レビュー:グレンドロナック18年 スパイシーな装飾

GlenDronach Allardice 18yo (グレンドロナック 18年熟成 アラダイス )を飲んだ。83点。
アラダイスとは、グレンドロナック蒸留所の創始者のジェームス・アラダイスに由来。

【評価】
グラスに鼻を近づければ、シェリー樽の香り。線香の深さ。淵が焦げた木の板。消毒液と本。醤油の一升瓶。
口に含むと、飲み口は華やか。オイリーな木の香りだが、スパイシーな装飾が施されている。あれだけ主張したシェリー樽の香りはくどくなく、消える。スパイシーさだけを余韻として残し、コンパクトな重たさを最後に残す。
華やかで、うっとりしすぎないシェリー樽のウィスキー。

【Kawasaki Point】
83point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GlenDronach Allardice 18yo (グレンドロナック 18年熟成 アラダイス )
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

シェリー樽の香り。線香の深さ。
口に含むと、飲み口は華やか。

華やかで、うっとりしすぎないシェリー樽のウィスキー。

イギリスは東ハイランドにある、グレンドロナック蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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レビュー:イワイ トラディション 知られざる名ブレンデッド

イワイトラディション(IWAI TRADITION)を飲んだ。86点。
このイワイトラディションは、訳すと「岩井伝説」。ボトルが1,000~2,000円のブレンデッド・ウィスキーのどこが「伝説」なのか?というか、岩井って誰ですか?・・と思われがちだが、これが本当に、伝説的なウィスキーであるから、ウィスキーは奥深い。
短く言えば、岩井さんは、日本のウィスキーの祖父。ジャパニーズ・ウィスキーの父は、単身留学してウィスキー作りを学んで帰った竹鶴 政孝(たけつる まさたか)だ。竹鶴は、サントリーで山崎蒸留所を作り、その後ニッカウィスキーの創設者となった。その竹鶴に「行ってきなさい」と言った上司が、岩井 喜一郎(いわい きいちろう)だ。岩井さんが行かしてくれなかったら、今のジャパニーズ・ウィスキーはない、ということで、岩井さんがジャパニーズ・ウィスキーのおじいちゃん。
竹鶴は帰国後、岩井に留学の成果をまとめたノートを提出する。これが『竹鶴ノート』。

この『竹鶴ノート』を参考に蒸留器をつくった岩井喜一郎。その蒸留器で今もウィスキー作りを細々と(失礼!)行っているのが、マルス蒸留所だ。この蒸留所が、「岩井」の名を冠したブレンデッド・ウィスキーを出す意気込みやいかに。


【評価】
グラスから立ち上る、古めかしい木の香り。木造の校舎。日に焼けた木の板。煙。木枠の窓ガラス越しの青空。
グラスを傾け口に含めば、岩清水の香り。焼いた鮎のうまみ。スモーキー。
豊かなフレーバー。スモーキーさを味あわせる名ブレンデッド。知られざる、と言わざるを得ないのが惜しいところ。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:イワイトラディション(IWAI TRADITION)
地域:信州、Shinshu
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

IWAI TRADITION はまさに、岩井伝説。
古めかしい木の香り。木造の校舎。
岩清水の香り。焼いた鮎のうまみ。スモーキー。
信州はマルス蒸留所
知られざる名ブレンデッドウィスキー

信州はマルス蒸留所の位置を地図で確認してみて。

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レビュー:ラフロイグ2000 11年 リンブルグ・ウィスキーフェア ~煙たさと甘さのコラボレーション~

Laphroaig 2000 11yo  Limburg Whisky Fair(ラフロイグ2000 11年熟成 リンブルグ・ウィスキー・フェアー)を飲んだ。88点。
先日の、トマーティン1977 30年熟成に続いて、リンブルグ・ウィスキー・フェアのボトル。世界で276本限定。
ドイツのリンブルグで毎年開催されるウィスキー祭りの限定ボトル。珍しいのはラム酒樽フィニッシュということ。バーボン樽で寝かせたあと、最後が変わってる。最後にラム酒の樽に詰め替えて、少し寝かせて瓶詰めしているのだ。はて、どのような香味が付いているのか。


【評価】
グラスから立ち上る香りは、やわらかい煙とすぐ追っかけてくる砂糖の甘み。樽の淵についた砂糖。煙たさと甘さのコラボレーション。奥にしっかりとしたうまみの芯がある。
口に含めば、飲み口は柔らかく、まるでラム酒のよう。煙たさが柔らかさとなり、うまみをしっかりと届ける。若さがラムにより円熟味を加えられ、面白さとなる。
華やかさを加えたラフロイグ。


※それにしてもラフロイグは崩れない。若くとも長熟でも、今回のようにラム樽フィニッシュでも、その個性を保って、うまみを逃さない。よく「この蒸留所は○○年代がよかった」など言うことがあるが、ラフロイグは間違いなく“現役バリバリ”だ。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Laphroaig 2000 11yo  Limburg Whisky Fair(ラフロイグ2000 11年熟成 リンブルグ・ウィスキー・フェアー)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, Bourbon Hogshead, Rum, バーボン・ホグスヘッド、ラム
ボトル:Limburg Whisky Fair, リンブルグ・ウィスキー・フェア

One of 276 Bottles

2000年に蒸留され、寝かし、2011年に瓶詰めされている
やわらかい煙とすぐ追っかけてくる砂糖の甘み。
煙たさと甘さのコラボレーション



レビュー:トマーティン1977 30年 リンブルグ・ウィスキーフェア

Tomatin 1977 30yo Limburg Whisky Fair(トマーティン1977 30年熟成 リンブルグ・ウィスキーフェア)を飲んだ。85点。
ドイツ南部のリンブルグという町で年1回開かれるウィスキー・フェア。いろんなウィスキーが集まる世界的なイベントのようで(俺の町でもやってくれないかかな・・)。そのフェアの主催者が、毎年何種類か出すようですが、今回のトマーティンはその内の一本(世界で223本限定)。
(尚、国分300周年限定ボトルのトマーティン30年の記事はこちら

【評価】
グラスから立ち上るのは、深いぶどうと樽の香り。甘ったるくないのは、樽の熟成された渋みがバランスを取っているから。新緑の広葉樹の葉っぱ。
口に含めば、甘みが水平に広がる。木と葉の香りがふわっと芳ばしく、相応の深みがあり、瑞々しさがある。長熟にありがちな醤油の香りのえぐみがない。綺麗にニスが塗られた木の杖。
長熟なのに、若々しさの森につれてこられたかのよう。沈み込まないが、口の中で、そして鼻へ深さが広がる。
軽やかさをまとった長熟のまとまりを感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Tomatin 1977 30yo  Limburg Whisky Fair(トマーティン1977 30年熟成 リンブルグ・ウィスキーフェア)
地域:Highland ハイランド
樽:Oak, Bourbon Hogshead, バーボン・ホグスヘッド
ボトル:LINBURUG Whisky Fair, リンブルグ・ウィスキー・フェア


深いぶどうと樽の香り

木と葉の香りがふわっと芳ばしく、
相応の深みがあり、瑞々しさがある

軽やかさをまとった長熟のまとまりを感じる


リンブルグ・ウィスキー・フェアの公式紹介動画。
う~ん、大勢の人々、さまざまな蒸留所、ボトラー、セミナーに料理教室・・
ドイツ語分かりませんが、とにかく幸せなフェスティバルのようですね。