レビュー:響17年 工芸品のようでありながらも・・・

響17年熟成(Hibiki 17yo)を飲んだ。93点。
「響」は、ジャパニーズを代表するブレンデッド・ウィスキーのブランドのひとつだろう。
17年はどのような香味だろうか。

響17年

【評価】
グラスを軽く揺らせば、むせる程の春の香り。花々の美しい畑。ミツバチが飛び、蜜を集めるのに必死。天気が良い。ふかふかのベッドでここちよく昼寝。奥行きのある香り。
グラスを少し上げて、ウィスキーを口に含んでみる。香りそのままの世界観に飛び込む。キャンバス地のスニーカーで歩き回ろう。心地よく感じるリズムは、華やかな香りのリフレインが生み出している。しっかりとした重みが与えられているせいで、余韻は長く続く。
工芸品のようでありながらも、さりげなく、自然を感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
93point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:響17年熟成(Hibiki 17yo)
地域:Japan 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ボトルキャップにも「響」の書が刻印されている

カクカクしたボトル。24面。

ジャパニーズを強く意識したラベルは和紙。

花々の美しい畑。ミツバチが飛び・・・

ロックスタイルでも。(香り生きている)

工芸品のようでありながらも、さりげなく自然を感じる





レビュー:クレイモア 熱した小さな鉄の玉・・・

CLAYMORE(クレイモア)を飲んだ。73点。
実勢価格が1000円台までのウィスキーを特集している1000円台ウィスキーシリーズ
勇敢さで有名なハイランダー(スコットランドの軍隊)が使用した大きな剣(=クレイモア)が描かれるラベルが特徴的なこのボトル。どのような香味で魅せてくれるのだろうか。

クレイモア

【評価】
グラスから立ち上る香りは、甘酸っぱいリンゴ酢、麦ビスケット。牧歌的。
口に含む。キャンディーを溶かして、鉄棒。夏の日に飲む水の甘さ。熱した小さな鉄の玉。
こげと甘みの小さな小さな物語を味わう。

【Kawasaki Point】
73point

【基本データ】
銘柄:CLAYMORE(クレイモア)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド



ラベルには、クレイモア(大剣)が描かれている

甘酸っぱいリンゴ酢、麦ビスケット

こげと甘みの小さな小さな物語







レビュー:初号スーパーニッカ 復刻版 なめらかだが炎・・・

初号スーパーニッカ 復刻版(1st SUPER NIKKA WHISKY reprinted edition)を飲んだ。86点。

ボトルはもちろん手吹きのクリスタル・・・とまではいかないが、ニッカウィスキーがNNKドラマ『マッサン』ブームに応えていくつかリリースしている「復刻版」シリーズのひとつ。
日本にウィスキーをもたらした男、竹鶴政孝の足跡をたどる旅のようなものだ。この復刻版は毎度、当時の原酒を元にしていると聞くがその入手は容易くはないはずだ。そして、苦労して手に入れた原酒をおそらくほぼそのまま再現しているのではないかと思う。このウィスキーを味わって、当時のウィスキーを偲ぶことは可能だろう。

さて、少しタイムスリップした気分でどのような香味か味わってみよう。

初号スーパーニッカ復刻版
【評価】
グラスを揺らせば、甘い中の麦の主張。麦は少し焦げたのだろうか。平均律クラヴィーアのように滔々と溢れ出る。
口に含む。しっとり溶けて飲みやすい。強目の乳酸を感じる。日に焼けた本のページをめくる。
なめらかだが炎を感じる。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:初号スーパーニッカ 復刻版(1st SUPER NIKKA WHISKY reprinted edition)
地域:Japan 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

狛犬の向かい合うエンブレム

初号スーパーニッカ
思わずマッサンとリタの物語が浮かぶ

グラスはちょっと遊び心で

撫で肩のボトル

RARE OLD

ドウカウィスキーのロゴも良く出来ている

なめらかだが炎を感じる







レビュー:余市 1994 20年 SMWS 116.19 あまく弾ける・・・

余市 1994 20年熟成 Scotch Malt Whisky Society 116.19(Yoichi 1194 20yo SMWS 116.19)を飲んだ。89点。
SMWSは世界最大のウィスキー愛好家団体だ。世界の蒸溜所にはコード(No.)が付けられており、日本の北海道の余市蒸溜所は116番だ。これは、ウィスキー界隈では結構名誉なことで、2002年当時、余市蒸溜所がSMWSに「英国以外の蒸溜所で初の認定を受けた」ことは「快挙」と報じられたほどだ。
さて、SMWSから116番目の余市のボトルがリリースされるのはこれで19番目(だからコードは116.19となる)。今回のボトルは、どのような香味だろうか。

ソサエティの余市1994 20年熟成

【評価】
その香りは、スパイスの中にきらめく若さがある。新緑の香り。夜のくぬぎ。夜行性の虫や鳥の声。
ひとたび口に含めば、あまく弾けるパッション。カーマイン。酔いしれていたい。夜の潮騒。
ほかになにもいらない。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:余市1994 20年熟成(Yoichi 1994 20yo)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Scotch Malt Whisky Society, スコッチモルトウィスキーソサエティ

スコットランドのリースに本部を置くソサエティ

シンプルなボトルデザインは毎度おなじみ

116=余市、19=19番目のリリース。テイスティングノートを添えて。

ヴァージンオーク=新樽。余市の新樽は個性的だ。

新緑の香り。夜のくぬぎ。

夜行性の虫や鳥の声。

ほかになにもいらない。