レビュー:ロッホインダール2007 5年 キングスバリー 赤いカニが・・・

LOCHINDAAL 2007 5yo Kingsbury(ロッホインダール 2007 5年熟成 キングスバリー)を飲んだ。87点。
ロッホインダールは、一時期、ブルイックラディ蒸留所で作られていた、ピートを効かせたモルトだ(つまり煙り臭い)。同じ蒸留所のポートシャーロットよりもピーティで、オクトモアほどではない。
今回は5年という短い期間での熟成だが、果たしてその香味やいかに。

ロッホインダール2007 5年熟成

【評価】
グラスを傾け、鼻に近づけると感じる、酸味のある細い香り。郷愁がある。砂であり果物である。海での一日。甘くしびれる、赤いカニが逃げていく。
口に含めば、蜃気楼が立つほどじりじり熱い。この甘みはけだるさか、それとも一日海で泳いだ疲れなのか。
まどろむ午後の一杯。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:LOCHINDAAL 2007 5yo (ロッホインダール 2007 5年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, オーク
ボトル:Kingsbury, キングスバリー社

ボトルの顔には大きく2007の文字

酸味のある細い香り。郷愁がある。

この甘みはけだるさか、それとも一日海で泳いだ疲れなのか

まどろむ午後の一杯


ブルイックラディ蒸留所はスコッチウィスキーの聖地、アイラ島の海岸沿いに位置している。






レビュー:カリラ1984 26yo ダンカンテイラー 港の絵描き

Caol ila 1984 26yo Duncan Taylor(カリラ1984 26年熟成 ダンカンテイラー社)を飲んだ。87点。

カリラ1984 26年熟成

【評価】
そっと目を閉じグラスに鼻を近づければ、果汁を混ぜた灰がキャンバスの上を流れる。黄色の絵の具と混ざる。赤を少し。少し離れた位置に木の絵筆でサッと緑が走る。港の絵描き。オイルにまみれた水夫。波の音。
口に含めば、フレッシュのグレープフルーツジュース。ミネストローネ。燻(いぶ)しのよく効いたベーコン。灰の混じったグレープフルーツジュース。
日に焼けた本のページをめくる。窓から少し風が吹く。あゝ、新緑の季節か。

【Kawasaki Point】
87point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Caol ila 1984 26yo (カリラ1984 26年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, オーク
ボトル:Duncan Taylor, ダンカンテイラー社

果汁を混ぜた灰がキャンバスの上を流れる


ダンカンテイラー社は老舗のボトラーだ

このボトルは世界に173本しかない・・・一期一会

窓から少し風が吹く。あゝ、新緑の季節か。

カリラ蒸留所は海に面している。それは26年たってもボトルの中身から感じられる。
ぜひ、地図で確かめてほしい。





レビュー:アムルット ブラックペッパーをまぶしたブッシュドノエル

アムルット(AMRUT)を飲んだ。78点。
アムルットはインド産のシングルモルトだ(参考:シングルモルトとは何か?)。インドのかなり温暖な気候の下で、スコッチ(スコットランド産のウィスキー)と比較して3~4倍程度熟成が早く進むそうだ。台湾などと並んで、新世界ウィスキーのひとつと呼べるだろう。
さてはてその香味やいかに?

アムルット インドより来たるウィスキー 熟成年数は4、5年

【評価】
グラスに鼻を近づければ、バニラビーンズ、それから甘みを増した蜂蜜、濃いシェリーの木、胡椒。薪。
口に含めば、意外とさらっとしている。ブラックペッパーをまぶしたブッシュドノエル(薪の形をしたチョコレートケーキ)。かすかにハッカやミントなどのハーブ。
熱い情熱が舌の上でとろけるが、ただ過ぎ去っていく。長い余韻は楽しめない。

【Kawasaki Point】
78point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:アムルット(AMRUT)
地域:India, インド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

バニラビーンズ、それから甘みを増した蜂蜜

アムルットの操業は1948だが、
ウィスキーを蒸留し始めたのはもっと最近のようだ

ブラックペッパーをまぶしたブッシュドノエル


熱い情熱が舌の上でとろけるが、ただ過ぎ去っていく。





レビュー:ボウモア2002 12年 W.Agency ゴツい漁師の手

BOWMORE 2002 12yo Liquid Library by Whisky Agency(ボウモア2002 12年熟成 ウィスキーエージェンシーのリキッドライブラリー)を飲んだ。87点。

ボウモア2002 12年熟成 W.Agency

【評価】
グラスを傾けて鼻を近づけると、花とグレープフルーツの皮、灰、ぬっとりとした潮感(決して嫌ではない)。怠惰なようで、洗練された大人。部分的に晴れた空。
目を閉じ口に含めば、濃いグレープフルーツジュース、暖炉の火にあたった記憶、潮の引けた砂。
長い闘いを経験してきたゴツい漁師の手のようなウィスキー。温かみがあるが、それはキレイで無垢だからではなく、経験に裏打ちされている。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:BOWMORE 2002 12yo (ボウモア2002 12年熟成)
地域:Islay, アイラ島
樽:Burboun Rifill Butt, バーボン
ボトル:Whisky Agency,  ウィスキーエージェンシー

花とグレープフルーツの皮、灰





長い闘いを経験してきたゴツい漁師の手のような

ボウモア蒸留所付近のストリートビュー。白い建物が並んだ風景を堪能してほしい。

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