スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの秋の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Autumn Bottles Sampling)
それ何なの?と思われる方が日本でも99.9%以上と思われるニッチな会だが、わかりやすく言えば、「5,000円で、12種類のウィスキーが飲み放題の会」だ。すべてのウィスキーは、世界最大のウィスキー愛好家団体のソサエティが、各蒸留所から直接買い付けた樽から、なにも混ぜず・加えずの状態でボトリングしたものだ。12本のボトルの中にはかなり長熟で価格が高いものも含まれるのでお得でもある。
春夏秋冬のリズムに合わせ、年4回開催される。(各地の開催情報はこちら)
今回も、2013年秋の試飲会、12本のボトルのレビューをランキング形式で一挙掲載する。
(参考:今年の夏のレビューと春のレビュー)
口に含めば、ラベンダーが平べったく、かつ鋭く現れるが、まるでガラスケースの中に入っているようだ。
かつてそこになにか輝かしいものがあったことをうかがわせる遺跡のようなウィスキー。
同点11位
127.35 PORTCHARLOTTE 2003 9yo (ポートシャーロット2003 9年熟成)
口に含めば、ひたすらピートがあり、酸味とペッパー。おだやかさを感じる。
狭き門だが、くせになる可能性があるウィスキー。
同点9位
4.179 HIGHLAND PARK 1991 22yo (ハイランドパーク1991 22年熟成)
口に含めば、柑橘が持つべき甘みが舌の先で広がりながら、さっと消えてしまう。
余韻にわずかにオイリーさを感じるが、さらっと飲める。
同点9位
36.62 BENRINNES 1991 21yo (ベンリネス1991 21年熟成)
口に含めば、船で航海に出る気分。ジリリと熱く、バケットにレバーペーストを載せ、半分を一口で食べる。
食前酒にはぴったりな一杯。
8位
53.191 CAOL ILA 1996 16yo (カリラ1996 16年熟成)
口に含めば、ハーブの葉っぱを舌の上に載せて、甘みを味わいながら、煙が追っかけっこ。
穏やかですこし個性がくすぶったカリラ。冬ごもりしたときに飲みたい。
同点5位
29.140 LAPHROAIG 1995 18yo (ラフロイグ1995 18年熟成)
口に含めば、塩とあさりスープ。ディルとペッパー。鋭さではなく、角の丸い香り。
穏やかな情景の浮かぶラフロイグ。
17.34 SCAPA 2002 11yo (スキャパ2002 11年熟成)
口に含めば、期待していた通りの塩キャラメル。船の木の板に塗ったオイル。
味わいの深い、映画のワンシーンのような洒落た一杯。
同点2位
71.39 GLENBURGIE 1985 27yo (グレンバーギー1985 27年熟成)
口に含めば、しっとり上品、イチジクの種を噛みながらよく味わっているような。スモーキーな紅茶。
昼下がりにゆったり味わいたいウィスキー。
1位
73.58 AULTMORE 1991 21yo (オルトモア1991 21年熟成)
【Kawasaki Point】
94point
【評価】
グラスに顔を近づけると、新鮮な驚き。水晶玉のアクアリウム、さわやかな森の香り、うすいスパイス。
口に含めば、バニラの木の香りがしっかり。スパイシーかつ中庸。チョコチップとスパイスが余韻として香る。
気の利いたバランスがとれた美しい一杯。
今回のサンプリング会はハイレベルであった。点数も73~94点で、過去最高だ。
スキャパやバーギーを1位に推す声もあり、特にスキャパは「香り高い」という意見が多かった。
あっという間の2時間で、会が終わり店を出た。雨上がりの街は少し暗く、そして肌寒かった。もう秋なんだなと実感して、冬のサンプリング会はどんな風になるだろうかと少し考えたりした。
おのおの家路に着いて、余韻をかみ締めていたに違いない。
それ何なの?と思われる方が日本でも99.9%以上と思われるニッチな会だが、わかりやすく言えば、「5,000円で、12種類のウィスキーが飲み放題の会」だ。すべてのウィスキーは、世界最大のウィスキー愛好家団体のソサエティが、各蒸留所から直接買い付けた樽から、なにも混ぜず・加えずの状態でボトリングしたものだ。12本のボトルの中にはかなり長熟で価格が高いものも含まれるのでお得でもある。
春夏秋冬のリズムに合わせ、年4回開催される。(各地の開催情報はこちら)
今回も、2013年秋の試飲会、12本のボトルのレビューをランキング形式で一挙掲載する。
(参考:今年の夏のレビューと春のレビュー)
SMWS 2013 秋のサンプリング会 スタート! |
同点11位
3.208 BOWMORE1989 24yo (ボウモア1989 24年熟成)
【Kawasaki Point】
73point
【評価】
香りは、ピーティ、酸味、太陽に灼けた砂。口に含めば、ラベンダーが平べったく、かつ鋭く現れるが、まるでガラスケースの中に入っているようだ。
かつてそこになにか輝かしいものがあったことをうかがわせる遺跡のようなウィスキー。
同点11位
127.35 PORTCHARLOTTE 2003 9yo (ポートシャーロット2003 9年熟成)
【Kawasaki Point】
73point
【評価】
グラスから香るのは、強烈なピート、ペッパーと奥に隠れた柑橘。口に含めば、ひたすらピートがあり、酸味とペッパー。おだやかさを感じる。
狭き門だが、くせになる可能性があるウィスキー。
同点9位
4.179 HIGHLAND PARK 1991 22yo (ハイランドパーク1991 22年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
グラスから立ち上るのは、かぼすとホワイトグレープフルーツの果汁に、それからペッパーを少しふりかけてシェイクした香り。木のコップに注がれている。口に含めば、柑橘が持つべき甘みが舌の先で広がりながら、さっと消えてしまう。
余韻にわずかにオイリーさを感じるが、さらっと飲める。
同点9位
36.62 BENRINNES 1991 21yo (ベンリネス1991 21年熟成)
【Kawasaki Point】
78point
【評価】
グラスに顔を近づけると、すぅーっと垂直に細く立ち上る香り。色で例えるなら透明の青と水色の螺旋。わずかにペッパーを纏う。パイナップルをわずかに。口に含めば、船で航海に出る気分。ジリリと熱く、バケットにレバーペーストを載せ、半分を一口で食べる。
食前酒にはぴったりな一杯。
ベンリネス1991 21年 ソサエティのタイトルは The Italian Job 訳せば「イタリアの仕事」 |
8位
53.191 CAOL ILA 1996 16yo (カリラ1996 16年熟成)
【Kawasaki Point】
82point
【評価】
香りは、木の酸味と煙。口に含めば、ハーブの葉っぱを舌の上に載せて、甘みを味わいながら、煙が追っかけっこ。
穏やかですこし個性がくすぶったカリラ。冬ごもりしたときに飲みたい。
同点5位
29.140 LAPHROAIG 1995 18yo (ラフロイグ1995 18年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
香るのは、さわやかな柑橘をちりばめた、石釜の香り。口に含めば、塩とあさりスープ。ディルとペッパー。鋭さではなく、角の丸い香り。
穏やかな情景の浮かぶラフロイグ。
同点5位
39.90 LINKWOOD 1990 22yo (リンクウッド1990 22年熟成)
口に含めば、ポテトとブラックペッパーのスープ。
疲れたときの活力剤のような、日常にスパイスが欲しいときのためのウィスキー。
同点5位
44.58 CRAIGELLACHIE 1999 13yo (クライゲラヒ1999 13年熟成)
口に含めば、厚みのある草とミルク、干し草もある。
秋の星々をながめるときに飲みたいウィスキー。
4位
1.174 GLENFARCLAS 1997 16yo (グレンファークラス1997 16年熟成)
口に含めば、白いリネンのテーブルクロスの上に出された、バターの効いたスープ。フォークとナイフ。ロウソクと、ロウソクの光に照らされたオレンジ。
夏の宵の口の食事のひと時を想起させるウィスキー。
同点2位39.90 LINKWOOD 1990 22yo (リンクウッド1990 22年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
グラスから立ち上るのは、ポトフとブラックペッパー、少ししつこいくらいの木のこってりとした香り。口に含めば、ポテトとブラックペッパーのスープ。
疲れたときの活力剤のような、日常にスパイスが欲しいときのためのウィスキー。
同点5位
44.58 CRAIGELLACHIE 1999 13yo (クライゲラヒ1999 13年熟成)
【Kawasaki Point】
83point
【評価】
グラスに鼻を近づけると、紫陽花のような香り。ハッサク。子供のビーチの砂遊び。口に含めば、厚みのある草とミルク、干し草もある。
秋の星々をながめるときに飲みたいウィスキー。
クレイゲラヒ1993 13年熟成 ソサエティのタイトルは A Bittersweet Sensation 訳すと「ほろにがの大騒動」かな? |
4位
1.174 GLENFARCLAS 1997 16yo (グレンファークラス1997 16年熟成)
【Kawasaki Point】
85point
【評価】
目を閉じてグラスに顔を近づければ・・、すこし奥まったところ、生垣に挟まれた狭い道をすこし歩き、小ぶりな鉄の扉を開ける。眼前に現れたレストランに期待値が上がる。口に含めば、白いリネンのテーブルクロスの上に出された、バターの効いたスープ。フォークとナイフ。ロウソクと、ロウソクの光に照らされたオレンジ。
夏の宵の口の食事のひと時を想起させるウィスキー。
17.34 SCAPA 2002 11yo (スキャパ2002 11年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
香りは、オレンジピールにかかったハチミツ!香水のように上品!太陽の光を想起させる。午睡(シエスタ)。うっとりする・・いつまでも香っていたい。口に含めば、期待していた通りの塩キャラメル。船の木の板に塗ったオイル。
味わいの深い、映画のワンシーンのような洒落た一杯。
ソサエティのタイトルも Seaside holiday dram 訳せば「海辺の休日のひと口」 |
同点2位
71.39 GLENBURGIE 1985 27yo (グレンバーギー1985 27年熟成)
【Kawasaki Point】
88point
【評価】
香りは、夏のスイカ、腐葉土、ねっとりした温かみに湿度を感じる、イチジク、ほんのりと煙。口に含めば、しっとり上品、イチジクの種を噛みながらよく味わっているような。スモーキーな紅茶。
昼下がりにゆったり味わいたいウィスキー。
ソサエティのタイトルは Sweetness gently tickled by oak 訳せば「オーク樽による甘美で優しいくすぐり」 |
1位
73.58 AULTMORE 1991 21yo (オルトモア1991 21年熟成)
【Kawasaki Point】
94point
【評価】
グラスに顔を近づけると、新鮮な驚き。水晶玉のアクアリウム、さわやかな森の香り、うすいスパイス。
口に含めば、バニラの木の香りがしっかり。スパイシーかつ中庸。チョコチップとスパイスが余韻として香る。
気の利いたバランスがとれた美しい一杯。
12本の中で頂点のオルトモア1991 21年熟成 ソサエティのタイトルは「Simple and seductive」 訳せば「シンプルで誘惑的」 う~んまさに! |
バランスがとれた美しい一杯 |
今回のサンプリング会はハイレベルであった。点数も73~94点で、過去最高だ。
スキャパやバーギーを1位に推す声もあり、特にスキャパは「香り高い」という意見が多かった。
あっという間の2時間で、会が終わり店を出た。雨上がりの街は少し暗く、そして肌寒かった。もう秋なんだなと実感して、冬のサンプリング会はどんな風になるだろうかと少し考えたりした。
おのおの家路に着いて、余韻をかみ締めていたに違いない。
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