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レビュー:グレンリベット18年 複雑さを極めたこの甘み・・・

The Glenlivet 18yo(グレンリベット 18年熟成)を飲んだ。85点。
前回のグレンリベット12年熟成に続いて。ちなみにこのように同じ銘柄のウィスキーを熟成年数だけ変えて飲むことを「垂直飲み」(vertical tasting)と言ったりする。その香りの違いを愉しむ。
さてはて、18年熟成の香味やいかに。

グレンリベット18年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づければ、複雑さを極めたこの甘みよ。チョコレートのようであり木苺のようであり、深夜の始まりのようであり、夜明け前であるような。こころをほぐす香り。
口に含めば、上品な香水がひとすじ垂れてきて、香りが味わいに変わる。プレッツェルの小麦感。
香水は過ぎ去って行くが味わいも不思議と残して行く、そういったウィスキー。
土から湧き出る春の雰囲気。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:The Glenlivet 18yo(グレンリベット 18年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


複雑さを極めたこの甘みよ。


深夜の始まりのようであり、夜明け前であるような。


土から湧き出る春の雰囲気。





レビュー:ハイランドパーク 18年 ほどよい煙たさとのどごし

HIGHLAND PARK 18yo(ハイランドパーク 18年熟成)を飲んだ。85点。
かなりの定番モルト。さてはてその香味やいかに。

ハイランドパーク18年熟成 ボトルは開けたて

【評価】
グラスに鼻を近づければ、すっきりとした森の香り。柑橘、杏子。夏の池。爽やかでありながら渋い。ホッと落ち着くような。
口に含めば、ころころと舌の先にパウダーシュガーのまぶしてある小さなお菓子が転がる。焦がした樽。バランスのとれた正十四面体。
深すぎず浅すぎず、熱すぎず冷たすぎず、ほどよい煙たさとのどごしのウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:HIGHLAND PARK 18yo(ハイランドパーク 18年熟成)
地域:Islands, アイランズ
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


1798年創業

ハイランドパークのロゴ

爽やかでありながら渋い。ホッと落ち着くような。

ほどよい煙たさとのどごしのウィスキー


イギリスの中でもかなり北の方にあるオークニー諸島のメインランド島。
ここにハイランドパーク蒸留所は位置している。地図を拡大して確かめてみて。




レビュー:グレンモーレンジ エランタ まるで桂離宮

GLENMORANGIE EALANTA 1993 19yo(グレンモーレンジ エランタ 1993 19年熟成)を飲んだ。97点。
最近、実験的なボトルを多くリリースしているグレンモーレンジ(by ビル・ラムズエン博士)。この「エランタ」は、アメリカンホワイトオークの新樽で作られたようだ。「エランタ」とは、ゲール語で「匠の技」を意味するらしいが、果たしてどのような香味なのか。

グレンモーレンジ エランタ

【評価】
グラスから立ち上る香りをかげば、甘い花の蜜のようなトップノート、その奥に潜むのは日に焼けて艶の出た木のテーブル、墨汁。繊細な香りの美と、細い(しかし決して華奢ではない)しっかりとした構造。まるで桂離宮のような。
口に含めば、甘くてソフトな舌触りとふわっと広がる香り。木の渋みもしっかりと味わわせつつも、全体として毛の長い猫を撫でているようなふうわりとした心地。甘く、上品なバランスを保ちながら長く続く余韻。強い余韻だから長く続くのではなく、曲芸のようにバランスを保ちつづける。
まるで貴重な石を用いて、慎重につくられた工芸品のようなウィスキー。気品が漂っている。

【Kawasaki Point】
97point

【基本データ】
銘柄:GLENMORANGIE EALANTA 1993 19yo(グレンモーレンジ エランタ 1993 19年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:American White Oak, アメリカンホワイトオーク(新樽)
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

その香りは、まるで桂離宮のような構造美

匠の技、エランタ

モーレンジのロゴ

アメリカンホワイトオークは、マークトウェインの森から

貴重な石を用いて、慎重につくられた工芸品のような





レビュー:グレンリベット ナデューラ 過去と対話したくなる・・・

The GLENLIVET 16yo NADURRA BACH 308E(グレンリベット ナデューラ 16年熟成)を飲んだ。89点。
ナデューラは自然とか、そういった意味だそうだ。カスクストレングスのこの一本は、果たしてどのような香味なのか?(参考:シングルカスクとは何か?

グレンリヴェット ナデューラ

【評価】
グラスから立上る香りは、ペティナイフでスパッと縦に切ったイチゴ。わずかに酸味と、外側の濃い赤の甘い香り、さわやかでメロウ。穏やかに心を慰めてくれる。思い出に影を与え、過去の輝かしい日々を一幅の絵画にしてくれる。そう、あれはもうすでに過去なのだと。
口に含めば、イチゴのチョコレートフォンデュ。粉っぽさと、ほっとする香り、暖炉の火を眺めていたら、心にも火を灯すよう。強いアルコールに舌がしびれる。
寒い冬に、暖炉のそばの木のテーブルで、過去と対話したくなるウィスキー。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:The GLENLIVET 16yo NADURRA BACH 308E(グレンリベット ナデューラ 16年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, 1st fill Bourbon, オーク、バーボン ファーストフィル
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

伝統あるグレンリヴェット

ノンチルフィルタードのナデューラ

思い出に影を与え、過去の輝かしい日々を一幅の絵画に

過去と対話したくなるウィスキー


たまにはイギリスの全体像を。グレンリヴェット蒸留所はこの位置だ。

大きな地図で見る


レビュー:アベラワー1994 18年 モリソン&マッカイ 狂おしいほどの麦

ABERLOUR 1994 18yo MORRISON & MACKAY Seriese:WORLD WONDERS(モリソン&マッカイのワールド・ワンダーズ アベラワー 1994 18年熟成)を飲んだ。88点。
毎回、世界の7建造物がラベルに描かれる「ワールドワンダーズ」のシリーズだが、今回のラベルは、アレクサンドリアの大灯台(Lighthouse of Alexandria)で、紀元前300年ごろ(古代エジプト)のお話。134mという高さを誇り、当時では世界でも最も高い建造物のひとつだったようだ。なんでも「攻めてくる敵の船をこの灯台の鏡で太陽の光を照射し、燃やすことができた」という伝説もあるようだ。
それが本当だったかなんてのは野暮な話だが、、さてはて、肝心の中身の香味やいかに?

アべラワー1994 18年熟成

【評価】
グラスから立上るのは、芳醇な麦麦しさと柾目の木の板がバランスし、墨汁の深み、スパッと割ったばかりの木の表面の清々しさ。
口に含めば、焦がした飴と、焦がした松の葉。花の蜜が舌を襲い、それが次には熱くジリジリと燃えながら、そのまま非常に長い余韻を楽しませる。
狂おしいほどの麦の魅力のプレゼンテーション。その香りの多面さよ。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: ABERLOUR 1994 18yo(アベラワー 1994 18年熟成)
地域: Highland, ハイランド
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:MORRISON & MACKAY, モリソン&マッカイ

アレクサンドリアの大灯台が描かれている

1994年1月2日蒸留、2012年11月6日ボトリング

すぱっと割ったばかりの木の表面の清々しさ

熱くジリジリと燃えながら、非常に長い余韻を楽しませる






レビュー:ラフロイグ1995 17年 SMWS 29.125 フルーツケーキとペッパー

Laphroaig 1995 17yo SMWS 29.125(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのラフロイグ 1995 17年熟成)を飲んだ。85点。
スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティは世界最大のウィスキー愛好家団体で、そのボトルは会員しか買えず、すべてがカスクストレングス(=樽出しのまんま)である。ボトルに書かれた「29」はラフロイグ蒸留所のことで、続く「125」はこの蒸留所の125番目のリリースであることを示している。

さてはて、このボトルの香味は?

ソサエティのラフロイグ1995 17年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づければ、甘いフルーツケーキ。生クリーム、メロンやピーチ、イチゴ。どこまでも上品で奥行きのある香り。煙があたりを包んでいる。ペッパー。
口に含めば、鼻から抜けるフルーツとペッパー。肉の旨味と煙。粗挽きのブラックペッパーを、少しの塩と味わっているような余韻。
食卓に誘う、想い出を刺激する一杯。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:Laphroaig 1995 17yo SMWS 29.125(スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティのラフロイグ 1995 17年熟成)
地域:Islay, アイラ島
樽: ReFill Bourbon Barrel,  バーボンバレル リフィル
ボトル:Scotch Malt Wisky Society スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティ

ソサエティは、どのボトルも同じデザイン。
違うのはラベルの数字や内容だけ。

「あからさまなスウィートチリソーセージ」というタイトル

食卓に誘う、想い出を刺激する一杯

ラフロイグ蒸留所の位置を地図で確かめて。
たまにはものすごくアップの地図を。「-」ボタンでアイラ島の全体像も確認できる。

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レビュー:マッカラン18年 暗闇の中の黒ヒョウ

The MACALLAN 18yo(マッカラン 18年熟成) を飲んだ。88点。

The MACALLAN 18 years old

【評価】
グラスから立ち上るのは、澄んだシェリーの香り。いくつかのスパイス。前に出過ぎない木のえぐみ。レモン、マンゴー、とろんとした蜂蜜。深夜の高速道路で、長いトンネルに入りしばらく走っている。静かな気持ちになる。覚醒するような、眠るような、くすぐるような、落ち着かせるような、相反する要素を持った香り。
口に含めば、深く入ってくるのに、沈み込まない。黒ヒョウが暗闇の中で頭をもたげて、その黄金色の眼はこちらを向いている――そのような静けさと、確かな存在感。この苦味を調和するのは、ミントのような清涼感。香りは広がるが、広がりすぎず、ノドが熱いが温かい気持ちにさせる。
まぎれもなく、飲むものを内側に向かせる銘ウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:MACALLAN 18yo (マッカラン18年熟成)
地域:Highland (ハイランド)
樽: Sherry, Oak  シェリー、オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


マッカランの年数表示は三角形のラベル

澄んだシェリーの香り。いくつかのスパイス。

ハイランド シングル・モルト スコッチ ウィスキー

静けさと、確かな存在感。

飲むものを内側に向かせる銘ウィスキー

世界でも最も美しい部類のウィスキーをつくるマッカラン蒸留所の位置を地図で確かめてほしい。

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レビュー:グレンゴイン スコティッシュオーク 灰色の羽帽子の・・・

GLENGOYNE 16yo Scotitish Oak Wood Finish(グレンゴイン 16年熟成 スコティッシュ・オーク仕上げ)を飲んだ。85点。
原酒はシェリー樽と、新樽のそれぞれで15年熟成したものを使い、最後の1年ぐらいをスコティッシュ・オークで熟成させた(いわゆるダブルマリッジな・・・)そんな一本。
さてはて、その香味はいかに。

グレンゴイン スコティッシュ・オーク・フィニッシュ
 【評価】
グラスに鼻を近づければ、爽やかなオークの香り、杉に近い、濃さを予感させるのにくどくない。実直でふくよか。かすかにスパイスと花が香る。
口に含めば、バランスの取れたシェリーの香り、瑞々しい。シェリーの華やかさと、スッキリと新樽の爽やかさの後に、スパイスが下支えする。
エドゥアール・マネの『灰色の羽根帽子の婦人』みたいに、しっとりとした気品と爽やかさの同居したウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENGOYNE 16yo Scotitish Oak Wood Finish(グレンゴイン 16年熟成 スコティッシュ・オーク仕上げ)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Plane, Sherry オーク、プレーン、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

グレンゴイン蒸留所は1833年創業


このボトルは9190番
このシリーズは限定品なのでナンバリングされている


バランスの取れたシェリーの香り、瑞々しい

しっとりとした気品と爽やかさの同居したウィスキー

以前も紹介したが、グレンゴイン蒸留所のムービー。とても美しい。




レビュー:グレンゴイン17年 ラストが爽快な映画のような・・・

GLENGOYNE 17yo(グレンゴイン17年熟成)を飲んだ。85点。

グレンゴイン17年熟成

【評価】
グラスから立ち上る香りは、爽やかな麦、シロップのような甘み、炒った麦。広がりすぎない香りの幅。
口に含めば、フラットな味わい、シェリー樽が香り、鼻に抜ける甘さの後のスパイシーな余韻。
ラストが爽快な映画のように、胸に残る余韻と、さわやかさの調和したウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLENGOYNE 17yo(グレンゴイン17年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Sherry オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

グレンゴイン蒸留所は1833年設立



オーク樽で最低17年以上の熟成

ラベルの反対側には紋章の刻印
美しいシェリー樽由来の色合いもわかる

ラストが爽快な映画のようなウィスキー

グレンゴイン蒸留所の動画。「世界でもっとも美しい蒸留所」と評されるのもわかる。



グレンゴイン蒸留所はハイランドとローランドのちょうど中間。
使っている川の水はハイランドのものなので、地域区分はハイランド、という感じ。

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