レビュー:グレンバーギー 1992 25yo ケイデンヘッド 渋みのブレンド・・・

GLENBURGIE 1992 25yo by CADENHEAD(ケイデンヘッドのグレンバーギー1992年蒸留 25年熟成)を飲んだ。
1992年に蒸留したウィスキー原酒が、25年間も木の樽で熟成して、ケイデンヘッド社がボトリングして私たちの手元に届いている。関係ないが、1992年は映画『紅の豚』が公開された年だ。
ちなみに、ボトラー(瓶詰業者)のケイデンヘッドは今年で175周年だそうだ。ボトルにバッジがついている。175年前・・・日本でいえば徳川将軍の時代。
なにかと「年月」に思いを馳せずにはいられない酒がウィスキーだ。年月が原種に多くの香りを与えて、(不思議だが)まるでハーモニーになっていく。

さて、このボトルの酒は、どのような香味だろうか。

グレンバーギー1992 25yo

【評価】
グラスから立ち上る香りをかぐ。ハープシコードから流れるふわふわしたメロディ。柑橘の渋みが通奏低音だ。タルの木を木槌で叩くと、案外、硬い音がしそうだ。
口に含むと、ふわっと魔法みたいに消えていくインパクト。ほんのり残していく香りは、複数の柑橘の渋みのブレンド。だが心地よい。
洗練されたウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄: GLENBURGIE 1992 25yo(グレンバーギー1992年蒸留 25年熟成)
地域:Highland (ハイランド)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:WILLIAM CADENHEAD, ウィリアム・ケイデンヘッド

ケイデンヘッドは今年で175周年

1842-2017


柑橘の渋みのブレンド。だが心地よい

234本ボトリングされているようだ



レビュー:グレンスコシア 2016 11yo 高糖度の洋ナシ・・・

Glen Scotia 2006 11yo by Bar CAMPBELLTOUN LOCH & SHINANOYA(グレンスコシア 2006年蒸留 11年熟成 Barキャンベルタウンロッホと信濃屋のセレクト)を飲んだ。88点。
210本のボトリングのようだ。ボトルに記載された「キャンベルタウンロッホ」は、イギリスの湖ではなく、有楽町のコトコト階段を地下に降りていくバーだ(綴りもすこし違う)。

さて、どのような香味だろうか。

グレンスコシア2006-2017 11年熟成

【評価】
グラスから立ち上る香りは、高糖度の洋ナシ。グラニュー糖のわたあめ。静かに整えられた茶室の炉の灰。
口に含めば、洋ナシ、りんごのコンポート。ブランデーでフランベして。
高潔な香り。自らを律する繊細さ。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄:Glen Scotia 2006 11yo (グレンスコシア 2006年蒸留 11年熟成)
地域:Campbeltown, キャンベルタウン
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル 


自らを律する繊細さ



レビュー:スプリングバンク 10年 古いレンガの物語・・・

SPRINGBANK 10yo(スプリングバンク 10年熟成)を飲んだ。85点。
今年に入って新ラベルに変わったようだ。ウィスキーのラベルが変わるとき、ラベルだけ変わって味が変わらない(単に前のラベルに飽きた)場合と、味も変わる場合とがある。今回は後者で、久々にあたらしいスプリングバンクって感じだ。(ちなみに旧ラベルのレビューはこちら

スプリングバンク10年

【評価】
グラスから立ち上る香りは、透明な蜂蜜。花の苦味と草木にそよぐ風。古い木の物語。
口に含む。あまりにそっと入ってくる。古いレンガの物語。だが、情熱的である。落ち着いてない感じが嬉しい。
風も塩も麦も、ぜんぶここに入って。そして始まりを予感させている。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:SPRINGBANK 10yo(スプリングバンク 10年熟成)
地域:Campbeltown, キャンベルタウン
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル 

透明な蜂蜜のようだ

古いレンガの物語。だが、情熱的である。

風も塩も麦も、ぜんぶここに入って。


レビュー:グレングラント 1992 23yo 失恋を歌っている・・・

GLEN GRANT 1992 23yo by CADENHEAD SMALL BATCH(ケイデンヘッドのスモールバッチシリーズ、グレングラント 1992年蒸留 23年熟成)を飲んだ。87点。

カクカクしたボトルでおなじみの、ケイデンヘッド社のスモールバッチシリーズ。スモールバッチは、少量生産ということ。ウィスキーは自然の時間がつくるもので、ひと樽ずつで味わいが違うもの。だから、同じ蒸留所の同じ銘柄でも、多種多様な味わいになる。その多様性を味わえるのが、ウィスキーの魅力のひとつだろう。

さて、今夜はイタリアでは結構メジャーなグレングラントという銘柄。どのような香味だろうか。

ケイデンヘッドのグレングラント23年 1992蒸留

【評価】
その香りは、落ち着きながらも、、高揚感への誘い。スイカの皮、グレープフルーツの皮、ピンクグレープフルーツの果肉。
グラスを傾け口に含む。甘くしっとり聞かせるジャズスタンダードナンバー。失恋を歌っている。
砂浜で寝っ転がる。ほほに砂がつく。

【Kawasaki Point】
87point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: GLEN GRANT 1992 23yo by CADENHEAD SMALL BATCH(ケイデンヘッドのスモールバッチシリーズ、グレングラント 1992年蒸留 23年熟成)
地域:Highland (ハイランド)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:WILLIAM CADENHEAD, ウィリアム・ケイデンヘッド

23年熟成。木の樽の中で23年じっとしていた飲み物。

高揚感への誘い
 
こういったしっとりした大人の一杯に出会ったなら
もう一杯たのみたくなる




レビュー:カリラ 2010 6yo Douglas Laing's 刺すような煙!

Douglas Laing's Provenance Caol ila 2010 6yo(ダグラスレインのプロヴェナンス シリーズ カリラ 2010年蒸留 6年熟成)を飲んだ。89点。

カリラはスコットランド本島の西、アイラ島にある蒸留所のひとつだ。このボトルは、毎年5月に開かれるアイラフェスティバル(音楽とモルトの祭典!)向けにリリースされた1本だ。
どのような香味だろうか。

ダグラスレイン カリラ 1990 6yo

【評価】
グラスから立ち上るのは、刺すような煙!煙!だが、味わいたくなる。クレイジーな柑橘。
口に含めば、意外とあっさり入ってくる。スローモーションで展開していく煙。
ああ、すごい。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:Caol ila 2010 6yo(カリラ 2010年蒸留 6年熟成)
地域:Islay, アイラ島
樽: Bourbon (バーボン樽)
ボトル:Douglas Laing's ダグラスレイン

フェスティバルっぽいデザイン・・・?

4月にボトリング、5月にリリース

クレイジーな柑橘

スローモーションで展開していく煙
フェス向けの個性あるボトルだった



レビュー:リトルミル 1991 19yo Cadenhead's まるでゴツゴツした崖を・・・

CADENHEAD'SのLITTLEMILL 1991 19yo(ケイデンヘッドのリトルミル 1991年蒸留 19年熟成)を飲んだ。78点。

ケイデンヘッドといえば、スコットランド最古のボトラーとか、カクカクした無骨な瓶の形とかのイメージがあるかもしれない。少し前は一般的ななで肩ボトルだったようだ。(参考:ボトラーズとは?

リトルミルといえば、イギリスのスコットランドはローランド地方の閉鎖系蒸留所だ。閉鎖して、再開して、また閉鎖して・・・また復活する?そんな噂もあるが、もはやどっちでもいいだろう。このローランドという地方では、そんな閉鎖系蒸留所が多くて、やや切ない気持ち、郷愁にかられる・・・そんな思いを抱くウィスキー好きが多いかもしれない。

このボトルは、どのような香味だろうか?

リトルミル 1991 19yo

【評価】
グラスから立ち上る香りは、納品されたばかりの木の家のカタログの山。青リンゴ。機械オイル。裸電球。コイル。
口に含む。ばね仕掛けのおもちゃがあちこちに飛んでいく。厚みのある段ボール。青リンゴの痕。
まるでゴツゴツした崖を思わせるウィスキー。

【Kawasaki Point】
78point

【基本データ】
銘柄:LITTLEMILL 1991 19yo (リトルミル 1991年蒸留 19年熟成)
地域:Lowland, ローランド
樽: Bourbon (バーボン樽)
ボトル:CADENHEAD'S ケイデンヘッド


縦に「LITTLEMILL」と書かれたラベル

ボトルについているテイスティングノート

青リンゴ。機械オイル。裸電球。

ゴツゴツした崖を思わせる