レビュー:ブナハーブン トチェック 断片的に感じられる海

Bunnahabhain TOIEACH(ブナハーブン トチェック)を飲んだ。78点。
“トチェック”はゲール語で「スモーキー」のこと。ピートを効かせた麦芽を使用したバージョンのブナハーブン。

ブナハーブンの男は常に西を向いている

【評価】
グラスに鼻を近づければ、香ばしい麦の香りに荒々しいピートの香り。この爽やかさは潮の香り。海藻のようでもある。レモンと塩のニュアンス。
口に含めば、海藻サラダ。船の甲板の木。後味に煙が漂うが、柑橘がその印象を和らげている。ぬるっとしたテクスチャである。
断片的だが海を感じる一杯。

【Kawasaki Point】
78point

【基本データ】
銘柄:Bunnahabhain TOIEACH(ブナハーブン トチェック)
地域:Islay, アイラ島
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

1881操業の文字とロープ

海藻サラダ。船の甲板。後味に煙が漂う

ブナハーブン湾に面したブナハーブン蒸留所を地図で確かめてみて。

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レビュー:ラフロイグ1995 17年 SMWS 29.125 フルーツケーキとペッパー

Laphroaig 1995 17yo SMWS 29.125(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのラフロイグ 1995 17年熟成)を飲んだ。85点。
スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティは世界最大のウィスキー愛好家団体で、そのボトルは会員しか買えず、すべてがカスクストレングス(=樽出しのまんま)である。ボトルに書かれた「29」はラフロイグ蒸留所のことで、続く「125」はこの蒸留所の125番目のリリースであることを示している。

さてはて、このボトルの香味は?

ソサエティのラフロイグ1995 17年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づければ、甘いフルーツケーキ。生クリーム、メロンやピーチ、イチゴ。どこまでも上品で奥行きのある香り。煙があたりを包んでいる。ペッパー。
口に含めば、鼻から抜けるフルーツとペッパー。肉の旨味と煙。粗挽きのブラックペッパーを、少しの塩と味わっているような余韻。
食卓に誘う、想い出を刺激する一杯。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:Laphroaig 1995 17yo SMWS 29.125(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのラフロイグ 1995 17年熟成)
地域:Islay, アイラ島
樽: ReFill Bourbon Barrel,  バーボンバレル リフィル
ボトル:Scotch Malt Wisky Society スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ

ソサエティは、どのボトルも同じデザイン。
違うのはラベルの数字や内容だけ。

「あからさまなスウィートチリソーセージ」というタイトル

食卓に誘う、想い出を刺激する一杯

ラフロイグ蒸留所の位置を地図で確かめて。
たまにはものすごくアップの地図を。「-」ボタンでアイラ島の全体像も確認できる。

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レビュー:マッカラン12年 オールドボトル 口の中で香るドライフラワー

THE MACALLAN 12yo Old Bottle(マッカラン 12年熟成 オールドボトル)を飲んだ。85点。

とある長閑な田舎で見つけたボトルだそうで、このボトルの売り手もこれがどれぐらい古いのか記憶は定かでなかったようだ。幸いにもTwitterでこのボトルの年代に関するいくつかの情報をいただけたが、私のオールドボトルについての浅学を思い知る結果となった。その経験はまるで大航海時代の船乗りのような気分で、「冒険されるべき」未知の世界への好奇心と期待を新たにもった。

香味だけでなく、その歴史も「深い」オールドボトル、それがまた魅力なのかもしれない。

出会うこと自体が貴重なマッカランのオールドボトル

【評価】
グラスに鼻を近づければ、古い葡萄の木。ドライレーズン、分厚い木の表紙がついた本。華やかで、ピアノの三重奏のような香りの旋律の重なり。若い木のような、年老いた木のような。
口に含めば、芳ばしく、口の中でドライフラワーが香り、じっくりと味わいたくなる。乳酸の深い甘みと、確信的な濃さの樽。
深い味わいに、誇りすら感じる一杯。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Macallan 12yo Old Bottle(マッカラン 12年熟成 オールドボトル)
地域:Highland (ハイランド)
樽: Sherry, Oak  シェリー、オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

コルクはだめになっていたそうで、
現行マッカランのボトルキャップをはめている。


今とは麦も、醗酵槽も、樽も違うはずのオールドボトル

この頃のマスターブレンダーはどのような
香味のイメージでThe MACALLANを送り出したのか

芳ばしく、口の中でドライフラワーが香る

このボトルは並行輸入品
今もこの輸入会社は存在するのであろうか・・・



レビュー:マッカラン18年 暗闇の中の黒ヒョウ

The MACALLAN 18yo(マッカラン 18年熟成) を飲んだ。88点。

The MACALLAN 18 years old

【評価】
グラスから立ち上るのは、澄んだシェリーの香り。いくつかのスパイス。前に出過ぎない木のえぐみ。レモン、マンゴー、とろんとした蜂蜜。深夜の高速道路で、長いトンネルに入りしばらく走っている。静かな気持ちになる。覚醒するような、眠るような、くすぐるような、落ち着かせるような、相反する要素を持った香り。
口に含めば、深く入ってくるのに、沈み込まない。黒ヒョウが暗闇の中で頭をもたげて、その黄金色の眼はこちらを向いている――そのような静けさと、確かな存在感。この苦味を調和するのは、ミントのような清涼感。香りは広がるが、広がりすぎず、ノドが熱いが温かい気持ちにさせる。
まぎれもなく、飲むものを内側に向かせる銘ウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:MACALLAN 18yo (マッカラン18年熟成)
地域:Highland (ハイランド)
樽: Sherry, Oak  シェリー、オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


マッカランの年数表示は三角形のラベル

澄んだシェリーの香り。いくつかのスパイス。

ハイランド シングル・モルト スコッチ ウィスキー

静けさと、確かな存在感。

飲むものを内側に向かせる銘ウィスキー

世界でも最も美しい部類のウィスキーをつくるマッカラン蒸留所の位置を地図で確かめてほしい。

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レビュー:ブルイックラディ 20年 モリソン&マッカイ 奇跡的なバランス

Bruichladdich 1992 20yo MORRISON & MACKAY Seriese:WORLD WONDERS(モリソン&マッカイのワールド・ワンダーズ  ブルイックラディ 20年熟成)を飲んだ。88点。

ちなみにこのボトルのラベルに描かれたWorld Wonders(世界の七建造物)は、「マウソロス霊廟」で、ペルシャの方で紀元前3百年ごろの建物(古代ローマ時代)。大理石に、豪華な彫刻、美しい建物であった・・という伝説で、今はもう遺跡でその姿を想像するほかない。
いずれにせよ、このウィスキーと、ボトルの画との関連性は・・・・よくわからないが、雰囲気がいいから良しとしよう。

ワールド・ワンダーズ ブルイックラディ20年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づければ、甘く香るのに、なんと端正な!麦、ハチミツ、睡蓮の雫、森の中に泉があって、空が開いている。薄い水色の空に夏雲が浮かぶ。小鳥がさえずる。森の香り。森の中で出会うピート。
口に含めば、口の中を程よくけむらせながら、倒木に腰掛け、昔話を聞かせるようにゆったりと、香りが広がる。レモン、赤い木の実、ローストされたハチミツ。
奇跡的なバランスのブルイックラディ。しかし儚い夢のようでもある。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄: Bruichladdich 1992 20yo(ブルイックラディ 1992 20年熟成)
地域:Islay (アイラ)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:MORRISON & MACKAY, モリソン&マッカイ

1992年5月20日に仕込んで、2013年3月13に取り出した。

マウソロス霊廟の描かれた神秘的なボトル

倒木に腰掛け、
昔話を聞かせるようにゆったりと、
香りが広がる。

赤い木の実、ローストされたハチミツ

奇跡的なバランスのブルイックラディ。
しかし儚い夢のようでもある




レビュー:グレンゴイン スコティッシュオーク 灰色の羽帽子の・・・

GLENGOYNE 16yo Scotitish Oak Wood Finish(グレンゴイン 16年熟成 スコティッシュ・オーク仕上げ)を飲んだ。85点。
原酒はシェリー樽と、新樽のそれぞれで15年熟成したものを使い、最後の1年ぐらいをスコティッシュ・オークで熟成させた(いわゆるダブルマリッジな・・・)そんな一本。
さてはて、その香味はいかに。

グレンゴイン スコティッシュ・オーク・フィニッシュ
 【評価】
グラスに鼻を近づければ、爽やかなオークの香り、杉に近い、濃さを予感させるのにくどくない。実直でふくよか。かすかにスパイスと花が香る。
口に含めば、バランスの取れたシェリーの香り、瑞々しい。シェリーの華やかさと、スッキリと新樽の爽やかさの後に、スパイスが下支えする。
エドゥアール・マネの『灰色の羽根帽子の婦人』みたいに、しっとりとした気品と爽やかさの同居したウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENGOYNE 16yo Scotitish Oak Wood Finish(グレンゴイン 16年熟成 スコティッシュ・オーク仕上げ)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Plane, Sherry オーク、プレーン、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

グレンゴイン蒸留所は1833年創業


このボトルは9190番
このシリーズは限定品なのでナンバリングされている


バランスの取れたシェリーの香り、瑞々しい

しっとりとした気品と爽やかさの同居したウィスキー

以前も紹介したが、グレンゴイン蒸留所のムービー。とても美しい。