レビュー:グレンモーレンジ シグネット 心を落ち着かせる気品

GLENMORANGIE SIGNET(グレンモーレンジ シグネット)を飲んだ。89点。
グレンモーレンジの鬼才、ビル・ラムズデン博士とマスターブレンダーのレイチェル・バリーが「詳細は秘密」にしてリリースした新作。深煎りしたモルトを使用するなど、いろいろ新しいことをやっているとの噂。
いずれにせよ、肝心の香味はどのようなものだろうか。

グレンモーレンジ シグネット

【評価】
グラスから立上るのは、甘く華やかな蜜、かといって重厚な香り。心を落ち着かせる気品が漂う。ろうそくの灯で照らされた夜会。
口に含めば、甘くしっとりとした木の蜜。シナモンの後味。焦がしたシダー片。
穏やかな日、祖父との思い出の一日。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENMORANGIE SIGNET(グレンモーレンジ シグネット)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

独特のデザイン

ボトル自体がグラデーションしている。底の方が透明

甘く華やかな蜜、かといって重厚な香り



ドーノック湾に面したグレンモーレンジ蒸留所の場所を地図で確かめてみて。

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レビュー:白州25年 森で出会った果実と・・・

白州25年熟成(HAKUSHU 25yo)を飲んだ。89点。
この白州25年は、白州ブランドの中で一番長熟のものだ。希少な原酒を使用しているだけあって、さすがにボトルのデザインも品がよい。
さてはて、その香味やいかに。

白州25年熟成

【評価】
グラスから香るのは、甘くすっきり、うっとりする森の香り。土の香り。風呂を沸かす薪の炎。レモンと白い花。光が降り注ぎ柔らかなふかふかの土を照らし、ゆったりとした散歩をしている。
グラスを傾け、そっと口に含めば、甘くとろけるようなイチゴとチョコレート、そしてイチジクが舌の上でねっとり展開するが、木の葉の渋みと森の土の香りを感じさせることで、まとまりを見せる。
森で出会った果実と、午後の幸せなひと時。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:白州25年熟成(HAKUSHU 25yo)
地域:山梨県 日本
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

甘くすっきり、うっとりする森の香り


白州の和紙
森で出会った果実と、午後の幸せなひと時。


山梨県にある白州上流所の位置はココ。森に囲まれている。

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レビュー:マッカラン33年 モリソン&マッカイ 海の見えるレストランの壁に・・・

MACALLAN 1979 33yo MORRISON & MACKAY Seriese:WORLD WONDERS(モリソン&マッカイのワールド・ワンダーズ  マッカラン 1979 33年熟成)を飲んだ。82点。

このボトルのラベルに描かれたWorld Wonders(世界の七建造物)は、「バビロンの空中庭園」で、紀元前600年ごろに実際にあったとされる。実物は“空中に浮いているかのように見える”、高台に建造されたロマンティックな庭園だったようだ。

さて、ラベルはさておき、肝心の内容の香味はどのようなものだろうか。

ワールド・ワンダーズのマッカラン33年熟成

【評価】
グラスを傾け、鼻を近づければ、穏やかな樽の中で眠っている静寂さ。杏子、バナナ、ミント、シトラス。少しスパイシー。
口に含めば、軽く香りが華やぐ。ほんのりオイリーで、深くなりすぎず、海の見えるレストランの壁に飾ってある小さな人物画。色彩は明るく柔らかい。
穏やかで、大きなインパクトはないが、まとまった一杯。

【Kawasaki Point】
82point

【基本データ】
銘柄: MACALLAN 1979 33yo(マッカラン 1979 33年熟成)
地域: Highland, ハイランド
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:MORRISON & MACKAY, モリソン&マッカイ

1979年5月-2012年12月 リフィルホグスヘッド 33年熟成

HANGING GARDENS OF BABYRON

ほんのりオイリーで、深くなりすぎず

穏やかで、大きなインパクトはないが、まとまった一杯

マッカラン蒸留所の位置を地図で確かめてみて。スコットランドの北。

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レビュー:マックミラ 初のスウェーデン・ウィスキー

MACMYRA THE 1st EDITION(マックミラ ザ・ファースト・エディション)を飲んだ。56点。
これは初めてのスウェディッシュ(スウェーデン生産)のウィスキー。なんでも仲間内で「スウェーデン産のウィスキーがなぜないんだろう」という話になり、「じゃ、つくろうぜ!」と盛り上がって本当につくったらしい。
ウィスキー好きにとっては夢のような話だが、さてはて、香味やいかに。

スウェーデンからやってきた「マックミラ」

【評価】
グラスから立上るのは、甘い麦、穏やかさ、若い熟成だからアルコールに乗って強烈なインパクトがあると思いきや、さわやかな風と空を感じる。ほのかにスモーク。
口に含めば、甘い、甘いが複数種の甘みで次々と誘惑される。ビターさもある。
可能性を感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
56point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:MACMYRA THE 1st EDITION(マックミラ ザ・ファースト・エディション)
地域:Sweden, スウェーデン
樽:Bourbon, バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル




「私たちは夢を追いかけて、
スウェーデン初のモルトウィスキーをつくりました」

甘い麦、穏やか

ボトルの底にもロゴマーク

さわやかな風と空
可能性を感じるウィスキー


スウェーデンのストックホルムの北に位置するマックミラ蒸留所を地図で確かめてみて。

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レビュー:ラフロイグ10年 これはまるで青春の・・・

Laphroaig 10yo (ラフロイグ10年熟成)を飲んだ。88点。
そういえばオフィシャルのラフロイグのレビューを掲載していなかった。最近、ラベルのデザインも変わったことだし、新旧ラベルのラフロイグを掲載しよう(変わったのはラベルだけで中身は同じ)。

右が旧ラベルで、左が新ラベルのラフロイグ10年

【評価】
グラスから立上るのは、濃い醤油を鉄板に垂らして出た煙、正露丸、柑橘の皮と果汁。少し、土と粘土と鉄。
口に含めば、穏やかでありながらジューシーで、魚の塩気も感じる。鼻から抜ける強い煙に、それでも爽やかな柑橘の香りがついている。
これはまるで、青春の味のするウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄:LAPHROAIG 10yo(ラフロイグ10年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Bourbon, バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


左から、新、旧の順。
旧ラベルのラフロイグはアルファベットの上下に飾り、
つまり「セリフ(ひげ)」がしっかりある

新ラベルのラフロイグはアルファベットの飾り、
つまり「セリフ(ひげ)」が控えめになっており、
旧ラベルよりスッキリとした印象を与えている。 

旧ラベル、全体のデザインイメージは「格式」

新ラベル、全体のデザインイメージは「質実」といったところか

ラフロイグ蒸留所の場所を地図で確かめてみて。ラフロイグとは「広い湾のそばの美しい窪み」という意味。
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レビュー:白州シェリーカスク2012 まとまったシェリー

白州シェリーカスク 2012(HAKUSHU Sherry Cask 2012)を飲んだ。82点。
記憶になかったけれど、白州シェリーカスク 2013を飲んだときは87点で「午前十時の森林」と表現していた。「2012」と「2013」ではどのように香味が違うのだろうか?

白州シェリーカスク 2012

【評価】
グラスから立上る香りは、古くて使い込まれた小学校の机、夕刻に斜めのオレンジ色の陽が差す誰もいない教室、時刻に焦る。やや尖った酸味の強さが目立ち、甘いチョコレート。
口に含めば、割とまとまったシェリー。強く樽の主張を感じるが何重かの甘みがなんとかバランスを保つ。
甘ったるさと木の渋み、ややパンチが強いが、これなら「シェリーとは何か」の良い入門編になるかもしれない。

※2012はインパクトが強いわりにシェリーがまとまっているが、2013の方が白州独自の爽やかさとシェリーの深みがより高いレベルで調和していると感じた。

【Kawasaki Point】
82point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:白州シェリーカスク2012(Hakushu Sherry Cask 2012)
地域:山梨県 日本
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

やや尖った酸味の強さが目立ち、甘いチョコレート


何重かの甘み


ややパンチが強いが、
これなら「シェリーとは何か」の
良い入門編になるかもしれない

白州蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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