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レビュー:グレンファークラス 40年 蝋燭の炎の揺らめき・・・

Glenfarclas 40yo(グレンファークラス 40年)を飲んだ。96点。
さて、今夜のウィスキーの香りはどのようなものだろう?

グレンファークラス 40年熟成

【評価】
そっとグラスを揺らす。完熟のオレンジの皮から抽出された香りがあたりに広がる。ごく上質の生チョコを溶かしているかのよう。ごろごろ転がる樽の映像が浮かぶ。古いがしっかりとしている樽の姿。錆びた鉄。
グラスをそのまま持ち上げ、口に少量含む。オレンジピールがスパイスとなって、ぴりぴりと弾ける。ダークブラウンのチョコがカカオの豆の香りをそのまま新鮮に伝える。蝋燭の炎の揺らめきに合わせて思い出が揺らめく。
旧友と思い出話を始めたくなる心温まるウィスキー。

【Kawasaki Point】
96point

【基本データ】
銘柄:Glenfarclas 40yo(グレンファークラス 40年)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


1836年創業

ハイランド シングル・モルト スコッチ・ウィスキー

ごく上質の生チョコを溶かしているかのよう。

カカオの豆の香り


旧友と思い出話を始めたくなる心温まるウィスキー。




グレンファークラスは、ゲール語で『緑の草の生い茂る谷間』という意味。地図で場所を確認できる。






レビュー:ザ・ニッカ40年熟成 観客が目を閉じ・・・

ザ・ニッカ 40年熟成(The Nikka 40yo)を飲んだ。98点。
ニッカ創業以来の渾身の作だ。創業80周年を記念してつくられた数量限定のボトルで、原酒の一番古いものは余市の1945年(終戦時)、それから宮城峡の1969年(宮城峡設立時)ということだ。

細かい説明は省こう。このボトルの中身はどのような香味だろうか?


【評価】
グラスに鼻を近づける。厚みが深く、どこまで嗅いでも確かめようのない流れ出る音楽。安らぎとハーモニー。脳に快感を届ける。美しい重低音。クヌギと蜜、海岸。火花。果物であり海岸であり山であり、空であり土である。
不思議な心持ちのまま、口に含む。いくつかのウィスキーを、同時に味わっているかのような、オーケストラがクライマックスに達し、観客が目を閉じ音楽とひとつになる瞬間。余市のシグネチャーであるスパイスが終始美しく効いている。決して調和を目指し穏やかになることを目指して作られた味ではなく、ガツンとくる。
前も後も、この瞬間のために存在しているという瞬間。

【Kawasaki Point】
98point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:ザ・ニッカ 40年熟成(The Nikka 40yo)
地域:Japan
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

定価50万円のウィスキーだけあって箱も凝っている

開封前

12年と同じ形のボトルだが、文字はプリントではなく、彫ってある

オリジナルグラス付き

開封

斜め上からの写真。
エンブレムと文字のエンボス(彫込)が分かるだろうか

流れ出る音楽

オーケストラがクライマックスに達し・・・

前も後も・・・







レビュー:グレン・グラント 5ディケイズ 爽やかでありながら・・・

The Glen Grant FIVE DECADES (グレン・グラント ファイブ ディケイズ)を飲んだ。86点。
世界で12,000本、うち日本では200本限定。同蒸溜所の責任者であるデニス・マルコム氏が「ウィスキーづくりに携わって50年」を記念してリリースされた。

Decadesとは“10年間”のことで、ここでいう「5 Decades」は具体的には1960年代、70年代、80年代、90年台、2000年台のことを指している。ここ50年間のそれぞれの年代の原酒を使用している。デニス・マルコム氏の経験したこの50年間と、それぞれの年代の原酒。彼にとってはこのウィスキーの味わいとはどのようなものなのだろうか・・・と考えずにはいられない。

さてはて、このウィスキーの香味やいかに。

グレン・グラント ファイブ ディケイズ
【評価】
グラスから立ち上る香りをそっと吸い込めば、下草を刈った山にさわやかな風が吹く。木の筒から青空を覗く。不思議な高揚感。緑に包まれて。
口に含めば、ライト、ライトなのだが、山の緑が芽吹いて燃えているかのように舌の上でドラマを見せる。水晶に映った風景。
爽やかでありながら複雑性を持ち合わせているウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:The Glen Grant FIVE DECADES (グレン・グラント ファイブ ディケイズ)
地域:Highland, ハイランド
樽:oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


5つの年代を示す「V」の文字

グレン・グラントというブランドはイタリアではかなりメジャー

デニス・マルコム氏のサイン

下草を刈った山にさわやかな風が吹く。

爽やかでありながら複雑性を持ち合わせているウィスキー


グレン・グラント蒸溜所の位置を地図で確かめてみて。




レビュー:トミントール1967 45年 MoS 木の板についたハチミツ

TOMINTOUL 1967 45yo MALTS OF SCOTLAND(トミントール 1967 45年熟成 モルツ・オブ・スコットランド)を飲んだ。85点。
60年代蒸留で45年熟成もすごいが、シェリーでもバーボンでもなく、ラム樽であるということが珍しい一本。さてはて、その香味やいかに。

トミントール 1967 45年

【評価】
その香りは、繊維のはっきりした板材、ハッカ、ハチミツ、花の蜜。上品で高貴な陶酔感。
口に含めば、やわらかく入ってくるが、甘くて強い主張。鼻に抜ける花々の蜜。深い木の苦味。木の板についたハチミツを舐めるかのような。
上品で重みを感じさせないのに、どっしりとした深みを感じさせるウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:TOMINTOUL 1967 45yo (トミントール 1967 45年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Rum Barrel, ラムバレル
ボトル:MALTS OF SCOTLAND, モルツ・オブ・スコットランド

モルツ・オブ・スコットランド

繊維のはっきりした板材、ハッカ、ハチミツ、花の蜜

トミントール蒸留所

1967-2012 45年熟成 ラム樽

木の板についたハチミツを舐めるかのような

上品で重みを感じさせないが、どっしりとした深みを感じさせるウィスキー

トミントール蒸留所の場所を地図で確かめてみて。

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レビュー:グレンマレイ1977 36年熟成 スパイスのプレゼン

GLENMORAY 1977 36yo(グレンマレイ 1977 36年熟成)を飲んだ。83点。
125本の限定ボトルで、The Laich とあるのは地名だ。ラベルの説明によれば「40日間の特別な夏」がこのウィスキーを熟成させるようだ。
さてはてその香味とは。


グレンマレイ1977年仕込み 36年熟成

【評価】
グラスから立上るのは、崇高な香り。少しの甘みと、焦がしたフルーツ。石っぽさ。
口に含めば、スパイシーな樽香が折り重なる。麦の旨味を味わわせながら、最後まで変化するスパイスをプレゼンテーションする。

【Kawasaki Point】
83point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENMORAY 1977 36yo(グレンマレイ 1977 36年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

1977年5月3日仕込み、2013年2月20日に瓶詰め。

ELGIN CLASSIC

蒸留所の限定ボトル


崇高な香り。少しの甘みと、焦がしたフルーツ。

最後まで変化するスパイスをプレゼンテーションする

グレンマレイ蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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レビュー番外編:トレヴュー ヴィエーユ ド コニャック およそ百年の時を経て・・・

COGNAC TRES VIEILLE RESERVE Lafite Rothschild (コニャック トレヴュー ヴィエーユ  シャトー・ラフィット・ロートシルト)を飲んだ。88点。
コニャックはブドウからつくる蒸留酒。ウィスキーは大麦からつくる蒸留酒。大雑把に言えば、ワインを蒸留するとブランデーになり、ビールを蒸留するとウィスキーになる。ブランデーの中でも、フランスのコニャック地方のものを「コニャック」と呼んでいる。

このコニャックに出会えるとは。


ワインにお詳しい方なら、5大シャトーのひとつである「シャトー・ラフィット・ロートシルト」に「おっ」と思うかもしれない。世界でも最高のテロワール(土壌)をもつと言われている。
このシャトーがつくるブランデー。今回たまたま開ける機会があったので、レビュー番外編としてUPする。使われている原酒はなんと1900年のものがあるのだとか。というと・・・100年以上の時を経て口に運ばれるわけだ。

もはや味として成立するのか?いかに最高のテロワールで、蒸留酒であっても、1世紀以上もの歳月に耐えうるのだろうか?

この木箱に入っていた。ドメインはロートシルト男爵。


【評価】
おそるおそるグラスに鼻を近づければ、ブドウの木を連想させる、小粒で色の濃いブドウ、イチゴのショートケーキ、吸い込んでもツンとしない気品のあるアルコール。香りは、生きている。
目をとじて、口に含めば、ふくよかである。主張はしすぎず、しかし充分に豊か!香りのバリエーションが豊富なのに、口中に静かに充満する。
リッチで、おだやかな気分になるブランデー。

長熟でかなり歳月の経ったブランデーだけあって、かつて放っていた輝きは失っているであろうに、別の輝きを感じずにはいられなかった。
しかしそれは決してノスタルジーではない。現役の酒の中に混じって戦えるかといえば、戦える実力を持ったブランデーだ。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:COGNAC TRES VIEILLE RESERVE Lafite Rothschild (コニャック トレヴュー ヴィエーユ  シャトー・ラフィット・ロートシルト)
地域:Borderie, ボリドリ地区
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル



瓶の中のこの色!
蝋結されたコルクを苦労して開けたあと、2回濾した。
さすがにコルクが古かったのでボロボロであった。
魅惑の色
小粒で色の濃いブドウ、イチゴのショートケーキ、気品のあるアルコール
かつて放っていた輝きは失っているであろうに、
別の輝きを感じるブランデーである

銘シャトーのラフィット・ロートシルトの場所を地図で確かめて。ロートシルトは、ロスチャイルド。

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