Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:スプリングバンク2000 12年 SMWS 27.102 波音のメロディ

Springbank 2000 12yo SMWS 27.102(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのスプリングバンク 2000 12年熟成 )を飲んだ。85点。

スプリングバンク 2000年 12年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づければ、木の蜜、搾りたてのライム果汁、おぉグッド・シェリー・パフューム。土の香りも漂わせるが野暮にならないのは、上品な甘みがあるから。夜の海辺で線香花火をしているような静かな主張。
グラスを傾け口に含めば、木の酸味と渋みを漂わせながら、すっきり、さわやか、甘い、熱い。にがみと煙があとから上がってくる。
波音をメロディにしてジャズドラムを聞きたい、そんな気分にさせるウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Springbank 2000 12yo SMWS 27.102(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのスプリングバンク 2000 12年熟成 )
地域:Campbeltown, キャンベルタウン
樽: 1st Fill Sherry Hogshead,  ホグスヘッド ファーストフィル、シェリー
ボトル:Scotch Malt Wisky Society スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ


ファーストフィルのシェリー樽なのに、
くどくなく、すっきり爽やか

12年塾生の割りにバランスが良い

野暮にならないのは、上品な甘みがあるから

ソサエティは世界最大のウィスキー愛好家団体

すっきり、さわやか、甘い、熱い

波音をメロディにして、ジャズドラムを・・・

イギリスはキャンベルタウンにあるスプリングバンク蒸留所の位置を、地図で確かめてみて。

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Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:アードボッグ 香りの構成の妙

ARdbOG(アードボッグ)を飲んだ。83点。
決して誤植ではなく、アードベッグから出た「アードボッグ」だ。アイラ島のウィスキーはスモーキーな香りを出すためピート(泥炭)を焚くのだけれど、そのピートの採れる湿地(Peat Bog)と、Ardbegを掛けているジョークというか言葉遊び。責任者のビル・ラムズデン博士のセンスなのだろうか。

ARdbEGから出たARdbOG

【評価】
グラスから立ち上るのは、華やかな麦の香り、穏やかでありながら柑橘の効いたピート香、不思議な存在感がある。ジャーキーのスパイシーさ。
口に含めば、穏やかでしっかりなめした革(カーフ)を感じ、その奥に隠れた柑橘香が、この滑らかで個性的なテクスチャを支え、バランスしているかのよう。
この香りの構成の妙。まるで科学書を紐解いたような知的な刺激に溢れているウィスキー。

【Kawasaki Point】
83point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:ARdbOG(アードボッグ)
地域:ISLAY, アイラ島
樽:Oak, Burbon,  オーク、バーボン樽
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

キャップはやっぱりアードベッグ


eがoになっている。年数表示はない

ピート採掘のレトロな写真。
写真右側にはトレードマークの犬(名前:ショーティー)

穏やかでしっかりなめした革(カーフ)、奥に隠れた柑橘

ウィスキーの聖地のひとつ、アイラ島に位置するアードベッグ蒸留所をGoogle Mapで確かめてみて。

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Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:シングルトン10年 旧ラベル そして蜂蜜の後味

SINGLETON 10yo(シングルトン10年熟成)を飲んだ。78点。
このラベルは少し前(90年代)のもの。

ザ・シングルトン・オブ・オスロスク 10年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づければ、ハニートースト、甘い酸味と竹炭。
口に含めば、甘くやわらかい入り口、そして蜂蜜の後味。また口に運びたくなるコク。
上品なデザートウィスキー。

【Kawasaki Point】
78point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:SINGLETON 10yo(シングルトン10年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽: Oak, Bourbon,  オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ハニートースト、甘い酸味と竹炭



シングルトンの蒸留所があるのは「オスロスク」だが、
これはゲール語で「赤い流れを横切る浅瀬」という意味だ
ということが書かれた裏ラベル

甘くやわらかい入り口、そして蜂蜜の後味。
また口に運びたくなるコク。





Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:グレンマレイ1988 23年 SMWS 35.67 夏の庭でのひととき

Glen Moray 1988 23yo SMWS 35.67(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのグレンマレイ1990 23年熟成 )を飲んだ。87点。

SMWS 35.67 グレンマレイ1988 23年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づければ、オイルを塗った樽の木、スパイスとベリーがはじけ、ニス工作をする子供を眺めるおじいちゃん。夏の庭でのひと時。
口に含めば、マーガレットなどの花々が舌の上で香り、ザラメの砂糖といっしょにスパイスが香る。
あたたかい思い出に包まれた夏のようなウィスキー。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:Glen Moray 1988 23yo SMWS 35.67(ソサエティのグレンマレイ1990 23年熟成 )
地域:Highland, ハイランド
樽: Refill Hogshead, Bourbon,  ホグスヘッド リフィル、バーボン
ボトル:Scotch Malt Whisky Society スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ

スパイスとベリーがはじけ

「夏のための冬のスパイス」
SMWSのボトルにはいつも詩のようなタイトルが

マーガレットなどの花々が舌の上で香り

あたたかい思い出に包まれた夏のような




Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:グレンアラヒ1995 11年 サマローリ 奇妙な一杯

Glenallachie 1995 11yo SAMAROLI(サマローリのグレンアラヒ1995 11年熟成)を飲んだ。85点。
サマローリのボトルはいつも洒落てる(ボトルも香味も)。

珍しいサマローリのグレンアラヒ1995 11年熟成
「グレンアラヒ」自体ほとんど流通してない

【評価】
グラスから立ち上るのは、甘くビターな酸味、黒酢、花の香り、水の中に沈んだ木。冬の枯葉。
口に含めば、ぬっぺりと入ってくるのに、淡く爽やかなスパイスが香り、後味まで爽やか。
香りと味のギャップに驚かされるが、なぜかバランスしている奇妙な一杯。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Glenallachie 1995 11yo SAMAROLI(グレンアラヒ1995 11年熟成 サマローリ)
地域:Higland, ハイランド
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:SAMAROLI、サマローリ


裏ラベルにはテイスティングノートが。
このボトルは441本中の133本目のようだ 
シェリーカスク

甘くビターな酸味、黒酢、花の香り、水の中に沈んだ木

香りと味のギャップに驚かされるが、
バランスしている奇妙な一杯

ほとんど知られていない「グレンアラヒ蒸留所」の場所はこちら。地図で確かめて。

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Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:ローズバンク1990 21年 SMWS 25.63 横長の風景画

Rosebank 1990 21yo SMWS 25.63(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのローズバンク 1990 21年熟成 )を飲んだ。86点。
ローズバンクといえば、ローランド地域の今はもう閉鎖した蒸留所だ。このボトルは、世界一のウィスキー愛好家団体であるソサエティが所有している樽からのリリース。やがて、時が経てばストックも尽き、いつかは飲めなくなる酒だ。

尽きていくウィスキーもあれば、生まれてくるウィスキーもある。
今まさにこのときに飲める仕合せというものを、たまに感じることもある。


【評価】
グラスから立ち上る香りから想起する風景――黄金色の麦畑を撫でた風が、スパイスとイチゴを連れて来る。
口に含めば、舌触りはすこしだけざらつき、なめらか。木の甘みと旨み。麦とイチゴ。余韻はふくよかで、画角が横長の風景画を見ているかのようなゆったりとした気持ちになるウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:Rosebank 1990 21yo SMWS 25.63(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのローズバンク 1990 21年熟成)
地域:Lowlands, ローランド
樽: Refill Hogshead, Bourbon,  ホグスヘッド リフィル、バーボン
ボトル:Scotch Malt Wisky Society スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ

SMWSのコードで25はローズバンク
63番目のリリースは
フランス語で「梨と胡椒」

21年熟成

リフィルバーボンホグスヘッド
ソサエティのボトルはいつも樽出しのままだ

黄金色の麦畑を撫でた風が、
スパイスとイチゴを連れて来る

舌触りはすこしだけざらつき、なめらか

横長の風景画を見ているかのような

今はなきローズバンク蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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