レビュー:トマーティン30年 国分300周年限定

TOMATIN 30yo KOKUBU 300 years Anniversary(トマーティン30年 国分300周年記念)を飲んだ。90点。
昨年(2012年)、大手お酒卸の国分が創業300周年を記念し、トマーティンの大キャンペーンを張った。全国を大型バスで巡りイベントを催した。この頃、トマーティン推しのバーも多かったはず。また、今回紹介するボトルを発表した。なんでもオロロソシェリー樽のみで30年熟成させた貴重な原酒らしい。ボリュームがあまり取れなかったのかボトルは325ml、通常の750mlの約半分。

【評価】
香りを嗅げば、厚みのある木の板を連想させる。その表面は少し焦げている。渋いが、フローラル。セメダイン。風に揺らぐ色とりどりの花々が、ある瞬間を切り取った写真のように、ピタッと香りのバランスを固定される。その写真は日焼けした紙のアルバムに貼られ、郷愁の香りとなる。
口に含めば、まろやかな甘みと重み。夜間飛行のよう。しじまの闇の中をプロペラの音だけで進む。この味の重みで瞑想し、生まれてから今までのすべてを洗い流したくなる。
静かに飲む、爽やかなのに深いウィスキー。

【Kawasaki Point】
90point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:TOMATIN 30yo KOKUBU 300 years Anniversary(トマーティン30年 国分300周年記念)
地域:Highland ハイランド
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:KOKUBU, 国分


香りを嗅げば、厚みのある木の板を連想させる

まろやかな甘みと重み。夜間飛行のよう

ド・シェリーな味わい。爽やかなのに深いウィスキー

トマーティン蒸留所の近くには、ネッシーでおなじみネス湖があるって知ってました?
地図を拡大して確かめてみて。

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レビュー:白ハイボール(缶) 潔さあっぱれ

白ハイボール(缶)を飲んだ。缶の商品には点を付けないのでポイントなし。
あまりウィスキーのイメージのないKIRINからリリースされている。
その味と香りは意外にも・・・・。詳しくは後述。


【評価】
香りはキウイフルーツ、イチゴジャムの乗った焼き菓子、イチジクのジャム。
口に含めば、まろやかな燻製の煙と、フルーティさが同居する。後味にかすかに麦の香り。
白ワインのようでそうでないのは、後味のにがみと麦の焼いた香りがあるからだろう。
缶のハイボールの中ではバツグンの出来(今回、過去の記事:角ハイボール 濃いめに与えた「缶の限界までいったウィスキー」という評価は撤回する)。これなら食事時に買って飲んでも良いと思わせるレベル。サラダにも合うだろうし、チーズを焼いた料理にも合うだろう。

この商品ではホワイトドックといって、樽で熟成させる前のウィスキーを使用しているそうだ(ウィスキー好きの人にとっては「ニューポット」という表現のほうがピンとくるのでは)。なるほど、そのせいで麦の香りがちゃんとあるのか、と納得。
通常、缶の商品はコストを抑えるため熟成年数の若いウィスキーを使わざるを得ないだろう。そうすると、普段しっかりと熟成されたウィスキーを飲んでいる人は満足できない。それならいっそ樽熟成を省いて、ニューポットで勝負、これで味をまとめる、という潔さはなかなか天晴れだ。

【Kawasaki Point】
-point(ポイントなし)
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:白ハイボール
地域:日本 (富士御殿場蒸留所・・かな?)
樽:なし(ニューポットのため)
ボトル:オフィシャルボトル



香りはキウイフルーツ、イチゴジャムの乗った焼き菓子

ニューポットで勝負の潔さはなかなか天晴れ

燻製の煙と、フルーティさが同居


レビュー:ボウモア12年 ~全身で受け止める~

BOWMOER 12yo(ボウモア 12年)を飲んだ。85点。
「アイラの女王」と呼ばれるその香りと味は、いかほどに。

ときどきこのボウモアのように、「ド定番なオフィシャルボトル」を飲んで思うことがある。それは、記憶の中の味と、いま味わう味は、違うものだということだ。また、そう思わせてくれるウィスキーが良いウィスキーということでもあるのだろう。まるでなんども読み返せる本のように。

【評価】
澄んだ煙たい香り。果実の酸味。古い畳のい草。鉄板で焦がした醤油の蒸気。
口に含めば、まろやかなのに、全身で受け止めることを要求する味。その味の微妙なハーモニーは、和食の繊細さを思わせるほど。木と煙とキャンプファイヤー。
その味と香りを辿っているうちに、深いリラックスが与えられ、ふかふかのソファに沈み込んでいくような感覚を覚えるウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:BOWMORE 12yo(ボウモア 12年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, Bourbon, Sherry, オーク、バーボン、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


澄んだ煙たい香り。果実の酸味。

その味と香りを辿っているうちに
深いリラックスが与えられる

スコッチウィスキーのメッカ、アイラ島に位置するボウモア蒸留所の場所を地図で確かめて。

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レビュー:アラン トカイ・アスー ワインカスク 甘さ重さ優雅さの刺激

Arran TOKAJI ASZU WINE CASK(アラン トカイ・アスー ワインカスク)を飲んだ。88点。
トカイ・アスーは貴腐ワイン。アランをトカイ・アスーの樽で仕上げたボトルだ。

【評価】
グラスに鼻を近づければ、甘いチョコレートの香り。ミント。中音の甘さと高音の甘さがハーモニーする。ピートの強い主張にワインのレースがシルクのように優雅さをまとっている。
口に含めば、液体に浮かんだ氷が、液体に溶けるように味わいが口に拡がる。樽がくどくならないのは、重みを感じさせる刺激の先端が丸みを帯びているから。
甘さ重さ優雅さの刺激のハーモニーを味わうウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Arran TOKAJI ASZU WINE CASK(アラン トカイ・アスー ワイン・カスク)
地域:Islands, アイランズ
樽:Oak, TOKAJI ASU, オーク、トカイ・アスー
ボトル:オフィシャルボトル

アラン島の空を舞う

甘いチョコレートの香り。ミント。

ピートの強い主張にワインのレースがシルクのように優雅さをまとっている

甘さ重さ優雅さの刺激のハーモニーを味わうウィスキー


イギリスはクライド湾に浮かぶアラン島。

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レビュー:トリスハイボール缶

トリスハイボール缶を飲んだ。ポイントなし。
缶に描かれたアンクル・トリスが有名。その缶の香りやいかに。

【評価】
香りをかげば、ラムネソーダ、若干の華やかさ。
口に含めば、ほんのり甘く、にがみがバランスよく効いている。
お菓子のラムネがアルコールをまとったウィスキー。・・というか、ウィスキー味のラムネソーダ。

【Kawasaki Point】
-point(ポイントなし)
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:トリスハイボール缶
地域:日本
樽:不明
ボトル:オフィシャルボトル


お菓子のラムネがアルコールをまとっている


レビュー:角ハイボール缶 濃いめ

角ハイボール缶 濃いめを飲んだ。ポイントなし。
角ハイボール缶に続いてのレビュー)


【評価】
香りに集中すれば、クリア、薄い森林。
コクがあり、苦味が柔らかい。鉄の味だが、まろやかさをつれてくる。あっさりとした爽やかな後味。
角ハイボール缶よりも飲み物として完成されている。アルコールと炭酸とウィスキー風味、そしてコストのバランスが良く考えられた、缶の限界までいった(2/10 レビュー:白ハイボール(缶)で「バツグンの出来」という表現を与えたのでこの表現は撤回)ウィスキー。

【Kawasaki Point】
-point(ポイントなし)
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:角ハイボール缶
地域:日本
樽:不明
ボトル:オフィシャルボトル


鉄の味だが、まろやかさをつれてくる