ラベル ブレンデッド の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル ブレンデッド の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

レビュー:クレイモア 熱した小さな鉄の玉・・・

CLAYMORE(クレイモア)を飲んだ。73点。
実勢価格が1000円台までのウィスキーを特集している1000円台ウィスキーシリーズ
勇敢さで有名なハイランダー(スコットランドの軍隊)が使用した大きな剣(=クレイモア)が描かれるラベルが特徴的なこのボトル。どのような香味で魅せてくれるのだろうか。

クレイモア

【評価】
グラスから立ち上る香りは、甘酸っぱいリンゴ酢、麦ビスケット。牧歌的。
口に含む。キャンディーを溶かして、鉄棒。夏の日に飲む水の甘さ。熱した小さな鉄の玉。
こげと甘みの小さな小さな物語を味わう。

【Kawasaki Point】
73point

【基本データ】
銘柄:CLAYMORE(クレイモア)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド



ラベルには、クレイモア(大剣)が描かれている

甘酸っぱいリンゴ酢、麦ビスケット

こげと甘みの小さな小さな物語







レビュー:初号スーパーニッカ 復刻版 なめらかだが炎・・・

初号スーパーニッカ 復刻版(1st SUPER NIKKA WHISKY reprinted edition)を飲んだ。86点。

ボトルはもちろん手吹きのクリスタル・・・とまではいかないが、ニッカウィスキーがNNKドラマ『マッサン』ブームに応えていくつかリリースしている「復刻版」シリーズのひとつ。
日本にウィスキーをもたらした男、竹鶴政孝の足跡をたどる旅のようなものだ。この復刻版は毎度、当時の原酒を元にしていると聞くがその入手は容易くはないはずだ。そして、苦労して手に入れた原酒をおそらくほぼそのまま再現しているのではないかと思う。このウィスキーを味わって、当時のウィスキーを偲ぶことは可能だろう。

さて、少しタイムスリップした気分でどのような香味か味わってみよう。

初号スーパーニッカ復刻版
【評価】
グラスを揺らせば、甘い中の麦の主張。麦は少し焦げたのだろうか。平均律クラヴィーアのように滔々と溢れ出る。
口に含む。しっとり溶けて飲みやすい。強目の乳酸を感じる。日に焼けた本のページをめくる。
なめらかだが炎を感じる。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:初号スーパーニッカ 復刻版(1st SUPER NIKKA WHISKY reprinted edition)
地域:Japan 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

狛犬の向かい合うエンブレム

初号スーパーニッカ
思わずマッサンとリタの物語が浮かぶ

グラスはちょっと遊び心で

撫で肩のボトル

RARE OLD

ドウカウィスキーのロゴも良く出来ている

なめらかだが炎を感じる







レビュー:ツインアルプス イチゴのさわやかな甘み・・・

マルス ツインアルプス(TWIN ALPS by MARS)を飲んだ。78点。
流通力のあるウィスキーを紹介した「1,000円台ウィスキーシリーズ」のひとつでもある。

さて、どのような香味なのだろうか。

マルスウィスキー ツインアルプス

【評価】
グラスから立ち上る香りは、透き通った温度の低い水、古びた校舎の木の窓枠。ストレートなアルコールの香り方、少し姿勢を正したくなる。
口に含めば、イチゴのさわやかな甘み。厚い柾目の木の板。そして、後に上がってくる熱いアルコール。
シンプルで要素も多くはないが、端正、というべきまとまりをもつウィスキー。

【Kawasaki Point】
78point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:マルス ツインアルプス(TWIN ALPS by MARS)
地域:信州、Shinshu
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

軍神マルスをイメージしたロゴ




ストレートなアルコールの香り方、少し姿勢を正したくなる

シンプルで要素も多くはないが、端正





レビュー:ベイリー・ニコル・ジャーヴィー ハチミツに果汁の・・・

Bailie Nicol Jarvie(ベイリー・ニコル・ジャーヴィー)を飲んだ。87点。
ウォルター・スコットの小説『ロブ・ロイ』の登場人物の名前のようだ。ロブ・ロイはスコットランドの実在した伝説的人物だが、そのエピソードはアウトローな雰囲気に満ち満ちている。(看守とウィスキー飲み勝負をして、看守を酔い潰して脱走したとかetc..)
きっとこのウィスキーを名づけた人は、そんな小説の雰囲気に憧れて登場人物の名をとったに違いない。さて、どのような香味のウィスキーなのだろうか。

ベイリー・ニコル・ジャーヴィー

【評価】
グラスから立ち上るアロマは、そよ風の運んでくるイチジクブレッド。モンシロチョウの飛び交う畑。風鈴にしてある備長炭の高い音。ニ長調。
そっと口に含めば、ハチミツに果汁のエッセンスを加えてアイスクリームのソースにする。バニラとクッキー。
上品でバランスの良いお菓子のような味わい。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:Bailie Nicol Jarvie(ベイリー・ニコル・ジャーヴィー)
地域:Highland, ハイランド など
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

通称「BNJ」

トラディショナルなフォント

Very Old、中身は8年熟成以上のようだ

ちなみにキーモルトはグレンマレイと言われている

そよ風の運んでくるイチジクブレッド

上品でバランスの良いお菓子のような味わい






レビュー:フロム・ザ・バレル 滑らかで情熱的・・・

FROM THE BARREL(フロム・ザ・バレル)を飲んだ。86点。
実勢価格が1,000円台の流通力のあるウィスキーを1,000円台ウィスキーシリーズとして紹介しているが、フロム・ザ・バレルもそのひとつ。

このウィスキーはコンセプトがおもしろい。熟成したモルト原酒とグレーン原酒をブレンドしたあと(普通この段階で出荷するが)、さらに樽に入れて熟成させる。これによってひとつのウィスキーとしての香味の調和を図る。この手法はマリッジ(直訳すると“結婚”)と呼ばれている。そして、その樽からほぼ“樽出し”の状態でアルコール度数51%でリリースされる。実際には割り水を使用(加水)しているが、このウィスキーではアルコール度数を一定にする調整程度のようだ(割り水しなければ法的基準をクリアするため樽ごとにわずかに違う度数表記をいちいち変えなければならない)。この“ほぼ樽出しそのまま”が、このフロム・ザ・バレルのコンセプトなのだ。

さて、このボトルの香味やいかに。

ニッカ フロム・ザ・バレル

【評価】
グラスから立ち上る香りは、きわめてスウィーティーでフレッシュな木苺。ほのかに香る古びた本や灰の香り。アルコールが鼻腔を満たすがさわやかな甘みを届ける。
口に含めば、滑らかで情熱的。軽くて鮮やか、だが色味は多くなりすぎない絵のような。
情熱を秘めた大人のウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:FROM THE BARREL(フロム・ザ・バレル)
地域:Japanese, 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

極めてシンプルなラベル。このウィスキーをよく顕している

四角い塊のようなボトル
フランスではコスパとボトルの扱いやすさから
カクテルの割り材としての需要が伸びているようだ

色味は多くなりすぎない絵のような







レビュー:グレンフィディック 1989 24年 スプーンモルト=バルベニー

THE MALT Ran Away with THE SPOON Glenfiddich with Balvenie 1989 24yo by WARDHEAD(ティースプーンモルトウィスキー グレンフィディック with バルベニー 1989 24年熟成 by ウォードヘッド)を飲んだ。89点。

この長いウィスキーのタイトルを直訳すれば「麦芽とスプーンの逃走」となる。ラベルに描かれた麦芽の腕に「グレンフィディック」とあり、スプーンの腕には「バルベニー」とある。シングル・モルトのグレンフィディックがスプーン一杯のバルベニーを連れて逃げ出している、というユーモラスなラベルだ。

ティースプーンモルト グレンフィディック with バルベニー

この通称「スプーンモルト」シリーズは、あるシングル・モルトの樽に対してティースプーン一杯分の別のシングル・モルトをブレンドしている。割合から言ってほとんど影響はないだろうが、スプーン1杯分でも別の蒸溜所のシングル・モルトが混ざれば、それはもうシングル・モルトではない。なぜこんな面倒なことをしているかといえば、グレンフィディックなどの有名蒸溜所はボトラーズからシングル・モルトをリリースすることを制限しているらしく、それをかいくぐるため「スプーン1杯分別のモルトが混じってるんでこれは違いますよ」で通る・・という噂だ。
そんな一休さんみたいなトンチを効かせて、こんな「逃げろ、逃げろ」みたいなラベルで果たして蒸溜所は納得なのかな・・・とは思うが、きっと成立しているユーモアなのだろう。

さて、前置きが長くなったが、このボトルの中身の香味はどのような世界を見せてくれるのだろうか。


【評価】
グラスから立ち上るのは、芳ばしく燻った麦。中流域の穏やかな流れと、収穫された果物。秋の穏やかな夕刻前の日差し。
口に含めば、甘くビターなチョコレート。ロウと柑橘。メロンと麻袋。
広い草原で木のベンチに腰掛け、ゆっくりと愉しみたいモルト。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:THE MALT Ran Away with THE SPOON Glenfiddich with Balvenie 1989 24yo by WARDHEAD(ティースプーンモルトウィスキー グレンフィディック with バルベニー 1989 24年熟成 by ウォードヘッド)
地域:Highland, ハイランド
樽:oak, オーク
ボトル:WARDHEAD, ウォードヘッド

モルト(麦芽)が

スプーンを連れて逃げていく

モルトはグレンフィディック、スプーンはバルベニー

ロウと柑橘。メロンと麻袋。

モルトの脚。デザインはkeith shore氏。






レビュー:ホワイトホース 特級表記 赤く燃える火を・・・

WHITE HORSE(ホワイトホース 特級表記)を飲んだ。86点。
「特級表記」があるウィスキーなので1962~1989年の間に発売されたものだろう。ということは、どんなに短く見ても25年以上は前のお酒。ウィスキーはそのアルコール度数の高さによって、かなり長期間に渡る保存が可能で、若者一人分程度の時間であれば難なく飛び越えることができる。
さて、このホワイトホースの香味はどうだっただろうか。

ホワイトホース 特級表記

【評価】
グラスから立ち上るのは、麦のいぶしと窯のスス、古びた甘み。銅の香り。香ばしい。
口に含めば、穏やかな麦の香りが広がるが、同時に赤く燃える火を連想させる。ずぅっと長く赤く燃えている。
遠い記憶の輝きのようなウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:WHITE HORSE(ホワイトホース 特急表記)
地域:Islay, Highland, アイラ、ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

Estab. 1742 = 1742年創業

特級表記シール。当時は今より高い酒税を払わなければならなかった。

馬のエンボス

白馬の上には英国王室御用達のマークあり
現在のボトルには存在しない

年季の入った裏ラベル
エディンバラのキャノンゲートにあった「ホワイトホースセラー」の説明

麦のいぶしと窯のスス、古びた甘み

赤く燃える火を連想させる




レビュー:ブラックニッカ 初期リリース 甘みがそのまま・・・

BLACK NIKKA WHISKY(ブラック・ニッカ・ウィスキー)を飲んだ。ボトルはおおよそ初期リリースのものらしい。
ということはつまり、竹鶴政孝が社長をしている頃のものであるが、残念ながらすでにほとんど現存しない。近々、復刻版がリリースされるとのことだが、元にしている香味はこのボトルの中身と同じものだろう。
さて、どのような香味なのだろうか。

初期リリースの「ブラック・ニッカ」

【評価】
グラスから立ち上るのは、すごく強い麦。まっすぐこちらに向かってくる。実直な香り。ほのかにいぶした麦の焦げ感がこみあげてくる。
口に含めば、独特の陶酔感。麦ジュースの甘みがそのまま濃く煮詰まって厚みを増している。
飲み進めて酔いたくなる味。

※保存状態も良かったのか生き生きとした味だった。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:BLACK NIKKA WHISKY(ブラック・ニッカ・ウィスキー)
地域:Japan
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

年季の入ったボトル

BLACK NIKKAの丸い札の裏側には
「リボンは飾りでございますのでそのままにして御使用下さい
◎印の所を指で裂いてお開け下さい」
とある

「RARE OLD」に雰囲気を感じる
ニッカの狛犬のエンブレム
すべてアルファベット表記
これをリリースした時、竹鶴政孝はどのような心持ちであったか

日本のウィスキーの歴史上記念碑的なボトル


飲み進めて酔いたくなる味