レビュー:シーバスリーガル12年 夏のおもちゃ箱のような

CHIVAS REGAL 12yo(シーバスリーガル12年熟成)を飲んだ。85点。
かなり有名なブレンデッド・ウィスキーだ。ブレンデッド・ウィスキーとは、「いくつかの蒸留所のウィスキーをブレンドしてつくったウィスキー」といったところだ。シーバス・リーガルのキーモルト(主要な原酒)は、ストラスアイラなど。

シーバス・リーガルはかなり有名なブレンデッド・ウィスキー


【評価】
グラスに鼻を近づければ、香る甘い麦、ラムネ、ミント、やわらかくて軽い羽毛のようなタッチでそれらがやってくる。夏のビーチの熱い砂を連想させる焦げた渇きもある。
口に含めば、スイカ、マスカット、海辺のウッドデッキ、白い革靴、太いボーダーの半そでシャツを着た体格のよい男の、日に焼けた腕。
まるで夏のおもちゃ箱のような楽しい香りの詰まったウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:CHIVAS REGAL 12yo(シーバスリーガル12年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

ブレンデッド・スコッチ・ウィスキーの文字が。

トレードマークのライオン


夏のおもちゃ箱のような





レビュー:トバモリー10年 爽やかなのに重い

TOBERMORY 10yo(トバモリー 10年熟成)を飲んだ。85点。
トバモリーはイギリスのマル島という、人口2,000人弱の島で作られるウィスキー。
さてはてその香味やいかに。

のどかなマル島でつくられるウィスキー、トバモリー。


【評価】
グラスから立ち上るの香りは、澄んだ花の蜜と花粉、木のチップ、ブラックペッパー、畑仕事をしていて畑の向こうの小屋の煙突から煙が上がっている。同時にフレッシュな麦を感じる。
あぁ、口に含めば、なめらか、クリーミィ、そしてスパイスがはじけ、樽の香りが舌とノドに重力を与える。
爽やかなのに重みを感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:TOBERMORY 10yo(トバモリー 10年熟成)
地域:Islands, アイランズ
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

スパイスがはじけ、樽の香りが舌とノドに重力を与える

トバモリー蒸留所のあるマル島を地図で見れば、ほとんどスコットランド本島に見える。
ただズームアップして見てみると、結構大き目の島であることが分かる。

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レビュー:グレンエルギン レストランで演奏されるジャズのような・・・

グレンエルギン(GLEN ELGIN)を飲んだ。85点。
ホワイトホースというブレンデッド・ウィスキーのキーモルト(主要な原酒)でもある。

グレンエルギンはあの白い馬のマークの
ホワイトホースの原酒なのだ



【評価】
グラスから立ち上るのは、フレッシュなリンゴ、青リンゴだ、麦、アルコールがみずみずしさを讃える。絵で例えるならば、4号か5号ぐらいのサイズの小粋な作品。鉄の車輪。ぶれない香りである。
口に含めば、くるっと入ってくるのに、濃厚。リンゴの皮の甘みの濃さと、苦味。
レストランで演奏されるジャズのようなウィスキー。端正であり、しっかりとした骨格に、リンゴと麦のフレッシュさをまとっている。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:グレンエルギン(GLEN ELGIN)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

フレッシュなリンゴ、青リンゴだ

ぶれない香りである。


くるっと入ってくるのに、濃厚。

レストランで演奏されるジャズのようなウィスキー。



レビュー:山崎12年 時の流れを感じ・・

山崎12年(YAMAZAKI 12yo)を飲んだ。83点。
日本で一番成功しているCMを生み出しているウィスキーでもある。
もしあなたがバーで「なにも足さない・・・」と口にすれば、誰かが「なにも引かない・・」と続けてくれるだろう。長年使用されてきた、「なにも足さない。なにも引かない。」という銘コピー。だれもが一度は耳にしたことがあるだろう。
最近のCMでは「ウィスキーが、わかってきた」とか、「そろそろ、ウィスキーをロックで」など、初心者にターゲットを絞ったコピーを生み出している。間違いなく、日本のウィスキー文化への貢献度No.1である銘柄だ。
(トリビアだが、初代山崎蒸留所工場長は、ニッカウィスキーの創始者である竹鶴政孝だ)

さてはてその香味はいかに。

ジャパニーズ・ウィスキーはこの一本なしに語れない。山崎12年



【評価】
グラスから立ち上る焦がした樽の香りと、木の板に擦り付けたハチミツ。雨上がりの草むら。うっとりする。杉。土器から出てくる柔らかい煙。
グラスを傾け口に含めば、スっと入ってくる、つるんとしたテクスチャ。余韻は静かにゆっくりと響く。少しスパイスが上がってくる。
時の流れを感じ、しずかな響きに身をゆだねるウィスキー。

【Kawasaki Point】
83point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:山崎12年(YAMAZAKI 12yo)
地域:山崎、大阪 YAMAZAKI, OSAKA
樽:OAK, MIZUNARA, オーク、ミズナラ
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ウィスキーらしい骨格が形づくられる12年熟成

「響」という字がモチーフのロゴマーク

日本のウィスキー文化への貢献度No.1である銘柄

木の板に擦り付けたハチミツ。雨上がりの草むら。うっとりする。

時の流れを感じ、しずかな響きに身をゆだねるウィスキー

山崎蒸留所にぐっと寄りの地図。マイナスボタンを押して日本全体を確かめてみて。

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レビュー:バルブレア 16年熟成 確かな違い

BALBLAIR 16yo(バルブレア 16年熟成)を飲んだ。86点。
バルブレアといえば、バランタインの魔法の7柱のひとつ(※ブレンデッドウィスキーの「バランタイン」を構成する主要な原酒のひとつ)。
また、映画『天使の分け前』にもメインの舞台として登場する蒸留所だ。

バランタインの魔法の7柱のひとつ。バルブレア。


【評価】
グラスに鼻を近づければ、のどかな午後のピクニック、パンジー、土とハチミツ、マスクメロンのジューシーさ、木の温もり、よく風の吹く丘の上の林が見え、林の中を流れる川、川ゴケ、それから煙たさも上がってくる。
口に含めば、乾いた木の皮のチップ、川砂利、ホワイトペッパー。
一見すると穏やかで静かなため、見過ごしてしまいそうだが、しかし何かがこのウィスキーをより深く味わうように仕向け、確かな違いを感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:BALBLAIR 16yo(バルブレア 16年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


よく風の吹く丘の上の林が見え・・・

口に含めば、乾いた木の皮のチップ、川砂利、ホワイトペッパー。

確かな違いを感じるウィスキー

『天使の分け前』の舞台ともなったバルブレア蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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レビュー:ブラックニッカ リッチブレンド 1分間の映画のような・・

ブラックニッカ リッチブレンド(BLACK NIKKA Rich Blend)を飲んだ。67点。
コンビニで見かけるウィスキーを真剣レビューする、CW(コンビニ・ウィスキー)シリーズ
このウィスキーは、ブラックニッカ クリアの兄貴分的な存在として、近頃発売された。「キーモルトはシェリー樽原酒」というキャッチコピーは、初心者には分かりづらいが、その意味するところはなんだろう?
確かに、シェリー樽はリッチな樽だ。バーボン樽の10倍の値段するし、味わいも「うっとり」と表現される。つまり、あのキャッチコピーは、「キー(鍵)となる原酒に、シェリー樽熟成のものを割とたくさん使っていますよ。そのあたりが味わい“リッチ”なのです」という意味のアピールなのだ。

ブラックニッカ リッチブレンド。ラベルもややリッチ感。



【評価】
グラスに鼻を近づければ、甘くほのかなイチゴ、粘度の高いハチミツ、それらに覆われた麦の主張、トウモロコシの葉を焦がした香り。
口に含めば、収穫され大地に横たわった麦が、香りを放つ。作業場の分厚い木の机と、彫刻刀の金属。電球で照らされる手元。ふと誤ってぶつかり、机の上の細いガラスの花瓶が倒れる。水がこぼれる。開けていた小さな木の窓から、風に乗って小さな花びらがはらはらと作業場に入ってくる。
一分間の映画のようなウィスキー。二口目からは徐々に飽きる。

【Kawasaki Point】
67point

【基本データ】
銘柄:ブラックニッカ リッチブレンド(BLACK NIKKA Rich Blend)
地域:Japan, 日本
樽:Oak,  オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

一分間の映画のようなウィスキー

180mlの瓶はスリム

ニッカのエンブレム。2対の狛犬。