2015年12月26日土曜日

レビュー:サンティス・モルト・ドレイファルティゲイト ほろにがく、うまくて・・・

SANTIS MALT Edition Dreifaltigkeit(サンティス・モルト ドレイファルティゲイト・エディション)を飲んだ。79点。
サンティス・モルトは、スイスの蒸留所だ。この蒸留所の母体はビール醸造で、ウィスキーもビール樽で熟成しているという(スイスのアペンツェル地方でビールを造っているロッハーブリュワリー)。

さて、どのような香味だろうか?

サンティスモルト ドレイファルティゲイト

【評価】
グラスを傾け、鼻を近づける。スモークチェダーチーズ。冬の草を焼く。きわめて香ばしい。
口に含む。炒った麦。スモークチェダーチーズを口いっぱいに頬張る。ほろにがく、うまくて、コクがある。
あの煙たさをもう一度、もう一度と、なんども確かめたくなる。
・・・とはいえ、とてもスモーキーで飲み進めるうち、体がスモーキーになったような気分。

【Kawasaki Point】
79point

【基本データ】
銘柄:SANTIS MALT Edition Dreifaltigkeit(サンティス・モルト ドレイファルティゲイト・エディション)
地域:Swiss
樽:Oak, Beer, オーク、ビール
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル



熊と麦のロゴ

2か国語表記

テイスティングノート

スモークチェダーチーズを口いっぱいに

体がスモーキーになったような気分



蒸留所(ロッハーブリュワリー)の地図はこちら。





2015年10月12日月曜日

レビュー:ザ・ラッキーキャット サン 猫のウィスキー

The Lucky Cat "Sun" by Mars(マルスウィスキーのザ・ラッキーキャット サン)を飲んだ。86点。
マルスウィスキーから、変わったラベルの一本。写真の猫は、オーナーの愛猫だそうだ。これなら、ウィスキーファンと、猫ファンの両方にアピールできるだろう。
中身は、モルト原酒の熟成の仕上げに、ポートとマディラ、ふたつの酒精強化ワインの樽で熟成させたもの。

どのような香味をみせてくれるのだろうか。

ザ・ラッキーキャット “サン”

【評価】
グラスを傾け、鼻に近づけそっと息を吸う。赤いクレヨン。土、ポピー。深い陶酔。
口に含んで転がす。絨毯の上で伸びをする猫。やわらかく、なめらか。しなやかなあくび。
野味溢れる、ゆったりとした一杯。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:The Lucky Cat Sun(ザ・ラッキーキャット サン)
地域:信州、Shinshu
樽:Oak, Port Wine,  Madeira Wine, オーク、ポート、マデイラ
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


オーナーの愛猫。なかなかの美猫である。

説明ノート

深い陶酔。やわらかく、なめらか。









2015年10月11日日曜日

レビュー:ASAMA(軽井沢) 2000 12年 けだるい午後を・・・

ASAMA(軽井沢) 1999/2000 12年熟成(ASAMA by Karuizawa 1999/2000 12yo)を飲んだ。89点。
軽井沢蒸溜所といえば、2000年に蒸留を終え、2012年に完全閉鎖した蒸溜所だ。蔦(ツタ)で覆われた蔵で原酒を熟成していた、なんとも情緒ある蒸溜所であったらしい。
このボトルは最後の蒸留年2000年と、その前年の1999年の原酒を用いていて、英国に本拠地を置くナンバーワンドリンクスというボトラーがリリースしたもの。需要と供給の関係はいつも皮肉なもので、閉鎖した蒸溜所の「もう手に入らない」ウィスキーほど、高価になるようだ。

さて、このウィスキーの由来も市場での価値も横において、目を閉じてただ味わってみよう。

ASAMA 50.5 軽井沢蒸溜所

【評価】
グラスを傾け、鼻に近づける。甘美で、薄く切ったオレンジピールを乗っけた生チョコような上品さ。洋々と、滔々と溢れ出る豊かな樽の香り。
口に含めば、完熟のオレンジの皮をつねったときに少しだけ散る果汁と、ダークチョコ。
籐のゆれる椅子にすわって、けだるい午後を過ごそう。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:ASAMA(軽井沢) 1999/2000 12年熟成(ASAMA by Karuizawa 1999/2000 12yo)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, Sherry, オーク、Sherry
ボトル:Number One Drinks ナンバーワンドリンクス

日本のウィスキーをヨーロッパに紹介するNumber One Drinks 「一番」のロゴ

浅間山のシエルエット、軽井沢蒸溜所


甘美で、薄く切ったオレンジピールを乗っけた生チョコ

滔々と溢れ出る豊かな樽の香り

籐のゆれる椅子にすわって、けだるい午後を過ごそう





2015年10月4日日曜日

レビュー: ティーニニック 1982 28年 灰にレモン果汁を・・・

TEANINICH 1982 28yo by ACORN'S Natural Malt Selection(エイコーンのナチュラル・モルト・セレクション ティーニニック1982 28年熟成)を飲んだ。86点。
ティーニニックといえば・・・、少なくとも日本人にとってはマイナーな蒸溜所だ。リキュールのドランブイに使用されている、と言ってもまだマイナー。ドランブイがカクテル「ラスティ・ネイル」の材料と言えば、こちらはすこしだけ知られている。

さて、この28年熟成のシングル・モルトはどのような香味だろうか。

ティーニニック1982 28年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づける。ろうそく、せっけん、ライム、鋭い香の印象を和らげるように、薄い灰のベール。風でろうそくが煌めく。
口に液体を少量含む。灰にレモン果汁を染み込ませて。少しナッティな香。
心地よい揺らめき。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:TEANINICH 1982 28yo (ティーニニック1982 28年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Acorn(エイコーン)

ナチュラル・モルト・セレクション

ろうそく、せっけん、ライム

鋭い香の印象を和らげるように、薄い灰のベール

灰にレモン果汁を染み込ませて






2015年10月3日土曜日

レビュー:ハイランドパーク 25年 庭には木でできた・・・

HIGHLAND PARK 25yo (ハイランドパーク 25年熟成)を飲んだ。89点。
スコットランドの北端、ノルウェーの西に位置するオークニー諸島のイメージといえば、海と強い風、夏至の沈まぬ太陽、輝くオーロラ、それからヴァイキング、といったところだろうか。そしてもうひとつのイメージは、このウィスキー、ハイランドパークを生みだしている地ということだ。

さて、ハイランドパーク25年の香味はどのようなものだろうか。

ハイランドパーク25年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づける。木のテーブルに飾られたバラ、若々しく綺麗なグリーン、真紅の花弁。まるで香水。深い落ち着きをもたらす。
グラスを傾け、液体を口に含む。口の中で花弁が散って、紅い印象を残して溶けていく。レモンのニュアンス。新築の木の家。庭には木でできたシーソー。子供たちが無邪気に遊ぶ。
何重にも木の香がかさなっているのに、決してまとまりを崩さない。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:HIGHLAND PARK 25yo (ハイランドパーク 25年熟成)
地域:Islands, アイランズ
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

木でできたボトルキャップ

おなじみのロゴ(Bodoni系)のフォント

DISTILLERY KIRK WALL ORKNEY
オークニー諸島のカークウォールの蒸溜所

木のテーブルに飾られたバラ

何重にも木の香がかさなっているのに、決してまとまりを崩さない



Highland Park 蒸溜所はスコットランドの北端に位置する。





2015年9月26日土曜日

レビュー:レッドブレスト 15年 手描きの夏の・・・

REDBREAST 15yo(レッドブレスト 15年熟成)を飲んだ。89点。
アイルランドでつくられるアイリッシュウィスキー。レッド・ブレスト(赤い胸)とは、ヨーロッパ・コマドリの意味で、ヨーロッパ全域でポピュラーな鳥のようだ。なぜか分からないが、ウィスキーはそのブランドに野生動物をモチーフに用いることが多い。

さて、このウィスキーの香味はどのようなものだろうか。

レッドブレスト15年熟成

【評価】
グラスを傾け香りをかぐ。夏の午後の太陽とプール。体を乾かして、少し木陰で涼もう。ゆっくりと時が流れるのに、爽やか。甘いレモンスカッシュ。隣はメロンソーダ。
ウィスキーを口に含む。スイカの刺さったグラス。打ち寄せる波が泡になって砂に染み込む。メロンとキャンディ。
ライトだがまとまっている一杯。手描きの夏の絵葉書をもらったかのような。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:REDBREAST 15yo(レッドブレスト 15年熟成)
地域:Irish, アイリッシュ
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ゆっくりと時が流れるのに、爽やか

Pure Pot Still Irish Whiskey


REDBREAST 15yo

メローでスムース

3回蒸留、15年熟成

ライトだがまとまっている一杯









2015年9月5日土曜日

レビュー:グレンギリー 15年 古い青春映画のように・・・

GLEN GARIOCH 15yo(グレンギリー 15年熟成)を飲んだ。88点。
旧ラベルのボトルだ。

どのような香味なのだろうか?

グレンギリー 15年熟成


【評価】
グラスを鼻に近づけ、香りをかぐ。ボトルシップを眺める古風な応接室。カーテンを揺らして春の風が舞い込む。ゆったりとした肘掛けのソファに腰掛け、レコードをかける。日が差し込み、ひらひらと、モンシロチョウが迷い込む。
ウィスキーを口に含む。みずみずしい。古い青春映画のようにあっさりほろ苦い。後味には、釉薬の融けた陶器がつくられたときの炎を熱さを思う。
ジェントルで心地よいが、苦さもしっかりと構成しているウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLEN GARIOCH 15yo(グレンギリー 15年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


スコッチ・ウィスキーは鹿のモチーフが多い

AGED FIFTEEN YEARS

ボトルシップを眺める古風な応接室

古い青春映画のようにあっさりほろ苦い





グレンギリーは、ゲール語で「谷間の荒れた土地」。オールドメルドラム村という古風な名のつく村に蒸溜所がある。





2015年8月29日土曜日

レビュー:ティーリング シングル・モルト レモンのゼリー

TEELING Single Malt(ティーリング シングル・モルト)を飲んだ。89点。

ウィスキー最古の地といわれるアイルランドから届けられるこのアイリッシュ・ウィスキーは、ちょっと変わっている。

ブランド名ティーリングの由来は、社長のジョン・ティーリング氏から。ハーバードでアイリッシュ・ウィスキーの歴史を研究したティーリング氏は、アイルランドで100年ぶりに新しい蒸溜所を開始した。そのクーリー蒸溜所は、その後ジム・ビームに買収され、ティーリング氏は今回の“ティーリング”立ち上げに至る。

もともとティーリング家はダブリンで蒸溜所を創業した家系だが、他の多くの蒸溜所同様、現在はなくなっている。“ティーリング”は現時点で、蒸溜所を持たないボトラーズブランド(原酒は他の蒸溜所から仕入れ樽の熟成を見極めてリリースしている)だが、「いずれは自前の蒸溜所を」という考えのようだ。

今回のティーリングは、シングル・モルト。ある原酒を5つの樽で熟成させ、再びひとつのボトルに入れたもの。かなり手の込んだ試みだ。(樽はシェリー、ポート、マディラ、ホワイトバーガンディ、それからカベルネ・ソーヴィニヨン)

さて、前置きが長くなったが、肝心のこのウィスキーの香味はどのようなものだろうか?

ティーリング シングル・モルト

【評価】
香りをかぐ。うっそうと生い茂る茂みのなかを歩く。まだ見えない花の香りに誘われて。急に開けて湖が見える。あたりに群生する赤、白、ピンク、紫、黄色の花々。青空が広がり、さわやかな気持ちにさせる。湖面に映る空が風で揺れて見える。
そっと口に液体をふくむ。ランチボックスを開け、ほんのひとくち、レモンのゼリーを口に含む。ライ麦パンのサンドイッチ。ハム、ライム果汁。
まるで新しい気持ちに生まれ変わる不思議な体験。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:TEELING Single Malt(ティーリング シングル・モルト)
地域:Irish, アイリッシュ
樽:Sherry, Port, Madeira, White Burgundy, Cabernet Sauvignon, シェリー、ポート、マディラ、ホワイトバーガンディ、カベルネ・ソーヴィニヨン
ボトル:TEELING, ティーリング



フェニックスのようにダブリンに復活する予定のティーリング

箱のデザイン。質感に重きが置かれている。

アイリッシュの場合、ウィスキーの綴りは WHISKEY

SPIRIT of DUBLIN

ノンチル、シングル・モルト

赤、白、ピンク、紫、黄色の花々

レモンのゼリーを口に含む。ライ麦パンのサンドイッチ