レビュー:ジェントルマン・ジャック 時間の静寂

GENTLEMAN JACK(ジェントルマン・ジャック)を飲んだ。88点。
有名なテネシー・ウィスキーのジャック・ダニエルの別ヴァージョン。
ジャック・ダニエルとの違いは、チャコールメロイング(サトウカエデの炭で1滴ずつウィスキーをろ過する製法)を1回ではなく、2回すること。ジャック・ダニエルでは、ウィスキーを樽詰めする前に1度チャコールメローイングするが、ジェントルマン・ジャックでは、樽から出して瓶詰めする前にもう一度チャコールメローイングするそうだ。。

【評価】
グラスから立ち上るのは、フローラル、鉄、消毒液。
口に含めば・・・!一気にこの世界の時間との鎖を切られ、時間の静寂に放り込まれる。鉄粉を感じながら、元の時間に戻る。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GENTLEMAN JACK(ジェントルマン・ジャック)
地域:American, アメリカン
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


ジェントルマンジャックは時間の静寂を感じるウィスキー

GG(グレート・ギャッツビー)を彷彿させる イニシャルGJ



ジェントルマン・ジャックを作っているジャック・ダニエル蒸留所はアメリカ、テネシーにある。

レビュー:ジャックダニエル 男を体現する味

Jack Daniel's(ジャックダニエル)を飲んだ。85点。
知名度は高いが、ウィスキーのレビューをしているブログなどでは意外と見かけない。
地域でウィスキーを分類すると、ジャックダニエルはアメリカン・ウィスキー。
アメリカン・ウィスキーの中でも、バーボンではなく、テネシー・ウィスキーだ。
ケンタッキー州のウィスキーがバーボンで、テネシー州のウィスキーがテネシー・ウィスキー。

コストパフォーマンスに優れており、筆者もお金のない大学生時代に「ジャックダニエルをロックで」というのがなんだかかっこよく、味も分からずよく頼んでいた。初めて飲んだウィスキーだ。
(ちなみに、アメリカのウィスキーはWHISKEYと表記する。イギリスのはWHISKY。Eのあるなし)

【評価】
香りをかげば、鉄と馬、レール。トウモロコシの葉。火薬。炭。シップ。
口に含むと、穏やかな消毒液。花々。革。
男を体現するウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Jack Daniel's(ジャックダニエル、ジャックダニエルズとも表記)
地域:American, アメリカン
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


口に含むと、穏やかな消毒液。

花々であり革である

ジャックダニエルはやはり名前がイカしてる


アメリカはテネシー州、ジャックダニエル蒸留所の場所を地図で確認してみて。

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ウィスキーで虫歯になるか?

素朴な疑問がこころに引っかかったままだと、健康に良くないらしい。

ウィスキーで虫歯になるか?

この質問は、長生きのために重要だ。健康のため、おいしい飲食のためにも、歯は大切。
ウィスキーで虫歯になるか、つまり、
「歯磨きをした状態で、ウィスキーを飲んだあと、もう一度歯磨きせずに寝てもOKか」だ。
結論から言うと、OKだ。

楽しいウィスキーのために、健康は重要なテーマだ


ウィスキーでは虫歯にならない


ウィスキーで虫歯にはならない。
(歯磨きした状態で、ウィスキーを飲んでも、また歯磨きする必要はないのだ)
なぜなら、ウィスキーに含まれる糖分はほぼ0(ゼロ)だからだ。
いやいや何言ってるんだ、ウィスキーだって甘いのがあるじゃないか、と思われるかもしれない。
たしかにウィスキーには甘みを感じる。だがそれは糖分の甘みではないらしい。


蒸留酒だから虫歯にならない


対して、ビールやワインには糖分がかなり含まれていて、虫歯の危険性がある。
詳しくは「醸造酒と蒸留酒の違い」という話になる。簡単に言うと、ビール(醸造酒)を煮詰めて、蒸発した成分を凝縮すればウィスキー(蒸留酒)になる。ビールに含まれている糖分は蒸発せずそのまま捨てられる。この過程を蒸留という。ちなみに、ワインを煮詰めればブランデーを取り出せる。
(だいたい同じような過程で作られる、焼酎、ラム、ウォッカなどの蒸留酒も糖分がほぼない)
だからビールやワインと違ってウィスキーには糖分がほぼなく、虫歯の原因にはならない。


おつまみ食べたらもちろん虫歯の原因になる


もちろん、おつまみを食べたりすると、歯磨きが必要だ。特にウィスキーに合うおつまみはチョコレートやナッツなど、充分虫歯の原因となりやすいものが多いから注意が必要だ。


寝る前のアルコールは睡眠を浅くし、虫歯ができやすくなる


だからと言って、寝る直前に飲む「寝酒」は睡眠を浅くしてしまうのでオススメしない。
またアルコールだけを飲むと脱水症状を起こすので、チェイサー(水)と一緒に飲むことをオススメする。脱水症状が起こるとそれ自体良くないし、唾液も作りにくくなるので、虫歯になる可能性が高くなるのだ。それを防ぐためにもチェイサー(水)は重要だ。


ウィスキーと虫歯のまとめ


ウィスキーでは虫歯にならない。(当然ながら歯を磨いていることが前提)
おつまみ食べたら歯磨きを。
寝る前のアルコールは睡眠を浅くする。
飲む際にはチェイサー(水)は必須だ。




以上を胸に、よいウィスキーライフを。


レビュー:ラフロイグ・クォーターカスク (優しいのに、激しい)

LAPHROAIG QUARTER CASK(ラフロイグ クォーターカスク)を飲んだ。85点。
クォーターカスクとは、1/4の樽で熟成させた、ということ。(クォーター=1/4、カスク=樽)
通常より容量が少ない分、中身のウィスキーは樽の影響を大きく受けるのだ。
乱暴に言えば、熟成とはウィスキーの原液が樽の影響を受けることだ。
このラフロイグ・クォーターカスクは、10年より年数は低いはずだが、なかなかの熟成具合。

【評価】
鼻から感じる、強めの樽の木の香り。古い木の家。広葉樹林。煙とアルミホイル。
舌で、木の樹液が染み渡るのを感じる。くすぶった香り。滑らかだが、優しく、しかしピートを確かに主張する。
優しいのに激しさのあるウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:LAPHROAIG QUARTER CASK(ラフロイグ クォーターカスク)
地域:Islay, アイラ
樽:Bourbon, バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

優しいのに激しさのあるラフロイグ・クォーターカスク

ラフロイグ・クォーターカスクは、コストパフォーマンスの高い酒。
だからショットグラスでわいわい飲むのもまた良し


ラフロイグ蒸留所は、イギリスはアイラ島の南に位置している。
マップを拡大して確かめてみて。

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レビュー:響21年 -生真面目な、日本人-

響21年を飲んだ。85点。
響(ひびき)は日本の代表的なブレンデッド・モルトだ。
サントリーによれば、21年は“ウィスキーを知り尽くしたあなたに”だそうだ。

その味の響きには欠点が見当たらないが、虜にするような魅力もない。
「これだけの実力がありながらなぜもっと主張しない?」と問いかければ、
「いえいえこれが和の心です」と答える、いかにも生真面目な日本人のイメージと重なる。
もっとクリアーな主張をすればいいのに・・・と思う。
ただ、確かに美味い。国産ウィスキーということで、私はつい求めすぎているのだろうか?


【評価】
グラスを鼻に近づけると、ナスとトウモロコシ。有機溶剤。雨をはじいたオーク材。
群生した夏草に感じる香りの奥行きと清涼感。土。
口に含めば、一瞬で溶ける飴。渋みを感じさせず、しかしバランスの取れた重量感。余韻は長く続く。
柔らかいアプローチの中にすべてを徐々に明かしていく。
前へ前へとグイグイとこないが、静かに「いつでもここにおいで。待っているよ」という貫禄。
鉄、赤土、水、草。
日本的な静かな主張とバランスの中に、フローラルを感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:響 21年(HIBIKI 21yo)
地域:Japan, 日本
樽: Sherry, Bourbon, White Oak, Mizunara シェリー、バーボン、ホワイトオーク、ミズナラ
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


「いつでもここにおいで。待っているよ」という貫禄

バランスの取れた重量感

いちいちこういう説明をしてしまうのが生真面目すぎるところ。
24面とか和紙とかボトルに書くからかっこ悪い。
「悪い人じゃないんだけど・・」って感じ。

和紙感

レビュー:ボウモア1973 25年 キングスバリー

Bowmore 1973 25yo KINGSBURY'S (ボウモア1973 25年熟成 キングスバリー社)を飲んだ。85点。
70年代ボウモアは希少。
(ときどき考えるが、東京では一杯いくらするのだろうか・・・誰か教えて)


【評価】
グラスから立ち上るのは、ぶどうと塩気。しょう油。古めかしい西洋の鎧。華やかさとセピア色の思い出。
口に含めば、芳醇さ。すっと入ってくるのに驚くほど深い味わい。香水のようなハーモニーはすぐ消えるが、塩と煙の余韻を残す。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄:BOWMORE 25yo(ボウモア 25年)
地域:Islay, アイラ
樽: Sherry, Bourbon シェリー、バーボン
ボトル:KINGSBURY'S


グラスから立ち上るのは、ぶどうと塩気。

キングスバリー社のこのボトルはもうほとんどないだろう。

香水のようなハーモニーはすぐ消え、塩と煙の余韻。

少し引きの画で。+ボタンを押して、ボウモア蒸留所の位置を確かめてみて。