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レビュー:ラフロイグ1990 21年 ハイスピリッツ 強いハチミツとバラ

Laphroaig 1990 21yo by High Spirits Natural Cask Strength Selection(ハイスピリッツ社のナチュラル・カスク・ストレングス・セレクションのラフロイグ1990 21年熟成)を飲んだ。87点。
(同じヴィンテージのカラーズコレクションとは異なる)

ハイスピリッツのラフロイグ21年 ヴィンテージは1990

【評価】
グラスから立ち上る香りは、赤い花の蜜。熟成され花畑に吹く風のような穏やかさをまとった煙。燻しの酸味と花の蜜がとろんととろけて黄金色の液体になったみたいだ。
口に含めば、強烈に熱く萌ゆるも、強いハチミツとバラの香りを放って、パッと消え、あっさりとしている。最後に木の香りを少しずつ伝え、このウィスキーのエンドロールのような。
変わった姿を見せるが、決しておどけているようでもなし、紗に構えているようでもなし、飽くまでも正統派であるが、個性の育った一杯といえる。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:Laphroaig 1990 21yo Natural Cask Strength Selection(ナチュラル・カスク・ストレングス・セレクションのラフロイグ1990 21年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:High Spirits(ハイスピリッツ社)





丁寧なテイスティング・ノート

燻しの酸味と花の蜜がとろんととろけて

飽くまでも正統派であるが、個性の育った一杯



レビュー:ラフロイグ1984 12年 ケイデンヘッド 詩人の書きかけの・・

WILLIAM CADENHEADのLaphroaig 12yo(ウィリアム・ケイデンヘッドのラフロイグ 12年熟成)を飲んだ。89点。
ケイデンヘッドは老舗のボトラー。この緑の瓶は美しい。

ウィリアム・ケイデンヘッドのラフロイグ 12年熟成

【評価】
グラスを傾け、鼻を近づければ、石畳の階段を降りて、草むらの庭にたどり着く。赤い実をつけた木の横に立って、子供達のサッカーを眺めている。煤(すす)けた石の壁、焚き木のあと。
口に含めば、円熟味を増したピアニストによるモーツァルトのような、膨らみのある甘さと、主張のバランスよ。強烈な光を放つ瞬間に出会う。
詩人の書きかけのノートブックをめくっているような、満足を得つつ、続きが気になる、そんなウィスキー。ストーリーのある煙。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: Laphroaig 12yo(ラフロイグ 12年熟成)
地域:Islay (アイラ)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:WILLIAM CADENHEAD, ウィリアム・ケイデンヘッド

石畳の階段を降りて、草むらの庭にたどり着く

煤けた石の壁、焚き木のあと

シングルカスクの魅力について

1984-1996 12年熟成

満足を得つつ、続きが気になる、そんなウィスキー

ラフロイグ蒸留所の位置を地図で確かめてみて。Laphroaigは「広い湾の側にある美しい窪地」という意味。

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レビュー:ラフロイグ1995 17年 SMWS 29.125 フルーツケーキとペッパー

Laphroaig 1995 17yo SMWS 29.125(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのラフロイグ 1995 17年熟成)を飲んだ。85点。
スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティは世界最大のウィスキー愛好家団体で、そのボトルは会員しか買えず、すべてがカスクストレングス(=樽出しのまんま)である。ボトルに書かれた「29」はラフロイグ蒸留所のことで、続く「125」はこの蒸留所の125番目のリリースであることを示している。

さてはて、このボトルの香味は?

ソサエティのラフロイグ1995 17年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づければ、甘いフルーツケーキ。生クリーム、メロンやピーチ、イチゴ。どこまでも上品で奥行きのある香り。煙があたりを包んでいる。ペッパー。
口に含めば、鼻から抜けるフルーツとペッパー。肉の旨味と煙。粗挽きのブラックペッパーを、少しの塩と味わっているような余韻。
食卓に誘う、想い出を刺激する一杯。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:Laphroaig 1995 17yo SMWS 29.125(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのラフロイグ 1995 17年熟成)
地域:Islay, アイラ島
樽: ReFill Bourbon Barrel,  バーボンバレル リフィル
ボトル:Scotch Malt Wisky Society スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ

ソサエティは、どのボトルも同じデザイン。
違うのはラベルの数字や内容だけ。

「あからさまなスウィートチリソーセージ」というタイトル

食卓に誘う、想い出を刺激する一杯

ラフロイグ蒸留所の位置を地図で確かめて。
たまにはものすごくアップの地図を。「-」ボタンでアイラ島の全体像も確認できる。

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レビュー:ラフロイグ2000 11年 リンブルグ・ウィスキーフェア ~煙たさと甘さのコラボレーション~

Laphroaig 2000 11yo  Limburg Whisky Fair(ラフロイグ2000 11年熟成 リンブルグ・ウィスキー・フェアー)を飲んだ。88点。
先日の、トマーティン1977 30年熟成に続いて、リンブルグ・ウィスキー・フェアのボトル。世界で276本限定。
ドイツのリンブルグで毎年開催されるウィスキー祭りの限定ボトル。珍しいのはラム酒樽フィニッシュということ。バーボン樽で寝かせたあと、最後が変わってる。最後にラム酒の樽に詰め替えて、少し寝かせて瓶詰めしているのだ。はて、どのような香味が付いているのか。


【評価】
グラスから立ち上る香りは、やわらかい煙とすぐ追っかけてくる砂糖の甘み。樽の淵についた砂糖。煙たさと甘さのコラボレーション。奥にしっかりとしたうまみの芯がある。
口に含めば、飲み口は柔らかく、まるでラム酒のよう。煙たさが柔らかさとなり、うまみをしっかりと届ける。若さがラムにより円熟味を加えられ、面白さとなる。
華やかさを加えたラフロイグ。


※それにしてもラフロイグは崩れない。若くとも長熟でも、今回のようにラム樽フィニッシュでも、その個性を保って、うまみを逃さない。よく「この蒸留所は○○年代がよかった」など言うことがあるが、ラフロイグは間違いなく“現役バリバリ”だ。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Laphroaig 2000 11yo  Limburg Whisky Fair(ラフロイグ2000 11年熟成 リンブルグ・ウィスキー・フェアー)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, Bourbon Hogshead, Rum, バーボン・ホグスヘッド、ラム
ボトル:Limburg Whisky Fair, リンブルグ・ウィスキー・フェア

One of 276 Bottles

2000年に蒸留され、寝かし、2011年に瓶詰めされている
やわらかい煙とすぐ追っかけてくる砂糖の甘み。
煙たさと甘さのコラボレーション



レビュー:ラフロイグ・クォーターカスク (優しいのに、激しい)

LAPHROAIG QUARTER CASK(ラフロイグ クォーターカスク)を飲んだ。85点。
クォーターカスクとは、1/4の樽で熟成させた、ということ。(クォーター=1/4、カスク=樽)
通常より容量が少ない分、中身のウィスキーは樽の影響を大きく受けるのだ。
乱暴に言えば、熟成とはウィスキーの原液が樽の影響を受けることだ。
このラフロイグ・クォーターカスクは、10年より年数は低いはずだが、なかなかの熟成具合。

【評価】
鼻から感じる、強めの樽の木の香り。古い木の家。広葉樹林。煙とアルミホイル。
舌で、木の樹液が染み渡るのを感じる。くすぶった香り。滑らかだが、優しく、しかしピートを確かに主張する。
優しいのに激しさのあるウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:LAPHROAIG QUARTER CASK(ラフロイグ クォーターカスク)
地域:Islay, アイラ
樽:Bourbon, バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

優しいのに激しさのあるラフロイグ・クォーターカスク

ラフロイグ・クォーターカスクは、コストパフォーマンスの高い酒。
だからショットグラスでわいわい飲むのもまた良し


ラフロイグ蒸留所は、イギリスはアイラ島の南に位置している。
マップを拡大して確かめてみて。

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レビュー:ラフロイグ14年 サマローリ

SAMAROLIのLAPHROAIG 14yo (サマローリのラフロイグ14年)を飲んだ。87点。


【評価】
グラスを近づけ、鼻からアロマを吸い込めば、スパイシー、煙、土のついた根野菜。むせることのない、香り。奥行きがあるのに若い。優しさ、澄んでいる。バーカウンターで隣り合った人の頼んだフルーツの盛り合わせ。
口に含めば、刺激、辛み、甘みをゆったりと与える。
ラフロイグの個性をオシャレにまとめた、飽きのこない満足を与える一杯。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:LAPHROAIG 14yo (ラフロイグ14年)
地域:Islay (アイラ)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:SAMAROLI, サマローリ


まるでワインのボトルのようなサマローリのラフロイグ14年



チャールズ皇太子ご用達のウィスキーであるラフロイグ。
地名の意味は「広い湾のそばの美しい窪地」らしい。グーグルマップで確かめて。

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Kawasaki's Whisky Award 2012 ~2012年もっともオススメのウィスキー~


その年、もっとも輝いたウィスキーに贈られる Kawasaki's Whiskey Award が今年も発表されました。厳選なる審査の結果は下記のとおりです。


最優秀ウィスキー賞
~今年もっとも輝いたウィスキー。陰と陽をバランスし、飲む者の人生に深みを与える~

駒ケ岳 1985 Sherry Cask Strength (Age:27)

駒ケ岳 1985 Sherry Cask Strength (Age:27)


信州はマルス蒸留所の皆様、おめでとうございます。

“繊細な香りは、まるで香水のよう。香りのハーモニーにより、樽出しの60.7度ものアルコールはその強さを感じさせず、このウィスキーを支える必然となる。口に含むと、シェリー樽の木の繊維の一本一本を伝えてくるように、うまみと深みとコクが次々と展開される。思わずウットリするが、決してしつこくならず、次の一杯を「より味わうように」と誘われているかのよう。軽さと深さ、高音と低音、飲みやすさと味わい、相反する要素を見事に統合している。ジャパニーズウィスキーの最高峰に位置する逸品である”

あまりメジャーな銘柄ではありませんが、真摯なウィスキーづくりが審査員の心を揺さぶりました。2012年の最優秀ウィスキーという評価です。



最優秀新人賞
~今年もっとも驚きをもたらした若いウィスキー~

THE COOPERS CHOICE  LAPHROAIG 2005 (AGE:6)

THE COOPERS CHOICE  LAPHROAIG 2005 (AGE:6)


グラスゴーはバーズデンのブライアン・クルックさん、受賞おめでとうございます!

“わずか6年という若いウィスキーであるが、その成熟と骨格は信じられないほど。フレグランスはオイリーでスパイシー、スウィートでさわやか。しかし口に含むと、若いが、若いが、しっかりとしたラフロイグ。この若さでこの骨格を持っていることに驚かされる。まるで何かの宿命を背負って生まれてきた赤子の意志の強い目ような。フィニッシュは、長くデクレシェンドしていく。満足を与えてくれる一本”



最優秀技術賞
~今年もっとも高いウィスキー技術に贈られる。次のウィスキーの発展を予感させる~

THE LADDIE TEN (AGE:10)

THE LADDIE TEN (AGE:10)



アイラ島はブルイックラディ蒸留所のジム・マッキュワンさん、おめでとうございます!

“ノンピートであるが、アイラ島の湧き水を使うことによりピート香を感じさせ、グレープフルーツ、レモン、蜂蜜、本当にわずかなバター、潮、煙。爽やかで飲みやすいウィスキーに仕上がっている。何度飲んでもそのバランス感覚には舌を巻く。ウィスキーには珍しく、食前、食中、食後、いずれの場合にも合う。ボトルデザインも秀逸。日常のドリンクとしてのウィスキーと、フレグランスのアートとしてのウィスキー、その両面をバランスした、魂の主張が感じられる一本”
復活系蒸留所のBRUICHLADDICHの、復活後、最初の一本です。素材はすべてアイラ原産にこだわり、産業としてのウィスキーを発展させようとしているジム・マッキュワン氏の行動力も、審査員に高く評価されました。




最優秀特殊効果賞
~こんなウィスキー、アリ!?と思わずつぶやくウィスキーに贈られる~

OCTMORE シリーズ(特に5)

アイラ島はブルイックラディ蒸留所のジム・マッキュワンさん、またしてもおめでとうございます!

“世界一のピート。これまでの世界一であったアードベックのフェノール値を、3倍以上にして更新するという、ぶっちぎりの世界一を突然成し遂げ、ウサイン・ボルトが如く、自らの世界記録を塗り替え続けている。なぜこんなにピートを効かせても、ウィスキーとして成立するのか。オクトモアの5番目のリリースではサブタイトルが「ベルベット手袋の中の鉄拳」であった。最初は、世界一のピートも、59.5度のアルコールも感じさせない。飲むと穏やか。しかし、飲んだあと徐々に、アルコールが上がってきて、強烈なピート香を感じさせ、虜にさせる。まさに、ベルベット手袋の中の鉄拳。新しいウィスキー体験を作り上げた一本”
復活した蒸留所ですが、挑戦者としての姿勢をとり続けていることが、審査員にも注目されたようです。




特別功労賞
~長年の功労をたたえる賞です~

White Oak あかし (AGE:14)


White Oak あかし (AGE:14)

明石は江井ヶ嶋酒造のみなさん、おめでとうございます!

さまざまな樽の実験を積み重ねておられる江井ヶ嶋酒造のこの「あかし」は、焦がしの香ばしさ、澄んだ麦の香り、マスカットフレーバーが絶妙に調和している。白ワイン樽フィニッシュが心憎い。文句なく美味いが、出会えることの少ないウィスキー。

新作のリリースも待ち遠しいですね。長く続けていただきたいと審査員一同申しております。


以上、Kawasaki's Whiskey Award 2012 でした。
来年も皆様が良いウィスキーに出会えますように。良いお年を。