レビュー:ボウモア1995 15年 エクスクルーシヴ カスクス 夜開く花

Bowmore 1995 15yo Exclusive Casks, Creative Whisky (クリエイティブ・ウィスキー社のボウモア1995 15年熟成 エクスクルーシヴ・カスクス)を飲んだ。88点。

ちょっと変わったボトルデザインの
ボウモア15yo エクスクルーシブ・カスク

【評価】
その香りは、ウッディネス、煙との調和が美しい。柑橘のフレーバー。夜開く花。ラベンダー。誘われる。
口に含めば、強烈なラベンダー。灰色の混じった赤紫、香りがゆっくりと浸透してくる。崩れそうで崩れないバランスが、水のように分解していく。違和感のない切れ味。ほんのりペデロヒメネスの甘みを残す。
煙とは何かをそっと、分解しながら教えてくれる美しいウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Bowmore 1995 15yo Exclusive Casks, ボウモア1995 15年熟成 エクスクルーシヴ・カスクス
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, Sherry Pedro Ximenez, オーク、シェリー(ペドロヒメネス)
ボトル:Creative Whisky (クリエイティブ・ウィスキー社)

ウッディネス、煙との調和が美しい

大麦のエンボス

エクスクルーシヴとは
「限られたものだけに許された高級な」というニュアンス


灰色の混じった赤紫、香りがゆっくりと浸透してくる

煙とは何かをそっと、分解しながら教えてくれる
美しいウィスキー





レビュー:カヴァラン ソリスト シェリーカスク おぉ南国の・・・

KAVALAN SOLIST Sherry Cask (カヴァラン ソリスト シェリーカスク)を飲んだ。85点。
カヴァラン(カバラン)は、この頃元気な台湾のウィスキーだ。日本にも少しずつ入ってきているが、まだまだお目にかかる頻度は少ないだろう。今回は、エバー航空で提供されていたというお土産のミニボトルを少しいただいた。(中身はWWA2011のベストシングルモルトに選ばれたものと一緒)
亜熱帯の気候で熟成されるウィスキーの香味やいかに。

カバラン ソリスト シェリー・カスク
カスクストレングスだ

【評価】
グラスから立ち上るのは、薫煙したシェリー。甘くメローな香り。角がない。フルーティな香りと葉っぱのフレッシュさ。
口に含めば、浅いが口の中で、踊る、踊る、この軽快なハーモニー。フルーツの甘煮。熱帯夜に吹く風のような。若くフルーティだが、それが「個性」となっている。
おぉ、南国を思わせる不思議なウィスキーよ。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:KAVALAN SOLIST Sherry Cask (カヴァラン ソリスト シェリーカスク)
地域:Taiwan 台湾
樽: Sherry, Oak  シェリー、オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

燻煙したシェリー

ソリスト カスクストレングス 58%
温かい台湾では熟成が3倍速で進むという・・

筆者は中国語が読めないので定かではないが、
「賞味期限:無期限」みたいなことが書いてある。
そうだとしたらチャーミングなウィスキー

金車(KING CAR)という会社がつくっているようだ

浅いが口の中で、踊る、踊る、この軽快なハーモニー

おぉ、南国を思わせる不思議なウィスキーよ。

KAVALANの蒸留所はここ。KAVALANはカバラン族のことらしい。

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レビュー:ラフロイグ1984 12年 ケイデンヘッド 詩人の書きかけの・・

WILLIAM CADENHEADのLaphroaig 12yo(ウィリアム・ケイデンヘッドのラフロイグ 12年熟成)を飲んだ。89点。
ケイデンヘッドは老舗のボトラー。この緑の瓶は美しい。

ウィリアム・ケイデンヘッドのラフロイグ 12年熟成

【評価】
グラスを傾け、鼻を近づければ、石畳の階段を降りて、草むらの庭にたどり着く。赤い実をつけた木の横に立って、子供達のサッカーを眺めている。煤(すす)けた石の壁、焚き木のあと。
口に含めば、円熟味を増したピアニストによるモーツァルトのような、膨らみのある甘さと、主張のバランスよ。強烈な光を放つ瞬間に出会う。
詩人の書きかけのノートブックをめくっているような、満足を得つつ、続きが気になる、そんなウィスキー。ストーリーのある煙。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: Laphroaig 12yo(ラフロイグ 12年熟成)
地域:Islay (アイラ)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:WILLIAM CADENHEAD, ウィリアム・ケイデンヘッド

石畳の階段を降りて、草むらの庭にたどり着く

煤けた石の壁、焚き木のあと

シングルカスクの魅力について

1984-1996 12年熟成

満足を得つつ、続きが気になる、そんなウィスキー

ラフロイグ蒸留所の位置を地図で確かめてみて。Laphroaigは「広い湾の側にある美しい窪地」という意味。

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レビュー:ジョニーウォーカー グリーンラベル 濃厚な香り体験

JOHNNIE WALKER GREEN LABEL 15yo (ジョニーウォーカー グリーンラベル 15年熟成)を飲んだ。89点。
このグリーンラベルは15年以上熟成のモルトウィスキーだけをブレンドしたものだが、もう新規で発売されない(すでにほとんど流通していない)。ジョニーウォーカーのラインナップが刷新され、「ゴールド」が新しく発表されている。
グリーンラベルにブレンドされているモルトウィスキーは主に4つとされている。パワー(力)にタリスカー、フィネッス(繊細な技巧)にリンクウッド、ハート(核)にクラガンモア、そしてミステリー(神秘)にカリラ、という構成だ。もちろん実際には他にも数十種類のモルトウィスキーをブレンドしているはずだが、その微妙な調整作業を想うとき、ブレンダーはどんな完成系のイメージを持ってこの酒を作ったのかということに驚嘆せずにはいられない。

さてはて、その香味はいかに。

今はもうないジョニー・ウォーカー グリーンラベル

【評価】
グラスから立ち上るのは、煙の中に漂うアップル、麦の穏やかさ、レモン。黒胡椒。濃厚でギュッと詰まっている感じ。
口に含めば、ライトな苦味が、アプリコットとはじけ、あとに上がってくる苦味が大人の香り。夏の果実を味わっているようでもあり、海のそばに止めた車に腰掛けているようでもある。
濃厚で緻密な香りの体験として完成された味。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:JOHNNIE WALKER GREEN LABEL 15yo (ジョニーウォーカー グリーンラベル 15年熟成)
地域:Highland, Island, Islay, ハイランド、アイランド、アイラ
樽: Oak, オーク
ボトル:JOHNNIE WALKER(ジョニー・ウォーカー)


1820操業


四角いボトルに斜め24°で貼られたラベル

ウォーカー(歩く人)のブランドイメージを支える、
ストライディングマン(闊歩する紳士)
 

濃厚で緻密な香りの体験として完成された味