レビュー:マッカラン1991 21年熟成 ウィスキーが初めての女性にもオススメできる理由とは?

MACALLAN 1991 21yo SAMAROLI(マッカラン1991 21年熟成 サマローリ)を飲んだ。85点。
サマローリはボトラーズブランドのひとつだ。いわゆる蒸留所が出しているオフィシャルボトルとは違い、蒸留所から樽を買い付け、サマローリらしさを出して瓶詰めする。
サマローリらしさとはなにか?それはなんといってもその味のまとめ方がオシャレなのだ。強烈な個性よりバランスの妙で勝負する。ちなみに、ボトルもウィスキーとは思えないオシャレさ。例えば、バーに連れ立った「ウィスキーに興味はあるけどまだ飲んだことはないんです」といった女性にもオススメできるのはなぜか。それは、そのバランス感覚が洗練されていて、初めての人を戸惑わせる“強烈な味のパンチ”を必要としないからだ。


【評価】
その香りは甘くスパイシー。爽やかなオレンジの皮を指でつまむ。細く刻んだレモンの皮をのせた生チョコレート。熟す前の、かぼす。
グラスを傾けると、お菓子のミルキィの甘さにのって、透き通ったスパイシーな刺激として口の中に侵入したあと、おだやかで甘い香りが徐々に広がり、熱の加わった生チョコレートが口の中で溶けるかのよう。ジンジャーの後味。サクランボの酸味。
ライトなだけではなく、おだやかなだけでもなく、スパイシーだけでもない、そんな甘さの深みを感じる点で、これはザ・マッカランである。時間をかけてマッカランの魅力がひとつずつプレゼンテーションされる。
さすがのサマローリなオシャレな一杯。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:MACALLAN 1991 21yo SAMAROLI(マッカラン1991 21年熟成 サマローリ)
地域:Higland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:SAMAROLI、サマローリ


サマローリらしさとはなにか?
それはなんといってもその味のまとめ方がオシャレ

非常にライトな色。スパイシーで甘い。

イギリスの北のほうにあるハイランド、それもスペイ川流域の
マッカラン蒸留所の場所を地図で確かめてみて。

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レビュー:アラン1996 16年熟成 渋さの魅力

Arran 1996 16yo Single Cask(アラン1996 16年熟成 シングル・カスク)を飲んだ。81点。
アラン蒸留所は1995年に誕生。小さな蒸留器が2器で稼働中。
2013年現在では実質、この16年熟成のものが最長の熟成と言われている。

【評価】
グラスから立ち上るの香りは、温めたぶどうの実。それから酸味。麦の甘み。古い樽の木、しかしえぐみではない。クリアーな香りの構成で、弦楽四重奏のようなコンパクトさ、シンプルさを思わせる。
口に含めば、渋みの中に麦のコク。この渋みをうまみと感じるなら、渋いと言われる魅力を持った人物に違いない。芳ばしい麦が鼻から抜ける。
深みよりも、渋みとコクに特化したウィスキー。

【Kawasaki Point】
81point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Arran 1996 16yo Single Cask(アラン1996 16年熟成 シングル・カスク)
地域:Islands, アイランズ
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

アラン蒸留所は1995年に誕生。
小さな蒸留器が2器で稼働中。


シングルカスクでカスク(樽)の番号は649番
同じ樽からは309本ボトリングしており、そのうちの50本目がこれ。



アランのボトルにはいつも鳥が舞っている。

芳ばしい麦が鼻から抜ける。

イギリスはクライド湾に浮かぶアラン島。アラン島の北に位置するアラン蒸留所。
地図で+ボタンを押して、ぐっと寄って確かめてみてほしい。

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レビュー:カナディアンクラブ・クラシック 12年熟成 時間差の甘み

Canadian Club CLASSIC 12yo (カナディアンクラブ・クラシック12年熟成)を飲んだ。89点。
通称CC(シー・シー)で、カナダを代表するウィスキー。原料はライ麦やトウモロコシ、そして麦で、それらをブレンドしている、ブレンディッド・ウィスキー。ちなみに、世界で始めてブランド名をつけたウィスキーと言われている。ウィスキーにブランド名なんて、今では当たり前だけれども。

【評価】
グラスに鼻を近づければ、甘くメローな香り。木のくぼみに溜まった蜜。古時計の振り子。そして、針の音しか聞こえない木のロッジ。
口に含めば、深い甘み。甘みに深さがあるならば、時間差で奏でられる、高音と低音、それぞれ単音ずつの甘みのハーモニー。
広がりすぎないが、深みを与え満足させる。
木のロッキンチェアに座って飲みたいウィスキー。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Canadian Club CLASSIC 12yo (カナディアンクラブ・クラシック12年熟成)
地域:Canada カナダ
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


甘くメローな香り。木のくぼみに溜まった蜜。

世界で始めてブランド名をつけたウィスキー

木のロッキンチェアに座って飲みたいウィスキー

アメリカはデトロイトの対岸に位置するカナディアン・ウィスキー。もちろん国はカナダ。
創業者がアメリカの禁酒法を見越してカナダにつくったという。

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レビュー:白州シェリーカスク2013 午前十時の森林のよう

白州シェリーカスク2013(Hakushu Sherry Cask 2013)を飲んだ。87点。
白州のシェリー樽のみを集めた限定のもので、この2月に全国で3,000本リリースされた。
バーで出会う人も多いはず。

【評価】
香りは、甘いナッツのチョコレート。バニラ。少しビターなココアパウダー。うっとりする本の世界にでも招き入れられたかのよう。ぶどうの枝の酸味と、海水浴のシュノーケルのゴム。
口に含めば、滑らかだが爽やかな主張。うっとりする本の世界から、午前十時の森林に連れてこられ、そのすっきりとした木漏れ日に目を覚ますかのよう。ウッディな後味でまとまる。
感覚のあちこちを刺激される広い幅のウィスキー。

【Kawasaki Point】
87point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:白州シェリーカスク2013(Hakushu Sherry Cask 2013)
地域:山梨県 日本
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


口に含めば、滑らかだが爽やかな主張。
うっとりする本の世界

午前十時の森林に連れてこられ
そのすっきりとした木漏れ日に目を覚ますかのよう


山梨県、南アルプスのふもとにある白州蒸留所を地図で確かめてみて。

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