ウィスキーのシングル・モルトとは何か?

シングル・モルトとは何か?
ウィスキーを飲み始めると、まずぶつかるギモンだ。

科学的にいうと、、、
それは、ある蒸留所で大麦麦芽100%でつくられたウィスキーをボトリングしたものだ。
そのボトルの中には、他の蒸留所のウィスキーは混ざってないし、大麦以外の穀物も使っていない。
ついでに、いわゆるスコッチ・ウィスキーの蒸留所は100を超えると言われている。
(参考:wikipedia スコッチ・ウイスキーの蒸留所一覧


こういう説明は「なるほどそうか」と分かりやすいけれど、なんだか味気ない。
でもウィスキーはここに“人間”が混じってくるからおもしろい。どの蒸留所にも、“個性”があるのだ。

ただ、ウィスキーのつくり方は世界共通だ。
大麦をあれこれして、糖分を取り出して、2、3回蒸留して、樽につめて、寝かせて・・・というプロセスだ。
けれども、どの蒸留所でも、やり方や器具が微妙に違っていて、それが味に影響を与えるとされている。

また、樽で寝かせている、まさにその場所も、味に大きく影響する。
簡単に言えば、海沿いの蒸留所で寝かされたウィスキーは、潮っぽい香りがつく。
数年、数十年という時を経て不思議とそうなる。

だから、やり方や環境はとても大切だ。
長い年月を経て、ウィスキーはその蒸留所が考える味や香りが体現される。

こう考えると、ウィスキーはまるで人間みたいではないか。


では、最初のギモンに戻ろう。
シングル・モルトとはなにか?


それは結局、その蒸留所の個性なのだ。
数十年後を夢見ながら、これが美味いウィスキーをつくるやり方だと信じてやりきった人たちの結果である。だからシングル・モルトとは、そういった人々の願いが個性となり、それを瓶詰めして、目の前に届けられた、ひとつの“物語”のようなものだ。

どうかあなたがシングル・モルトを頼むときには、それが個性であり、物語であると知っていてほしい。

シングルモルトとは、個性であり、物語だ。



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