レビュー:白州シェリーカスク2012 まとまったシェリー

白州シェリーカスク 2012(HAKUSHU Sherry Cask 2012)を飲んだ。82点。
記憶になかったけれど、白州シェリーカスク 2013を飲んだときは87点で「午前十時の森林」と表現していた。「2012」と「2013」ではどのように香味が違うのだろうか?

白州シェリーカスク 2012

【評価】
グラスから立上る香りは、古くて使い込まれた小学校の机、夕刻に斜めのオレンジ色の陽が差す誰もいない教室、時刻に焦る。やや尖った酸味の強さが目立ち、甘いチョコレート。
口に含めば、割とまとまったシェリー。強く樽の主張を感じるが何重かの甘みがなんとかバランスを保つ。
甘ったるさと木の渋み、ややパンチが強いが、これなら「シェリーとは何か」の良い入門編になるかもしれない。

※2012はインパクトが強いわりにシェリーがまとまっているが、2013の方が白州独自の爽やかさとシェリーの深みがより高いレベルで調和していると感じた。

【Kawasaki Point】
82point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:白州シェリーカスク2012(Hakushu Sherry Cask 2012)
地域:山梨県 日本
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

やや尖った酸味の強さが目立ち、甘いチョコレート


何重かの甘み


ややパンチが強いが、
これなら「シェリーとは何か」の
良い入門編になるかもしれない

白州蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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レビュー:竹鶴 シェリーウッドフィニッシュ 浅いシェリー

竹鶴シェリーウッドフィニッシュ(TAKETSURU SHERRY WOOD FINISH)を飲んだ。68点。
この竹鶴は、ノンエイジの竹鶴が販売された記念で発表された限定品だ。その香味やいかに。

竹鶴 シェリー・ウッド・フィニッシュ

【評価】
香りは、浅いシェリー。若さが目立つ。
口に含めば、先ほどの香りからは意外としっかりしたシェリー。後味が続かない。
悪いえぐみはないが、面白みに欠けるウィスキー。

竹鶴ノンエイジが健闘しただけに、ちょっと残念。

【Kawasaki Point】
68point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:竹鶴シェリーウッドフィニッシュ(TAKETSURU SHERRY WOOD FINISH)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル








レビュー:竹鶴(ノンエイジ) しっかりと向き合うことの・・・

竹鶴(TAKETSURU)を飲んだ。88点。
この竹鶴は年数表記のない、いわゆる「ノンエイジ」と呼ばれるものだ。ウィスキー需要の高まりを受けた世界的な流れで、「○年熟成」という「年数しばり」を取って発売するウィスキーが増えている。十数年熟成させてから出荷、というなんとも効率の悪いところがウィスキーの人間くさい魅力なのだが、世界のニーズとビジネスを思えば、仕方ないところもあるだろう。いずれにせよ変化そのものにいいも悪いもない。
さて、竹鶴の香味やいかに。

竹鶴 ノンエイジ

【評価】
グラスから立上るのは、しっとりとした甘い香り、尖った若さもある。焦がした焚火の跡、すっきりとした小川の小石。森でのキャンプ。
口に含めば、さらさらと小川が流れる。かすかにイチゴの甘みを漂わせ、さわやかで熱い後味。
しっかりと向き合うことのできるバランスの良いウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:竹鶴(TAKETSURU)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

金字を使いながらあまりいやらしくならないのは
書のバランスの良さとデザイナーの力だろう

創業者竹鶴政孝の肖像はお決まり
ジャパニーズウィスキーの父




人間が年齢で判断できないように
ノンエイジたりとて侮れない一杯




レビュー:余市原酒10年(樽番号40556) 真っ赤で、オレンジで・・・

余市の原酒10年熟成:樽番号40556(YOICHI Single Cask 10yo Cask No.40556)を飲んだ。86点。
これは蒸留所で販売している限定品で、シングルモルト余市をつくる前の、樽出しそのまんまのものだ。だから樽No.の記載があり、この樽No.がひとつでも違えば、また違う味わいになるだろう。

余市原酒10年 樽番号40556


【評価】
目を閉じてグラスから立上る香りを嗅げば、甘い香りの森に足を踏み入れたかのよう。強烈な個性。360度その香りに包まれているようだ。
口に含めば、幾重にも重ねた重厚な香り。油絵のようであり、真っ赤で、オレンジで、そして煉瓦色で描かれた夕景のようである。鼻から抜けるのは、上品さもある!
情熱をそのまま取り出して、瓶に詰めることができたとしたら、このウィスキーになるだろう。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:余市の原酒10年熟成:樽番号40556(YOICHI Single Cask 10yo Cask No.40556)
地域:余市、北海道、Yoichi, Hokkaido
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

北海道余市蒸留所の限定品だ

情熱をそのまま取り出して、
瓶に詰めることができたとしたら

北海道の余市蒸留所は海の近く。場所を地図で確かめてみて。
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