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レビュー:竹鶴(ノンエイジ) しっかりと向き合うことの・・・

竹鶴(TAKETSURU)を飲んだ。88点。
この竹鶴は年数表記のない、いわゆる「ノンエイジ」と呼ばれるものだ。ウィスキー需要の高まりを受けた世界的な流れで、「○年熟成」という「年数しばり」を取って発売するウィスキーが増えている。十数年熟成させてから出荷、というなんとも効率の悪いところがウィスキーの人間くさい魅力なのだが、世界のニーズとビジネスを思えば、仕方ないところもあるだろう。いずれにせよ変化そのものにいいも悪いもない。
さて、竹鶴の香味やいかに。

竹鶴 ノンエイジ

【評価】
グラスから立上るのは、しっとりとした甘い香り、尖った若さもある。焦がした焚火の跡、すっきりとした小川の小石。森でのキャンプ。
口に含めば、さらさらと小川が流れる。かすかにイチゴの甘みを漂わせ、さわやかで熱い後味。
しっかりと向き合うことのできるバランスの良いウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:竹鶴(TAKETSURU)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

金字を使いながらあまりいやらしくならないのは
書のバランスの良さとデザイナーの力だろう

創業者竹鶴政孝の肖像はお決まり
ジャパニーズウィスキーの父




人間が年齢で判断できないように
ノンエイジたりとて侮れない一杯




レビュー:余市原酒10年(樽番号40556) 真っ赤で、オレンジで・・・

余市の原酒10年熟成:樽番号40556(YOICHI Single Cask 10yo Cask No.40556)を飲んだ。86点。
これは蒸留所で販売している限定品で、シングルモルト余市をつくる前の、樽出しそのまんまのものだ。だから樽No.の記載があり、この樽No.がひとつでも違えば、また違う味わいになるだろう。

余市原酒10年 樽番号40556


【評価】
目を閉じてグラスから立上る香りを嗅げば、甘い香りの森に足を踏み入れたかのよう。強烈な個性。360度その香りに包まれているようだ。
口に含めば、幾重にも重ねた重厚な香り。油絵のようであり、真っ赤で、オレンジで、そして煉瓦色で描かれた夕景のようである。鼻から抜けるのは、上品さもある!
情熱をそのまま取り出して、瓶に詰めることができたとしたら、このウィスキーになるだろう。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:余市の原酒10年熟成:樽番号40556(YOICHI Single Cask 10yo Cask No.40556)
地域:余市、北海道、Yoichi, Hokkaido
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

北海道余市蒸留所の限定品だ

情熱をそのまま取り出して、
瓶に詰めることができたとしたら

北海道の余市蒸留所は海の近く。場所を地図で確かめてみて。
大きな地図で見る


レビュー:竹鶴25年 上品な温かさ

竹鶴25年(TAKETSURU 25yo)を飲んだ。88点。
ニッカが会社の創業者にしてジャパニーズウィスキーの父である竹鶴の名前を冠して世に放つシリ
ーズの、25年は限定品である。

竹鶴25年

【評価】
グラスに鼻を近づければ、竹炭、焚き火で焦がしたプラムから果汁が溢れて甘い香りをあたりに漂わせる、夏の夜の森、かと思えば雪の上に赤い花びらを散らばせて、その香りを嗅いだようなシャープさもある。
口に含めば、新雪の中を歩いて進む、暖かい家の木の椅子に座ることを想いながら、その家にはストーブがあるだろう。上品な艶のある使い込まれた木の椅子に腰掛けリラックスすれば、横でリンゴをむいてくれる祖母がいる。本棚、キルティング、木の床。
上品な温かさとは何かを教えてくれるウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:竹鶴25年(TAKETSURU 25yo)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ピュアモルトとは、ブレンデッドモルトのことで、
モルトウィスキーのみをブレンドしたウィスキーを指す

焚き火で焦がしたプラムから果汁が・・・

ボトルに直接金字

雪の上に赤い花びらを散らばせて

上品な温かさとは何かを教えてくれるウィスキー



レビュー:響 ディープハーモニー 稀に見る・・・

響 ディープハーモニー (HIBIKI DEEP HARMONY)を飲んだ。97点。
今年(2013年)の6月にリリースされた、バー業種向けの限定品。17年熟成以上の原酒を中心に、赤ワイン樽で熟成させた原酒、それからシェリー樽熟成のグレーンをブレンド、というのがメインの構成のようだ。

響 Deep Harmony
【評価】
グラスに顔を近づけてみれば、その香りは、しっとりとしている。障子の木枠。和紙から透けて光がぼんやり室内を照らす。その柔らかな光に照らされた畳のい草の一本一本が、陰翳を生み出す。床の間に飾られた侘びのある花器。外の音は、鳥が枝から飛び立つ音と風の音だけ。
口に含めば、石をうがった窪みに水が張られ鏡になっている。みずからの顔を覗き込むと、風が吹き、木の葉が触れ合う音がする。
すべての香味の要素が、ひとつの情景を描き出す。稀に見る美しいウィスキー。

【Kawasaki Point】
97point

【基本データ】
銘柄:響 ディープハーモニー (HIBIKI DEEP HARMONY)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, Red Wine, Sherry, Bourbon, オーク、赤ワイン、シェリー、バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


24面体のカットが施されたボトル

ボトルの形状そのものも美しい


残りわずかであった


越前和紙のディティール

「外の音は、鳥が枝から飛び立つ音と風の音だけ」


すべての香味の要素が、ひとつの情景を描き出す。



レビュー:岩井トラディション ワインカスクフィニッシュ 同窓会のような

岩井トラディション ワインカスクフィニッシュ(IWAI TRADITION WINE CASK FINISH)を飲んだ。85点。
もともと岩井トラディションはほとんど知る人のいない、「知られざる名ブレンデッド」だが、それをワイン樽で最後の1年寝かせたこの「ワイン・カスク・フィニッシュ(ワイン樽仕上げ)」は、さらに知られざるウィスキー。
さて、その香味は?

岩井トラディション ワインカスクフィニッシュ


【評価】
グラスから立ち昇る香りは、鮎の塩焼き、あぁ香水のようなトップノート、バラの花、温かい、植物園のようだ。
口に含めば、柔らかい、ひさびさに同級生に会ったかのようなほっとする香り。過ぎ去りし日の木のぬくもり。
思わず心の構えがほぐれてしまうウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:岩井トラディション ワインカスクフィニッシュ(IWAI TRADITION WINE CASK FINISH)
地域:信州、Shinshu
樽:Oak, Wine オーク、ワイン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

MARS(マルス)ウィスキー

ボトルは新デザイン。旧デザインの方がカッコよかった。

日本のウィスキーの祖父、
岩井喜一郎の姓を冠している

Wine Cask Finish

あぁ香水のようなトップノート、
バラの花、温かい、植物園


ひさびさに同級生に会ったかのようなほっとする香り

思わず心の構えがほぐれてしまう






レビュー:山崎18年 完成された・・・

山崎18年(YAMAZAKI 18yo)を飲んだ。85点。
山崎はもちろん日本で一番有名なシングル・モルトだ。(参考ウィスキーのシングル・モルトとは何か?
さて、その香味はいかに?

山崎18年熟成


【評価】
グラスを傾け顔を近づければ、六月の森が香る。新緑と野草の花々。遠くで焚き木。早朝から昼前にかけての時の流れ。あるいは、夜のしじま。
口に含めば、香る、香る、香る。倒木の上で焚いたお香。完成されたパフューム。
完成されてはいるが、どこか心惹かれる前に心が離れてしまうウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:山崎18年(YAMAZAKI 18yo)
地域:山崎、大阪 YAMAZAKI, OSAKA
樽:OAK, MIZUNARA, オーク、ミズナラ
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ボトルキャップ部分のロゴマークは「響」がモチーフ


SUNTORY SINGLE MALT WHISKY

18年熟成の山崎

山崎の崎は、寿にも読める


香る、香る、香る。倒木の上で焚いたお香。

サントリーの山崎蒸留所はここ。日本初のウィスキー蒸留所なのだ。
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レビュー:余市15年 目覚めをもたらす

余市15年熟成(Yoichi 15yo)を飲んだ。89点。

シングルモルト余市15年熟成


【評価】
目を閉じ、グラスから立ち上る香りをかげば、、白い花に鼻を近づけている、ふっと顔を上げて見れば、同じ白い花が群生している。うっすらとハチミツが香り、スパイスが軽やかに調和する。木の板に耳をくっつけて、その歴史を聞いているかのよう。
ウィスキーを口に含めば、素晴らしい勢いで、群生する花々、スパイスの数々が通り過ぎる。鮮やかなスパイスの残像に、ほのかにリンゴが香る。
うっとりさせない、目覚めをもたらすウィスキー。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:余市15年熟成(Yoichi 15yo)
地域:余市、北海道、Yoichi, Hokkaido
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

15yo

少し色あせた演出

素晴らしい勢いで、群生する花々、スパイスの数々が通り過ぎる

うっとりさせない、目覚めをもたらすウィスキー

余市蒸留所は海の近くにある。ズームアップして場所を確かめてみて。

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レビュー:余市12年 時間をかけて愉しむ

余市12年熟成(Yoichi 12yo)を飲んだ。83点。

シングルモルト、余市12年

【評価】
グラスに鼻を近づければ、すっきりとした樽の香り、スパイシー、潮、少しだけ焦がした麦。
冬の土の香り。奥深い。湿布。
口に含めば、温かく、燃えるようなアルコール、焦がした麦、あと一歩でもっと奥深い。
ライトさもあるが、ゆっくりと温かさを残す。
時間をかけて愉しむタイプのウィスキー。

【Kawasaki Point】
83point

【基本データ】
銘柄:余市12年熟成(Yoichi 12yo)
地域:余市、北海道、Yoichi, Hokkaido
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ジャパニーズウィスキーは大体墨字、余市も例外でない

すっきりとした樽の香り、スパイシー、潮、少しだけ焦がした麦。

ライトさもあるが、ゆっくりと温かさを残す

北海道は余市蒸留所の場所を、地図の「+」ボタンを押して確かめてみて。

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