ラベル Brand:Bowmore(ボウモア) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル Brand:Bowmore(ボウモア) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

レビュー:ボウモア1996 16年 モリソン&マッカイ 美しい世界観

Bowmore 1996 16yo MORRISON & MACKAY Seriese:WORLD WONDERS(モリソン&マッカイのワールド・ワンダーズ  ボウモア1996 16年熟成)を飲んだ。89点。

アルテミス神殿のラベル モリソン&マッカイの
ボウモア1996 16年熟成

ワールド・ワンダーズというシリーズは、「世界の7建造物」ということで、ラベルが古代ギリシャや古代ローマの建物になっている。このボウモアは、「TEMPLE OF DIANA AT EPHESUS」(エペソスのディアナ神殿)と書いてあり、一般的には「アルテミス神殿」と呼ばれている建造物だ。(古代ローマでの女神ディアナ=古代ギリシャでの女神アルテミス) ディアナは狩りや出産の女神で、今では分からないが、神殿はかなり壮麗なつくりだったようだ。

・・・などという歴史ロマンと、このボトルの中身のウィスキーがどう関係するかは、よく分からない。ウィスキーのラベルって、そういうことがよくある。

さてはて、その香味は?


【評価】
グラスから立ち上るのは、ピーチ、フレッシュなハニー、乾燥した木の枝、春の陽炎。繊細で、切ない。
口に含めば、丘の上から穏やかな大海の地平を見つめる開放感。木、桃、潮の見事なバランス。
美しい世界観をもったウィスキー。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄: Bowmore 1996 16yo(ボウモア1996 16年熟成)
地域:Islay (アイラ)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:MORRISON & MACKAY, モリソン&マッカイ



ピーチ、フレッシュなハニー、乾燥した木の枝

木、桃、潮の見事なバランス

美しい世界観をもったウィスキー


ラベルとなっているディアナ(アルテミス)神殿のあったとされる場所はこちら。ギリシャの向かい側、今のトルコの西側だ。

大きな地図で見る



レビュー:SMWS 夏の試飲会 ~13本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの夏の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Summer Bottles Sampling)
この試飲会は、「5,000円で12種類のウィスキー飲み放題」の会だ。春・夏・秋・冬の毎シーズンに各地で開催される。20歳以上のあなたなら、気軽に参加できる。ウィスキーの知識などなくても「飲みたい」という気持ちさえあればいい。残念ながら夏の会はもう終わったが、また秋にあるだろう。
(イベントの開催情報はこちらのページでチェックしてほしい)
参考:春のサンプリング会のレビューはこちら

ちなみに「ソサエティ」とは、世界最大のスコッチ・ウィスキー愛好団体で、本部はスコットランドのエディンバラにある。世界のモルトウィスキーを樽で買い、樽出しのまま、一切ブレンドや加水せずリリースする。



今回は通常の12本に加えて、「ソサエティ日本支部設立20周年記念ボトル」が1本加わっていた。計13本のテイスティングの結果、13位から1位までを一挙公開する。
(ウィスキーの名前の冒頭についている数字は、ソサエティ独自の蒸留所と樽コード)
(点数の意味はこちら


13位
29.133 LAPHROAIG 1993 19yo(ラフロイグ 1993 19年熟成)
【Kawasaki Point】
56point
【評価】
香りは、夏の涼しい日陰の午後、ドライ、塩み、甘くふくよかなラフロイグ。
口に含めば、主張がはっきり、だがぼやける余韻。まとまりきっていない。
日本支部設立20周年記念ボトルのひとつだったが、期待が外れた。


12位
72.26 MILTONDUFF 1983 29yo(ミルトンダフ1983 29年熟成)
【Kawasaki Point】
58point
【評価】
香りは、暑い夏にはうっとおしい。安い甘み、たばこの煙。ウッディ、それだけ。
口に含めば、バニラ、トーストを木の皿で、小気味よく、甘くうっとり華やかになる。


11位
53.189 CAOL ILA 1995 17yo(カリラ 1995 17年熟成)
【Kawasaki Point】
68point
【評価】
香りは、ハチミツとミントがほのかに香る煙。頬ずりしたくなる優しい木の家具。鉄、水道の蛇口。
口に含めば、柔らかく入ってきた後に煙が暴れる。熱い余韻が狂おしい。驚きやバランスはもうひとつ。


10位 
31.25 JURA 1988 24yo(ジュラ 1988 24年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
香りは、生い茂る草むら、粉っぽい和菓子の砂糖、花。
口に含めば、スッキリ目覚める、華やか、しかし草つゆの爽やかさ。


9位 
1.169 GLENFARCLAS 1984 28yo(グレンファークラス 1984 28年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
香りは、シナモンの乗ったバニラアイス、メープルシロップがけ。
口に含めばスパイシーで、ジリジリと香り、うまみを伝える。少し味わいの厚みが薄い。


同点6位 
4.176 HIGHLAND PARK 1991 21yo(ハイランドパーク 1991 21年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
香りは、スッキリしており、ひんやりとした大理石、スイカ、火薬、麦々しさ。
口に含めば、クリアー、透明感、夏の鉄道レール。


同点6位 
G10.3 STRATHCLYDE 1988 24yo(ストラスクレイド 1988 24年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
※これはグレーンウィスキー。
おだやかでゆったりとしている味わい、通常ブレンデッドの土台となるグレーンウィスキーだが、これなら単体として成り立つ。素晴らしいグレーン。


同点6位 
76.102 MORTLACH 2003 9yo(モートラック 2003 9年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
香りは、夏の日の水さし、バニラ、ジンジャー、バナナの華やかさ。
口に含めば、甘みと同時に感じる潮味。展開される香味のバリエーションは限定的だが、主張はハッキリとして、しかもまとまっている。これが9年の熟成とは・・。


同点3位 
121.61 ARRAN 2002 10yo(アラン 2002 10年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
香りは、醤油の酸味、バター、バナナ、空間的な奥行きを感じる。
口に含めば、ゆっくりと展開していく。ザ・シェリーな一杯。


同点3位 
9.70 GLEN GRANT 1995 17yo(グレングラント 1995 17年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
香りは、まず最初にかなり強めのアルコール感、そのあとに香木。
口に含めば、インパクトの強いアルコールだが、クリーミィ、時間をかけて少しずつ分解されていく・・。不思議な扉をあけていく。煙。そして憧れ。


同点3位 
127.30 PORT CHARLOTTE 2002 10yo(ポートシャーロット 2002 10年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
香りは、煙の立ち込める数奇屋の茶室、ミントキャンディ、珪藻土。
口に含めば、刺激の奥に甘さ、しかしその後、スーッと消える。意外性のあるウィスキー。


さて、いよいよ今回の1位。なんと2つのボトルが同点。


同点1位
3.203 BOWMORE 1988

3.203 BOWMORE 1988 24yo(ボウモア 1988 24年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
香りは、華やかでおだやか、ほのかにラベンダーが香る。
口に含めば、プレゼントされたひと束のラベンダー。大きな花束ではなく、ひと束。渡されて、胸元にある。いつまでも嗅いでいられる香り。


同点1位 
39.89 LINKWOOD 1990

39.89 LINKWOOD 1990 22yo(リンクウッド 1990 22年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
香りは、あまさの奥に隠れたスパイス、山小屋、青空。
口に含めば、熱さも清流もある。複雑な要素を、秀逸なバランスでまとめている。



今回のサンプリング会では、「実力派ぞろい」というのが参加者の共通した意見であった。中には、私が9位にしたグレンファークラスを1位に挙げる人もいた。また、私が3位に挙げたアランの評価は人によってはずっと低かった。ただ、記念ボトルのラフロイグを推す声は聞かれなかった。

17時からの2時間で終わったサンプリング会だが、夏の19時はまだ空が明るく、もう一軒足を運ばずに入られなかった参加者も多かったようだ。まぁ、かくいう私も・・・。



レビュー:ボウモア1987 25年 枯れてくたびれた・・

BERRY BROs & RUDD のBOWMORE 1987 25yo(ベリーブラザーズ&ラッドのボウモア25年)を飲んだ。1980年代の希少なボウモア。88点。
ボウモア1987 23年と同じシリーズで、さらに2年熟成させたものだ。23年は驚異の98点だったが・・。

1987年のボウモア。80年代の輝き。



【評価】
グラスに鼻をやれば、煙たく香るくたびれたシュガー。い草の爽やかさと酸味。その香りは、くぐもっているのに存在感を放つ。
口に流し込めば、なめらかで、生ぬるく入ってくる。海岸の岩、甘いシロップ、鉛色の空で海は割と穏やかな風景が浮かび、ほのかに香る金属、そして、枯れ草の後味。
枯れてくたびれ果てた、だが穏やかで個性的なボウモア。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:BOWMORE 25yo (ボウモア25年)
地域:Islay (アイラ)
樽: Oak  オーク
ボトル:BERRY BROs & RUDD, ベリーブラザーズ&ラッド

海岸の岩、甘いシロップ

ほのかに香る金属、そして、枯れ草の後味

枯れてくたびれ果てた、だが穏やかで個性的なボウモア



レビュー:ボウモア1991 21年 デュワーラトレー 心に静けさを

A.D. RATTRAY Cask Collection BOWMORE 21yo (ボウモア21年熟成 デュワー・ラトレー社 カスク・コレクション)を飲んだ。85点。
このデュワー・ラトレイというボトラーズ(瓶詰め業者)は、かつてボウモア蒸留所のオーナーであったモリソン家によって運営されているようだ。ボトルには社長のサインがあり、自信の程をうかがわせる。

【評価】
グラスから立ち上る香りは、ぶどうの一房、雨の日の日本家屋、曇り空だが嵐の前の静けさ。小さな貝殻をじっくり眺める。空(から)のワインボトル。
口に含めば、生牡蠣の潮っぽさ。クリーミィな煙たさ。手のひらで感じるビーチの砂。
心に静けさを取り戻す一杯。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:A.D. RATTRAY Cask Collection BOWMORE 21yo (ボウモア21年熟成 デュワー・ラトレー社 カスク・コレクション)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:A.D. RATTRAY

グラスから立ち上る香りは、ぶどうの一房


かつてボウモア蒸留所のオーナーであった
モリソン家によって運営されている


口に含めば、生牡蠣の潮っぽさ。クリーミィな煙たさ。
1度使用したシェリー樽で熟成

社長(S.W.Morrison)のサイン入りで自信を示す

イギリスはアイラ島のボウモア蒸留所。湾がはっきり見える。
ボウモアはゲール語で「大きな湾」というのがよく分かる。

大きな地図で見る

レビュー:ボウモア1999 13年熟成 その恐竜を一度見たら忘れない

3Rivers, Dinosaur Series, BOWMORE 1999 13yo(ボウモア1999 13年熟成、三河屋の恐竜シリーズ)を飲んだ。88点。
このダイナソーシリーズのボトルは一度見たら忘れない。なんせ恐竜が描かれているのだから。調べたところ、今回の恐竜はSauropelta edwardsorum(サウロペルタ)のようだ。文献を当たってみたが、ボウモアとの関係性は一切見出せない。ボトラーのただの趣味だろう。しかし、ウィスキーの名前やボトルはなんせ覚えにくいので、こういう尖り方は好感が持てる。
三河屋はボトラーズだ。ボトラーズは蒸留所から樽を買ってきて、独自に寝かせたりして瓶詰めして世に出している(関連:「ウィスキーの“オフィシャルボトル”の意味とは?」)。この三河屋さんは、樽の買い付け1人、営業1人の計2名でやってるらしい。


【評価】
グラスから立ち上る香りは、甘く優雅で、大河のように大量にゆったりと流れてくる。ピートの香りが大河に含まれている。麻の繊維質、ややみかんやオレンジを思わせるフルーティさ。たいまつの炎。
グラスから口に流し込めば、鋭くピートが暴れる。酸味と甘みのバランスが最高で、うまみに昇華されている。重くないスパイシーな後味。
鋭さ、エッジ、うまみのバランスの取れたオシャレな一杯。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:BOWMORE 1999 13yo(ボウモア1999 13年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:3Rivers, Dinosaur Series, 三河屋の恐竜シリーズ

鋭さ、エッジ、うまみのバランスの取れた
オシャレな一杯

サウロペルタ。
ウィスキーの名前やボトルはなんせ覚えにくいので、
こういう尖り方は好感が持てる

日本から遠く離れたイギリスはアイラ島のボウモア蒸留所。(+や-のボタンで拡大縮小できる)
ここで作られた樽を日本のボトラーが買って、日本で流通し、われわれの口へ運ばれている。

大きな地図で見る



レビュー:ボウモア12年 ~全身で受け止める~

BOWMOER 12yo(ボウモア 12年)を飲んだ。85点。
「アイラの女王」と呼ばれるその香りと味は、いかほどに。

ときどきこのボウモアのように、「ド定番なオフィシャルボトル」を飲んで思うことがある。それは、記憶の中の味と、いま味わう味は、違うものだということだ。また、そう思わせてくれるウィスキーが良いウィスキーということでもあるのだろう。まるでなんども読み返せる本のように。

【評価】
澄んだ煙たい香り。果実の酸味。古い畳のい草。鉄板で焦がした醤油の蒸気。
口に含めば、まろやかなのに、全身で受け止めることを要求する味。その味の微妙なハーモニーは、和食の繊細さを思わせるほど。木と煙とキャンプファイヤー。
その味と香りを辿っているうちに、深いリラックスが与えられ、ふかふかのソファに沈み込んでいくような感覚を覚えるウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:BOWMORE 12yo(ボウモア 12年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, Bourbon, Sherry, オーク、バーボン、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


澄んだ煙たい香り。果実の酸味。

その味と香りを辿っているうちに
深いリラックスが与えられる

スコッチウィスキーのメッカ、アイラ島に位置するボウモア蒸留所の場所を地図で確かめて。

大きな地図で見る


レビュー:ボウモア1973 25年 キングスバリー

Bowmore 1973 25yo KINGSBURY'S (ボウモア1973 25年熟成 キングスバリー社)を飲んだ。85点。
70年代ボウモアは希少。
(ときどき考えるが、東京では一杯いくらするのだろうか・・・誰か教えて)


【評価】
グラスから立ち上るのは、ぶどうと塩気。しょう油。古めかしい西洋の鎧。華やかさとセピア色の思い出。
口に含めば、芳醇さ。すっと入ってくるのに驚くほど深い味わい。香水のようなハーモニーはすぐ消えるが、塩と煙の余韻を残す。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:BOWMORE 25yo(ボウモア 25年)
地域:Islay, アイラ
樽: Sherry, Bourbon シェリー、バーボン
ボトル:KINGSBURY'S


グラスから立ち上るのは、ぶどうと塩気。

キングスバリー社のこのボトルはもうほとんどないだろう。

香水のようなハーモニーはすぐ消え、塩と煙の余韻。

少し引きの画で。+ボタンを押して、ボウモア蒸留所の位置を確かめてみて。

レビュー:ボウモア1987 23年(ベリーブロス)

BERRY BROs & RUDD の BOWMORE 1987 23yo(ベリーブラザーズ&ラッドのボウモア23年)を飲んだ。1980年代の貴重なボウモア。98点。


【評価】
目の覚めるような香り。アルコールの香水。嫌味のない燻製の香りが奥に漂う。甘いラベンダー。首筋に垂らしたくなる。
口に含むと、香水が香水のまま、やや膨張しながら分解していく。残るものは、香水を感じた口腔のしびれ。細胞が光を放ち、背筋を伸ばしたくなる。ヘビーな香りを奥に隠している。
闇の中を差す光の筋を思わせるウィスキー。これはもうほぼ、文学だ。

【Kawasaki Point】
98point

【基本データ】
銘柄:BOWMORE 23yo (ボウモア23年)
地域:Islay (アイラ)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:BERRY BROs & RUDD, ベリーブラザーズ&ラッド


香水のような80年代ボウモア。これはもはや文学だ。


アイラ島の有名蒸留所ボウモアの位置を地図で確かめてほしい。Bowmoreは大きな岩礁という意味。

View Larger Map