レビュー:キャパドニック1992 20年 モリソン&マッカイ 幻想的で、鋭く、はかない

CAPERDONICH 1992 20yo MORRISON & MACKAY Seriese:WORLD WONDERS(モリソン&マッカイのワールド・ワンダーズ キャパドニック 1992 20年熟成)を飲んだ。89点。
このワールド・ワンダーズのシリーズは総じて樽チョイスのレベルが高い。

このボトルのラベルに描かれたWorld Wonders(世界の七建造物)は「ギザの大ピラミッド」だ。非常に精度の高い建造物で、今もってそこに込められた意図や、建設過程はナゾに包まれている・・・。しかし、今回もラベルとボトルの中身は一切関係ないと思われる。

果たして今回のボトルの中身の香味やいかに。

キャパドニック 1992 20年熟成

【評価】
グラスから立上るのは、甘い煙がアルコールと融合して、正体のつかめない魅惑のフルーツ、しかしはっきりとブドウと古い木を感じる。ほんのわずかにシナモン。木でできた小屋のとなりに咲く赤い花をつける背の低い古木。
口に含めば、予想していたフルーティさに襲われる。ペッパー、ほどよい粘度を感じ、しっとり。鋭角なスパイス、鼻から抜ける煙が後味を支えている。
ガラス作家のつくる作品のように繊細で、幻想的で、鋭く、はかない。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: CAPERDONICH 1992 20yo(キャパドニック 1992 20年熟成)
地域: Highland, ハイランド
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:MORRISON & MACKAY, モリソン&マッカイ

正体のつかめない魅惑のフルーツ

ギザの大ピラミッド

キャパドニックはもう閉鎖している蒸留所だ

ガラス作家のつくる作品のように繊細で、幻想的で、鋭く、はかない。



レビュー:グレンリベット1980 31年 セラーコレクション 上品なウッディ

GLENLIVET 1980 31yo CELLAR COLLECTION(グレンリベット1980 31年 セラーコレクション)を飲んだ。88点。
このボトルは世界500本限定で、日本にも2011年に43本しか入っていなかったはず。まさか43分の1に、しかも今、非常によい保存状態で出会えるとは、縁とは不思議なものだ。(たまたま、「割とウィスキーが好きで・・」、という話をしていたらそのお話相手が「ならば・・・」と出してくれたボトルだ)

ザ・グレンリベット 1980 31年熟成

【評価】
グラスから立上る、甘くほのかに香るスパイス、パウンドケーキと紅茶に振りかけて。
口に含めば、とろけるような甘いしびれ。ハンス・J・ウェグナーのYチェアの肘掛部分の木の質感と香り。鼻から抜けるスパイス。
これは上品なウッディ、美しい一杯。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENLIVET 1980 31yo CELLAR COLLECTION(グレンリベット1980 31年 セラーコレクション)
地域:Highland, ハイランド
樽:American Oak, アメリカンオーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


ウィスキーコニサー(鑑定家)のために・・・
というコンセプトのセラーコレクションシリーズ

ノンチルフィルター、カスクストレングスの限定品

これは上品なウッディ、美しい一杯。

グレンリベット蒸留所はイギリスのスコットランドはハイランド地域に位置している。

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レビュー:グレンモーレンジ シグネット 心を落ち着かせる気品

GLENMORANGIE SIGNET(グレンモーレンジ シグネット)を飲んだ。89点。
グレンモーレンジの鬼才、ビル・ラムズデン博士とマスターブレンダーのレイチェル・バリーが「詳細は秘密」にしてリリースした新作。深煎りしたモルトを使用するなど、いろいろ新しいことをやっているとの噂。
いずれにせよ、肝心の香味はどのようなものだろうか。

グレンモーレンジ シグネット

【評価】
グラスから立上るのは、甘く華やかな蜜、かといって重厚な香り。心を落ち着かせる気品が漂う。ろうそくの灯で照らされた夜会。
口に含めば、甘くしっとりとした木の蜜。シナモンの後味。焦がしたシダー片。
穏やかな日、祖父との思い出の一日。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENMORANGIE SIGNET(グレンモーレンジ シグネット)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

独特のデザイン

ボトル自体がグラデーションしている。底の方が透明

甘く華やかな蜜、かといって重厚な香り



ドーノック湾に面したグレンモーレンジ蒸留所の場所を地図で確かめてみて。

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レビュー:白州25年 森で出会った果実と・・・

白州25年熟成(HAKUSHU 25yo)を飲んだ。89点。
この白州25年は、白州ブランドの中で一番長熟のものだ。希少な原酒を使用しているだけあって、さすがにボトルのデザインも品がよい。
さてはて、その香味やいかに。

白州25年熟成

【評価】
グラスから香るのは、甘くすっきり、うっとりする森の香り。土の香り。風呂を沸かす薪の炎。レモンと白い花。光が降り注ぎ柔らかなふかふかの土を照らし、ゆったりとした散歩をしている。
グラスを傾け、そっと口に含めば、甘くとろけるようなイチゴとチョコレート、そしてイチジクが舌の上でねっとり展開するが、木の葉の渋みと森の土の香りを感じさせることで、まとまりを見せる。
森で出会った果実と、午後の幸せなひと時。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:白州25年熟成(HAKUSHU 25yo)
地域:山梨県 日本
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

甘くすっきり、うっとりする森の香り


白州の和紙
森で出会った果実と、午後の幸せなひと時。


山梨県にある白州上流所の位置はココ。森に囲まれている。

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