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レビュー:アムルット フュージョン 透き通る優しい・・・

Amrut Fusion(アムルット フュージョン)を飲んだ。83点。
アムルットといえば、インドのディスティラリー(蒸溜所)で、ニューワールド系で台頭している有名どころだ。このフュージョンは、原料の大麦をインド産とスコットランド産の両方を使っている(=融合)という意味のようだ。
さて、どのような香りを見せてくれるのだろう。



【評価】
グラスから立ち上る香りをそっと吸い込めば、鼻腔に広がる花畑とハチミツ、薄くレモンのヴェールを覆った世界。高い山から向き下ろす風が爽やかに吹き抜ける。
口に含む。なんだこの甘みは。透き通る優しいフルートの音色。ヴァイオリン三重奏。飲むほどに目が覚めていく不思議な甘み。
上品さが特有の甘み。

【Kawasaki Point】
83point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Amrut Fusion(アムルット フュージョン)
地域:India, インド
樽:oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャル

1948年創業のようだ

fusion(融合)の文字の両サイドにWest(西洋)とEast(東洋)がある

2010年のウィスキーバイブルで著者のジム・マーレイ氏が
97pointの高評価をつけた

受賞歴の多い波にノッているウィスキー

広がる花畑とハチミツ、薄くレモンのヴェール

透き通る優しいフルートの音色









レビュー:ボウモア2000 13年 ハートブラザーズ ガラス細工の・・・

BOWMORE 2000 13yo Heart Brothers(ボウモア 2000 13年熟成 ハートブラザーズ for 信濃屋)を飲んだ。83点。
このボトルのアロマやいかに。

ボウモア 2000年蒸留 13年熟成

【評価】
グラスに充満する香りを吸い込めば、イタリアンパセリごしのイチゴ。燃え尽きた炭。ナイフを入れたマンゴー。
目を瞑って口に流し込めば、温かく柔らかい、だがすっきりとまとまったガラス細工のよう。そのつるんとした表面に水が流れていく。だが灼熱の後味。
フレンドリーだが決して近寄り過ぎない、凛とした輝きを持つウィスキー。

【Kawasaki Point】
83point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: BOWMORE 2000 13yo (ボウモア 2000 13年熟成)
地域:Islay (アイラ)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:Heart Brothers for Shinanoya ハートブラザーズ for 信濃屋

ボトラーはハートブラザーズ

信濃屋は日本の酒屋

灼熱の後味








レビュー:ベイリー・ニコル・ジャーヴィー ハチミツに果汁の・・・

Bailie Nicol Jarvie(ベイリー・ニコル・ジャーヴィー)を飲んだ。87点。
ウォルター・スコットの小説『ロブ・ロイ』の登場人物の名前のようだ。ロブ・ロイはスコットランドの実在した伝説的人物だが、そのエピソードはアウトローな雰囲気に満ち満ちている。(看守とウィスキー飲み勝負をして、看守を酔い潰して脱走したとかetc..)
きっとこのウィスキーを名づけた人は、そんな小説の雰囲気に憧れて登場人物の名をとったに違いない。さて、どのような香味のウィスキーなのだろうか。

ベイリー・ニコル・ジャーヴィー

【評価】
グラスから立ち上るアロマは、そよ風の運んでくるイチジクブレッド。モンシロチョウの飛び交う畑。風鈴にしてある備長炭の高い音。ニ長調。
そっと口に含めば、ハチミツに果汁のエッセンスを加えてアイスクリームのソースにする。バニラとクッキー。
上品でバランスの良いお菓子のような味わい。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:Bailie Nicol Jarvie(ベイリー・ニコル・ジャーヴィー)
地域:Highland, ハイランド など
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

通称「BNJ」

トラディショナルなフォント

Very Old、中身は8年熟成以上のようだ

ちなみにキーモルトはグレンマレイと言われている

そよ風の運んでくるイチジクブレッド

上品でバランスの良いお菓子のような味わい






レビュー:ヘーゼルバーン 12年 手づくりのパイ・・・

HAZELBURN 12yo(ヘーゼルバーン 12年熟成)を飲んだ。83点。
ヘーゼルバーン蒸溜所はイギリスはスコットランド、キャンベルタウンに存在した。かつて竹鶴政孝(ジャパニーズウィスキーの父)が修行した蒸溜所として知られるが、1926年に閉鎖している。
今ではこの「ヘーゼルバーン」ブランドは同じ街にあるスプリングバンク蒸溜所が手がけており、毎年数千本の限定的な生産だ。ちなみに同蒸溜所のメインブランドである「スプリングバンク」はライトピート(すこし煙の香りがする)で、「ヘーゼルバーン」はノンピート(煙の香りがするピートを使用していない)。

さて、このボトルの香味やいかに。

ヘーゼルバーン12年

【評価】
グラスを傾けその香りを辿れば、艶やかな着物、紅、金、優雅な白い線。ハチミツとレモンが絶妙なバランス。透き通っているがとても深い。
口に含めば、ゆっくりと印象を裏切る。手づくりのパイ。カステラ、大き目のアメ。
穏やかな気持ちにさせる素朴さと深み。

【Kawasaki Point】
83point

【基本データ】
銘柄:HAZELBURN 12yo(ヘーゼルバーン 12年熟成)
地域:Campbeltown, キャンベルタウン
樽:oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

スプリングバンク蒸溜所から

ヘーゼルバーン12年 すっきりとした香りの3回蒸留

紅、金、優雅な白い線

穏やかな気持ちにさせる素朴さと深み





レビュー:イチローズモルト MWR どこかに優雅さを・・・

Ichiro's Malt MWR(イチローズモルト ミズナラ・ウッド・リザーブ)を飲んだ。83点。

イチローズモルトというブランドは2004年に設立されたばかりの会社「ベンチャーウィスキー」からリリースされている。ウィスキーの新しいブランドや蒸溜所が生まれることはとてもワクワクすることだ。世界でも多くの蒸溜所が生まれていると聞く。アメリカでは現在進行形で多くの小規模蒸溜所が生まれていると聞くし、今年WWA(ワールド・ウィスキー・アワード)でベスト・シングル・ウィスキーに輝いたのはタスマニアの蒸溜所「サリヴァンズ・コーヴ」で設立は1994年。一般企業で10年や20年といえばなかなか厚みのあるイメージを受けるが、1700年や1800年代から操業していますといった老舗がゴロゴロいるウィスキー蒸溜所の中では「新しい」部類に入る。

歴史があることと、新しいことは、どちらも同じほど素晴らしい。ウィスキー好きとしてはこれからも多くの蒸溜所による多種多様なウィスキーのリリースを期待するばかりだ。

さて、今回のMWRはMizunara Wood Reserveの略のようだ。ミズナラは日本の蒸溜所が用いることがある樽材で、独特の香味が付与される。白檀(びゃくだん)や伽羅(きゃら)などのお香を想起させるとよく言われる。日本人にとっては高貴なイメージとして結びつきやすく、ヨーロッパ人にとってはエキゾチックでより刺激的な香りと受け取られることもあるようだ。

さて、このボトルの香味はどうだろうか。

イチローズモルト ミズナラ・ウッド・リザーブ

【評価】
グラスを傾け鼻を近づければ、小石と小石の間をすり抜けるように流れていく水、川のほとりに石で釜を組んでおこなう飯盒炊爨(はんごうすいさん)。炊けていくご飯の甘い香り。誰かが取り出したチョコレート。
口に含めば、独特の木の苦味。深く突き刺さるような苦みではなく、どこかに優雅さを漂わせながら香り続ける。上質な川魚を焼いた時の皮の苦味のニュアンス。
ユニークな苦味のハーモニーを楽しむ一杯。

【Kawasaki Point】
83point

【基本データ】
銘柄:Ichiro's Malt MWR(イチローズモルト MWR)
地域:Chichibu, Japan 日本、秩父
樽:Mizunara, ミズナラ
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル



イチローズモルトのラベルは葉っぱの形

埼玉は秩父にある蒸溜所

どこかに優雅さを漂わせながら香り続ける・・・




レビュー:ブラックニッカ 初期リリース 甘みがそのまま・・・

BLACK NIKKA WHISKY(ブラック・ニッカ・ウィスキー)を飲んだ。ボトルはおおよそ初期リリースのものらしい。
ということはつまり、竹鶴政孝が社長をしている頃のものであるが、残念ながらすでにほとんど現存しない。近々、復刻版がリリースされるとのことだが、元にしている香味はこのボトルの中身と同じものだろう。
さて、どのような香味なのだろうか。

初期リリースの「ブラック・ニッカ」

【評価】
グラスから立ち上るのは、すごく強い麦。まっすぐこちらに向かってくる。実直な香り。ほのかにいぶした麦の焦げ感がこみあげてくる。
口に含めば、独特の陶酔感。麦ジュースの甘みがそのまま濃く煮詰まって厚みを増している。
飲み進めて酔いたくなる味。

※保存状態も良かったのか生き生きとした味だった。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:BLACK NIKKA WHISKY(ブラック・ニッカ・ウィスキー)
地域:Japan
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

年季の入ったボトル

BLACK NIKKAの丸い札の裏側には
「リボンは飾りでございますのでそのままにして御使用下さい
◎印の所を指で裂いてお開け下さい」
とある

「RARE OLD」に雰囲気を感じる
ニッカの狛犬のエンブレム
すべてアルファベット表記
これをリリースした時、竹鶴政孝はどのような心持ちであったか

日本のウィスキーの歴史上記念碑的なボトル


飲み進めて酔いたくなる味





レビュー:ブッカーズ 6yo バニラがオレンジの皮に・・・

BOOKER'S(ブッカーズ)を飲んだ。83点。
小ロットで作られているバーボンで、樽出しそのまんまのカスクストレングスだ。もちろん樽によって中身が違うため、あなたが出会うブッカーズと私が出会ったブッカーズは、違うブッカーズになるだろう。

ブッカーズ

【評価】
グラスから立ち上るの香りは、バニラがオレンジの皮に包まれている。朝のハニートースト。焦げた香りがリッチ。
口に含めば、夏草を踏みしめて、早朝の山を探検する。思い出のアルバムが羊皮紙で大切にくるまれているような。
リッチで深い味わいのウィスキー。

【Kawasaki Point】
83point

【基本データ】
銘柄: Booker's(ブッカーズ)
地域:American, アメリカン
樽: Oak  オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


6年2ヶ月、 バッチNO. C06-K-8 で熟成
アルコール度数は64.25%
この表記は樽によって違う。
あなたの出会うボトルはどうだろうか



朝のハニートースト。焦げた香りがリッチ。



レビュー:ジョニーウォーカー ダブルブラック 鮮やかな満足感

Johnnie Walker Double Black(ジョニーウォーカー ダブルブラック)を飲んだ。83点。
もともとは免税店向けだったようだが、昨年から日本でも普通に流通している。

少しぼけちゃった。 ジョニー・ウォーカー ダブルブラック

【評価】
グラスに鼻を近づければ、すっきり透き通った香りの“高音”と、油絵具の“重低音”。時おり、きらきらしている。深く吸い込めば、リンゴと、リンゴの入っている木箱の香り。しとしと雨の降る柔らかさ。
口に含めば、ライトな爽やかさと、満足を与える重量感がある。リンゴの木箱が思い出され、その表面を指の腹で触ると、ざらざらとしている。バーナーで焼いた木片の印象もある。
深くはないが、鮮やかな満足感を与える一杯。

【Kawasaki Point】
83point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Johnnie Walker Double Black(ジョニーウォーカー ダブルブラック)
地域:Highland, Island, Islay, ハイランド、アイランド、アイラ
樽:oak, オーク
ボトル:JOHNNIE WALKER(ジョニー・ウォーカー)

ラベルの角度は決まって24°

すっきり透き通った香りの高音と、油絵具の重低音

ストライディングマン(闊歩する人)のシルエット




満足を与える重量感がある




レビュー:マックミラ スペシャル5 ハッピーハンティング 朝露の甘みよ

Mackmyra Special 5 Happy Hunting(マックミラ スペシャル5 ハッピーハンティング)を飲んだ。83点。
マックミラはスウェーデンの比較的新しい蒸溜所で、実験的な試みも多いようだ。ニューワールドのウィスキーはワクワクする。このウィスキーは、コケモモのワイン樽で熟成されたもののようだ。
さてはて、その香味やいかに。

マックミラ スペシャル5 ハッピーハンティング

【評価】
グラスから立ち上るのは、若草で透明感のある香り。朝露の甘みよ。清流と鉄分。
口に含めば、淡く香る。厚みのあるふわふわしたハチミツバターのホットケーキを頬張る。
さわやかで若々しいのに優雅。

【Kawasaki Point】
83point

【基本データ】
銘柄:Mackmyra Special 5 Happy Hunting(マックミラ スペシャル5 ハッピーハンティング)
地域:Sweden, スウェーデン
樽:oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


2010年 秋

バーコードにちょっとした遊び心