ウィスキーを好きで、健康が大切なら、「休肝日」について考えたことがあるかもしれない。
なんせアルコールは魅惑的だ。
飲みたいという誘惑と、生きたいという欲望、天秤にかければ結論は「飲みすぎは良くない」ということになる。あるいは「死ぬときゃ死ぬ」と考えを放棄するか。どちらも実際の健康には役に立たない決意だ。
具体的にどうするのがよいのだろうか?
休肝日の必要性
「休肝日」は必要なのだろうか?答えは、ノーだ。
実は休肝日があるかないかは、その人の健康と関係がない。アルコールはどこまでいっても「摂取量」がポイントだ。飲まない日をいくらつくっても、飲む日にたくさん飲むと死亡リスクが高まる。
では飲む量はどの程度が健康リスクが低いのだろうか?
ウィスキーのストレートでは、1日当たり2~4杯までが健康リスクが低いレベルだ。
当然ながら適量は個人差があるが、それはこの記事では言及できない。では、自らの身体の「NGサイン」にどうすれば気がつけるのだろう?
身体のNGサイン
肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、パンクしてから自覚症状が現れ、そのときにはすでに遅いから要注意だ。もっと前に気づける身体のNGサインは、二日酔い(アルコールの消化が追いつかない)、けだるさ、それから「アルコールを欲する精神状態」だ。もしあなたが平気で2日間(48時間)禁酒できなければアルコールへの依存度が黄色信号だ。そろそろ量を減らしたほうがいい。
ちなみに筆者はいずれのNGサインもないが、実は「飲まない日」を意図的につくっている。最初に言ったことと違う!と思われるかもしれないが、理由があるので、あと少し読んでほしい。
それでも休肝日があった方が良い理由
アルコールの摂取量こそ大切で、飲む日飲まない日はたいした問題ではない。それでも筆者は週に2日間の休肝日をつくっている。ただ、正確には休肝日ではなく、休脳日なのだ。どういうことか?
実はアルコールは眠りを浅くする。すると、寝ている間の修復機能(各種ホルモンの分泌量)が弱まる。
だから、寝酒を避けること。一番いいのは、その日飲まないこと。
肝臓の強い弱いはかなり個人差があるが、アルコールが睡眠の妨げとなることは100%立証されている。
だから、休肝日ではなく、休脳日として「飲まない日」をつくるのがよいのだ。
ウィスキーと休肝日のまとめ
- 休肝日のあるないはさほど重要ではない
- むしろアルコールの摂取量こそ大事。ストレートなら日2~4杯にとどめるべき
- 身体のNGサインは見逃さない(二日酔い、けだるさ、アルコールを欲する精神状態)
- 睡眠(脳の修復機能)のため「飲まない日」はつくる方がよい
以上を頭の中に、あなたもよいウィスキー・ライフを。
生命の水と呼ばれるウィスキーは、スマートに飲みたい酒。 |
厚労省の統計研究によると、週あたりのアルコール摂取量が全く同じ人同士でも、休肝日のある人のほうが死亡率が低いというデータが出てます
返信削除摂取量が同じでそう出ている以上、休肝日のあるなしも重要なようです
コメントありがとうございます。私も「お酒を飲まない日を作る」という結論は重要と思いますし、この記事の趣旨でもあります。
削除コメントいただいています厚生労働省の管轄の休肝日のあるなしのデータですが、(おそらく多目的コホート研究 http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/299.html のことをおっしゃっているなら)私も確認をしたことがあります。
その中では、1週間あたり300-449gのアルコールを摂取する男性群について限定的に、休肝日のあるなしが有意な結果であるという比較をしていたかと思います。このデータは2つの意味で一般的ではない(テクニカルすぎる)と思い、取り上げていません。
1つめは、週1-2日飲む人と、週5-7日飲む人を比較することで休肝日のあるなしを語っているので、週2日の休肝日がある人も「休肝日がない人」というカウントの比較の対象となってしまっていること
2つめは、前提となっているアルコール摂取数はウィスキー換算で1日あたりストレート4~9杯で、すでに量自体が「飲みすぎ」の可能性が高いこと
ちょっと小難しい話になってしまい大変恐縮ですが、これまたデータを見ていくと、いわゆる適量(ウィスキー換算ではストレート2~4杯)を守っている群については休肝日のあるなしについて死亡リスクがほとんど変わっていないという結果でした。
では「適量を守っていれば休肝日はなくていいじゃないか」という結論になりそうですが、それでも睡眠の質を考えた場合、「飲まない日」があった方がよい、というのが私見です。
以上、長くなってしまいましたが少し詳しい話ができました。感謝いたします。