レビュー:マックミラ 初のスウェーデン・ウィスキー

MACMYRA THE 1st EDITION(マックミラ ザ・ファースト・エディション)を飲んだ。56点。
これは初めてのスウェディッシュ(スウェーデン生産)のウィスキー。なんでも仲間内で「スウェーデン産のウィスキーがなぜないんだろう」という話になり、「じゃ、つくろうぜ!」と盛り上がって本当につくったらしい。
ウィスキー好きにとっては夢のような話だが、さてはて、香味やいかに。

スウェーデンからやってきた「マックミラ」

【評価】
グラスから立上るのは、甘い麦、穏やかさ、若い熟成だからアルコールに乗って強烈なインパクトがあると思いきや、さわやかな風と空を感じる。ほのかにスモーク。
口に含めば、甘い、甘いが複数種の甘みで次々と誘惑される。ビターさもある。
可能性を感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
56point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:MACMYRA THE 1st EDITION(マックミラ ザ・ファースト・エディション)
地域:Sweden, スウェーデン
樽:Bourbon, バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル




「私たちは夢を追いかけて、
スウェーデン初のモルトウィスキーをつくりました」

甘い麦、穏やか

ボトルの底にもロゴマーク

さわやかな風と空
可能性を感じるウィスキー


スウェーデンのストックホルムの北に位置するマックミラ蒸留所を地図で確かめてみて。

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レビュー:ラフロイグ10年 これはまるで青春の・・・

Laphroaig 10yo (ラフロイグ10年熟成)を飲んだ。88点。
そういえばオフィシャルのラフロイグのレビューを掲載していなかった。最近、ラベルのデザインも変わったことだし、新旧ラベルのラフロイグを掲載しよう(変わったのはラベルだけで中身は同じ)。

右が旧ラベルで、左が新ラベルのラフロイグ10年

【評価】
グラスから立上るのは、濃い醤油を鉄板に垂らして出た煙、正露丸、柑橘の皮と果汁。少し、土と粘土と鉄。
口に含めば、穏やかでありながらジューシーで、魚の塩気も感じる。鼻から抜ける強い煙に、それでも爽やかな柑橘の香りがついている。
これはまるで、青春の味のするウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄:LAPHROAIG 10yo(ラフロイグ10年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Bourbon, バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


左から、新、旧の順。
旧ラベルのラフロイグはアルファベットの上下に飾り、
つまり「セリフ(ひげ)」がしっかりある

新ラベルのラフロイグはアルファベットの飾り、
つまり「セリフ(ひげ)」が控えめになっており、
旧ラベルよりスッキリとした印象を与えている。 

旧ラベル、全体のデザインイメージは「格式」

新ラベル、全体のデザインイメージは「質実」といったところか

ラフロイグ蒸留所の場所を地図で確かめてみて。ラフロイグとは「広い湾のそばの美しい窪み」という意味。
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レビュー:白州シェリーカスク2012 まとまったシェリー

白州シェリーカスク 2012(HAKUSHU Sherry Cask 2012)を飲んだ。82点。
記憶になかったけれど、白州シェリーカスク 2013を飲んだときは87点で「午前十時の森林」と表現していた。「2012」と「2013」ではどのように香味が違うのだろうか?

白州シェリーカスク 2012

【評価】
グラスから立上る香りは、古くて使い込まれた小学校の机、夕刻に斜めのオレンジ色の陽が差す誰もいない教室、時刻に焦る。やや尖った酸味の強さが目立ち、甘いチョコレート。
口に含めば、割とまとまったシェリー。強く樽の主張を感じるが何重かの甘みがなんとかバランスを保つ。
甘ったるさと木の渋み、ややパンチが強いが、これなら「シェリーとは何か」の良い入門編になるかもしれない。

※2012はインパクトが強いわりにシェリーがまとまっているが、2013の方が白州独自の爽やかさとシェリーの深みがより高いレベルで調和していると感じた。

【Kawasaki Point】
82point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:白州シェリーカスク2012(Hakushu Sherry Cask 2012)
地域:山梨県 日本
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

やや尖った酸味の強さが目立ち、甘いチョコレート


何重かの甘み


ややパンチが強いが、
これなら「シェリーとは何か」の
良い入門編になるかもしれない

白州蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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レビュー:竹鶴 シェリーウッドフィニッシュ 浅いシェリー

竹鶴シェリーウッドフィニッシュ(TAKETSURU SHERRY WOOD FINISH)を飲んだ。68点。
この竹鶴は、ノンエイジの竹鶴が販売された記念で発表された限定品だ。その香味やいかに。

竹鶴 シェリー・ウッド・フィニッシュ

【評価】
香りは、浅いシェリー。若さが目立つ。
口に含めば、先ほどの香りからは意外としっかりしたシェリー。後味が続かない。
悪いえぐみはないが、面白みに欠けるウィスキー。

竹鶴ノンエイジが健闘しただけに、ちょっと残念。

【Kawasaki Point】
68point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:竹鶴シェリーウッドフィニッシュ(TAKETSURU SHERRY WOOD FINISH)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル








レビュー:竹鶴(ノンエイジ) しっかりと向き合うことの・・・

竹鶴(TAKETSURU)を飲んだ。88点。
この竹鶴は年数表記のない、いわゆる「ノンエイジ」と呼ばれるものだ。ウィスキー需要の高まりを受けた世界的な流れで、「○年熟成」という「年数しばり」を取って発売するウィスキーが増えている。十数年熟成させてから出荷、というなんとも効率の悪いところがウィスキーの人間くさい魅力なのだが、世界のニーズとビジネスを思えば、仕方ないところもあるだろう。いずれにせよ変化そのものにいいも悪いもない。
さて、竹鶴の香味やいかに。

竹鶴 ノンエイジ

【評価】
グラスから立上るのは、しっとりとした甘い香り、尖った若さもある。焦がした焚火の跡、すっきりとした小川の小石。森でのキャンプ。
口に含めば、さらさらと小川が流れる。かすかにイチゴの甘みを漂わせ、さわやかで熱い後味。
しっかりと向き合うことのできるバランスの良いウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:竹鶴(TAKETSURU)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

金字を使いながらあまりいやらしくならないのは
書のバランスの良さとデザイナーの力だろう

創業者竹鶴政孝の肖像はお決まり
ジャパニーズウィスキーの父




人間が年齢で判断できないように
ノンエイジたりとて侮れない一杯




レビュー:余市原酒10年(樽番号40556) 真っ赤で、オレンジで・・・

余市の原酒10年熟成:樽番号40556(YOICHI Single Cask 10yo Cask No.40556)を飲んだ。86点。
これは蒸留所で販売している限定品で、シングルモルト余市をつくる前の、樽出しそのまんまのものだ。だから樽No.の記載があり、この樽No.がひとつでも違えば、また違う味わいになるだろう。

余市原酒10年 樽番号40556


【評価】
目を閉じてグラスから立上る香りを嗅げば、甘い香りの森に足を踏み入れたかのよう。強烈な個性。360度その香りに包まれているようだ。
口に含めば、幾重にも重ねた重厚な香り。油絵のようであり、真っ赤で、オレンジで、そして煉瓦色で描かれた夕景のようである。鼻から抜けるのは、上品さもある!
情熱をそのまま取り出して、瓶に詰めることができたとしたら、このウィスキーになるだろう。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:余市の原酒10年熟成:樽番号40556(YOICHI Single Cask 10yo Cask No.40556)
地域:余市、北海道、Yoichi, Hokkaido
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

北海道余市蒸留所の限定品だ

情熱をそのまま取り出して、
瓶に詰めることができたとしたら

北海道の余市蒸留所は海の近く。場所を地図で確かめてみて。
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