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レビュー:オーヘントッシャン ブティック-Y 鉄を舐める・・・

Auchentoshan That Boutique-y Whisky Company(ザット・ブティック-Y ウィスキーカンパニーのオーヘントッシャン)を飲んだ。79点。
イラストが割とポップなボトラーのボトルだ。近年多くみられる、熟成年数は書いていないタイプ。オーヘントッシャン蒸溜所のさまざまな年数の原酒をブレンドしているのでは。

さて、このボトルはどのような香味だろうか。

ブティック-Yの オーヘントッシャン

【評価】
立ち上る香りは、アンティークのチェスト、黒い鉄の金具、スイカとピンクペッパー。
口に含めば、スパイスが効いたローストビーフ。ラディッシュ。鉄を舐める、ヒヤリとしつつ、ザラついている。
ポテトチップスやローストビーフと一緒に飲みたい。

【Kawasaki Point】
79point

【基本データ】
銘柄:Auchentoshan(オーヘントッシャン)
地域:Highland, ハイランド
樽:oak, オーク
ボトル:That Boutique-y Whisky Company, ザット・ブティークY ウィスキーカンパニー


ネクタイした男性の吹き出しにはカクテルのレシピ

スイカとピンクペッパー。

ポテトチップスやローストビーフと一緒に飲みたい。





レビュー:グレンドロナック1994 20年 W.L.Tokyo 2014

GLENDRONACH 1994 20yo for Whisky Live Tokyo 2014(グレンドロナック1994 20年熟成 ウィスキーライブ東京2014向け)を飲んだ。89点。
シングルカスクのグレンドロナック。カスク=樽は、オロロソ・シェリー樽だったようだ。かつて、シェリー酒を入れていた樽を再利用し、このウィスキーを熟成させたのだ。

さて、このボトルはどのような香味なのだろうか。

グレンドロナック1994 20年熟成

【評価】
グラスから立ち上るのは、チョコレートが漂う、ラムレーズンとフレッシュなピオーネ。仕事を終えた窯の掃除。
口に含めば、甘く、熱く、狂おしく溶ける。一瞬、これは悪夢なのか、怖いほどの魅力を感じる。燃える石炭の塊。マンゴーか、白桃か、甘みを伴う柔らかでジューシーな果肉の食感。
骨抜きにされそうな魅惑の一杯。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:GLENDRONACH 1994 20yo for Whisky Live Tokyo 2014(グレンドロナック1994 20年熟成 ウィスキーライブ東京2014向け)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Oloroso Sherry Butt, オーク、オロロソ・シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

1826年創業のグレンドロナック


オロロソ・シェリー・バットで20年熟成

Whisky Live Tokyo2014向け

ラムレーズンとフレッシュなピオーネ。

仕事を終えた窯の掃除。

マンゴーか、白桃か



Glendronachはゲール語で「黒イチゴの谷」。地図で場所を確かめてみて。




レビュー:グレンゴイン 10年 画家が手を止めて・・・

GLENGOYNE 10yo(グレンゴイン 10年熟成)を飲んだ。88点。
グレンゴインは、スコットランドの中でもとても美しい風景の中にある蒸溜所として有名だ(ウィスキー映画『天使の分け前』のロケ地でもある)。その酒がどんな場所で作られたかなど、口の中に入れてしまえば関係ない・・・そういう見方もできるだろうし、その酒にまつわるすべての風景、人々、物語がおもしろい・・・そういう見方もできる。あなたはそのどちらだろうか。
さて、このウィスキーの香味を確かめよう。

グレンゴイン10年熟成

【評価】
グラスから立ち上るアロマに鼻を近づける。むせるほどの麦の生命感。穏やかな甘みを幾重にも重ねてできる透明感。パステルの黄色が広がる。
ひとたび口に含めば、あっさりと進み、アフターテイストとして上がってくる甘みの充実感。すっきりと透明でガラス細工のように繊細だが、力強い後味。その後味にじっくり付き合えば、暗く深い影も持っていることがわかる。
カンバスに向かう画家が手を止めて、思わず風景に見とれてしまう圧倒的風景の美しさ。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄:GLENGOYNE 10yo(グレンゴイン10年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Sherry オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


蒸溜所の設立は1833年

2匹のガチョウが向き合うエンブレム

10年熟成

穏やかな甘みを幾重にも重ねてできる透明感

カンバスに向かう画家が手を止めて・・・



よく出来た蒸溜所ムービー。旅情をかきたてる。





レビュー:ベイリー・ニコル・ジャーヴィー ハチミツに果汁の・・・

Bailie Nicol Jarvie(ベイリー・ニコル・ジャーヴィー)を飲んだ。87点。
ウォルター・スコットの小説『ロブ・ロイ』の登場人物の名前のようだ。ロブ・ロイはスコットランドの実在した伝説的人物だが、そのエピソードはアウトローな雰囲気に満ち満ちている。(看守とウィスキー飲み勝負をして、看守を酔い潰して脱走したとかetc..)
きっとこのウィスキーを名づけた人は、そんな小説の雰囲気に憧れて登場人物の名をとったに違いない。さて、どのような香味のウィスキーなのだろうか。

ベイリー・ニコル・ジャーヴィー

【評価】
グラスから立ち上るアロマは、そよ風の運んでくるイチジクブレッド。モンシロチョウの飛び交う畑。風鈴にしてある備長炭の高い音。ニ長調。
そっと口に含めば、ハチミツに果汁のエッセンスを加えてアイスクリームのソースにする。バニラとクッキー。
上品でバランスの良いお菓子のような味わい。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:Bailie Nicol Jarvie(ベイリー・ニコル・ジャーヴィー)
地域:Highland, ハイランド など
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

通称「BNJ」

トラディショナルなフォント

Very Old、中身は8年熟成以上のようだ

ちなみにキーモルトはグレンマレイと言われている

そよ風の運んでくるイチジクブレッド

上品でバランスの良いお菓子のような味わい






レビュー:グレンリベット15年 野原を進む・・・

The Glenlivet 15yo(グレンリベット 15年熟成)を飲んだ。87点。
グレンリベットはスコットランドの政府公認蒸溜所第一号で長い歴史を誇っている。ちなみに、わざわざ公認を名乗るその背景には、いわずもがな政府“非”公認の蒸溜所があったことを指し示している。実はもともとグレンリベットもそのひとつで、名の知れた密造酒であった。しかし時の権力者キングジョージ4世に気に入られ、蒸溜所は政府公認となる。
ところで、蒸溜所のオーナーであるジョージ・スミスは「イチ抜けた」の状態となり他の密造業者から妬まれたため、常に2丁の拳銃を護身用に持ち歩いていた(そして実際に発砲していた)・・・というのはまた別のお話。

さて、現在のこのボトルの香味はどのようなものだろうか?

ザ・グレンリベット 15年

【評価】
グラスから立ち上る香りにそっと近づく。色とりどりのポピーやスイートピーが群生している。淡い色合いに心が癒される。
口に含めば、長い月日で柔らかくなった枕木を踏みしめながら、野原を進む。ここは高地だろうか。空気が澄んでいる。美しい音楽が流れている。やがて夜になり、星が綺麗だ。
人を静かで穏やかにさせるウィスキー。

【Kawasaki Point】
87point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:The Glenlivet 12yo(グレンリベット 12年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ジョージ&ジョン・ゴードン・スミス
蒸溜所の初代オーナーとその息子の名だ

グレンリベットおなじみの「1824」のエンブレム(創設年)

15年熟成

色とりどりのポピーやスイートピー

人を静かで穏やかにさせるウィスキー



グレンリベット蒸溜所はだいたいこのあたり。地図で確かめてみて。グレンリベットの意味はゲール語で「スムースな流れの谷」。よくウィスキーでは「グレン~~」とあるが、グレンは「谷」を意味している。





レビュー:グレンフィディック 1989 24年 スプーンモルト=バルベニー

THE MALT Ran Away with THE SPOON Glenfiddich with Balvenie 1989 24yo by WARDHEAD(ティースプーンモルトウィスキー グレンフィディック with バルベニー 1989 24年熟成 by ウォードヘッド)を飲んだ。89点。

この長いウィスキーのタイトルを直訳すれば「麦芽とスプーンの逃走」となる。ラベルに描かれた麦芽の腕に「グレンフィディック」とあり、スプーンの腕には「バルベニー」とある。シングル・モルトのグレンフィディックがスプーン一杯のバルベニーを連れて逃げ出している、というユーモラスなラベルだ。

ティースプーンモルト グレンフィディック with バルベニー

この通称「スプーンモルト」シリーズは、あるシングル・モルトの樽に対してティースプーン一杯分の別のシングル・モルトをブレンドしている。割合から言ってほとんど影響はないだろうが、スプーン1杯分でも別の蒸溜所のシングル・モルトが混ざれば、それはもうシングル・モルトではない。なぜこんな面倒なことをしているかといえば、グレンフィディックなどの有名蒸溜所はボトラーズからシングル・モルトをリリースすることを制限しているらしく、それをかいくぐるため「スプーン1杯分別のモルトが混じってるんでこれは違いますよ」で通る・・という噂だ。
そんな一休さんみたいなトンチを効かせて、こんな「逃げろ、逃げろ」みたいなラベルで果たして蒸溜所は納得なのかな・・・とは思うが、きっと成立しているユーモアなのだろう。

さて、前置きが長くなったが、このボトルの中身の香味はどのような世界を見せてくれるのだろうか。


【評価】
グラスから立ち上るのは、芳ばしく燻った麦。中流域の穏やかな流れと、収穫された果物。秋の穏やかな夕刻前の日差し。
口に含めば、甘くビターなチョコレート。ロウと柑橘。メロンと麻袋。
広い草原で木のベンチに腰掛け、ゆっくりと愉しみたいモルト。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:THE MALT Ran Away with THE SPOON Glenfiddich with Balvenie 1989 24yo by WARDHEAD(ティースプーンモルトウィスキー グレンフィディック with バルベニー 1989 24年熟成 by ウォードヘッド)
地域:Highland, ハイランド
樽:oak, オーク
ボトル:WARDHEAD, ウォードヘッド

モルト(麦芽)が

スプーンを連れて逃げていく

モルトはグレンフィディック、スプーンはバルベニー

ロウと柑橘。メロンと麻袋。

モルトの脚。デザインはkeith shore氏。






レビュー:グレンリベット ガーディアンズチャプター この春は・・・

GLENLIVET Gurdian's Chapter Exotic(グレンリヴェット ガーディアンズ・チャプター エキゾチック)を飲んだ。95点。
グレンリベットの「ガーディアン」(ファン)達がテイスティングして「これ!」と選んだ一本を発売しようという企画だったようだ。日本では1,000本限定。日本で1,000本限定のウィスキー、というのは私の感覚値だが、「まぁまぁあるな」というレベルだ。このときばかりは現状のウィスキー人口に感謝する。今後、ますますウィスキー人口が増えていくだろうから、今のような入手しやすさではなくなるかもしれないが・・・。
さて、このボトルの香味はどんな世界を見せてくれるのだろうか。

グレンリベット ガーディアンズチャプター

【評価】
グラスから立ち上る香りに集中すれば、世界に引き込まれる。畳の部屋のすだれの奥の、庭に開けた大きな窓の。ほとりのお香。高貴さと優雅さ。
口に含めば、ジリジリと甘い、悠久の時を感じるかのような落ち着いた物語性を持っている。眼鏡を外して、ぼんやりとした春の庭を眺める。どうやら小鳥が飛び立ったようだ。この春はいつまで続くのだろう。

(なんとファンタジックな一杯だろうか)

【Kawasaki Point】
95point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENLIVET Gurdian's Chapter Exotic(グレンリヴェット ガーディアンズ・チャプター エキゾチック)
地域:Highland, ハイランド
樽:oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ファンたちの投票によって選ばれたという

グレンリベットはスコットランド最古の政府公認蒸溜所

マスターディスティラリーのサイン、「A.J. Winchester」 

悠久の時を感じるかのような落ち着いた物語性






もしグレンリベットに旅するなら、地図で確かめてみて。





レビュー:ブラック&ホワイト 子供の頃に戻る夢を・・・

Black & White(ブラック&ホワイト)を飲んだ。85点。
ラベルに書かれた黒と白の犬が印象的なこのボトルは非常に安価で、1,000円台ウィスキーシリーズのひとつに数えられる。手に入りにくいウィスキーも素敵だが、手に入りやすいウィスキーも同じぐらい素敵だ。(尚、このブログでの評価には入手しやすさや価格は関係ない)
さて、このウィスキーはどのような香味だろうか。

ブラック&ホワイト

【評価】
グラスから立ち上る香りは、甘いチョコレートと、クリスマスケーキのキャンドルを目の前で溶かして。ほんの少し焦がした木の板。灰をまぶしたグレープフルーツ。
口に含めば、ふわふわの毛布に包まれたようなあたたかな感触を楽しむことができる。
安堵感があり、ベットの中で子供の頃に戻る夢を見るかのような。ファンタジックな一杯。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:Black & White(ブラック&ホワイト)
地域:Highland, ハイランド など
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド


ボトルキャップにも描かれている犬たち

描かれている2匹の犬は、
ブラックスコッチ・テリア(左)と西ハイランドホワイトテリア(右)

クリスマスケーキのキャンドルを目の前で溶かして

ファンタジックな一杯