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レビュー:バランタイン ファイネスト 春の日の土の香り

Ballantine's Finest(バランタイン ファイネスト)を飲んだ。86点。

コンビニウィスキーシリーズが好評で、リクエストいただいたのが今回の「1,000円台ウィスキーシリーズ」だ。出会えるか出会えないかわからないような、高価で貴重なウィスキーも素敵だが、どこの酒屋でも出会えて「手に取りやすい」という流通力の高いウィスキーも、同じように素敵だと思う。
そこで今回は、実勢価格がおおよそ1,000円台のブレンデッド・ウィスキーを中心にレビューを連載する。
(ちなみに、このブログの評価は単に「香味」だけで、「価格・コストパフォーマンス」は含んでいない)

バランタインのファイネストはいわゆるノン・エイジで、ブレンドされている原酒が何年熟成かは明記されていない。一般的に言って熟成年数を縛らないほうがコストを抑えられるが、“コスト”と“ウィスキーの香味評価”にはほとんど関連がない。
さて、その香味やいかに。


【評価】
グラスから立ち上る香りは、蜂の飛ぶ花園。気品漂うアールデコの手すりとレンガと蔦(ツタ)。赤とピンクのバラが咲いている。春の日の土の香り。木のチェアに腰掛けた老人のパイプ。
口に含めば、老人に手招きされ、庭のティーテーブルで頂くお茶。レモンと蜂蜜。砂糖も載せて。
目を閉じ、ゆったりと味わうのとのできるウィスキー。気品に昇華されたバランス。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:Ballantine's Finest(バランタイン ファイネスト)
地域:Highland, ハイランド など
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

プラスチックのスクリューキャップ。密閉度は高いといえるだろう

鮮明な印刷のグラフィック




庭のティーテーブルで頂くお茶

気品に昇華されたバランス





レビュー:カバラン ソリスト バーボン ハチミツとバラの・・・

KAVALAN Solist Bourbon(カバラン ソリスト バーボン)を飲んだ。86点。
ウィスキーインポーターのエマナックの田中様よりご提供御礼。
(ところで書評ブログへの本の提供はよく見かけるが、ウィスキーブログへのウィスキーの提供はまだまだこれから、といったところで、比較的新しい動きではないだろうか。当ブログではよくもわるくも自由に表現させていただく前提で、ありがたく頂戴しております)

さて、その香味やいかに。

カバラン ソリスト バーボン樽 ご提供用のミニサイズ

【評価】
グラスから立ち上る香りは、生ぬるいハチミツ。ジンジャーとスパイス。濃厚。花の蜜が幾重にも重なったような。
口に含めば、ハチミツとバラの花びらがとろける。濃厚なバニラのような。
アジアの高層ビルから見下ろす夜景。

※非常にこってりとしているが、下品にならないバランスの取り方がカバランらしい。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:KAVALAN Solist Bourbon(カバラン ソリスト バーボン)
地域:Taiwan 台湾
樽: Oak,   オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル



ハチミツとバラの花びらがとろける。



レビュー:キングカー コンダクター 渋みがあるのに・・・

KING CAR WHISKY 頂極指揮(キングカーウィスキー コンダクター)を飲んだ。86点。
このブログをお読みになったインポーターの田中様から献杯いただいた。感謝。

日本ではこれから広まるであろう台湾のウィスキー、「カバラン」ブランドを作っているのが金車(英語読みで“キングカー”)だが、この社名を冠したウィスキー。その香味やいかに。

サンプル用の小瓶 キングカー コンダクター

【評価】
グラスから立ち上る香りは、麦を重ねた布団に寝ているかのよう。ゆっくり進む馬車と、青空。この清涼感は、近くで細い小川が流れているのか。
風が吹いて帽子が飛ばされる。
口に含めば、ほわっと味わいが広がり、素朴な木の額縁の水彩画、廻る木の車輪とその“こしき”、土に轍(わだち)を残して行く。
渋みがあるのに柔らかい、暖かすぎない春の日の一日。

※ローランド的なというべきだろうか、穏やかな印象だ。しかし、このカバランのシリーズにはスコッチをまねたという以上のオリジナリティがある。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:KING CAR WHISKY 頂極指揮(キングカーウィスキー コンダクター)
地域:Taiwan 台湾
樽: Oak,   オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

頂を極める、指揮。 Conductor コンダクター




レビュー:マックミラ スペシャル5 ハッピーハンティング 朝露の甘みよ

Mackmyra Special 5 Happy Hunting(マックミラ スペシャル5 ハッピーハンティング)を飲んだ。83点。
マックミラはスウェーデンの比較的新しい蒸溜所で、実験的な試みも多いようだ。ニューワールドのウィスキーはワクワクする。このウィスキーは、コケモモのワイン樽で熟成されたもののようだ。
さてはて、その香味やいかに。

マックミラ スペシャル5 ハッピーハンティング

【評価】
グラスから立ち上るのは、若草で透明感のある香り。朝露の甘みよ。清流と鉄分。
口に含めば、淡く香る。厚みのあるふわふわしたハチミツバターのホットケーキを頬張る。
さわやかで若々しいのに優雅。

【Kawasaki Point】
83point

【基本データ】
銘柄:Mackmyra Special 5 Happy Hunting(マックミラ スペシャル5 ハッピーハンティング)
地域:Sweden, スウェーデン
樽:oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


2010年 秋

バーコードにちょっとした遊び心




レビュー:カバラン ソリスト ビーニョ 上品に木に生った・・・

KAVALAN SOLIST VINHO(カバラン ソリスト ビーニョ)を飲んだ。85点。
カバラン(カヴァラン)は、台湾の蒸留所のウィスキーで、「SOLIST」は旗艦モデルと位置づけられているシングルモルトなのだろう。Sherry Cask(シェリーカスク), FINO(フィノ)につづいて、今回はVINHO(ヴィーニョ)。この名前は、要するにすべて「どの樽で熟成したか」をあらわしている。
シェリーは、シェリー酒の樽で、フィノはシェリー酒の中でも独特の酸味があり、今回のビーニョは、ポルトガルのワイン樽だ。
さてはて、その香味やいかに。

カヴァラン ソリスト ヴィーニョ

【評価】
グラスから立ち上る香りは、さわやかな清流、抜ける青空、ふくよかであり、鋭角でありながらも先端は丸みを帯びている。マスカットのような。
口に含めば、マスカットの酸味がコクを持ちながら拡がり、長い熱帯魚の水槽を思わせる。フルーツのフレーバーが広がる。
上品に木に生った果実を味わう夜。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:KAVALAN SOLIST VINHO(カバラン ソリスト ビーニョ)
地域:Taiwan 台湾
樽: VINHO,  ビーニョ
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル



ぶどう酒の桶=ビーニョ樽ということなのだろうか

カスクストレングス。樽出しのボトル192本中の76本

マスカットの酸味がコクを持ちながら拡がり

上品に木に生った果実を味わう夜。





レビュー:カバラン ソリスト フィノ 春の陽射しが集まって・・・

KAVALAN SOLIST FINO(カバラン ソリスト フィノ)を飲んだ。87点。
カバラン(カヴァラン)は、台湾の蒸留所のウィスキーだ。亜熱帯の台湾でどのようなウィスキーづくりが可能となるのか。なんでも、熟成は早くすすむらしい。しかし、成長を早めた分、熟成の質が、深みが物足りなくなるのでは・・・と思われがちでもある。ところがこのシェリー(の中でもフィノ)樽で熟成された一本は・・・・・、さてはて香味やいかに。

カバラン ソリスト フィノ

【評価】
グラスに鼻を近づければ、あまい香りの中に、ジンジャーのスパイス。春の若草(芽吹きはじめ)。陽気な弦楽を奏でそうな。不思議な三重奏。明らかだがふくよかな調和。
口に含めば、春の陽射しが集まってとろけて蜂蜜になり舌の上に垂れてきたかのような。クリスタルボールに野原の風景を映して、それをいっぺんに味わったような。土の香りもあり、どっしりしている。
確かに感じる不思議な調和。

※カヴァランは注目すべきニューワールド・ウィスキーで、既にその個性を確立しているといえるだろう。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:KAVALAN SOLIST FINO(カバラン ソリスト フィノ)
地域:Taiwan 台湾
樽: Sherry(FINO), Oak  シェリー、オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

特徴的なロゴ

ソリストのシリーズはカスクストレングスのようだ


確かに感じる不思議な調和

漢字って面白い

カバランの蒸留所はこちら。地図を拡大して台湾を旅してみては。




レビュー:ロッホインダール2007 5年 キングスバリー 赤いカニが・・・

LOCHINDAAL 2007 5yo Kingsbury(ロッホインダール 2007 5年熟成 キングスバリー)を飲んだ。87点。
ロッホインダールは、一時期、ブルイックラディ蒸留所で作られていた、ピートを効かせたモルトだ(つまり煙り臭い)。同じ蒸留所のポートシャーロットよりもピーティで、オクトモアほどではない。
今回は5年という短い期間での熟成だが、果たしてその香味やいかに。

ロッホインダール2007 5年熟成

【評価】
グラスを傾け、鼻に近づけると感じる、酸味のある細い香り。郷愁がある。砂であり果物である。海での一日。甘くしびれる、赤いカニが逃げていく。
口に含めば、蜃気楼が立つほどじりじり熱い。この甘みはけだるさか、それとも一日海で泳いだ疲れなのか。
まどろむ午後の一杯。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:LOCHINDAAL 2007 5yo (ロッホインダール 2007 5年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, オーク
ボトル:Kingsbury, キングスバリー社

ボトルの顔には大きく2007の文字

酸味のある細い香り。郷愁がある。

この甘みはけだるさか、それとも一日海で泳いだ疲れなのか

まどろむ午後の一杯


ブルイックラディ蒸留所はスコッチウィスキーの聖地、アイラ島の海岸沿いに位置している。






レビュー:アムルット ブラックペッパーをまぶしたブッシュドノエル

アムルット(AMRUT)を飲んだ。78点。
アムルットはインド産のシングルモルトだ(参考:シングルモルトとは何か?)。インドのかなり温暖な気候の下で、スコッチ(スコットランド産のウィスキー)と比較して3~4倍程度熟成が早く進むそうだ。台湾などと並んで、新世界ウィスキーのひとつと呼べるだろう。
さてはてその香味やいかに?

アムルット インドより来たるウィスキー 熟成年数は4、5年

【評価】
グラスに鼻を近づければ、バニラビーンズ、それから甘みを増した蜂蜜、濃いシェリーの木、胡椒。薪。
口に含めば、意外とさらっとしている。ブラックペッパーをまぶしたブッシュドノエル(薪の形をしたチョコレートケーキ)。かすかにハッカやミントなどのハーブ。
熱い情熱が舌の上でとろけるが、ただ過ぎ去っていく。長い余韻は楽しめない。

【Kawasaki Point】
78point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:アムルット(AMRUT)
地域:India, インド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

バニラビーンズ、それから甘みを増した蜂蜜

アムルットの操業は1948だが、
ウィスキーを蒸留し始めたのはもっと最近のようだ

ブラックペッパーをまぶしたブッシュドノエル


熱い情熱が舌の上でとろけるが、ただ過ぎ去っていく。





レビュー:ブナハーブン1995 6年 リバースタウン 夜空を見上げた・・・

BUNNAHABHAIN 1995 6yo RIVERSTOWN(リバースタウンのブナハーブン1995 6年熟成)を飲んだ。87点。
著名なウィスキー評論家でもあるロビン・トチェック氏のリリーするシリーズ。

リバーストーンのブナハーブン1995 6年

【評価】
グラスから立上る香りは、穏やかでとろけるような優しさ、どこまでも優しい。煙と、夏野菜のようなみずみずしさ。イチジクの甘酸っぱさ。思わず飲み込んでみたくなる。
口に含めば、甘い木苺の香りがパッと広がって、煙は主張し過ぎないまでもこのみずみずしさを下支えする。
こころほぐされ、夜空を見上げたときのような静寂に出逢う、そんなウィスキー。

【Kawasaki Point】
87point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:BUNNAHABHAIN 1995 6yo(ブナハーブン1995 6年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:RIVERSTOWN(リバースタウン)

6年熟成、樽出しそのままの60.1%


1995-2012

イチジクの甘酸っぱさ。思わず飲み込んでみたくなる。

夜空を見上げたときのような静寂に出逢う

ブナハーブン蒸留所はだいたいこのあたり。アイラ島とジュラ島との間の海峡。地図で確かめてみて。

大きな地図で見る




レビュー:オクトモア06.1 スコティッシュバーレイ ただし初心者には・・・

OCTOMORE 06.1 SCOTTISH BARLEY(オクトモア 06.1 スコティッシュバーレイ)を飲んだ。85点。
オクトモアは今や「世界でもっとも煙臭い(ピーティな)ウィスキー」として知られている。フェノール値は世界最大で、オクトモアの記録を、新しいオクトモアが塗り替えているという状態だ。
意外にも飲み口は柔らかいのだが・・・、さてはて今回のオクトモアの香味やいかに。

オクトモア06.1
【評価】
グラスから立上るのは、酸味と煙!甘く脳髄を溶かす香り。ああ、血液の中に溶け込むに違いない。くらくらするほどの。
口に含めば、不思議。柑橘の後味。思わずふた口目。ふくよかな煙が膨らみながら、いや、その実、爆発しているのかもしれない、体の中に入り込む。
暖炉の積まれたレンガに手を掛ける、スス臭さの温かみ。すごい煙体験のウィスキー。

※ただし初心者にはお勧めできない

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: OCTOMORE 06.1 SCOTTISH BARLEY(オクトモア 06.1 スコティッシュバーレイ)
地域: Islay, アイラ島
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


甘く脳髄を溶かす香り。

スタイリッシュで主張のあるボトル

ふくよかな煙が膨らみながら・・・

すごい煙体験のウィスキー。