レビュー番外編:SMWS ラム R5.2 10yo

たまにはラムのレビューを番外編で掲載。
SMWS(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ)のラムR5.2、10年熟成を飲んだ。とびきり美味い。95点。
なんとアルコール度数が81%。それだけで敬遠されがちだが、もったいない。

SMWS(通称:ソサエティ)のボトルにはいつもお題が付く。このラムは、
To Life, Love and Loot 人生とは愛と略奪
なんとも激しく、詩的だ。世界に507本しかない。・・こんなお題、世界にたくさんあっちゃ困る。

ちなみにラムは映画パイレーツ・オブ・カリビアンの影響で世界的プチブームが来た。
原料はサトウキビ。南国の酒だ。作り方はウィスキーと似ている。

本来81%というアルコール度数はニート(ストレート)向きではない。しかし、このラムはストレートが一番美味い。それぐらい複雑な香りのハーモニーがある。ただ、他の飲み方でも充分美味いだろう。このラムに出会える人口は本当にわずかだが、もしよければ、出会ったなら試してほしい。ハーフぐらいでチビチビやってほしい。


【評価】
香りは、レーズン、生クリーム、ナッツ、炒った穀物、ガソリン。
口に含めば、熱く燃えているが、レーズン生クリームのように滑らかに浸透してくる。長い余韻。呼吸の熱さ。
本質的にロマンティックで、悪女のようなラム。

【Kawasaki Point】
95point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:SMWS R5.2 10yo (スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ R5.2 10年熟成)
(※ソサエティのR5ってどこの蒸留所なのか、どなたか教えて下さい
  2/7追記 Long pond蒸留所であることを教わりました。ヴェスパーマティーニさんありがとうございます)
地域:ジャマイカ
樽:Refill Sherry Butt, シェリー リフィルバット
ボトル:SMWS


ソサエティのR5.2は悪女のようなラム

レーズン生クリームのように浸透し、長い余韻。
レーズン、生クリーム、ナッツ、炒った穀物、ガソリン
ラムの原料はサトウキビ。南国の酒だ。

ジャマイカはLong Pondはシュガーファクトリーでもあるようだ。

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レビュー:ブッシュミルズ SM10年 - 喧騒から逃れる -

BUSHMILLS Singl Malt 10yo(ブッシュミルズ シングルモルト 10年熟成)を飲んだ。88点。
ブッシュミルズ蒸留所は北アイルランドにあるので、いわゆるアイリッシュ・ウィスキーと呼ばれる。
世界最古の蒸留所を自称している、歴史ある蒸留所だ。
3回蒸留でまろやか。ピートは使用せず、煙臭さはない。
(参考:ウィスキーの3回蒸留とは何か。


【評価】
香りはマーガレット。ホースで水をやった夏の朝の花壇。透き通るような樽の香りと歴史の表情。
口に含むと、あたたかさ。燃えるようなコク。すっきりとした甘さに感じるバイオリン三重奏。
後味の清涼感がバランスを与える。
街の喧騒から逃れ、肩の荷を降ろし、ほっと一息つきたくなるウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:BUSHMILLS 10yo(ブッシュミルズ 10年熟成)
地域:Irish, アイリッシュ
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


透き通るような樽の香りと歴史の表情

燃えるようなコク

世界最古の蒸留所を自称している、歴史ある蒸留所だ

街の喧騒から逃れ、ほっと一息つきたくなる

地図を最大までクローズアップすると、蒸留所の屋根に書かれたブッシュミルズの文字が見れるよ。

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ウィスキーの3回蒸留とは何か。それがどうだって言うんだろう。


ときどきウィスキーを飲む際、「このウィスキーは3回蒸留なんですよ」なんて薦められたりする。

蒸留を3回するとは何か。一体それが何のメリットがあるのか。
端的に言えば、蒸留回数の違いは、味と香りの違い。3回蒸留は2回蒸留よりまろやかだ。

ちなみになぜその違いが生まれるか?

3回蒸留するという作業を分かりやすく説明する。

最初の蒸留

まず、麦を原料にアルコールを取り出す。
発芽させた麦をお湯でぐるぐるかき混ぜ、白くてドロドロの「もろみ」と呼ばれるビールの原料みたいなものにする。酵素と酵母の働きで、麦からアルコールを含んだ「もろみ」が作られるわけだ。ドロドロの「もろみ」をぐつぐつ焚いて、その蒸発したものを冷やして液体にする(1回蒸留)。さらさらした液体になり、アルコールの度数が高くなる。

さらに蒸留

その液体をさらに蒸発させ液体にする(2回蒸留)

もいっちょ蒸留

2回蒸留した液体を、さらにもう一回蒸発させ液体にする(3回蒸留)



つまり、ドロドロの個性が強い麦の液体から、徐々に遠ざかって、純度が高くなっているいるイメージ。

蒸留する度、麦の香りや個性を徐々に‘捨てている’ともいえるし、
荒々しさを排して‘研ぎ澄ませている’ともいえる

ほとんどのウィスキーが2回蒸留だ。
だから3回蒸留というのは、わざわざ「3回蒸留ですよ」と言うほどのことなのだ。

何回蒸留か、なんて飲むときにはどうでもいいとも思うことだけれど、知っておけば香りと味の手がかりになるかも。
今日も、よいウィスキーライフを。




レビュー:グレンキンチー12年 牧歌的なウィスキー

GLENKINCHIE 12yo(グレンキンチー 12年熟成)を飲んだ。88点。


【評価】
グラスから透けて見える光は、淡い幸福感に満たされた色。
立ち上る香りは、群生した花の蜜。木の板の上のハチミツ。春の小川。青い空にゆったり流れる白い雲。
蜂蜜が口の中で穏やかに溶けて、赤、黄、白の花々。樽がゆったりと転がるイメージ。
牧歌的なウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENKINCHIE 12yo(グレンキンチー 12年熟成)
地域:Lawland, ローランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル



グレンキンチーは群生した花の蜜

ボトルのGKの文字

麦が描かれている

グラスから透けて見える光は、
淡い幸福感に満たされた色。

グレンキンチー蒸留所はイギリスのローランドに位置している。グーグルマップで確かめてみて。

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