ウィスキーの3回蒸留とは何か。それがどうだって言うんだろう。


ときどきウィスキーを飲む際、「このウィスキーは3回蒸留なんですよ」なんて薦められたりする。

蒸留を3回するとは何か。一体それが何のメリットがあるのか。
端的に言えば、蒸留回数の違いは、味と香りの違い。3回蒸留は2回蒸留よりまろやかだ。

ちなみになぜその違いが生まれるか?

3回蒸留するという作業を分かりやすく説明する。

最初の蒸留

まず、麦を原料にアルコールを取り出す。
発芽させた麦をお湯でぐるぐるかき混ぜ、白くてドロドロの「もろみ」と呼ばれるビールの原料みたいなものにする。酵素と酵母の働きで、麦からアルコールを含んだ「もろみ」が作られるわけだ。ドロドロの「もろみ」をぐつぐつ焚いて、その蒸発したものを冷やして液体にする(1回蒸留)。さらさらした液体になり、アルコールの度数が高くなる。

さらに蒸留

その液体をさらに蒸発させ液体にする(2回蒸留)

もいっちょ蒸留

2回蒸留した液体を、さらにもう一回蒸発させ液体にする(3回蒸留)



つまり、ドロドロの個性が強い麦の液体から、徐々に遠ざかって、純度が高くなっているいるイメージ。

蒸留する度、麦の香りや個性を徐々に‘捨てている’ともいえるし、
荒々しさを排して‘研ぎ澄ませている’ともいえる

ほとんどのウィスキーが2回蒸留だ。
だから3回蒸留というのは、わざわざ「3回蒸留ですよ」と言うほどのことなのだ。

何回蒸留か、なんて飲むときにはどうでもいいとも思うことだけれど、知っておけば香りと味の手がかりになるかも。
今日も、よいウィスキーライフを。




レビュー:グレンキンチー12年 牧歌的なウィスキー

GLENKINCHIE 12yo(グレンキンチー 12年熟成)を飲んだ。88点。


【評価】
グラスから透けて見える光は、淡い幸福感に満たされた色。
立ち上る香りは、群生した花の蜜。木の板の上のハチミツ。春の小川。青い空にゆったり流れる白い雲。
蜂蜜が口の中で穏やかに溶けて、赤、黄、白の花々。樽がゆったりと転がるイメージ。
牧歌的なウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENKINCHIE 12yo(グレンキンチー 12年熟成)
地域:Lawland, ローランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル



グレンキンチーは群生した花の蜜

ボトルのGKの文字

麦が描かれている

グラスから透けて見える光は、
淡い幸福感に満たされた色。

グレンキンチー蒸留所はイギリスのローランドに位置している。グーグルマップで確かめてみて。

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レビュー:ジェントルマン・ジャック 時間の静寂

GENTLEMAN JACK(ジェントルマン・ジャック)を飲んだ。88点。
有名なテネシー・ウィスキーのジャック・ダニエルの別ヴァージョン。
ジャック・ダニエルとの違いは、チャコールメロイング(サトウカエデの炭で1滴ずつウィスキーをろ過する製法)を1回ではなく、2回すること。ジャック・ダニエルでは、ウィスキーを樽詰めする前に1度チャコールメローイングするが、ジェントルマン・ジャックでは、樽から出して瓶詰めする前にもう一度チャコールメローイングするそうだ。。

【評価】
グラスから立ち上るのは、フローラル、鉄、消毒液。
口に含めば・・・!一気にこの世界の時間との鎖を切られ、時間の静寂に放り込まれる。鉄粉を感じながら、元の時間に戻る。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GENTLEMAN JACK(ジェントルマン・ジャック)
地域:American, アメリカン
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


ジェントルマンジャックは時間の静寂を感じるウィスキー

GG(グレート・ギャッツビー)を彷彿させる イニシャルGJ



ジェントルマン・ジャックを作っているジャック・ダニエル蒸留所はアメリカ、テネシーにある。

レビュー:ジャックダニエル 男を体現する味

Jack Daniel's(ジャックダニエル)を飲んだ。85点。
知名度は高いが、ウィスキーのレビューをしているブログなどでは意外と見かけない。
地域でウィスキーを分類すると、ジャックダニエルはアメリカン・ウィスキー。
アメリカン・ウィスキーの中でも、バーボンではなく、テネシー・ウィスキーだ。
ケンタッキー州のウィスキーがバーボンで、テネシー州のウィスキーがテネシー・ウィスキー。

コストパフォーマンスに優れており、筆者もお金のない大学生時代に「ジャックダニエルをロックで」というのがなんだかかっこよく、味も分からずよく頼んでいた。初めて飲んだウィスキーだ。
(ちなみに、アメリカのウィスキーはWHISKEYと表記する。イギリスのはWHISKY。Eのあるなし)

【評価】
香りをかげば、鉄と馬、レール。トウモロコシの葉。火薬。炭。シップ。
口に含むと、穏やかな消毒液。花々。革。
男を体現するウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Jack Daniel's(ジャックダニエル、ジャックダニエルズとも表記)
地域:American, アメリカン
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


口に含むと、穏やかな消毒液。

花々であり革である

ジャックダニエルはやはり名前がイカしてる


アメリカはテネシー州、ジャックダニエル蒸留所の場所を地図で確認してみて。

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