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レビュー:マスターブレンダーズブレンド 12年 赤い水彩絵の具・・・

Master Blender's Blended Whisky 12yo 70th Anniversary Selection(ニッカマスターブレンダーズブレンド 12年熟成)を飲んだ。87点。
いまからちょうど10年前の2004年、ニッカの創業70周年を記念したボトルがいくつかリリースされていた。写真は4本セットの箱入りのリリースで、今回取り上げるのはそのうちのひとつ。
マスターブレンダーというのはニッカのウィスキーづくりの総監督だが、実際にその方の手書きのサインが書かれた貴重なボトルだ。

マスターブレンダーズ・ブレンド ニッカ12年熟成

Master Blender's Blended Whisky 12 years old

【評価】
グラスから立ち上る香りは、花火終わりのクヌギの木。蜜の香りと、赤い水彩絵の具。夜の潮騒。
口に含めば、重たくて冷たい鉄の棒。土の香り。苔と苔の花。白くて小さい。
金属音みたいなジャズピアノを聴きたくなる一杯。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:Master Blender's Blended Whisky 12yo 70th Anniversary Selection(ニッカマスターブレンダーズブレンド 12年熟成)
地域:Japan
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

4本セットが木箱入りでリリースされた。
余市12年、宮城峡12年、カフェグレーン12年、
そして今回取り上げたマスターブレンダーズブレンド12年。

苔と苔の花。白くて小さい。






レビュー:余市1992 12年 ニッカ70周年記念ボトル ガラスにはめ込んで・・・

余市1992 12年熟成 ニッカ70周年記念ボトル(Yoichi 1992 12yo)を飲んだ。85点。
今年2014年はニッカの創業80周年でさまざまな記念ボトルがリリースされているが、丁度10年前の2004年にも記念ボトルがリリースされていたようだ。今回取り上げるのはニッカ創業70周年の記念ボトルのひとつで、マスタ-ブレンダーの佐藤茂生氏のサイン入りだ。

さて、どのような香味の世界なのか。




【評価】
グラスから立ち上る香りは、燃えている薪の香りを煙ごと四角いガラスにはめ込んで眺めているかのような。カカオの濃いチョコレートのかけら。生き物のようにダイナミックに変化する。
口に含めば、ろうそくの炎が熱く舌の上で燃えて、ロウが溶けていく。ロウが溶けるとチョコレートに変化する。
熱いが静かなウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:余市12年(Yoichi 12yo)
地域:Japan
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

こっちが余市12年

熱く舌の上で燃えて、ロウが溶けていく



レビュー: ザ・ニッカ12年 柑橘の薄いベールが・・・

ザ・ニッカ 12年(The NIKKA 12yo)を飲んだ。87点。
これまでもニッカが「ザ・ニッカ」と名づけて世に放ったウィスキーはいくつかあるが、自らの社名に定冠詞「The」をつけるのは余程のこだわりと自信があるためだろう、その都度、高い評価を得ている。
さて、今回のザ・ニッカはどうだろうか。

ザ・ニッカ12年

【評価】
グラスから立ち上るのは、甘く崇高さにまで昇華された香り。焦げた蜂蜜を水で溶いて。さわやかな柑橘が奥で支える。
口に含めば、柑橘の薄いベールが覆う丸太の焦げた香り。パチパチと音が聞こえそうだ。
重厚なのに明るいウィスキー。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:ザ・ニッカ 12年(The NIKKA 12yo)
地域:Japan
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル




狛犬が2匹向かい合うエンブレムのデザイン
竹鶴政孝が発案したと以前余市でニッカの人に聞いた

柑橘の薄いベールが覆う丸太の焦げた香り












レビュー:ラフロイグ1994 11年 スリーリバーズ 好奇心を持って・・・

Laphroaig 1994 11yo Three Rivers(三河屋のラフロイグ1994 11年熟成)を飲んだ。86点。
およそバーでお目にかかるスコッチ、とりわけアイラ島のウィスキーでいえば、ラフロイグはもっともポピュラーなひとつで、激しく好き嫌いがわかれる銘柄だ。そして好きになった者には、多くのバリエーションを提供してくれる銘柄でもある。
さて、今夜のラフロイグはどのような香味だろうか。

ラフロイグ1994 11年熟成

【評価】
グラスから立ち上る香りは、古いマホガニー。使い込まれたパイプ。温かみのある煙。懐かしくなるような木の酸味。重厚なくたびれ。
口に含めば、おだやかな海に漂う小舟のように。潮の香り、ゆっくりと広がる。レモンチーズケーキの焼きたてのように。フレッシュなコクと穀物感。
古い大きな図鑑を紐解く気分。ゆっくりと慎重に、好奇心を持って。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:Laphroaig 1994 11yo Three Rivers(三河屋のラフロイグ1994 11年熟成)
地域:Islay, アイラ島
樽: Bourbon, Oak, バーボン、オーク
ボトル:Three Rivers スリー・リバース


味のある美しい書体

三河屋のキャラクターのエプロンには「三」と。

潮の香り、ゆっくりと広がる

好奇心を持って

スコッチランドの西側の小さな島。そこでラフロイグは作られている。ぜひ地図でも確かめてほしい。




レビュー:ボウモア 2000 13年 ケイデンヘッド 狂おしく弾けて・・・

Bowmore 2000 13yo CADENHEAD SMALL BATCH(ケイデンヘッドのスモールバッチシリーズ、ボウモア2000年蒸留 13年熟成)を飲んだ。87点。
ケイデンヘッドとは1842年創業のスコットランドの歴史あるボトラーだ。スモールバッチとは、少量生産のこと。ウィスキーは、同じ蒸溜所、同じ熟成年数であっても、樽ごとに個性があるので、さまざまな味のバリエーションが可能だ。
さて、このボウモアの香味やいかに。

ケイデンヘッド スモールバッチ ボウモア2000 13年

【評価】
グラスから立ち上る香りをかぐ。石の表面を撫でて、靴の底で灰のなかでくすぶっている火を消す。誰かがグレープフルーツを大きな手でぎゅうっと潰す。それが灰に落ちてジュゥッという。
口に含めば、これは情熱のボウモア。狂おしく弾けて方々に飛んでいく。
後に残るは甘い香り。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄: Bowmore 2000 13yo CADENHEAD SMALL BATCH(ケイデンヘッドのスモールバッチシリーズ、ボウモア2000年蒸留 13年熟成)
地域:Islay (アイラ)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:WILLIAM CADENHEAD, ウィリアム・ケイデンヘッド

ヘイデンヘッド スモールバッチ

灰のなかでくすぶっている火を消す

後に残るは甘い香り



このウィスキーが生まれたのは、イギリスはスコットランドの小さな島「アイラ島」にある、ボウモア蒸溜所だ。Bowmoreとはゲール語で“大きな岩礁”という意味。場所をmapで確かめてみて。




レビュー:ラガブーリン 2010 12年 甘いイチゴのコンポートと・・・

Lagavulin 2010 12yo Limited(ラガブーリン 2010 12年熟成 限定)を飲んだ。87点。
アイラ島という小さな島にあるラガブーリン蒸溜所のシングルモルト、ラガブーリンは16年熟成がもっとも有名であるが、12年熟成のものは本数限定でリリースされている。
映画『天使の分け前』では「アイラ島のプリンス」とも表現されていたラガブーリン、はたして12年熟成はどのような香味だろうか?


【評価】
グラスに鼻を近づければ、白い薬袋、花畑、暖炉の灰。すぅーと甘い香りが立ち昇る。フレッシュな梨をすり潰して。
口に含めば、甘いイチゴのコンポートとバニラアイス。雨の日のアスファルト。そのまま、香りの中にある何かを追いかけるが甘く包まれ方向感覚を失う。
落ち着く香りと、雨の日の読書。

【Kawasaki Point】
87point

【基本データ】
銘柄:Lagavulin 2010 12yo Limited(ラガブーリン 2010 12年熟成 限定)
地域:Islay, アイラ
樽:American Oak, アメリカンオーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


うっすらと舟が描かれている

ナチュラルカスクストレングス
加水していない、という意味

甘いイチゴのコンポートとバニラアイス

白い薬袋、花畑、暖炉の灰

落ち着く香りと、雨の日の読書。


ラガブーリン蒸溜所はアイラ島というイギリスの小さな島に位置している。地図を拡大してみて。



レビュー:余市12年 ピーティ&ソルティ 煙の中のシャケトバ・・・

余市12年熟成ピーティ&ソルティ(Yoichi 12yo Peaty & Salty)を飲んだ。56点。
このボトルは、余市蒸溜所限定で販売されているものだ。
その、香味やいかに。

余市12年熟成 ピーティ&ソルティ

【評価】
グラスから立ち上る香りは、煙の中のシャケトバ。
口に含めば、う〜ん、シャケトバを噛み締める。飲んだ後に口から煙が出てないだろうか。
お土産的ウィスキー。記念にどうぞ。

【Kawasaki Point】
56point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:余市12年熟成ピーティ&ソルティ(Yoichi 12yo Peaty & Salty)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


煙の中のシャケトバ

お土産的ウィスキー。度数は高めの55度。


余市蒸溜所の場所はこちら。





レビュー:余市10年 味わうことを意識せず・・・

余市10年熟成(Yoichi 10yo)を飲んだ。86点。
言わずと知れたジャパニーズウィスキーの父、竹鶴政孝の生み出したウィスキー蒸溜所、「余市蒸溜所」から届けられた一本。(尚、12年15年20年はこちら)
さて、その香味やいかに。

余市10年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づければ、力強い麦と陶酔感が込み上げてくる。レンガを手に持って、思いっきりレンガにぶつけて砕けた瞬間の激しさを閉じ込めたような。攻撃的な木のスパイス。
口に含めば、先ほどの印象と裏腹に、ややまったりとしている。しかし重厚で激しいアフターテイスト。塩っぽさの苦味。
味わうことを意識せず荒っぽく飲んでも、そのよさに気がつけるだろう。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:余市10年熟成(Yoichi 10yo)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


YOICHI 10 years old

味わうことを意識せず荒っぽく飲んでも、そのよさに気がつけるだろう



余市蒸溜所の位置を地図で確かめてみて。




レビュー:宮城峡15年 花束の爆弾・・・

宮城峡15年(Miyagikyo 15yo)を飲んだ。87点。
10年、そして12年につづきレビュー。現行では宮城峡のオフィシャルはこの15年が一番長い熟成だ。最低でも15年以上の熟成の樽から原酒を選び、このシングルモルトがつくられている。
さて、その香味やいかに。

宮城峡15年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づければ、花束のブーケ(芳香)がこちらに向かってストレートに飛んでくるような衝撃。煙のようなシブさ。タキシードのシルクの艶やかさ。
口に含めば、まとまりのある充実感。麦と花がぎっしり詰まっている。ほのかにけむる満足。
質実な真の強さと、花束の爆弾。

【Kawasaki Point】
87point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:宮城峡15年(Miyagikyo 15yo)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

日本を代表するウィスキーの割に知名度は低い

煙のようなシブさ

ラベルのデザインも熟成感を演出

質実な真の強さと、花束の爆弾


地図をズームアップして仙台市にある宮城峡蒸溜所の場所を確かめてみて。




レビュー:宮城峡12年 夏の日に、トンネルに入った・・・

宮城峡12年(Miyagikyo 12yo)を飲んだ。85点。
杜の都・仙台の蒸溜所から届けられるこの銘柄は、評価の割に知られていない。10年に引き続き、12年をレビュー。その香味はいかに。

宮城峡12年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づけそっと息を吸込めば、穏やかな表情をした人が、ペンキで花の絵を描いている。少しシンナーの香り。色とりどりの花を、コンクリートの壁に。ベリーをつまみながら。
グラスを傾け口に含めば、夏の木陰で休む画家。腕をまくって、額の汗をぬぐう。時折吹く風が涼しい。灼けたアスファルト。
夏の日に、トンネルに入ったときの体で感じるひんやり感。夏の葉。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:宮城峡12年(Miyagikyo 12yo)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

堂々としているがどこか素朴な味わいの「宮城峡」の書


夏の木陰で休む画家。腕をまくって、額の汗をぬぐう。