レビュー:ラフロイグ2000 11年 リンブルグ・ウィスキーフェア ~煙たさと甘さのコラボレーション~

Laphroaig 2000 11yo  Limburg Whisky Fair(ラフロイグ2000 11年熟成 リンブルグ・ウィスキー・フェアー)を飲んだ。88点。
先日の、トマーティン1977 30年熟成に続いて、リンブルグ・ウィスキー・フェアのボトル。世界で276本限定。
ドイツのリンブルグで毎年開催されるウィスキー祭りの限定ボトル。珍しいのはラム酒樽フィニッシュということ。バーボン樽で寝かせたあと、最後が変わってる。最後にラム酒の樽に詰め替えて、少し寝かせて瓶詰めしているのだ。はて、どのような香味が付いているのか。


【評価】
グラスから立ち上る香りは、やわらかい煙とすぐ追っかけてくる砂糖の甘み。樽の淵についた砂糖。煙たさと甘さのコラボレーション。奥にしっかりとしたうまみの芯がある。
口に含めば、飲み口は柔らかく、まるでラム酒のよう。煙たさが柔らかさとなり、うまみをしっかりと届ける。若さがラムにより円熟味を加えられ、面白さとなる。
華やかさを加えたラフロイグ。


※それにしてもラフロイグは崩れない。若くとも長熟でも、今回のようにラム樽フィニッシュでも、その個性を保って、うまみを逃さない。よく「この蒸留所は○○年代がよかった」など言うことがあるが、ラフロイグは間違いなく“現役バリバリ”だ。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Laphroaig 2000 11yo  Limburg Whisky Fair(ラフロイグ2000 11年熟成 リンブルグ・ウィスキー・フェアー)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, Bourbon Hogshead, Rum, バーボン・ホグスヘッド、ラム
ボトル:Limburg Whisky Fair, リンブルグ・ウィスキー・フェア

One of 276 Bottles

2000年に蒸留され、寝かし、2011年に瓶詰めされている
やわらかい煙とすぐ追っかけてくる砂糖の甘み。
煙たさと甘さのコラボレーション



レビュー:トマーティン1977 30年 リンブルグ・ウィスキーフェア

Tomatin 1977 30yo Limburg Whisky Fair(トマーティン1977 30年熟成 リンブルグ・ウィスキーフェア)を飲んだ。85点。
ドイツ南部のリンブルグという町で年1回開かれるウィスキー・フェア。いろんなウィスキーが集まる世界的なイベントのようで(俺の町でもやってくれないかかな・・)。そのフェアの主催者が、毎年何種類か出すようですが、今回のトマーティンはその内の一本(世界で223本限定)。
(尚、国分300周年限定ボトルのトマーティン30年の記事はこちら

【評価】
グラスから立ち上るのは、深いぶどうと樽の香り。甘ったるくないのは、樽の熟成された渋みがバランスを取っているから。新緑の広葉樹の葉っぱ。
口に含めば、甘みが水平に広がる。木と葉の香りがふわっと芳ばしく、相応の深みがあり、瑞々しさがある。長熟にありがちな醤油の香りのえぐみがない。綺麗にニスが塗られた木の杖。
長熟なのに、若々しさの森につれてこられたかのよう。沈み込まないが、口の中で、そして鼻へ深さが広がる。
軽やかさをまとった長熟のまとまりを感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Tomatin 1977 30yo  Limburg Whisky Fair(トマーティン1977 30年熟成 リンブルグ・ウィスキーフェア)
地域:Highland ハイランド
樽:Oak, Bourbon Hogshead, バーボン・ホグスヘッド
ボトル:LINBURUG Whisky Fair, リンブルグ・ウィスキー・フェア


深いぶどうと樽の香り

木と葉の香りがふわっと芳ばしく、
相応の深みがあり、瑞々しさがある

軽やかさをまとった長熟のまとまりを感じる


リンブルグ・ウィスキー・フェアの公式紹介動画。
う~ん、大勢の人々、さまざまな蒸留所、ボトラー、セミナーに料理教室・・
ドイツ語分かりませんが、とにかく幸せなフェスティバルのようですね。



レビュー:タムデュー アートに昇華された木のえぐみ

TAMDHU(タムデュー)を飲んだ。86点。
ブレンデッド・ウィスキーのフェイマスグラウスに使用されているキーモルトのひとつでもある。
蒸留所が閉鎖していたが経営が変わって、今年2013年5月に再開予定だそうだ。ウィスキーの蒸留所は経営が安定しないところが多い。酒を造ることと売ること、両方うまくいくのは幸運なケースなのだろう。


【評価】
グラスをまっすぐ持ち上げ、首を折って鼻を近づければ、草を燻した香り。ハーブの複合。正露丸だが、針葉樹の木の香り。初夏の小川の岩。
首を持ち上げ、グラスを傾け液体を口に流し込むと、なめらかさ、意図的に消された鋭さが、このウィスキーの個性を際立たせる。なめらかな海藻のような舌触りが基調となり、高音部分に木の香りが激しく主張する。木のえぐみがアートに昇華されている。
安い酒だと思って気軽にウッカリ飲むと、その良さに驚かされるウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:TAMDHU(タムデュー)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


蒸留所は今年5月に再開予定のタムデュー
歴史は古く1897年からやってます。
ボトルの裏
なめらかな海藻のような舌触りが基調となり、
高音部分に木の香り
気軽にウッカリ飲むと、その良さに驚かされるウィスキー

TAMDHUの意味は、ゲール語で「薄暗い小さな丘」という意味だそうだ。
イギリスはハイランドにあるタムデュー蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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レビュー:ブラントン その馬のボトルキャップの愉しみ

Blanton's(ブラントン)を飲んだ。75点。
ブラントンはアメリカン・ウィスキーで、通称“バーボン”と呼ばれるケンタッキー州の酒だ。ケンタッキーダービーのサラブレッドがボトルキャップに使われていて、かなりインパクトが強い。
このバーボンが特徴的なのは、シングル・バレルということだ。(通常、さまざまな個性の樽の原酒を混ぜてボトリングするが、このブラントンは樽から出したまんまだ。だからボトルで個体差があるはず)


【評価】
グラスから上がる香りには、ねっとりした甘みの奥に竹と炭を感じる。バラの茎。ドライの木苺。
グラスを傾ければ、そのままの香りが口中に拡がる。焦がしと熱、そして甘みをじりじりと残しながら、ゆっくりと消えていく。
バランスは取れているが、味わいの幅は限定的なウィスキー。

【Kawasaki Point】
75point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Blanton's(ブラントン)
地域:アメリカ
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ねっとりした甘みの奥に竹と炭

バラの茎。ドライの木苺。

ボトルキャップは全部で8種類

B, L, A, N, T, O, N, S の8種類の馬の姿

ゴール!!


8種類のボトルキャップを集める愉しみもあるようで・・

甘みをじりじりと残しながら、ゆっくりと消えていく


ブラントンを瓶詰めする様子。作業している人、ぜったい酔っ払うよなぁ・・・。



バッファロートレース蒸留所は、ケンタッキー州にあり、ブラントンを作っている。

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