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Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: ボトラーズ:SMWS(ソサエティ)

レビュー:Glen Grant 1992 24yo 秋の透明な空気に・・・

Glen Grant 1992 24yo from SMWS 9.119(スコッチモルトウィスキーソサエティの9.119、グレングラント1992年蒸留 24年熟成)を飲んだ。89点。

通称「ソサエティ」からのリリース。ラスト1年を赤ワイン樽で熟成したグラントだ。グラントは比較的スッキリした味わいなので、変化が付いているだろうか。さあ、どんな味わいだろう?






【評価】
グラスを鼻に近づける。日曜の午後に湖に浮かべたボート。秋のキャンプは焚き火を。丸太に腰掛け塩おにぎりを。
口に含む。おお、具は塩昆布の香り。秋の透明な空気に、オレンジ色の光線がやわらかく溶け込む。
遠くで鳥の鳴き声が聞こえる。少し肌寒い夕暮れの味。
丸太に腰をおろし、その子の頭を撫でる。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:Glen Grant (グレングラント)
地域:Highland(ハイランド)
樽: Bourbon & 1st fill red wine(バーボンと赤ワイン樽フィニッシュ)
ボトル:SMWS(ソサエティ)














Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: ボトラーズ:SMWS(ソサエティ)

レビュー:バルブレア 2005 9年 SMWS 70.9 ピオーネの皮を手で・・・

Scotch Malt Wisky SocietyのBalblair 2005 9yo(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのバルブレア 2005 9年熟成)を飲んだ。83点。

ウィスキーが好きな人ならいつか出会う名前「ソサエティ」。どの蒸留所の原種も、すべておなじ濃緑のボトルにいれて、同じデザインのラベルで販売しているという変わった愛好家団体。そのスタイルはまるで「中身で判断してください」と言っているかのようだ。

さて、今回のバルブレアは、スコットランドの北の方、のどかな風景で知られる蒸留所だ。
どんな香りがするのだろう?

バルブレア 2005 9年熟成 SMWS 70.9

【評価】
グラスを手に持ち、鼻に近づける。細くてスウィートな線がたちのぼる。ピオーネの皮を手でむいて食べよう。その枝をもってしげしげと眺める。
口に含む。ゆったりとふかふかしたオットマンに腰かけ、午後のお茶会。ぶどうとクッキー。レースのテーブルクロス。
本を手に持ったまま、いつの間にか眠ってしまった。

【Kawasaki Point】
83point

【基本データ】
銘柄:Balblair 2005 9yo(バルブレア 2005 9年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽: Bourbon barrel (バーボン樽)
ボトル:Scotch Malt Wisky Society スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ

ウィスキーはチェイサーとともに

世界で231本のボトリング

9年の短熟

短熟ということもあり、非常に若々しいカラーリング

ピオーネの皮を手でむいて

ぶどうとクッキー。レースのテーブルクロス。




Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: ボトラーズ:SMWS(ソサエティ)

レビュー:グレンマレイ 2000 15年 SMWS 35.136 涼しい山の・・・

Scotch Malt Wisky SocietyのGlen Moray 2000 15yo(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのグレンマレイ 2000 15年熟成)を飲んだ。78点。

世界のウィスキー愛好家団体である、SMWS(通称:ソサエティ)は独自のチョイスで買い付けた樽の原酒を、会員限定で販売している。しかし、会員でなくともボトルを置いているバーがあれば飲むことができる。

ラベルに記された「35」番はグレンマレイ蒸留所を表す。さて、どのような香味のウィスキーだろうか?

SMWS 35.136 グレンマレイ2000年蒸留 15年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づける。夏の涼しい山の樹木の下。午前中。スイカ。ベリーのチューインガム。
なんの予感もなく、口に含む。ほろ苦いが、すっきりと甘く、あっさりとした余韻を残す。

【Kawasaki Point】
78point

【基本データ】
銘柄:35.136 GlenMoray 2000 15yo (グレンマレイ 2000年 15年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:  1st fill Bourbon barrel (初詰めのバーボン樽)
ボトル:Scotch Malt Wisky Society スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ

ソサエティのつけたタイトルはGenteel company 「上品な連れ」

少し夏を懐かしむような気持になる

ソサエティのボトルは全部同じデザイン

すっきりと甘く、あっさりとした余韻を残す



Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: ボトラーズ:SMWS(ソサエティ)

レビュー:SMWS 夏の試飲会 2015 ~12本のレビューを一挙掲載~

日がだいぶ長くなってきた。季節毎に開催されている、スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの夏の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Summer Bottles Sampling)
5,000円(会員4,000円)でニューリリースのウィスキー12本の試飲ができる、という会だ。スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ(“SMWS”、または単に“ソサエティ”などと呼ばれる)は、世界最大のウィスキー愛好家団体で、そのボトルの豊富さと、統一されたデザインのスタイルにはファンが多い。

さあ今回もテイスティングした12本のボトルをランキング形式で一挙紹介しよう。


12個のグラスが並ぶ。それぞれの味わい


第12位
35.131 Glen Moray 1994 19yo (グレンマレイ 1994 19年熟成) 
【Kawasaki Point】
56point
【評価】
その香りは、芳ばしいバターケーキ。キャラメル。アールグレイ。
口に含めば、じっくり焼きすぎた魚の焦げの部分みたいな。


第11位
59.53 Teaninich 1983 31yo (ティーニニャック 1983 31年熟成) 
【Kawasaki Point】
67point
【評価】
骨董屋。埃っぽい棚の上にいかにも重要そうに飾られた地球儀。
万年筆のインクを滲ませつつ書かれる領収書。


第10位
29.160 Laphroaig 1997 17yo (ラフロイグ 1997 17年熟成) 
【Kawasaki Point】
73point
【評価】
かつて診療所であった孤島の小さな建物。
寂しげな夕刻の日差しが窓から差し込む。


ウィスキーの静かな語らい



第9位
3.238 Bowmore 1997 17yo (ボウモア 1997 17年熟成) 
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
ヨードチンキ。い草。落ち着く香り。
どこか水のようなさらりとしたところもある。


第8位
1.187 Glenfarclas 1985 29yo (グレンファークラス 1985 29年熟成) 
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
夏の農作業。野焼き。
生のトウモロコシをかじったようなジューシーさ。


第7位
55.27 Royal Brackla 1997 17yo (ロイヤルブラックラ 1997 17年熟成) 
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
カラフルでトロピカルな鳥。バサバサと飛び立つ。アンリ・ルソーの夢。
しっかりとした生命力。剛健。


リリースされたウィスキーのカタログ


第6位
3.240 Bowmore 1998 16yo (ボウモア 1998 16年熟成) 
【Kawasaki Point】
84point
【評価】
わらび餅、きな粉。樹液。
口の中に少量の煙が広がって、思わず噛み締めたくなる。


第5位
36.84 Benrinnes 1989 25yo (ベンリネス 1989 25年熟成) 
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
清涼な山の空気。峰を眺める。稜線を指でたどる。爽やかな気持ち。
ドロップ飴をなめているかのような甘み。歩き疲れたあとの山頂でのハイなランチ。


穏やかな照明


同点第3位
37.63 Cragganmore 1985 29yo (クラガンモア 1985 29年熟成) 
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
小豆を蒸して、涼しげなゼリーに閉じ込めたような。和風の香草をいくつか。
涼しげな顔とは裏腹に、熱く溶け込み、口腔内を塗り替える。禅画の情熱的な筆致。


同点第3位
7.117 Longmorn 1990 24yo (ロングモーン 1990 24年熟成) 
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
森のコテージ、鳥の声。かみたばこのかおり。落ち葉の掃除。
古い本のページを少しめくる。集中できずに外に目をやる。ほっと一息つく。



さて、今回は2本が同点1位だ。どんなウィスキーたちだろうか?


そのウィスキーとは

同点1位
77.37 Glenord 2001 13yo (グレンオード 2001 13年熟成) 
【Kawasaki Point】
87point
【評価】
機械オイル、ガソリン。雨の中の作業で冷えたからだを、ヤカンの前で温めよう。
自らを温めるために飲む。男のウィスキー。


同点1位
30.84 Glenrothes 1980 34yo (グレンロセス 1980 34年熟成) 
【Kawasaki Point】
87point
【評価】
初夏の早朝、朝霧。森から抜けると、開けた草原。徐々に息を整える馬。
溶岩石に水が落ちる。滝のほとり。足を伸ばして馬と休もう。


注がれたウィスキーと、語らい


飲み語りしたあとで外にでると、驚くほどまだ明るく、暗くなる兆しも感じさせなかった。春のサンプリング会のときと違う明るさに、季節が移り変わったのだと、ふつうのコトながらしみじみ想う。
つぎのサンプリング会では、一体どのようなウィスキーに出会えるのだろうか。




Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: ボトラーズ:SMWS(ソサエティ)

レビュー:余市 1994 20年 SMWS 116.19 あまく弾ける・・・

余市 1994 20年熟成 Scotch Malt Whisky Society 116.19(Yoichi 1194 20yo SMWS 116.19)を飲んだ。89点。
SMWSは世界最大のウィスキー愛好家団体だ。世界の蒸溜所にはコード(No.)が付けられており、日本の北海道の余市蒸溜所は116番だ。これは、ウィスキー界隈では結構名誉なことで、2002年当時、余市蒸溜所がSMWSに「英国以外の蒸溜所で初の認定を受けた」ことは「快挙」と報じられたほどだ。
さて、SMWSから116番目の余市のボトルがリリースされるのはこれで19番目(だからコードは116.19となる)。今回のボトルは、どのような香味だろうか。

ソサエティの余市1994 20年熟成

【評価】
その香りは、スパイスの中にきらめく若さがある。新緑の香り。夜のくぬぎ。夜行性の虫や鳥の声。
ひとたび口に含めば、あまく弾けるパッション。カーマイン。酔いしれていたい。夜の潮騒。
ほかになにもいらない。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:余市1994 20年熟成(Yoichi 1994 20yo)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Scotch Malt Whisky Society, スコッチモルトウィスキーソサエティ

スコットランドのリースに本部を置くソサエティ

シンプルなボトルデザインは毎度おなじみ

116=余市、19=19番目のリリース。テイスティングノートを添えて。

ヴァージンオーク=新樽。余市の新樽は個性的だ。

新緑の香り。夜のくぬぎ。

夜行性の虫や鳥の声。

ほかになにもいらない。






Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: ボトラーズ:SMWS(ソサエティ)

レビュー:SMWS 春の試飲会 2015 ~12本のレビューを一挙掲載~

移り変わる季節ごとに開催される、スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの春の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Spring Bottles Sampling)
5,000円(会員4,000円)でニューリリースのウィスキー12本が飲めるというイベントで、複数都市で開催されている。飲むといっても、まともに1杯ずつ飲んでいたら大変なので、実際には少量ずつ味わいを確認する。

世界最大のウィスキー愛好家団体といえばこの「スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ」だが――長いので呼称は「SMWS」とか単に「ソサエティ」とかが多い――蒸溜所に独自のコードをつけ、同じデザインのボトルで、中身だけ変えて会員に頒布している。その独特なボトルと「ソサエティ」という響き、イギリスはエディンバラに本部があることから、なんだかミステリアスな雰囲気が漂っている。


さて、今回も12本のウィスキーをランキング形式で一挙紹介する。

今回はどのようなウィスキーが?どのような香りが?
2015春のサンプリング会

第12位
55.25 Royal Brackla (ロイヤルブラックラ 1994 20年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
その香りは、黒タイヤ新品。鬱蒼とした森の中を散歩する。光は届かないがさまざまな香りに満ちている。
口に含めば、湿った土の上を踏みしめる。

同点第10位
85.30 Glen Elgin (グレンエルギン 1999 15年熟成)
【Kawasaki Point】
79point
【評価】
その香りは、蚊取り線香。
口に含めば、通り過ぎていく味わい。

同点第10位
123.9 Glengoyn (グレンゴイン 1998 16年熟成)
【Kawasaki Point】
79point
【評価】
漂う香りは、湖と夜中、黒い雲。
口に含んでみれば、湖に潜って、水が湧いてくるところが辿れるかのよう。

ほぼ同じボトルデザインだが、ボトルには蒸溜所を示す数字がある


第9位
7.104 Longmorn (ロングモーン 1989 24年熟成)
【Kawasaki Point】
81point
【評価】
グラスから立ち上る、スイカやブドウの瑞々しい香り。甘いガムすら彷彿させる。木材の角の部分に指を当てて、その直角さを味わいながら指で長辺をまっすくなぞる。
口に含めば、濃密な味わいが絡まって、ほどけずにそのまま徐々に消えていく。
謎めいたままのウィスキー。

第8位
3.228 Bowmore (ボウモア 1987 26年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
グラスに鼻を近づければ、保健室の消毒液。ヨード。古い軽油で動くエンジン。ガレージ。
古き良きボウモア。

同点第6位
4.200 Highland Park (ハイランドパーク 1999 14年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
グラスから立ち上る香りをそっと吸い込む。ブレッド、スウィートコーン、水時計。透明な着色液体が落ちるのをずっと見ている。切ったばかりの切り株。
口に含めば、スッキリしているのに血が踊るような熱さを秘めている。

12個のグラスが並ぶ

同点第6位
72.38 Miltonduff (ミルトンダフ 1984 28年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
香りの中を覗いてみる。アンティークショップの鉄とガラスの扉を開けると、古い木の香りがする。ドアにはベルが付いていて透き通ったような、くぐもったような音がなる。
グラスを傾け口に含めば、ダージリンティーと一緒に出された小さなクッキー。砂糖を一個紅茶に入れる。
ホッとする午後。

同点第4位
53.216 Caol Ila (カリラ 1993 21年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスから立ち上るアロマは、牧草地、干し草。鍬。泥と野焼き。
口に含む。赤黒く日焼けした農夫の深い皺。優しい笑顔。

同点第4位
44.62 Craigellachie (クレイゲラヒー 1990 24年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
その香りをかぐ。夏、蚊帳、物語。い草と風鈴。涼しい風と心地よい眠り。
口に含めば、まるでハチミツを口の中で溶かしてるような。
うとうととして、心地よい夢を見続けていたいような。

参加者はさまざまに愉しむ

第3位
29.158 Laphroaig (ラフロイグ 2000 14年熟成)
【Kawasaki Point】
87point
【評価】
グラスから立ち上る香りをかぐ。万年筆の液が漏れて、原稿を拭いていると、チキンのグリルを少し焦がしてしまった。ログハウスでの出来事。
口に含む。映像は続く。棚の奥から出してきたウィスキーを、タンブラーで飲み始める。パイプをくゆらす。

第2位
48.52 Balmenach (バルメナック 2001 13年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
その香りは、扇風機とピーチ。冷んやりしたアイス。
口に含む。ずっと舐めていられるキャンディーを手に入れた子供のように。少しのキャラメルのコクも味わう。



さあ、今回の1位はなんだろうか?

酔っ払わないよう注意!

第1位
30.83 Glenrothes (グレンロセス 1980 34年熟成)
【Kawasaki Point】
89point
【評価】
グラスから立ち上るのは、ヴィブラフォンの右端を鳴らしたような透き通った香り。鉄のペダルを踏むとわずかに広がりながら倍音が響く。明け方の海岸で見つける火の跡。炭になってる木片を足で少しずらす。
口に少量含む。フェリーが通って波が大きくなり、水しぶきが口の中に入る。すこししょっぱい。
音楽になる静けさ。



サンプリング会は終わった。日が長くなり始めたこの頃は外がまだ明るい。少し肌寒いが、冬を思えばむしろ暖かささえ感じる。
振り返ってみて、今回はどのボトルもおおむね満足度が高かった。これはほとんどの参加者が感じたようだ。それでももちろん、各々が一押しにするウィスキーは異なっており、それぞれの意見を交換し合った。どの表現も素晴らしく、敬意を払われていて、参加者はウィスキーを愉しむのと同じぐらいその語らいも楽しんだ。




Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: ボトラーズ:SMWS(ソサエティ)

レビュー:SMWS 秋の試飲会 2014 ~13本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの秋の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Autumn Bottles Sampling)
この試飲会は、季節ごとに開催される、5,000円(会員4,000円)で12~13本のウィスキーがテイスティングできるおトクなイベントだ。

SMWS、スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティという長い名前は、世界最大のウィスキー愛好家団体のことをさしている。世界各地の樽を買い付け、よい頃合いに“樽出しそのまま”でリリースされるそのボトルは、会員でしか買えないが、バーなどではお目にかかることがある。

今回も13本のウィスキーのレビューを、ランキング形式で一挙掲載する。

同じボトルデザイン。ラベルだけが違うSMWSのボトル。

第13位
121.72 Isle of Arran 1998 15yo(アラン 1998 15年熟成)
【Kawasaki Point】
56point
【評価】
その香りは、松林、チョコレートの銀紙。
口に含めば、チョコレートケーキの欠片。
鳥が飛び去った後、羽音を思い出すような、一瞬の、あまり気に留めない出来事のような。


第12位
95.16 Auchroisk 1990 23yo(オスロスク 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
68point
【評価】
香りは、カカオの多いチョコレート。カラメルを焦がす。
口に含めば、砂糖が弾けて、チョコレートブラウニーを食べる感じ。

 
同点第9位
1.181 Glenfarclas 2002 11yo(グレンファークラス 2002 11年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
香りは甘酸っぱい。使い込んだ木のデスク、インクが沁みている。校庭に現れた夏のカゲロウ。
口に含めば、その印象は攻撃的なようで、静かである。誰もいない図書室で読みふける本。


同点第9位
29.155 Laphroaig 1995 18yo(ラフロイグ 1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、高音だけで奏でたヴァイオリン三重奏。厳しい冬の寒さと、その寒さのための心ばかりの一斗缶での焚き火。
口に含めば、上品な花の蜜を集め、灰を振りかけたようだ。


同点第9位
73.66 Aultmore 1989 24yo(オルトモア 1989 24年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
その香りは、古い屋敷のようであり、太い木の柱、石畳、ぽたっ、ぽたっ、と水の音が聞こえる。
口に含めば、すごく濃く、甘く煮たマスカットのよう。

あらかじめ注がれたウィスキー。さまざまな香りを放つ

第8位
53.209 Caol Ila 1995 15yo(カリラ 1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
グラスに鼻を近づければ、渋い香り。海辺の雑木林。オイルサーディンの缶詰を温めるための小さな焚き火。海の音。
口に含めば、潮、生牡蠣。海藻。
無愛想な男に黙って注がれたい。


第7位
117.4 Cooley 1991 22yo(クーリー 1991 22年熟成)
【Kawasaki Point】
79point
【評価】
香りは、花畑に水晶玉をかざして、凝縮した風景。グラスいっぱいに甘いガムを詰め込んだような。
口に含めば、そのガムを噛んだような甘みが広がる。


第6位
3.216 Bowmore 1995 18yo(ボウモア 1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
82point
【評価】
この香りの果汁感!スイカ、パイナップル、木苺、マンゴー。
口に含めば、そのまま舌の上でフルーツの幸福を分け与える。そして灰。
よくまとまったウィスキー。

参加者は口々に感想を

第5位
9.92 Glen Grant 1990 23yo(グレングラント 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
84point
【評価】
その香りの印象は、イタリアの婚礼音楽。カッチリした雰囲気もあるのにどこか陽気。
口に含めば、あっさりとしているのに力強い。

ボトルはどれも個性的


今回はなんと、同点1位が4つ。飛び抜けたものはなかった。


同点1位
50.57 Bladnoch 1990 23yo(ブラッドノック 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスに鼻を近づければ、乳酸。日にやけた木。旨味を感じる香り。
口に広がるのは、しめ鯖の寿司の旨味。


同点1位
39.102 Linkwood 1990 23yo(リンクウッド 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、クリーミーで、穏やかな詩を読んでいるような気持ち。香水としても成り立つ陶酔感。
口に含めば、スイカに生クリームを塗って食べた感じがする。


同点1位
2.86 Glenlivet 1992 22yo(グレンリベット 1992 22年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
魅惑の香り。
口に含む。あぁ、華やか。遠い憧憬を眺める、小春日和の午後。


同点1位
76.117 Mortlach 1988 25yo(モートラック 1988 25年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、土に染み込んだセメダイン。野菜のタネ。夏野菜を水で洗う。
口に含めば、上質な和食を味わった後に感じるバランス感。



サンプリング会は終わり、肌寒い秋の夜に、参加者は散り散りになっていく。今回は突出したウィスキーはなかったように感じられた。それは多くの参加者の共通した意見だったが、われわれは単に贅沢なだけなのかもしれない。
ウィスキーという単なる液体に、ついドラマのような感動を求めてしまっているのだから。



Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: ボトラーズ:SMWS(ソサエティ)

レビュー:SMWS 夏の試飲会2014 ~13本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの夏の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Spring Bottles Sampling)

世界最大のウィスキー愛好家団体であるSMWSが主催する、季節ごとの試飲会。日本でも数カ所で開催されている(開催情報はこちら)。今回も13本の新ボトルが振る舞われた。しかし今回の新システムではあらかじめ、なんと、「1本につきハーフショットずつ」注がれたグラスが目の前に並んでしまった。13本✕0.5杯=6~7杯、となり、、大変な酒量になった。強い人はいいけれど、律儀に全部飲んだら弱い人はダウンしてしまう・・というぐらい気前の良い会だった。

さて、今回も13本のボトルを13位から1位まで一挙紹介する。
(ウィスキーの名前の冒頭につけられた数字は、SMWS独自の蒸留所と樽を表すコードだ)

この日のための13本のボトル。ソサエティのボトルはラベル以外全部一緒。

予め並んだグラス


13位
53.204 Caol Ila 1995 18yo (カリラ 1995 18年熟成
【Kawasaki Point】
53point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、万年筆のペン先。紙とインク。
口に含めば、筆が進まず、原稿用紙に顔をうずめる。う~ん。


12位
50.54 Bladnoch 1990 23yo (ブラッドノック 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
69point
【評価】
グラスを香れば、細い酸味が上がってくる。パイナップルのニュアンス。
口に含めば年代物の日に焼けた木の板。
木が好きならのめり込む味。


11位
13.46 Dalmore 2005 8yo (ダルモア 2005 8年熟成)
【Kawasaki Point】
73point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、凝縮した桃。ブラックペッパー。
少量口に含めば、米粉のお菓子。上品な甘みとろうそくの炎。
口当たりの良い一杯。

それぞれのカラーリング

同点9位
76.115 Mortlach 1995 18yo (モートラック 1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
その香りは、大きなトラックの巨大なタイヤ。
口に含めば、トラックはそのまま通り過ぎていく。
夏の日の一瞥(いちべつ)をくれた風景。


同点9位
59.50 Teaninich 1983 30yo (ティナニャック 1983 30年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
その香りは、鋭く尖った帆船の先端、切り込んでくるスパイス。甘く煮たオレンジピール。砂浜。
口に含んでいれば、ビリビリしびれる。舌の上でスパイスが弾けて銃撃戦が繰り広げられているみたい。


8位
123.8 Glengoyne 2001 12yo (グレンゴイン 2001 12年熟成)
【Kawasaki Point】
80point
【評価】
その香りは、古い本棚。古い木枠のガラス窓。
口に含めば、蜘蛛の巣がかかった書斎が浮かぶ。
この夏、近くの洞窟まで冒険に出ようか。避暑地の貸家でひと夏を過ごすワクワク感。


同点6位
3.220 Bowmore 2000 13yo (ボウモア 2000 13年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
その香りは、牡蠣のオイル漬けの缶詰を開けた瞬間に、期待を満たされたような満足感を与える。
そのまま目を閉じ口に含めば、そのまま世界にひたって、楽しめる。
安定した味。


同点6位
29.153 Laphroaig 1990 23yo (ラフロイグ 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、診断書を1枚燃やした診察室。銀色にピカピカ光っている器具。白衣とブラインド。
口に含めば、味わい深い木と、煙。
雰囲気のある、あたらしい家具屋のニュアンスも。

香りが立ち上る

同点3位
26.102 Clynelish 1984 29yo (クライヌリッシュ 1984 29年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、うっそうと生い茂るジャングル。ここは生命力に溢れていて何もかもが早く成長する。若いトラのなめらかな体毛。
口に含めば、安心と緊張の間にある夜の始まり。音と音の間の静けさに耳を済ませるのは、精神が統一されているリラックスからか、あるいは襲われまいとする生存への危機感からか。
個性の一撃。


同点3位
77.34 Glen Ord 2000 13yo (グレンオード 2000 13年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
その香りは、夏の果実を水で洗って、バスケットに盛りつけた。単純だが飽きが来ない。
口に含む。果実水をぎゅっと凝縮して、香水にしたら、このウィスキーになるだろう。



同点3位
17.38 Scapa 2002 12yo (スキャパ 2002 12年熟成)
【Kawasaki Point】
86point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、暖かな春の日に吹く潮風。甘く気だるいのは、流れている音楽のせいか。水着とサングラス。短いバカンス。
口に含む。素潜りをして楽しもう。海にプカプカ浮かんでいると、青い空に太陽が大きく見えてくる。
バカンスの思い出をボトルに詰め込んだら、このウィスキーになるだろうか。



2位
93.59 Glen Scotia 1999 14yo (グレンスコシア 1999 14年熟成)
【Kawasaki Point】
89point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、スミレのブーケ。生きている植物の香り。雨の日に木の板を伝う水。
口に含めば、夜に香る花と、花の香りを移した煙。
絶妙な陶酔感。

2014 サマーボトルサンプリング会

1位
121.68 Arran 1999 14yo (アラン 1999 14年熟成)
【Kawasaki Point】
93point
【評価】
グラスから立ち上る香りは、休日の別荘で焼くピザ。パティオに畑が続いている。庭にテーブルセッティングをして。
口に含む。例え太陽の下でも、これはうまく飲める。みずみずしさと調和した濃厚な樽香はまるで、森の中の巨木。
崩れない物語とやすらぎをもたらす一杯。



言うまでもなく、参加者全員の評価が完全に一致することはないが、クライヌリッシュとスキャパは多くの人が高評価だったようだ。また、グレンゴインの重厚さを評価する声も多かった。うまいウィスキーが多かったが、私は特にアランには調和と驚きがあったと評価した。
会場を後にすると、夏のまだ明るい午後7時に高揚感が高まり、心持ち歩くスピードも速くなる。家路に着く人や、2軒目へと向かう人、語りあう人々。次の開催は秋だから、皆、それまでさまざまなウィスキーとの出会いを果たすのだろう。そしてまた秋の日の午後5時に、同じ場所に集うことになるだろう。



Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯: ボトラーズ:SMWS(ソサエティ)

レビュー:SMWS 春の試飲会 2014 ~13本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの春の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Spring Bottles Sampling)
シーズンごとに開催される、5,000円でウィスキーがたくさん飲める会だ。

この通称SMWS(または“ソサエティ”と呼ばれる)という団体は、ウィスキーが好きな人々の間では結構有名で、各地の樽を買い付けて、独特のボトルデザインで会員のみに販売している。会員でなくとも、ボトルが置いてあるバーなら飲むことはできる。

さて、前回私が参加した会は試飲方法が改悪されて不評を買っていたが、今回は改善されていた。最初から目の前に自分の分のグラスが全種類並んでいた。これなら自分のペースで好きな順に飲める。
普段はワインが好きだという女性客も複数名参加していた。ウィスキーはぜんぜん知らないけれど、「勉強のために参加してみたいと思った」そうだ。イベントって大切なのだなと思った。ウィスキーとの素敵な出会いでありますように。

シーズンごとに開催されるソサエティの試飲会

並ぶグラス。果たしてどのような出会いがあるのだろう


今回も、ランキング形式で13本のウィスキーのレビューを一挙掲載する。


第13位
127.38 PORTCHARLOTTE 2003 10yo (ポートシャーロット 2003 10年熟成)
【Kawasaki Point】
56point
【評価】
香りは、風と砂埃。
口に含めば、くゆらせたパイプタバコの煙。


第12位
17.36 SCAPA 2003 11yo (スキャパ 2003 11年熟成)
【Kawasaki Point】
76point
【評価】
グラスから立ち上る、穏やかでたおやかだが、厚めに重ねた甘さ。
目を閉じ飲み込めば、ハチミツの向こう側に透けて見えるボート。


第11位
4.182 HIGHLAND PARK 1999 13yo (ハイランドパーク 1999 13年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
グラスが放つ果汁そのままの甘さ。
舌の上をすぎさっていく甘さ。


同点7位
28.24 TULLIBARDINE 1990 23yo (タリバーディン 1990 23年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
鼻腔に感じる不思議な燻製感。心豊かになるふくよかさ。
この液体はまるで、焦がした樽を舐めているかのような。
アンティーク家具に囲まれて飲みたいウィスキー。


同点7位
46.22 GLENLOSSIE 1992 20yo (グレンロッシー 1992 20年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
グラスの放つ香気は、花の蜜と、古いテーブル。
その印象を頭に浮かべながら、あごを上げグラスから液体を流し込めば、華やかさを残したまま、木の個性と絡まり、美しさともいえるまとまりを見せる。


同点7位
72.35 MILTONDUFF 1984 28yo (ミルトンダフ 1984 28年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
この香りは、夏の果実、朝顔。桐の箪笥。
飲めば、煙い、甘みが少し深い。崩れないがドラマティックでもない。


同点7位
23.73 BRUICHLADDICH 2002 11yo (ブルイックラディ 2002 11年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
グラスを揺らすと香りが立ち上る。それはシンナーのようであり、キリリと尖った個性。狂おしい情熱。
少量口に含んでみれば、おぉ、バシャバシャと夏の海で水遊びする子供たちよ。朽ちかけた桟橋と、太陽よ。


同点5位
29.145 LAPHROAIG 1990 22yo (ラフロイグ1990 22年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
鼻から息を吸い込むと、煤(すす)を嗅ぎながら、オイルサーディンを開けるようだ。わずかに柑橘。
そのまま口に含めば、ぬるっとした煙感。
このウィスキーは味覚が鈍る厳しい冬の海でもこの個性を感じられるだろう。


同点5位
121.63 ARRAN 1995 17yo (アラン 1995 17年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
この香りは!目の覚めるような陶酔感、夏の朝の水やり後のツタ。水滴がキラキラしている。
グラスを傾け口に流し込めば、さわやかに水をゴクゴクのんだ感じ。体の芯があたたかい。



同点2位
G4.5 CAMERONBRIDGE 1979 34yo (キャメロンブリッジ 1979 34年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
ケーキ。小麦感。
おいしいウィスキー。


同点2位
35.102 GLEN MORAY 1974 39yo (グレンマレイ 1974 39年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
鼻で感じるこのウィスキーは、上質な木の煙。パイプの名品の木のツヤ。吸い込むたびに魂が癒される。
口の中で転がせば、上品な気の渋みと塩み。
逸品。


いよいよ、今回の1位は?


第1位
3.124 BOWMORE 1995 18yo (ボウモア 1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
89point
【評価】
果実を蒸留したのかと思わせるほどの上品さ。銅の香り。
そっと口に含んでみれば、パウダーシュガー、お菓子のようなファンタジーを感じさせ、サーカスの夜に目を輝かせる子供のような気分。



午後5時からのサンプリング会が終わっても、街はまだ明るかった。これから徐々に暗くなるが、さほど寒くもない。ほろよいの気分で、さらに繰り出す者もいれば、しずかに家に帰る者もいるだろう。
それぞれが果たしたウィスキーとの出会いを胸に抱きながら、会は散り散りとなった。