レビュー:ラフロイグ1994 11年 スリーリバーズ 好奇心を持って・・・

Laphroaig 1994 11yo Three Rivers(三河屋のラフロイグ1994 11年熟成)を飲んだ。86点。
およそバーでお目にかかるスコッチ、とりわけアイラ島のウィスキーでいえば、ラフロイグはもっともポピュラーなひとつで、激しく好き嫌いがわかれる銘柄だ。そして好きになった者には、多くのバリエーションを提供してくれる銘柄でもある。
さて、今夜のラフロイグはどのような香味だろうか。

ラフロイグ1994 11年熟成

【評価】
グラスから立ち上る香りは、古いマホガニー。使い込まれたパイプ。温かみのある煙。懐かしくなるような木の酸味。重厚なくたびれ。
口に含めば、おだやかな海に漂う小舟のように。潮の香り、ゆっくりと広がる。レモンチーズケーキの焼きたてのように。フレッシュなコクと穀物感。
古い大きな図鑑を紐解く気分。ゆっくりと慎重に、好奇心を持って。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:Laphroaig 1994 11yo Three Rivers(三河屋のラフロイグ1994 11年熟成)
地域:Islay, アイラ島
樽: Bourbon, Oak, バーボン、オーク
ボトル:Three Rivers スリー・リバース


味のある美しい書体

三河屋のキャラクターのエプロンには「三」と。

潮の香り、ゆっくりと広がる

好奇心を持って

スコッチランドの西側の小さな島。そこでラフロイグは作られている。ぜひ地図でも確かめてほしい。




レビュー:ボウモア 2000 13年 ケイデンヘッド 狂おしく弾けて・・・

Bowmore 2000 13yo CADENHEAD SMALL BATCH(ケイデンヘッドのスモールバッチシリーズ、ボウモア2000年蒸留 13年熟成)を飲んだ。87点。
ケイデンヘッドとは1842年創業のスコットランドの歴史あるボトラーだ。スモールバッチとは、少量生産のこと。ウィスキーは、同じ蒸溜所、同じ熟成年数であっても、樽ごとに個性があるので、さまざまな味のバリエーションが可能だ。
さて、このボウモアの香味やいかに。

ケイデンヘッド スモールバッチ ボウモア2000 13年

【評価】
グラスから立ち上る香りをかぐ。石の表面を撫でて、靴の底で灰のなかでくすぶっている火を消す。誰かがグレープフルーツを大きな手でぎゅうっと潰す。それが灰に落ちてジュゥッという。
口に含めば、これは情熱のボウモア。狂おしく弾けて方々に飛んでいく。
後に残るは甘い香り。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄: Bowmore 2000 13yo CADENHEAD SMALL BATCH(ケイデンヘッドのスモールバッチシリーズ、ボウモア2000年蒸留 13年熟成)
地域:Islay (アイラ)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:WILLIAM CADENHEAD, ウィリアム・ケイデンヘッド

ヘイデンヘッド スモールバッチ

灰のなかでくすぶっている火を消す

後に残るは甘い香り



このウィスキーが生まれたのは、イギリスはスコットランドの小さな島「アイラ島」にある、ボウモア蒸溜所だ。Bowmoreとはゲール語で“大きな岩礁”という意味。場所をmapで確かめてみて。




レビュー:グレングラント 1993 20年 サマローリ バランスより荒削りな・・・

Glen Grant 1993 20yo SAMAROLI(グレングラント 1993 20年熟成 サマローリ)を飲んだ。85点。
イタリアでもっとも飲まれているシングル・モルトとして有名なグレングラント。サマローリというイタリアのボトラーズ(ボトラーズとは?)のこの一杯は、どのような香味なのか。

グレングラント1993 20年

【評価】
グラスを傾け鼻に近づければ、清流と熱い炎を同時にイメージするような香り。麦畑をなぜた風が、さーっと吹き込む。青空。荒く削った木。
唇にグラスの縁をつけ脚を上げれば、清流が口の中に流れ込んでくる。爽やかな風なのに、穏やかで、世界を俯瞰するような気持ちにさせる。
若いのに穏やか。バランスより荒削りな情熱。昼間に乾杯したい酒。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Glen Grant 1993 20yo SAMAROLI(グレングラント 1993 20年熟成 サマローリ)
地域:Higland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:SAMAROLI、サマローリ


バランスより荒削りな情熱

サマローリのボトルは美しい曲線の花が描かれている

GLEN GRANT

テイスティングノートもデザイン性が高い

爽やかな風なのに、穏やか




レビュー:トマーティン ク・ボカン イチゴのうまみを・・・

CU BOCAN Tomatin(トマーティン ク・ボカン)を飲んだ。75点。
トマーティン蒸溜所の地域で語り継がれる伝説の「魔犬」の名前が「ク・ボカン」だそう。何でもその魔犬は、牛のように大きな黒いカラダをもち、目は赤くとがっており、目撃した村人は濃紺の煙を上げて大地に吸い込まれるそうな。そして大地からは・・・、大変に上質なピート(ウィスキーにスモーキーフレーバーを与える燃料)が採れるそうな。
ラベルは煙で描かれたワンちゃんの顔らしきものが・・・。さて、このウィスキーの香味やいかに。

ク・ボカン 魔犬の名前

【評価】
グラスにそっと鼻を近づける。ほんのりとした煙。うすいイチゴ水。強い香水としての主張。
口に含めば、新品の黒板の表面をじっと眺めているかのような。おだやかでイチゴのうまみを噛み締めるかのような、ライトなウィスキー。

【Kawasaki Point】
75point

【基本データ】
銘柄:CU BOCAN Tomatin(トマーティン ク・ボカン)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

シンメトリーの不思議な“煙”

「リッチな柑橘とエキゾチックなスパイスがほんのりとした煙と絡み合う」

うすいイチゴ水。強い香水としての主張。

イチゴのうまみを噛み締めるかのような