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レビュー:余市1994 18年 SMWS 116.18

Scotch Malt Wisky Societyの余市18年を飲んだ。発売とほぼ同時に完売したボトル。87点。

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティはボトラーズブランドのひとつ。
(ボトラーズが何かということについてはこの記事を参照)


【評価】
鼻を近づけると、白檀の、高貴な香り。フローラルで、甘くうっとりし、体中の血液が踊る。
口に含むと、強烈な甘い香りが舌を襲い、ジリジリしながら甘いシビレを残して消えていく。バターの感じ。喉の奥に余韻を長く残す。
ウッディで大人の味ながら、無骨さや正直さ、強い主張が感じられる。
他にはないジャパニーズウィスキーの味わい。

【Kawasaki Point】
87point


【基本データ】
銘柄:116.18 Yoichi 1994 18年(余市 1994年 18年熟成)
地域:余市(北海道)
樽: Refill Butt (おそらくRefill Sherry Butt シェリー樽)
ボトル:Scotch Malt Wisky Society スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ


SMWS(=スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ≒通称:ソサエティ)では、
それぞれの蒸留所に独自のNo.をつけており、余市蒸留所は116番。
そして今回は余市の中で18番目のリリース。なので、「116.18」というボトルの表記になっている。


北海道は余市蒸留所の場所を確かめてほしい。

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ご参考までに:竹鶴の夢 余市蒸留所紹介ムービー



Kawasaki's Whisky Award 2012 ~2012年もっともオススメのウィスキー~


その年、もっとも輝いたウィスキーに贈られる Kawasaki's Whiskey Award が今年も発表されました。厳選なる審査の結果は下記のとおりです。


最優秀ウィスキー賞
~今年もっとも輝いたウィスキー。陰と陽をバランスし、飲む者の人生に深みを与える~

駒ケ岳 1985 Sherry Cask Strength (Age:27)

駒ケ岳 1985 Sherry Cask Strength (Age:27)


信州はマルス蒸留所の皆様、おめでとうございます。

“繊細な香りは、まるで香水のよう。香りのハーモニーにより、樽出しの60.7度ものアルコールはその強さを感じさせず、このウィスキーを支える必然となる。口に含むと、シェリー樽の木の繊維の一本一本を伝えてくるように、うまみと深みとコクが次々と展開される。思わずウットリするが、決してしつこくならず、次の一杯を「より味わうように」と誘われているかのよう。軽さと深さ、高音と低音、飲みやすさと味わい、相反する要素を見事に統合している。ジャパニーズウィスキーの最高峰に位置する逸品である”

あまりメジャーな銘柄ではありませんが、真摯なウィスキーづくりが審査員の心を揺さぶりました。2012年の最優秀ウィスキーという評価です。



最優秀新人賞
~今年もっとも驚きをもたらした若いウィスキー~

THE COOPERS CHOICE  LAPHROAIG 2005 (AGE:6)

THE COOPERS CHOICE  LAPHROAIG 2005 (AGE:6)


グラスゴーはバーズデンのブライアン・クルックさん、受賞おめでとうございます!

“わずか6年という若いウィスキーであるが、その成熟と骨格は信じられないほど。フレグランスはオイリーでスパイシー、スウィートでさわやか。しかし口に含むと、若いが、若いが、しっかりとしたラフロイグ。この若さでこの骨格を持っていることに驚かされる。まるで何かの宿命を背負って生まれてきた赤子の意志の強い目ような。フィニッシュは、長くデクレシェンドしていく。満足を与えてくれる一本”



最優秀技術賞
~今年もっとも高いウィスキー技術に贈られる。次のウィスキーの発展を予感させる~

THE LADDIE TEN (AGE:10)

THE LADDIE TEN (AGE:10)



アイラ島はブルイックラディ蒸留所のジム・マッキュワンさん、おめでとうございます!

“ノンピートであるが、アイラ島の湧き水を使うことによりピート香を感じさせ、グレープフルーツ、レモン、蜂蜜、本当にわずかなバター、潮、煙。爽やかで飲みやすいウィスキーに仕上がっている。何度飲んでもそのバランス感覚には舌を巻く。ウィスキーには珍しく、食前、食中、食後、いずれの場合にも合う。ボトルデザインも秀逸。日常のドリンクとしてのウィスキーと、フレグランスのアートとしてのウィスキー、その両面をバランスした、魂の主張が感じられる一本”
復活系蒸留所のBRUICHLADDICHの、復活後、最初の一本です。素材はすべてアイラ原産にこだわり、産業としてのウィスキーを発展させようとしているジム・マッキュワン氏の行動力も、審査員に高く評価されました。




最優秀特殊効果賞
~こんなウィスキー、アリ!?と思わずつぶやくウィスキーに贈られる~

OCTMORE シリーズ(特に5)

アイラ島はブルイックラディ蒸留所のジム・マッキュワンさん、またしてもおめでとうございます!

“世界一のピート。これまでの世界一であったアードベックのフェノール値を、3倍以上にして更新するという、ぶっちぎりの世界一を突然成し遂げ、ウサイン・ボルトが如く、自らの世界記録を塗り替え続けている。なぜこんなにピートを効かせても、ウィスキーとして成立するのか。オクトモアの5番目のリリースではサブタイトルが「ベルベット手袋の中の鉄拳」であった。最初は、世界一のピートも、59.5度のアルコールも感じさせない。飲むと穏やか。しかし、飲んだあと徐々に、アルコールが上がってきて、強烈なピート香を感じさせ、虜にさせる。まさに、ベルベット手袋の中の鉄拳。新しいウィスキー体験を作り上げた一本”
復活した蒸留所ですが、挑戦者としての姿勢をとり続けていることが、審査員にも注目されたようです。




特別功労賞
~長年の功労をたたえる賞です~

White Oak あかし (AGE:14)


White Oak あかし (AGE:14)

明石は江井ヶ嶋酒造のみなさん、おめでとうございます!

さまざまな樽の実験を積み重ねておられる江井ヶ嶋酒造のこの「あかし」は、焦がしの香ばしさ、澄んだ麦の香り、マスカットフレーバーが絶妙に調和している。白ワイン樽フィニッシュが心憎い。文句なく美味いが、出会えることの少ないウィスキー。

新作のリリースも待ち遠しいですね。長く続けていただきたいと審査員一同申しております。


以上、Kawasaki's Whiskey Award 2012 でした。
来年も皆様が良いウィスキーに出会えますように。良いお年を。