レビュー:グレンアラヒ1995 11年 サマローリ 奇妙な一杯

Glenallachie 1995 11yo SAMAROLI(サマローリのグレンアラヒ1995 11年熟成)を飲んだ。85点。
サマローリのボトルはいつも洒落てる(ボトルも香味も)。

珍しいサマローリのグレンアラヒ1995 11年熟成
「グレンアラヒ」自体ほとんど流通してない

【評価】
グラスから立ち上るのは、甘くビターな酸味、黒酢、花の香り、水の中に沈んだ木。冬の枯葉。
口に含めば、ぬっぺりと入ってくるのに、淡く爽やかなスパイスが香り、後味まで爽やか。
香りと味のギャップに驚かされるが、なぜかバランスしている奇妙な一杯。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Glenallachie 1995 11yo SAMAROLI(グレンアラヒ1995 11年熟成 サマローリ)
地域:Higland, ハイランド
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:SAMAROLI、サマローリ


裏ラベルにはテイスティングノートが。
このボトルは441本中の133本目のようだ 
シェリーカスク

甘くビターな酸味、黒酢、花の香り、水の中に沈んだ木

香りと味のギャップに驚かされるが、
バランスしている奇妙な一杯

ほとんど知られていない「グレンアラヒ蒸留所」の場所はこちら。地図で確かめて。

大きな地図で見る



レビュー:ローズバンク1990 21年 SMWS 25.63 横長の風景画

Rosebank 1990 21yo SMWS 25.63(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのローズバンク 1990 21年熟成 )を飲んだ。86点。
ローズバンクといえば、ローランド地域の今はもう閉鎖した蒸留所だ。このボトルは、世界一のウィスキー愛好家団体であるソサエティが所有している樽からのリリース。やがて、時が経てばストックも尽き、いつかは飲めなくなる酒だ。

尽きていくウィスキーもあれば、生まれてくるウィスキーもある。
今まさにこのときに飲める仕合せというものを、たまに感じることもある。


【評価】
グラスから立ち上る香りから想起する風景――黄金色の麦畑を撫でた風が、スパイスとイチゴを連れて来る。
口に含めば、舌触りはすこしだけざらつき、なめらか。木の甘みと旨み。麦とイチゴ。余韻はふくよかで、画角が横長の風景画を見ているかのようなゆったりとした気持ちになるウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:Rosebank 1990 21yo SMWS 25.63(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのローズバンク 1990 21年熟成)
地域:Lowlands, ローランド
樽: Refill Hogshead, Bourbon,  ホグスヘッド リフィル、バーボン
ボトル:Scotch Malt Wisky Society スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ

SMWSのコードで25はローズバンク
63番目のリリースは
フランス語で「梨と胡椒」

21年熟成

リフィルバーボンホグスヘッド
ソサエティのボトルはいつも樽出しのままだ

黄金色の麦畑を撫でた風が、
スパイスとイチゴを連れて来る

舌触りはすこしだけざらつき、なめらか

横長の風景画を見ているかのような

今はなきローズバンク蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

大きな地図で見る


レビュー:ブラッドノック10年 シェリーバット 重力体験の旅へ・・・

Bladnoch 10yo Sherry Butt(ブラッドノック10年熟成 シェリーバット)を飲んだ。85点。
スコットランドのもっとも南に位置する蒸留所。ローランド地方に現存するたった3つの蒸留所のうちのひとつ。個人経営で、生産量も少ないところが、逆に魅力である。

ブラッドノック10年熟成


【評価】
グラスから立ち上る香りは、シェリーに乗っかった柑橘。ゆったりと穏やかだが引き締まっている。若い木を感じるが、全体に調和している。
口に含めば、濃厚な生チョコが口の中でゆっくりと溶けていくように、意識が重みを甘えられ、味わう。ずしんと重い。この重みが余韻に変わり、かなり長く続く。
重力体験の旅へいざなうウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Bladnoch 10yo Sherry Butt(ブラッドノック10年熟成 シェリーバット)
地域:Lowland, ローランド
樽:Oak, Sherry オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


シングル・ローランド・モルト

ピートでモルト(麦芽)を乾燥させるサイロの画

黒い顔の羊。
地元の動物を、地元の画家が描いたようだ。

このボトルはNo.88のシェリーバット

シェリーに乗っかった柑橘

濃厚な生チョコが口の中でゆっくりと溶けていくように

重みが余韻に変わり、かなり長く続く

イギリスはローランドの最南端に位置する蒸留所、ブラッドノック蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

大きな地図で見る


初心者にも分かりやすい:Bar(バー)はどんな場所? ~大人のため息編~

このシリーズでは、初心者の方にも分かりやすく、さまざまなBar(バー)の魅力を紹介する。
意外と気楽編』につづき、今回は、『 大人のため息 』編。 静かなバーの魅力とは?

オーセンティック・バー

もしも、心のどこかが満たされないままで、
「騒がしさに囲まれたまま日常がどんどん過ぎていく」という感覚をおぼえているなら、
あなたにはBar(バー)という場所がオススメだ。

バーといっても、ここで言っているのは、ダーツバーでもなければ、ガールズバーとも違う。
わりと静かな「オーセンティック・バー」のことだ。


オーセンティック・バーとは?

オーセンティック・バーとは、つまり静かなバーだ。言葉を直訳すれば、「正統派のバー」となるが、ワイワイやるよりも、しっとりとお酒を飲む感じのバーだ。このオーセンティック・バーの良さは、ワイワイ系のバーでは得られない、ディープなリラックスがある。
もしあなたが日常で肩肘張っていろいろと疲れて、そんなときにワイワイ系のバーでワーッとやるのは、さらにぐったりするかも知れない。でもそんなときに、肩肘張った大人がふっと力を抜いて、リラックスできるのがオーセンティック・バーだ。(家だと日常過ぎる)
そこは「大人がため息をつける場所」だ。ネクタイをゆるめて、重たいバッグを肩から外して、何なら腕時計もケータイもしまってしまおう、そして、ため息をひとつ。・・・心のこりがほぐれるだろう。


どんな場所?

ほとんどの場合、そのバーの扉は厚く、外から中が見えない。あえてそうしてある。外の世界と遮断された空間であるからこそ、リラックスできる。
扉を開けて入れば、わりと静かな音楽がかかっているだろう。お客もいるけどあまり大きな声で話してないだろう。酒のボトル以外の飾りっ気は少ない。シンプルな空間で、時計もない(少しだけ時間を忘れてほしい)。
そこでの主役は、空間と、お酒と、「あなたの時間」だ。あなたの時間を満喫すればいい。そして、そのサポートとして、つまり添え役としてバーテンダーがいて助けてくれる。
あなたはバーテンダーと会話をするかもしれないし、笑い声もあるだろう。ただ、皆、バカ騒ぎではなく大人の会話、というだけだ。


じゃ、どうやって愉しめばいい?

――会話は?
とくにしなくてもいい。ひとりで黙って飲んでいてもよい(それもカッコよい)。話したければ話せばいい。バーでの沈黙は気まずくない。バーテンダーもそっとしておいてくれるだろう。沈黙は、バーにとってのBGMのひとつだ。

――なにをすればよい?
頼んだカクテルや、ウィスキーをじっくり味わうだけもよし、味わいながらあれこれ思いを巡らすもよし
あなたは、グラスを傾けながら、いろんなことを思う。日常を忘れて、過去に思いをめぐらせて、楽しい思い出や切ない思い出に浸ってみるもよし、未来はこうなるかなと夢想してもよし(ぜひ楽しい未来を思い描いて)。

つまり、BAR(バー)とは、自分との時間をつくる場所だ。あなたの身体はバーの椅子に腰を下ろしているが、心はもっと自由でよい。そうこうして飲んでいるうちに、お酒の香りにも助けられて、いままでガチガチに固まっていた「これはこうだ」というものの見方が、「いや、こうも考えられるかな」「そんなに難しく考えなくてもよかったかな」という見方もできるようになる。これがバーのリラックスの秘密。明日への活力が得られる。


どんなときに行けばいい?

ではどんなときにBAR(バー)に行けばよいだろう?下記にリストアップしたので参考にしてほしい。

  • トラブルが続いて少し疲れたとき (ため息をつきに行くのだ)
  • 何かに成功して、充実感を噛みしめたいとき (勝利に酔いしれる)
  • みんなとワイワイやった後、すこしクールダウンしたいとき (このまま家に帰りたくない)
  • このごろ忙しくて、自分の歩みを振り返ってないなと思ったとき (ちょっとほっとしたい)
  • なんだか分からないけれど、もやもやしたとき (気分に名前が付かないときもある)
  • 上記のすべてが入り混じった複雑な気分のとき (なんだか整理したい)


もしあなたがバー初心者で、バーの探し方や、注文の仕方、マナーについて知りたければこの記事が役に立つだろう。



ぜひBar(バー)の世界を愉しんでほしい。