レビュー:ブレチン1970 33年熟成 ダグラスレイン あぁ、美しい

BRECHIN1970 33yo Douglas Laing Old&Rare (ダグラスレイン社のオールド&レアシリーズ ブレチン1970 33年熟成)を飲んだ。89点。
BRECHINはブレチン(あるいはブレキン)と読む、スコットランド北部の街名。30年ぐらい前に閉鎖された蒸留所で、ブレチン蒸留所あるいは、ノースポート蒸留所ともいったようだ。まさに「オール&レア」シリーズにふさわしいウィスキーだが、果たして、その香味やいかに?

ブレチン1970 33年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づければ、目が覚めるような香り。甘い麦も感じさせるが、ストレートな細い香りがすぅっと脳の奥まで届く。草原の朝。宇宙の果てまでもっていかれそうな奥深さ。
口に含めば、とても綺麗にまとまりアートにまで昇華されたアクアリウム(水槽)を眺めているよう。スパイスも土っぽさも麦も含まれている。その全てが調和して、美しいハーモニーを奏でる。
あぁ、美しいウィスキー。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:BRECHIN1970 33yo Old&Rare Series (オールド&レアシリーズ ブレチン1970 33年熟成)
地域:Highlanda, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Douglas Laing, ダグラスレイン社

プラチナム オールド&レア シリーズ

1970年蒸留、2003年ボトリング


あぁ、美しいウィスキー

ブレチンという都市はこのあたりにある。場所を地図で確かめてみて。

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レビュー:グレンマレイ1977 36年熟成 スパイスのプレゼン

GLENMORAY 1977 36yo(グレンマレイ 1977 36年熟成)を飲んだ。83点。
125本の限定ボトルで、The Laich とあるのは地名だ。ラベルの説明によれば「40日間の特別な夏」がこのウィスキーを熟成させるようだ。
さてはてその香味とは。


グレンマレイ1977年仕込み 36年熟成

【評価】
グラスから立上るのは、崇高な香り。少しの甘みと、焦がしたフルーツ。石っぽさ。
口に含めば、スパイシーな樽香が折り重なる。麦の旨味を味わわせながら、最後まで変化するスパイスをプレゼンテーションする。

【Kawasaki Point】
83point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENMORAY 1977 36yo(グレンマレイ 1977 36年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

1977年5月3日仕込み、2013年2月20日に瓶詰め。

ELGIN CLASSIC

蒸留所の限定ボトル


崇高な香り。少しの甘みと、焦がしたフルーツ。

最後まで変化するスパイスをプレゼンテーションする

グレンマレイ蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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レビュー:キルケラン ワークインプログレスⅡ 進化の過程

KILKERRAN 6yo Work in ProgressⅡ(キルケラン ワークインプログレスⅡ 6年熟成)を飲んだ。65点。
キルケランは、グレンガイル蒸留所からのリリース。この蒸留所、2004年にキャンベルタウンに125年ぶりにできた新蒸留所だ。同じくキャンベルタウンのスプリングバンクと同じクロスヒル湖の水を使用しているらしい。
今回のボトルは Work in Progress つまり、「進化の過程」と自ら名乗ってリリースしている。
さてはて、香味やいかに。

キルケラン 6年熟成

【評価】
グラスから立上る香りは、いぶした麦と塩っぽさ、おつまみのよう。少し尖った面もある。
口に含めば、炎天下の焼けたタイヤ。粘土の多い土。プールサイド。レザー。
木のテーブルでじっくり読書しながら飲みたいウィスキー。

【Kawasaki Point】
65point

【基本データ】
銘柄:KILKERRAN 6yo Work in ProgressⅡ(キルケラン ワークインプログレスⅡ 6年熟成)
地域:Campbeltown, キャンベルタウン
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

いぶした麦と塩っぽさ、おつまみのよう

炎天下の焼けたタイヤ。粘土の多い土。プールサイド。レザー。


フォントの使い方が思い切っている良いデザインのボトル



レビュー:グレンスコシア12年 特級表示 焦がした麦の香りが風に乗って

The Glen Scotia 12yo Old Bottle(グレンスコシア 12年熟成 オールドボトル)を飲んだ。83点。
今回のグレンスコシアは特級表示だから、少なくとも1989年以前のボトル。
さてはてその香味やいかに。

グレンスコシア12年熟成 特級表示

【評価】
その香りは、燻した麦の殻を感じる。熟したイチジクの瑞々しさ。
口に含めば、水飴のようなサラッとした甘みと、焦がした麦の香りが風に乗ってきた感じ。
落ち着いて飲める一杯。

【Kawasaki Point】
83point

【基本データ】
銘柄:The Glen Scotia 12yo Old Bottle(グレンスコシア 12年熟成 オールドボトル)
地域:Campbeltown, キャンベルタウン
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, 公式ボトル

特級表示のウィスキー。
当時の基準ではスコッチは全部特級

Fine Malt


焦がした麦の香りが風に乗ってきた感じ

イギリスのスコットランドはキャンベルタウンに位置するグレンスコシア。

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レビュー:キャパドニック1992 20年 モリソン&マッカイ 幻想的で、鋭く、はかない

CAPERDONICH 1992 20yo MORRISON & MACKAY Seriese:WORLD WONDERS(モリソン&マッカイのワールド・ワンダーズ キャパドニック 1992 20年熟成)を飲んだ。89点。
このワールド・ワンダーズのシリーズは総じて樽チョイスのレベルが高い。

このボトルのラベルに描かれたWorld Wonders(世界の七建造物)は「ギザの大ピラミッド」だ。非常に精度の高い建造物で、今もってそこに込められた意図や、建設過程はナゾに包まれている・・・。しかし、今回もラベルとボトルの中身は一切関係ないと思われる。

果たして今回のボトルの中身の香味やいかに。

キャパドニック 1992 20年熟成

【評価】
グラスから立上るのは、甘い煙がアルコールと融合して、正体のつかめない魅惑のフルーツ、しかしはっきりとブドウと古い木を感じる。ほんのわずかにシナモン。木でできた小屋のとなりに咲く赤い花をつける背の低い古木。
口に含めば、予想していたフルーティさに襲われる。ペッパー、ほどよい粘度を感じ、しっとり。鋭角なスパイス、鼻から抜ける煙が後味を支えている。
ガラス作家のつくる作品のように繊細で、幻想的で、鋭く、はかない。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: CAPERDONICH 1992 20yo(キャパドニック 1992 20年熟成)
地域: Highland, ハイランド
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:MORRISON & MACKAY, モリソン&マッカイ

正体のつかめない魅惑のフルーツ

ギザの大ピラミッド

キャパドニックはもう閉鎖している蒸留所だ

ガラス作家のつくる作品のように繊細で、幻想的で、鋭く、はかない。



レビュー:グレンリベット1980 31年 セラーコレクション 上品なウッディ

GLENLIVET 1980 31yo CELLAR COLLECTION(グレンリベット1980 31年 セラーコレクション)を飲んだ。88点。
このボトルは世界500本限定で、日本にも2011年に43本しか入っていなかったはず。まさか43分の1に、しかも今、非常によい保存状態で出会えるとは、縁とは不思議なものだ。(たまたま、「割とウィスキーが好きで・・」、という話をしていたらそのお話相手が「ならば・・・」と出してくれたボトルだ)

ザ・グレンリベット 1980 31年熟成

【評価】
グラスから立上る、甘くほのかに香るスパイス、パウンドケーキと紅茶に振りかけて。
口に含めば、とろけるような甘いしびれ。ハンス・J・ウェグナーのYチェアの肘掛部分の木の質感と香り。鼻から抜けるスパイス。
これは上品なウッディ、美しい一杯。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENLIVET 1980 31yo CELLAR COLLECTION(グレンリベット1980 31年 セラーコレクション)
地域:Highland, ハイランド
樽:American Oak, アメリカンオーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


ウィスキーコニサー(鑑定家)のために・・・
というコンセプトのセラーコレクションシリーズ

ノンチルフィルター、カスクストレングスの限定品

これは上品なウッディ、美しい一杯。

グレンリベット蒸留所はイギリスのスコットランドはハイランド地域に位置している。

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