ラベル 熟成年数:26-30年 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 熟成年数:26-30年 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

レビュー:ホワイト&マッカイ 30年 スパイスを乗せた上品

WHYTE & MACKAY 30yo(ホワイト&マッカイ 30年熟成)を飲んだ。86点。
ラベルのダブルライオンが目を引く、有名なブレンデッド・ウィスキーだ。

黒いボトルに金のWライオン。ホワイトマッカイ30年のボトル

このウィスキーは「ダブルマリッジ」製法を採用(モルトウィスキー同士をブレンドした後、樽で寝かせ、さらにグレーンウィスキーをブレンドし、もう一度寝かせる)。ブレンドした後に樽で寝かせるほど、調和が取れていくイメージだろうか。
(ブレンデッドとは何かについてはこちらを参照

さてはて、その香味は?


【評価】
グラスから立ち上るのは、甘く、樽の香りが深く、レモンなどの柑橘の苦味をわずかに感じるが、スパイシー。ごうごうと落ちる滝のような堂々たる清涼感もある。
口に含めば、甘く熱く入ってくるが、樽の木とスパイシーが軽妙に上がってくる。余韻として穀物の焦がし感。
ふくよかなグレーン(穀物)の飲みやすさに、スパイスを乗せた、上品なウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:WHYTE & MACKAY 30yo(ホワイト&マッカイ 30年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

光るWライオン

ライオンと年数だけのシンプルなラベル




ダブルライオンのバッジ

裏返せばWHYTE&MACKAY

グラスゴー

口に含めば、甘く熱く入ってくるが、樽の木とスパイシーが軽妙に上がってくる





甘く、樽の香りが深く、レモンなどの柑橘の苦味をわずかに感じる





レビュー:マルス モルテージ 3 plus 25 夏の果実と、麦の香り

MARS MALTAGE 3 plus 25(マルス モルテージ 3 プラス 25)を飲んだ。87点。

WWA2013(ワールド・ウィスキー・アワード)で「ベスト・ブレンデッドモルト」に選ばれたボトルだ。この「ベスト」は世界の最高賞ということで、WWAのベストはそれなりにすごい。(シングルモルト部門では「アードベッグ・ガリレオ」や、ブレンデッド部門では「響21年」がそれぞれベストに選ばれている)
このウィスキーをつくっているのは「マルス蒸留所」という蒸留所だ。ジャパニーズ・ウィスキーの中でも、サントリーやニッカに比べれば知名度は低い。今回の初受賞で、このボトルは一気に売り切れ、その他のボトルにも注目が集まっている。(ちなみに、当ブログ選出2012の最優秀賞は、同じマルス蒸留所の「駒ヶ岳1985」だ。こっちをエントリーしても面白かったと思う)

「3plus25」というのは、鹿児島で3年寝かしたあと、信州で25年寝かしました、という意味。結局28年熟成。あんまりウィスキーが「お引越し」することはないので、珍しいといえる。今回の受賞で改めて味わってみた・・・さて、その香りと味はいかほどか。

初エントリーで初受賞、おめでとう!



【評価】
グラスに鼻を近づければ、甘くふくよかな香り。うっとりする、木の酸味とスパイシーさが、アルコールに乗る。木造校舎と砂煙。川魚の燻製。
口に含めば、爽やかな夏の果実の甘み。熱く上がってくるアルコールが、ジリジリと麦芽のうまみを分解する。その後に、ノドで感じる甘み。
爽やかで奥深いウィスキー。

【Kawasaki Point】
87point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:MARS MALTAGE 3 plus 25(マルス モルテージ 3 プラス 25)
地域:信州、Shinshu
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル





うっとりする、木の酸味とスパイシーさが、アルコールに乗る

爽やかで奥深いウィスキー



レビュー:トーモア1983 28yo SMWS 105.19 賛美歌にスパイスを

Tormore 1983 28yo SMWS 105.19(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのトーモア1983 28年熟成)を飲んだ。86点。
SMWSは世界最大のウィスキー愛好家コミュニティである。スコットランドの首都、エディンバラに本部がある。会員しかその酒を買うことは出来ず、本当にウィスキー愛好家のための集団だ。ボトルも特徴的。華美ではなく、スッキリとそぎ落としたデザインで、蒸留所の名前は書かれておらず、番号でどの蒸留所の何番目のリリースのボトルであるかを示す。このストイックさが(例えばワインなどとは違った)、ウィスキーらしいカッコよさだろう。
そして必ずどのウィスキーにもタイトルがついている。今回のトーモアには、
‘神の御子は今宵しも’ ‘O Come All Ye Faithful’
というタイトルがついている。美しい賛美歌のタイトルだと思われるが、なぜこのウィスキーにこのタイトルなのか、正直、意味は分からない。しかし、これは詩なので意味が分からなくてよい。
さて、その香りと味はいかほどに。

華美ではなく、スッキリとそぎ落としたデザイン

【評価】
香りは刺激的。グレープフルーツを右手にもって、テーブルの上にはコンソメスープがある。スパイシーかつ、旨みのある香り。さらに辿れば、テールスープのスパイシーさだ。
口に含めば、一転してすっきりとした味わい。目が覚める!花々を感じる。濃縮されたうまみ。
確かに、賛美歌のような和声は感じるウィスキー。・・ただ、賛美歌よりもやや刺激的。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:105.19 Yoichi Tormore 1983 28yo(トーモア1983 28年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽: 1stSherryHogg, 1度目のシェリー・ホグスヘッド
ボトル:Scotch Malt Wisky Society スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ

口に含めば、一転してすっきりとした味わい。目が覚める!

トーモアは「大きな丘」という意味。スコットランドのハイランド地域にあるその蒸留所の位置を、地図で確かめてみて。

大きな地図で見る


レビュー:SMWS 春の試飲会 ~12本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの春の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Spring Bottles Sampling)
分かりやすく言うと「5,000円で12種類のウィスキーが飲み放題」、という大変お得な会だ。まぁご想像の通り、アルコール度数の高いウィスキーをガバガバ呑めはしないのだけれども。春夏秋冬の季節ごと、全国で年4回開催されている、通称「おとなの飲み放題」だ。(開催情報はこちら

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティは、ボトラーズ。いろんな蒸留所から樽を買って、いい感じの時に瓶詰めして販売する。このボトラーズの特徴は、会員しか買うことが出来ないという点だ。(実際には会員に買ってもらったものを譲り受けたりすれば、会員じゃなくても手に入れられるけど)また、このボトルを入れているバーもちらほらある。

SMWS 2013年 春のボトルサンプリング会


今回は2013年春に発表された12種類のボトルのテイスティング・レビューを掲載する。
12位から1位までを一挙公開。
(ウィスキーの名前の冒頭についている数字は、SMWS独自の蒸留所と樽コード)


12位

R 1.4 PORTMORRANT1991 21yo (ポートモーラント1991 21年熟成)

【Kawasaki Point】
53point
【評価】
香りは、ミントキャンディ。古い木の棚。口に含めば、まとまった味わいだが、紹興酒。
ソサエティから出るラムとしてはハッキリ言って期待はずれ。前回のラム(R5.2)は良かったのに・・。


11位

33.128 ARDBEG 2005 7yo (アードベッグ 2005 7年熟成)

【Kawasaki Point】
68yo
【評価】
グラスに鼻を近づければ、炭の香りが強く主張する、青々とした茎の太い草を感じる。
口に含めば、煙が上がってくるが、同時に青臭い。


10位

37.53 CRAGGANMORE 1985 27yo (クラガンモア 1985 27年熟成)

【Kawasaki Point】
68point
【評価】
香りは甘くスパイシー。スパイスの上に柑橘のピール(皮)が乗る。アルコール感は強め。
口に含めば、刺激が小さく弾ける。アルコールに乗ってバーボン樽。肉汁、コンソメ、ブラックペッパー。香りの奥行きを感じる。
早めの時間に一杯飲みたい。



9位

93.54 GLENSCOTIA 2002 10yo (グレンスコシア 2002 10年熟成)

【Kawasaki Point】
71yo
【評価】
漂う香りは、清涼感のある、冬の生きている獣の毛の香り。
グラスを傾け一口含めば、鹿の毛を口に入れたかのよう。トウガラシパウダー。


8位

85.25 GLEN ELGIN 1999 13yo (グレンエルギン 1999 13年熟成)

【Kawasaki Point】
78yo
【評価】
グラスから立ち上る香りは、さわやかなぶどうとパイナップル、マスカットのミックスジュース。
口に含めば、少し煙たいバーベキューのほとりでかじった木の板。


7位

73.54 AULTMORE 1992 20yo (オルトモア 1992 20年熟成)

【Kawasaki Point】
80yo
【評価】
香りは、スイカ。ホースの水。陽炎と、山の上で突如吹く風の清涼感。
口に含めば、ヒレ肉、バターガーリック。木のうまみ。焦がした金網。


6位

29.128 LAPHROAIG 1990 21yo (ラフロイグ 1990 21年熟成)

【Kawasaki Point】
85yo
【評価】
薫るのは、燻製と、正露丸。少しのペッパー。
口に含めば、燻製したシャケトバ。囲炉裏の鉄瓶に垂らした醤油。
山荘にこもって書き物をしたくなるウィスキー。


5位

41.55 DAILUAINE 2004 8yo (ダルユーイン 2004 8年熟成)

【Kawasaki Point】
86yo
【評価】
グラスから薫るのは、花々がトラックの荷台に揺れて、麦畑を進む風景。
口に含めば、ゆっくりと分解されていく麦の味。まとまりと主張を感じる。


4位

64.42 MANNOCHMORE 1990 22yo (マノックモア 1990 22年熟成)

【Kawasaki Point】
86yo
【評価】
香りは、オレンジとグレープフルーツのかご。ガラスの中の煙。
口に含めば、シェリーの緩やかな香り。ぎゅっと詰まってはいない味。オレンジピールの苦味。
主張は強くはないが、何気ない午後に本を読みながら飲みたい。


3位

44.56 CRAIGELLACHIE 1989 23yo (クレイゲラヒ 1989 23年熟成)

【Kawasaki Point】
86yo
【評価】
グラスに鼻を近づければ、うっとりする畳の間の香り。バターの枯れた草。優雅。
ところが口に含むと、一転してスパイシー。花々の香り。うすくゆっくり二つ隣の席のドライフルーツを感じる。
香りと味に裏切りがあり、微笑をもたらすウィスキー。


2位

27.100 SPRINGBANK 2000 12yo (スプリングバンク 2000 12年熟成)

【Kawasaki Point】
87yo
【評価】
香りは、水仙のような華やかさ。鉄。水。
口に含んで舌でころがせば、華やかさは水に溶けて穏やかに香る。水苔。花弁を乾燥させた感じ
後味が鉄なのに、激しさではない。味わいを感じる。


1位

7.81 LONGMORN 1992 20yo (ロングモーン 1992 20年熟成)

【Kawasaki Point】
88yo
【評価】
香りは、缶詰のパイナップルの汁。湿度を感じる(ドライではない)。ホワイトペッパー。
口に含めば、ゆっくり滑らかなのに鋭くうまみ。ただし果実感ではない。
爽やかな夏の朝に、風でレースカーテンが揺れ、ゆっくり時間が流れるかのようなウィスキー。



今回のサンプリング会には、スコットランドはエディンバラから参加した人もいた。SMWSの会員で、日本旅行中にインターネットでサンプリング会があると知り参加したという、筋金入りのウィスキー好きだ。彼のお気に入りはオルトモアとラフロイグだった。ちなみに、グレンスコシアのスコシア(scotia)は、スコットランド(scotland)の古い言い方だ、というプチ情報もくれた。
また、参加者の中には私が11位にしたクラガンモアを1位に挙げる人もいた。また、6位のラフロイグは、「長熟の割りに期待を裏切られた」という声もあった。1位にしたロングモーンはやはり概ね評価が高かったようだ。

とにもかくにも春の宴は、さまざまの幸せそうな声で包まれていた。



レビュー:トマーティン1977 30年 リンブルグ・ウィスキーフェア

Tomatin 1977 30yo Limburg Whisky Fair(トマーティン1977 30年熟成 リンブルグ・ウィスキーフェア)を飲んだ。85点。
ドイツ南部のリンブルグという町で年1回開かれるウィスキー・フェア。いろんなウィスキーが集まる世界的なイベントのようで(俺の町でもやってくれないかかな・・)。そのフェアの主催者が、毎年何種類か出すようですが、今回のトマーティンはその内の一本(世界で223本限定)。
(尚、国分300周年限定ボトルのトマーティン30年の記事はこちら

【評価】
グラスから立ち上るのは、深いぶどうと樽の香り。甘ったるくないのは、樽の熟成された渋みがバランスを取っているから。新緑の広葉樹の葉っぱ。
口に含めば、甘みが水平に広がる。木と葉の香りがふわっと芳ばしく、相応の深みがあり、瑞々しさがある。長熟にありがちな醤油の香りのえぐみがない。綺麗にニスが塗られた木の杖。
長熟なのに、若々しさの森につれてこられたかのよう。沈み込まないが、口の中で、そして鼻へ深さが広がる。
軽やかさをまとった長熟のまとまりを感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Tomatin 1977 30yo  Limburg Whisky Fair(トマーティン1977 30年熟成 リンブルグ・ウィスキーフェア)
地域:Highland ハイランド
樽:Oak, Bourbon Hogshead, バーボン・ホグスヘッド
ボトル:LINBURUG Whisky Fair, リンブルグ・ウィスキー・フェア


深いぶどうと樽の香り

木と葉の香りがふわっと芳ばしく、
相応の深みがあり、瑞々しさがある

軽やかさをまとった長熟のまとまりを感じる


リンブルグ・ウィスキー・フェアの公式紹介動画。
う~ん、大勢の人々、さまざまな蒸留所、ボトラー、セミナーに料理教室・・
ドイツ語分かりませんが、とにかく幸せなフェスティバルのようですね。



レビュー:トマーティン30年 国分300周年限定

TOMATIN 30yo KOKUBU 300 years Anniversary(トマーティン30年 国分300周年記念)を飲んだ。90点。
昨年(2012年)、大手お酒卸の国分が創業300周年を記念し、トマーティンの大キャンペーンを張った。全国を大型バスで巡りイベントを催した。この頃、トマーティン推しのバーも多かったはず。また、今回紹介するボトルを発表した。なんでもオロロソシェリー樽のみで30年熟成させた貴重な原酒らしい。ボリュームがあまり取れなかったのかボトルは325ml、通常の750mlの約半分。

【評価】
香りを嗅げば、厚みのある木の板を連想させる。その表面は少し焦げている。渋いが、フローラル。セメダイン。風に揺らぐ色とりどりの花々が、ある瞬間を切り取った写真のように、ピタッと香りのバランスを固定される。その写真は日焼けした紙のアルバムに貼られ、郷愁の香りとなる。
口に含めば、まろやかな甘みと重み。夜間飛行のよう。しじまの闇の中をプロペラの音だけで進む。この味の重みで瞑想し、生まれてから今までのすべてを洗い流したくなる。
静かに飲む、爽やかなのに深いウィスキー。

【Kawasaki Point】
90point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:TOMATIN 30yo KOKUBU 300 years Anniversary(トマーティン30年 国分300周年記念)
地域:Highland ハイランド
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:KOKUBU, 国分


香りを嗅げば、厚みのある木の板を連想させる

まろやかな甘みと重み。夜間飛行のよう

ド・シェリーな味わい。爽やかなのに深いウィスキー

トマーティン蒸留所の近くには、ネッシーでおなじみネス湖があるって知ってました?
地図を拡大して確かめてみて。

大きな地図で見る




Kawasaki's Whisky Award 2012 ~2012年もっともオススメのウィスキー~


その年、もっとも輝いたウィスキーに贈られる Kawasaki's Whiskey Award が今年も発表されました。厳選なる審査の結果は下記のとおりです。


最優秀ウィスキー賞
~今年もっとも輝いたウィスキー。陰と陽をバランスし、飲む者の人生に深みを与える~

駒ケ岳 1985 Sherry Cask Strength (Age:27)

駒ケ岳 1985 Sherry Cask Strength (Age:27)


信州はマルス蒸留所の皆様、おめでとうございます。

“繊細な香りは、まるで香水のよう。香りのハーモニーにより、樽出しの60.7度ものアルコールはその強さを感じさせず、このウィスキーを支える必然となる。口に含むと、シェリー樽の木の繊維の一本一本を伝えてくるように、うまみと深みとコクが次々と展開される。思わずウットリするが、決してしつこくならず、次の一杯を「より味わうように」と誘われているかのよう。軽さと深さ、高音と低音、飲みやすさと味わい、相反する要素を見事に統合している。ジャパニーズウィスキーの最高峰に位置する逸品である”

あまりメジャーな銘柄ではありませんが、真摯なウィスキーづくりが審査員の心を揺さぶりました。2012年の最優秀ウィスキーという評価です。



最優秀新人賞
~今年もっとも驚きをもたらした若いウィスキー~

THE COOPERS CHOICE  LAPHROAIG 2005 (AGE:6)

THE COOPERS CHOICE  LAPHROAIG 2005 (AGE:6)


グラスゴーはバーズデンのブライアン・クルックさん、受賞おめでとうございます!

“わずか6年という若いウィスキーであるが、その成熟と骨格は信じられないほど。フレグランスはオイリーでスパイシー、スウィートでさわやか。しかし口に含むと、若いが、若いが、しっかりとしたラフロイグ。この若さでこの骨格を持っていることに驚かされる。まるで何かの宿命を背負って生まれてきた赤子の意志の強い目ような。フィニッシュは、長くデクレシェンドしていく。満足を与えてくれる一本”



最優秀技術賞
~今年もっとも高いウィスキー技術に贈られる。次のウィスキーの発展を予感させる~

THE LADDIE TEN (AGE:10)

THE LADDIE TEN (AGE:10)



アイラ島はブルイックラディ蒸留所のジム・マッキュワンさん、おめでとうございます!

“ノンピートであるが、アイラ島の湧き水を使うことによりピート香を感じさせ、グレープフルーツ、レモン、蜂蜜、本当にわずかなバター、潮、煙。爽やかで飲みやすいウィスキーに仕上がっている。何度飲んでもそのバランス感覚には舌を巻く。ウィスキーには珍しく、食前、食中、食後、いずれの場合にも合う。ボトルデザインも秀逸。日常のドリンクとしてのウィスキーと、フレグランスのアートとしてのウィスキー、その両面をバランスした、魂の主張が感じられる一本”
復活系蒸留所のBRUICHLADDICHの、復活後、最初の一本です。素材はすべてアイラ原産にこだわり、産業としてのウィスキーを発展させようとしているジム・マッキュワン氏の行動力も、審査員に高く評価されました。




最優秀特殊効果賞
~こんなウィスキー、アリ!?と思わずつぶやくウィスキーに贈られる~

OCTMORE シリーズ(特に5)

アイラ島はブルイックラディ蒸留所のジム・マッキュワンさん、またしてもおめでとうございます!

“世界一のピート。これまでの世界一であったアードベックのフェノール値を、3倍以上にして更新するという、ぶっちぎりの世界一を突然成し遂げ、ウサイン・ボルトが如く、自らの世界記録を塗り替え続けている。なぜこんなにピートを効かせても、ウィスキーとして成立するのか。オクトモアの5番目のリリースではサブタイトルが「ベルベット手袋の中の鉄拳」であった。最初は、世界一のピートも、59.5度のアルコールも感じさせない。飲むと穏やか。しかし、飲んだあと徐々に、アルコールが上がってきて、強烈なピート香を感じさせ、虜にさせる。まさに、ベルベット手袋の中の鉄拳。新しいウィスキー体験を作り上げた一本”
復活した蒸留所ですが、挑戦者としての姿勢をとり続けていることが、審査員にも注目されたようです。




特別功労賞
~長年の功労をたたえる賞です~

White Oak あかし (AGE:14)


White Oak あかし (AGE:14)

明石は江井ヶ嶋酒造のみなさん、おめでとうございます!

さまざまな樽の実験を積み重ねておられる江井ヶ嶋酒造のこの「あかし」は、焦がしの香ばしさ、澄んだ麦の香り、マスカットフレーバーが絶妙に調和している。白ワイン樽フィニッシュが心憎い。文句なく美味いが、出会えることの少ないウィスキー。

新作のリリースも待ち遠しいですね。長く続けていただきたいと審査員一同申しております。


以上、Kawasaki's Whiskey Award 2012 でした。
来年も皆様が良いウィスキーに出会えますように。良いお年を。