レビュー:グレンモーレンジィ トゥサイル 底つき感がない・・・

The Glenmorangie TUSAIL(グレンモーレンジィ トゥサイル)を飲んだ。86点。
モーレンジのリリースする「プライベート・エディション」から。過去にはエランタなどがある。
このシリーズはいつも聞き慣れないゲール語のタイトルが付いているが、今回のトゥサイルは「大麦」という意味だそう。なんでも1960年代に登場した大麦のマリス・オッター種が一度は絶滅の危機に瀕したものの、最近見直されて一部の高品質クラフトビールに使用されているようだ。
毎度、責任者のビル・ラムズデン博士のチャレンジには感心させられる。

さて、どのような香味なのだろうか。

グレンモーレンジィ トゥサイル

【評価】
グラスを傾ける、魅入ってしまう金色の輝き。
すこしグラスを揺らして香りが立てば、麦、りんご、その他の美しいスパイスの調和。ふくよかなのにきりりとしつつ、おだやかなのにクッキリとした主張。
口に含む。水飴の後の黒焦げの樽。初夏の水遊び。ふかふかの柔らかな麦のベッドは、底つき感がない。
さわやかで美しい酒。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:The Glenmorangie TUSAIL(グレンモーレンジィ トゥサイル)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

Uはアキュートが付いている「Ú」

グレンモーレンジィのロゴは渦巻紋様

フロアモルティング製法

グラスを傾ける、魅入ってしまう金色の輝き。

麦、りんご、その他の美しいスパイスの調和

さわやかで美しい酒。









レビュー:グレンタレット20年 アップライトピアノの・・・

Glenturret 1994 20yo(グレンタレット 1994 20年熟成)を飲んだ。89点。
ウィスキー好きと猫好きには有名な蒸溜所、グレンタレット。

昔、ウィスキー蒸溜所では大麦を鳥やねずみから守るために猫を飼うことがあったそうだ。これをウィスキーキャットと呼んだ。グレンタレット蒸溜所が飼っていた三毛猫の「タウザー」ちゃん(1963-1987)は、通算で28,899匹のねずみを仕留めたとかで、ギネスブックにも載っているようだ。彼女は“ウィスキーキャット”として素晴らしい役割をはたしたので、銅像にもなっている。

グレンタレット1994 20年熟成 ラベルには「タウザー」

【評価】
グラスから立ち上るのは、さわやかで馥郁たる甘み。新緑に包まれて吹き抜ける風が涼しい。ツンとしたところがなく優しい。
口に含む。銅のやかんから、水蒸気がでる。アップライトピアノの楽しい伴奏と、ガラス窓を揺らす外の風。
軽快でこじんまりとしているが、楽しい。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Glenturret 1994 20yo(グレンタレット 1994 20年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ウィスキーキャットが描かれたラベル
実際のタウザーはふさふさした毛の三毛猫だったようだけど


新緑に包まれて吹き抜ける風が涼しい

軽快でこじんまりとしているが、楽しい



グレンタレット蒸溜所を地図でも確かめてみて。かなり寄りにしている。「+」や「-」で動かすことができ、クローズアップして空気の美味しそうなのどかな田舎の風景が見られたり、引きにしてイギリスのどのあたりに位置しているのかというのも見られる。





レビュー:響17年 工芸品のようでありながらも・・・

響17年熟成(Hibiki 17yo)を飲んだ。93点。
「響」は、ジャパニーズを代表するブレンデッド・ウィスキーのブランドのひとつだろう。
17年はどのような香味だろうか。

響17年

【評価】
グラスを軽く揺らせば、むせる程の春の香り。花々の美しい畑。ミツバチが飛び、蜜を集めるのに必死。天気が良い。ふかふかのベッドでここちよく昼寝。奥行きのある香り。
グラスを少し上げて、ウィスキーを口に含んでみる。香りそのままの世界観に飛び込む。キャンバス地のスニーカーで歩き回ろう。心地よく感じるリズムは、華やかな香りのリフレインが生み出している。しっかりとした重みが与えられているせいで、余韻は長く続く。
工芸品のようでありながらも、さりげなく、自然を感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
93point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:響17年熟成(Hibiki 17yo)
地域:Japan 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ボトルキャップにも「響」の書が刻印されている

カクカクしたボトル。24面。

ジャパニーズを強く意識したラベルは和紙。

花々の美しい畑。ミツバチが飛び・・・

ロックスタイルでも。(香り生きている)

工芸品のようでありながらも、さりげなく自然を感じる





レビュー:クレイモア 熱した小さな鉄の玉・・・

CLAYMORE(クレイモア)を飲んだ。73点。
実勢価格が1000円台までのウィスキーを特集している1000円台ウィスキーシリーズ
勇敢さで有名なハイランダー(スコットランドの軍隊)が使用した大きな剣(=クレイモア)が描かれるラベルが特徴的なこのボトル。どのような香味で魅せてくれるのだろうか。

クレイモア

【評価】
グラスから立ち上る香りは、甘酸っぱいリンゴ酢、麦ビスケット。牧歌的。
口に含む。キャンディーを溶かして、鉄棒。夏の日に飲む水の甘さ。熱した小さな鉄の玉。
こげと甘みの小さな小さな物語を味わう。

【Kawasaki Point】
73point

【基本データ】
銘柄:CLAYMORE(クレイモア)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド



ラベルには、クレイモア(大剣)が描かれている

甘酸っぱいリンゴ酢、麦ビスケット

こげと甘みの小さな小さな物語