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レビュー:イチローズモルト秩父✕KUSUDA 黒と黄色・・・

イチローズモルト秩父✕KUSUDA(Ichiro's Malt Chichibu × KUSUDA)を飲んだ。65点。
国産ウィスキーのイチローズモルトは、埼玉県は秩父に蒸溜所を設立して8年が経とうとしている。また、秩父出身の楠田氏がニュージーランドでワインをリリースし始めて13年が経とうとしている。
このボトルは、KUSUDAワインの樽でイチローズモルトをフィニッシュしたものだ。

さて、香味はどのようなものだろうか。

イチローズモルト × Kusuda Wine


【評価】
グラスから立ち上る香りは、黒と黄色の混じった蘭。元気の良いアルコールがブドウの渋みを運ぶ。
口に含めば、情熱的な夜のランニング。走り込みを重ねた後の充実の疲れ。
疲れた後に眠れない夜。

【Kawasaki Point】
65point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:イチローズモルト秩父✕KUSUDA(Ichiro's Malt Chichibu × KUSUDA)
地域:Chichibu, Japan 日本、秩父
樽:Kusuda Wine, クスダワインカスク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


ラベルに大きく「KUSUDA」の文字

元気の良いアルコールがブドウの渋みを運ぶ。


走り込みを重ねた後の充実の疲れ







レビュー:ツインアルプス イチゴのさわやかな甘み・・・

マルス ツインアルプス(TWIN ALPS by MARS)を飲んだ。78点。
流通力のあるウィスキーを紹介した「1,000円台ウィスキーシリーズ」のひとつでもある。

さて、どのような香味なのだろうか。

マルスウィスキー ツインアルプス

【評価】
グラスから立ち上る香りは、透き通った温度の低い水、古びた校舎の木の窓枠。ストレートなアルコールの香り方、少し姿勢を正したくなる。
口に含めば、イチゴのさわやかな甘み。厚い柾目の木の板。そして、後に上がってくる熱いアルコール。
シンプルで要素も多くはないが、端正、というべきまとまりをもつウィスキー。

【Kawasaki Point】
78point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:マルス ツインアルプス(TWIN ALPS by MARS)
地域:信州、Shinshu
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

軍神マルスをイメージしたロゴ




ストレートなアルコールの香り方、少し姿勢を正したくなる

シンプルで要素も多くはないが、端正





レビュー:ザ・ニッカ40年熟成 観客が目を閉じ・・・

ザ・ニッカ 40年熟成(The Nikka 40yo)を飲んだ。98点。
ニッカ創業以来の渾身の作だ。創業80周年を記念してつくられた数量限定のボトルで、原酒の一番古いものは余市の1945年(終戦時)、それから宮城峡の1969年(宮城峡設立時)ということだ。

細かい説明は省こう。このボトルの中身はどのような香味だろうか?


【評価】
グラスに鼻を近づける。厚みが深く、どこまで嗅いでも確かめようのない流れ出る音楽。安らぎとハーモニー。脳に快感を届ける。美しい重低音。クヌギと蜜、海岸。火花。果物であり海岸であり山であり、空であり土である。
不思議な心持ちのまま、口に含む。いくつかのウィスキーを、同時に味わっているかのような、オーケストラがクライマックスに達し、観客が目を閉じ音楽とひとつになる瞬間。余市のシグネチャーであるスパイスが終始美しく効いている。決して調和を目指し穏やかになることを目指して作られた味ではなく、ガツンとくる。
前も後も、この瞬間のために存在しているという瞬間。

【Kawasaki Point】
98point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:ザ・ニッカ 40年熟成(The Nikka 40yo)
地域:Japan
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

定価50万円のウィスキーだけあって箱も凝っている

開封前

12年と同じ形のボトルだが、文字はプリントではなく、彫ってある

オリジナルグラス付き

開封

斜め上からの写真。
エンブレムと文字のエンボス(彫込)が分かるだろうか

流れ出る音楽

オーケストラがクライマックスに達し・・・

前も後も・・・







レビュー:駒ヶ岳 ザ・リバイバル 2011 六月の雨上がり・・・

駒ヶ岳 ザ・リバイバル 2011(KOMAGADAKE THE REVIVAL 2011)を飲んだ。56点。

「駒ヶ岳」ブランドを生み出しているマルスウィスキーの生みの親は岩井喜一郎という人物だ。この人、“マッサン”として知られるジャパニーズウィスキーの父、竹鶴政孝と縁が深い。当時、竹鶴政孝をスコットランドへウィスキー留学させてくれた会社の上司が岩井喜一郎であったのだ。(そもそも政孝は岩井喜一郎を頼って摂津酒造に入社した)
ところで、ウィスキー蒸溜所の経営はギャンブルの要素が多く不安定だ。マルスウィスキーもしばらく蒸留をストップしていたが(その間も熟成させていた原酒でリリースはしていた)、2011年に19年ぶりに新規の蒸留を再開した。そして、蒸留再開後の初リリースがこのボトル。最低限の3年しか熟成させていないが、「REVIVAL(復活)」のネーミングにつくり手の意気込みがうかがえる。

さて、このボトルの香味はどうだろうか。

The Revival 2011 駒ヶ岳

【評価】
爽やかな麦の香りと強烈なアルコール!森林浴をしているような爽やかさの後ろに乳酸のうまみ。
六月の雨上がりの苔むす森林。爽やかでありながらも鮮烈な印象。
あぁ、ここにウィスキーが生まれてきたのか。

【Kawasaki Point】
56point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:駒ヶ岳 ザ・リバイバル 2011(KOMAGADAKE THE REVIVAL 2011)
地域:信州、Shinshu
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

マルスウィスキーのエンブレム

稜線をイメージしたエンボスの施されたボトル

6,000本限定

非常に若い色。美しい。









レビュー:フロム・ザ・バレル 滑らかで情熱的・・・

FROM THE BARREL(フロム・ザ・バレル)を飲んだ。86点。
実勢価格が1,000円台の流通力のあるウィスキーを1,000円台ウィスキーシリーズとして紹介しているが、フロム・ザ・バレルもそのひとつ。

このウィスキーはコンセプトがおもしろい。熟成したモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたあと(普通この段階で出荷するが)、さらに樽に入れて熟成させる。これによってひとつのウィスキーとしての香味の調和を図る。この手法はマリッジ(直訳すると“結婚”)と呼ばれている。そして、その樽からほぼ“樽出し”の状態でアルコール度数51%でリリースされる。実際には割り水を使用(加水)しているが、このウィスキーではアルコール度数を一定にする調整程度のようだ(割り水しなければ法的基準をクリアするため樽ごとにわずかに違う度数表記をいちいち変えなければならない)。この“ほぼ樽出しそのまま”が、このフロム・ザ・バレルのコンセプトなのだ。

さて、このボトルの香味やいかに。

ニッカ フロム・ザ・バレル

【評価】
グラスから立ち上る香りは、きわめてスウィーティーでフレッシュな木苺。ほのかに香る古びた本や灰の香り。アルコールが鼻腔を満たすがさわやかな甘みを届ける。
口に含めば、滑らかで情熱的。軽くて鮮やか、だが色味は多くなりすぎない絵のような。
情熱を秘めた大人のウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:FROM THE BARREL(フロム・ザ・バレル)
地域:Japanese, 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

極めてシンプルなラベル。このウィスキーをよく顕している

四角い塊のようなボトル
フランスではコスパとボトルの扱いやすさから
カクテルの割り材としての需要が伸びているようだ

色味は多くなりすぎない絵のような







レビュー:イチローズモルト MWR どこかに優雅さを・・・

Ichiro's Malt MWR(イチローズモルト ミズナラ・ウッド・リザーブ)を飲んだ。83点。

イチローズモルトというブランドは2004年に設立されたばかりの会社「ベンチャーウィスキー」からリリースされている。ウィスキーの新しいブランドや蒸溜所が生まれることはとてもワクワクすることだ。世界でも多くの蒸溜所が生まれていると聞く。アメリカでは現在進行形で多くの小規模蒸溜所が生まれていると聞くし、今年WWA(ワールド・ウィスキー・アワード)でベスト・シングル・ウィスキーに輝いたのはタスマニアの蒸溜所「サリヴァンズ・コーヴ」で設立は1994年。一般企業で10年や20年といえばなかなか厚みのあるイメージを受けるが、1700年や1800年代から操業していますといった老舗がゴロゴロいるウィスキー蒸溜所の中では「新しい」部類に入る。

歴史があることと、新しいことは、どちらも同じほど素晴らしい。ウィスキー好きとしてはこれからも多くの蒸溜所による多種多様なウィスキーのリリースを期待するばかりだ。

さて、今回のMWRはMizunara Wood Reserveの略のようだ。ミズナラは日本の蒸溜所が用いることがある樽材で、独特の香味が付与される。白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)などのお香を想起させるとよく言われる。日本人にとっては高貴なイメージとして結びつきやすく、ヨーロッパ人にとってはエキゾチックでより刺激的な香りと受け取られることもあるようだ。

さて、このボトルの香味はどうだろうか。

イチローズモルト ミズナラ・ウッド・リザーブ

【評価】
グラスを傾け鼻を近づければ、小石と小石の間をすり抜けるように流れていく水、川のほとりに石で釜を組んでおこなう飯盒炊爨(はんごうすいさん)。炊けていくご飯の甘い香り。誰かが取り出したチョコレート。
口に含めば、独特の木の苦味。深く突き刺さるような苦みではなく、どこかに優雅さを漂わせながら香り続ける。上質な川魚を焼いた時の皮の苦味のニュアンス。
ユニークな苦味のハーモニーを楽しむ一杯。

【Kawasaki Point】
83point

【基本データ】
銘柄:Ichiro's Malt MWR(イチローズモルト MWR)
地域:Chichibu, Japan 日本、秩父
樽:Mizunara, ミズナラ
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル



イチローズモルトのラベルは葉っぱの形

埼玉は秩父にある蒸溜所

どこかに優雅さを漂わせながら香り続ける・・・




レビュー:ブラックニッカ 初期リリース 甘みがそのまま・・・

BLACK NIKKA WHISKY(ブラック・ニッカ・ウィスキー)を飲んだ。ボトルはおおよそ初期リリースのものらしい。
ということはつまり、竹鶴政孝が社長をしている頃のものであるが、残念ながらすでにほとんど現存しない。近々、復刻版がリリースされるとのことだが、元にしている香味はこのボトルの中身と同じものだろう。
さて、どのような香味なのだろうか。

初期リリースの「ブラック・ニッカ」

【評価】
グラスから立ち上るのは、すごく強い麦。まっすぐこちらに向かってくる。実直な香り。ほのかにいぶした麦の焦げ感がこみあげてくる。
口に含めば、独特の陶酔感。麦ジュースの甘みがそのまま濃く煮詰まって厚みを増している。
飲み進めて酔いたくなる味。

※保存状態も良かったのか生き生きとした味だった。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:BLACK NIKKA WHISKY(ブラック・ニッカ・ウィスキー)
地域:Japan
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

年季の入ったボトル

BLACK NIKKAの丸い札の裏側には
「リボンは飾りでございますのでそのままにして御使用下さい
◎印の所を指で裂いてお開け下さい」
とある

「RARE OLD」に雰囲気を感じる
ニッカの狛犬のエンブレム
すべてアルファベット表記
これをリリースした時、竹鶴政孝はどのような心持ちであったか

日本のウィスキーの歴史上記念碑的なボトル


飲み進めて酔いたくなる味





レビュー:マスターブレンダーズブレンド 12年 赤い水彩絵の具・・・

Master Blender's Blended Whisky 12yo 70th Anniversary Selection(ニッカマスターブレンダーズブレンド 12年熟成)を飲んだ。87点。
いまからちょうど10年前の2004年、ニッカの創業70周年を記念したボトルがいくつかリリースされていた。写真は4本セットの箱入りのリリースで、今回取り上げるのはそのうちのひとつ。
マスターブレンダーというのはニッカのウィスキーづくりの総監督だが、実際にその方の手書きのサインが書かれた貴重なボトルだ。

マスターブレンダーズ・ブレンド ニッカ12年熟成

Master Blender's Blended Whisky 12 years old

【評価】
グラスから立ち上る香りは、花火終わりのクヌギの木。蜜の香りと、赤い水彩絵の具。夜の潮騒。
口に含めば、重たくて冷たい鉄の棒。土の香り。苔と苔の花。白くて小さい。
金属音みたいなジャズピアノを聴きたくなる一杯。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:Master Blender's Blended Whisky 12yo 70th Anniversary Selection(ニッカマスターブレンダーズブレンド 12年熟成)
地域:Japan
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

4本セットが木箱入りでリリースされた。
余市12年、宮城峡12年、カフェグレーン12年、
そして今回取り上げたマスターブレンダーズブレンド12年。

苔と苔の花。白くて小さい。






レビュー:余市1992 12年 ニッカ70周年記念ボトル ガラスにはめ込んで・・・

余市1992 12年熟成 ニッカ70周年記念ボトル(Yoichi 1992 12yo)を飲んだ。85点。
今年2014年はニッカの創業80周年でさまざまな記念ボトルがリリースされているが、丁度10年前の2004年にも記念ボトルがリリースされていたようだ。今回取り上げるのはニッカ創業70周年の記念ボトルのひとつで、マスタ-ブレンダーの佐藤茂生氏のサイン入りだ。

さて、どのような香味の世界なのか。




【評価】
グラスから立ち上る香りは、燃えている薪の香りを煙ごと四角いガラスにはめ込んで眺めているかのような。カカオの濃いチョコレートのかけら。生き物のようにダイナミックに変化する。
口に含めば、ろうそくの炎が熱く舌の上で燃えて、ロウが溶けていく。ロウが溶けるとチョコレートに変化する。
熱いが静かなウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:余市12年(Yoichi 12yo)
地域:Japan
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

こっちが余市12年

熱く舌の上で燃えて、ロウが溶けていく