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レビュー:グレングラント 1992 23yo 失恋を歌っている・・・

GLEN GRANT 1992 23yo by CADENHEAD SMALL BATCH(ケイデンヘッドのスモールバッチシリーズ、グレングラント 1992年蒸留 23年熟成)を飲んだ。87点。

カクカクしたボトルでおなじみの、ケイデンヘッド社のスモールバッチシリーズ。スモールバッチは、少量生産ということ。ウィスキーは自然の時間がつくるもので、ひと樽ずつで味わいが違うもの。だから、同じ蒸留所の同じ銘柄でも、多種多様な味わいになる。その多様性を味わえるのが、ウィスキーの魅力のひとつだろう。

さて、今夜はイタリアでは結構メジャーなグレングラントという銘柄。どのような香味だろうか。

ケイデンヘッドのグレングラント23年 1992蒸留

【評価】
その香りは、落ち着きながらも、、高揚感への誘い。スイカの皮、グレープフルーツの皮、ピンクグレープフルーツの果肉。
グラスを傾け口に含む。甘くしっとり聞かせるジャズスタンダードナンバー。失恋を歌っている。
砂浜で寝っ転がる。ほほに砂がつく。

【Kawasaki Point】
87point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄: GLEN GRANT 1992 23yo by CADENHEAD SMALL BATCH(ケイデンヘッドのスモールバッチシリーズ、グレングラント 1992年蒸留 23年熟成)
地域:Highland (ハイランド)
樽: Bourbon, Oak  バーボン、オーク
ボトル:WILLIAM CADENHEAD, ウィリアム・ケイデンヘッド

23年熟成。木の樽の中で23年じっとしていた飲み物。

高揚感への誘い
 
こういったしっとりした大人の一杯に出会ったなら
もう一杯たのみたくなる




レビュー:カリラ 2010 6yo Douglas Laing's 刺すような煙!

Douglas Laing's Provenance Caol ila 2010 6yo(ダグラスレインのプロヴェナンス シリーズ カリラ 2010年蒸留 6年熟成)を飲んだ。89点。

カリラはスコットランド本島の西、アイラ島にある蒸留所のひとつだ。このボトルは、毎年5月に開かれるアイラフェスティバル(音楽とモルトの祭典!)向けにリリースされた1本だ。
どのような香味だろうか。

ダグラスレイン カリラ 1990 6yo

【評価】
グラスから立ち上るのは、刺すような煙!煙!だが、味わいたくなる。クレイジーな柑橘。
口に含めば、意外とあっさり入ってくる。スローモーションで展開していく煙。
ああ、すごい。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:Caol ila 2010 6yo(カリラ 2010年蒸留 6年熟成)
地域:Islay, アイラ島
樽: Bourbon (バーボン樽)
ボトル:Douglas Laing's ダグラスレイン

フェスティバルっぽいデザイン・・・?

4月にボトリング、5月にリリース

クレイジーな柑橘

スローモーションで展開していく煙
フェス向けの個性あるボトルだった



レビュー:クライヌリッシュ 1997 18yo G&M どんな激流の日々でも・・・

Gordon & MacphailのExclusive label CLYNELISH 1997 19yo(ゴードンマクファイルのエクスクルーシブラベルのクライヌリッシュ 1997年蒸留 19年熟成)を飲んだ。88点。

ゴードンマクファイルはよく、G&MとかGMとかいわれる。ドルチェ&ガッバーナのように、ドルガバ的な略し方は聞いたことがない。

クライヌリッシュ 1997 18yo G&M

【評価】
その香りは、何層ものベールに覆われているが、一枚ずつのベールを剥いでいく楽しみを与える。いちごのパイだろうか、洋ナシのタルトだろうか、パッションフルーツの種だろうか。その層は重みではなく、柔らかさである。
グラスを傾け、液体をほんの少し口に含めば、飴色に輝く手に馴染むパイプ。重厚なスピーカーから流れるピアノとウッドベース。フルーツが置いてある木のカウンター。
どんな激流の日々でも、ゆったりとした時を思い起こさせる力を持ったウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:CLYNELISH 1997 19yo (クライヌリッシュ 1997 19年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽: Bourbon barrel (バーボン樽)
ボトル:Gordon & Macphail ゴードン&マクファイル


ボトルのなで肩にはG&Mの文字

シカのトレードマーク

1997蒸留 - 2016瓶詰 樽番号6489


ピアノとウッドベース・・・



レビュー:ザ・ラッキーキャット サン 猫のウィスキー

The Lucky Cat "Sun" by Mars(マルスウィスキーのザ・ラッキーキャット サン)を飲んだ。86点。
マルスウィスキーから、変わったラベルの一本。写真の猫は、オーナーの愛猫だそうだ。これなら、ウィスキーファンと、猫ファンの両方にアピールできるだろう。
中身は、モルト原酒の熟成の仕上げに、ポートとマディラ、ふたつの酒精強化ワインの樽で熟成させたもの。

どのような香味をみせてくれるのだろうか。

ザ・ラッキーキャット “サン”

【評価】
グラスを傾け、鼻に近づけそっと息を吸う。赤いクレヨン。土、ポピー。深い陶酔。
口に含んで転がす。絨毯の上で伸びをする猫。やわらかく、なめらか。しなやかなあくび。
野味溢れる、ゆったりとした一杯。

【Kawasaki Point】
86point

【基本データ】
銘柄:The Lucky Cat Sun(ザ・ラッキーキャット サン)
地域:信州、Shinshu
樽:Oak, Port Wine,  Madeira Wine, オーク、ポート、マデイラ
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


オーナーの愛猫。なかなかの美猫である。

説明ノート

深い陶酔。やわらかく、なめらか。









レビュー:ASAMA(軽井沢) 2000 12年 けだるい午後を・・・

ASAMA(軽井沢) 1999/2000 12年熟成(ASAMA by Karuizawa 1999/2000 12yo)を飲んだ。89点。
軽井沢蒸溜所といえば、2000年に蒸留を終え、2012年に完全閉鎖した蒸溜所だ。蔦(ツタ)で覆われた蔵で原酒を熟成していた、なんとも情緒ある蒸溜所であったらしい。
このボトルは最後の蒸留年2000年と、その前年の1999年の原酒を用いていて、英国に本拠地を置くナンバーワンドリンクスというボトラーがリリースしたもの。需要と供給の関係はいつも皮肉なもので、閉鎖した蒸溜所の「もう手に入らない」ウィスキーほど、高価になるようだ。

さて、このウィスキーの由来も市場での価値も横において、目を閉じてただ味わってみよう。

ASAMA 50.5 軽井沢蒸溜所

【評価】
グラスを傾け、鼻に近づける。甘美で、薄く切ったオレンジピールを乗っけた生チョコような上品さ。洋々と、滔々と溢れ出る豊かな樽の香り。
口に含めば、完熟のオレンジの皮をつねったときに少しだけ散る果汁と、ダークチョコ。
籐のゆれる椅子にすわって、けだるい午後を過ごそう。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:ASAMA(軽井沢) 1999/2000 12年熟成(ASAMA by Karuizawa 1999/2000 12yo)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, Sherry, オーク、Sherry
ボトル:Number One Drinks ナンバーワンドリンクス

日本のウィスキーをヨーロッパに紹介するNumber One Drinks 「一番」のロゴ

浅間山のシエルエット、軽井沢蒸溜所


甘美で、薄く切ったオレンジピールを乗っけた生チョコ

滔々と溢れ出る豊かな樽の香り

籐のゆれる椅子にすわって、けだるい午後を過ごそう





レビュー: ティーニニック 1982 28年 灰にレモン果汁を・・・

TEANINICH 1982 28yo by ACORN'S Natural Malt Selection(エイコーンのナチュラル・モルト・セレクション ティーニニック1982 28年熟成)を飲んだ。86点。
ティーニニックといえば・・・、少なくとも日本人にとってはマイナーな蒸溜所だ。リキュールのドランブイに使用されている、と言ってもまだマイナー。ドランブイがカクテル「ラスティ・ネイル」の材料と言えば、こちらはすこしだけ知られている。

さて、この28年熟成のシングル・モルトはどのような香味だろうか。

ティーニニック1982 28年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づける。ろうそく、せっけん、ライム、鋭い香の印象を和らげるように、薄い灰のベール。風でろうそくが煌めく。
口に液体を少量含む。灰にレモン果汁を染み込ませて。少しナッティな香。
心地よい揺らめき。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:TEANINICH 1982 28yo (ティーニニック1982 28年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Bourbon, オーク、バーボン
ボトル:Acorn(エイコーン)

ナチュラル・モルト・セレクション

ろうそく、せっけん、ライム

鋭い香の印象を和らげるように、薄い灰のベール

灰にレモン果汁を染み込ませて






レビュー:ハイランドパーク 25年 庭には木でできた・・・

HIGHLAND PARK 25yo (ハイランドパーク 25年熟成)を飲んだ。89点。
スコットランドの北端、ノルウェーの西に位置するオークニー諸島のイメージといえば、海と強い風、夏至の沈まぬ太陽、輝くオーロラ、それからヴァイキング、といったところだろうか。そしてもうひとつのイメージは、このウィスキー、ハイランドパークを生みだしている地ということだ。

さて、ハイランドパーク25年の香味はどのようなものだろうか。

ハイランドパーク25年熟成

【評価】
グラスに鼻を近づける。木のテーブルに飾られたバラ、若々しく綺麗なグリーン、真紅の花弁。まるで香水。深い落ち着きをもたらす。
グラスを傾け、液体を口に含む。口の中で花弁が散って、紅い印象を残して溶けていく。レモンのニュアンス。新築の木の家。庭には木でできたシーソー。子供たちが無邪気に遊ぶ。
何重にも木の香がかさなっているのに、決してまとまりを崩さない。

【Kawasaki Point】
89point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:HIGHLAND PARK 25yo (ハイランドパーク 25年熟成)
地域:Islands, アイランズ
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

木でできたボトルキャップ

おなじみのロゴ(Bodoni系)のフォント

DISTILLERY KIRK WALL ORKNEY
オークニー諸島のカークウォールの蒸溜所

木のテーブルに飾られたバラ

何重にも木の香がかさなっているのに、決してまとまりを崩さない



Highland Park 蒸溜所はスコットランドの北端に位置する。





レビュー:レッドブレスト 15年 手描きの夏の・・・

REDBREAST 15yo(レッドブレスト 15年熟成)を飲んだ。89点。
アイルランドでつくられるアイリッシュウィスキー。レッド・ブレスト(赤い胸)とは、ヨーロッパ・コマドリの意味で、ヨーロッパ全域でポピュラーな鳥のようだ。なぜか分からないが、ウィスキーはそのブランドに野生動物をモチーフに用いることが多い。

さて、このウィスキーの香味はどのようなものだろうか。

レッドブレスト15年熟成

【評価】
グラスを傾け香りをかぐ。夏の午後の太陽とプール。体を乾かして、少し木陰で涼もう。ゆっくりと時が流れるのに、爽やか。甘いレモンスカッシュ。隣はメロンソーダ。
ウィスキーを口に含む。スイカの刺さったグラス。打ち寄せる波が泡になって砂に染み込む。メロンとキャンディ。
ライトだがまとまっている一杯。手描きの夏の絵葉書をもらったかのような。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄:REDBREAST 15yo(レッドブレスト 15年熟成)
地域:Irish, アイリッシュ
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ゆっくりと時が流れるのに、爽やか

Pure Pot Still Irish Whiskey


REDBREAST 15yo

メローでスムース

3回蒸留、15年熟成

ライトだがまとまっている一杯









レビュー:グレンギリー 15年 古い青春映画のように・・・

GLEN GARIOCH 15yo(グレンギリー 15年熟成)を飲んだ。88点。
旧ラベルのボトルだ。

どのような香味なのだろうか?

グレンギリー 15年熟成


【評価】
グラスを鼻に近づけ、香りをかぐ。ボトルシップを眺める古風な応接室。カーテンを揺らして春の風が舞い込む。ゆったりとした肘掛けのソファに腰掛け、レコードをかける。日が差し込み、ひらひらと、モンシロチョウが迷い込む。
ウィスキーを口に含む。みずみずしい。古い青春映画のようにあっさりほろ苦い。後味には、釉薬の融けた陶器がつくられたときの炎を熱さを思う。
ジェントルで心地よいが、苦さもしっかりと構成しているウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GLEN GARIOCH 15yo(グレンギリー 15年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


スコッチ・ウィスキーは鹿のモチーフが多い

AGED FIFTEEN YEARS

ボトルシップを眺める古風な応接室

古い青春映画のようにあっさりほろ苦い





グレンギリーは、ゲール語で「谷間の荒れた土地」。オールドメルドラム村という古風な名のつく村に蒸溜所がある。