦、穏やかさ、若い熟成だからアルコールに乗って強烈なインパクトがあると思いきや、さわやかな風と空を感じる。ほのかにスモーク。
口に含めば、甘い、甘いが複数種の甘みで次々と誘惑される。ビターさもある。
可能性を感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
56point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:MACMYRA THE 1st EDITION(マックミラ ザ・ファースト・エディション)
地域:Sweden, スウェーデン
樽:Bourbon, バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル




「私たちは夢を追いかけて、
スウェーデン初のモルトウィスキーをつくりました」

甘い麦、穏やか

ボトルの底にもロゴマーク

さわやかな風と空
可能性を感じるウィスキー


スウェーデンのストックホルムの北に位置するマックミラ蒸留所を地図で確かめてみて。

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レビュー:ラフロイグ10年 これはまるで青春の・・・

Laphroaig 10yo (ラフロイグ10年熟成)を飲んだ。88点。
そういえばオフィシャルのラフロイグのレビューを掲載していなかった。最近、ラベルのデザインも変わったことだし、新旧ラベルのラフロイグを掲載しよう(変わったのはラベルだけで中身は同じ)。

右が旧ラベルで、左が新ラベルのラフロイグ10年

【評価】
グラスから立上るのは、濃い醤油を鉄板に垂らして出た煙、正露丸、柑橘の皮と果汁。少し、土と粘土と鉄。
口に含めば、穏やかでありながらジューシーで、魚の塩気も感じる。鼻から抜ける強い煙に、それでも爽やかな柑橘の香りがついている。
これはまるで、青春の味のするウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄:LAPHROAIG 10yo(ラフロイグ10年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Bourbon, バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


左から、新、旧の順。
旧ラベルのラフロイグはアルファベットの上下に飾り、
つまり「セリフ(ひげ)」がしっかりある

新ラベルのラフロイグはアルファベットの飾り、
つまり「セリフ(ひげ)」が控えめになっており、
旧ラベルよりスッキリとした印象を与えている。 

旧ラベル、全体のデザインイメージは「格式」

新ラベル、全体のデザインイメージは「質実」といったところか

ラフロイグ蒸留所の場所を地図で確かめてみて。ラフロイグとは「広い湾のそばの美しい窪み」という意味。
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