Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:オクトモア 08.1 古いビートルで駆け抜ける・・・

Octomore 08.1 Scottish Barley(オクトモア8.1 スコティッシュ・バーレイ)を飲んだ。88点。

8年熟成の短熟のこのウィスキーのボトルには、SUPER-HEAVILY PEATED(超重厚なピート)とある。とてもスモーキー、煙っぽいということだ。
この銘柄は世界で一番ピーティーな銘柄だ。黒く背の高いボトルが存在感を放つ。

さて、どんな香味だろうか。

美しいシルエットのオクトモア08.1

【評価】
グラスに鼻を近づけそっと息を吸い込む。遺跡を巡る、神秘的な旅。そよ風に麦がなびいている。オレンジを片手に古いビートルで駆け抜ける。
グラスを傾けそっと口に注ぎ込むと・・・。パイプに火をつけて。車に寄りかかって、青い空を眺める。何もない自然の景色。
男、独り、夏の旅。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄:Octomore 08.1 Scottish Barley(オクトモア8.1 スコティッシュ・バーレイ)
地域:Islay(アイラ島)
樽: Bourbon(バーボン)
ボトル:Distillery Bottle(オフィシャル)

2018年の1本目のリリース

8年熟成 ブルイックラディ蒸留所

「08.1」

煙たさを示すフェノール値は167ppm。煙たすぎてあんまり意味のない数値。
オクトモアの持つ記録を、オクトモアが更新していく

アルコール ボリュームもかなりある

ブルイックラディのロゴ

遺跡を巡る、神秘的な旅。

オレンジを片手に古いビートルで駆け抜ける。

男、独り、夏の旅。




Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:インヴァーリーブン1991 15yo 揺れる船の中の窓から・・・

Inverleven 1991 15yo by Gordon & Macphail(ゴードンマクファイルのインヴァーリーブン1991 15年熟成)を飲んだ。78点。

Inverleven(インヴァーリーブン)は1991年にすでに閉鎖した蒸留所だ。スコットランドのローランドに位置し、バランタインの原酒のひとつとして使用されていたようだ。すでに閉鎖されていることもあり、シングルモルト(※)で出てくることはあまりないだろう。このボトルの原種は閉鎖された年のもの。(※参考:ウィスキーのシングル・モルトとは何か?)

さて、どのような香味だろうか。

インヴァーリーブン 1991 15年熟成

【評価】
グラスを揺らし、目を閉じ、鼻に近づける。揺れる船の中の窓から、夜の海を眺める。ランプ、蝋燭、洋ナシ。
口に含む。ただただクリスマスプレゼントを待つ少女、それを眺める両親の幸せな眼差し。絨毯の温かみ。

【Kawasaki Point】
78point

【基本データ】
銘柄:Inverleven 1991 15yo(インヴァーリーブン 1991 15年熟成)
地域:Lowland(ローランド)
樽: Bourbon(バーボン)
ボトル:Gordon & Macphail(ゴードン&マクファイル)

Single Lowland Malt Scotch Whisky

Inverlevenの閉鎖の年である1991年の蒸留

ランプ、蝋燭、洋ナシ。

絨毯の温かみ



Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:ラフロイグ2000 16yo 赤く燃える灰・・・

Laphroaig 2000 16yo by Douglas Laing's Series Old Particular(ラフロイグ2000 16年熟成 ダグラスレインのオールドパティキュラーシリーズ)を飲んだ。80点。

ラフロイグといえば、「Love or Hate」(大好きか大嫌いか)といわれる強烈な個性の銘柄として知られている。(ただ、不思議なことに個人的には「ラフロイグを大嫌い」という人にあまり出会ったことがない)

さて、このラフロイグはどのような個性だろうか。

ダグラスレイン ラフロイグ2000 16年熟成

【評価】
グラスから立ち上る香りは、分厚い煙の向こうの"かぼす"。アーモンドと灰と赤く燃える炭と、スタンウェイのピアノ。
口に含む。古い新聞に包まれた真鍮のブローチ。
石造りの階段をコツコツ登る。友人に会いに行く午後5時。

【Kawasaki Point】
80point

【基本データ】
銘柄: Laphroaig 2000 16yo(ラフロイグ 2000 16年熟成)
地域:Islay(アイラ島)
樽: Bourbon(バーボン)
ボトル:Douglas Laing(ダグラスレイン)

オールドパティキュラーシリーズは古風なラベル

分厚い煙の向こうの かぼす

友人に会いに行く午後5時






Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:グレンエルギン1995 21yo ドラゴンシリーズ 夜になっても・・・

Glen Elgin 1995 21yo Whisky Trail Dragon Series by ELIXIR Distillers(エリクサーディスラーズのウィスキートレイルのドラゴンシリーズ番目、グレンエルギン1995 21年熟成)を飲んだ。85点。

いろいろなラベルがあるが、ドラゴンとは、どのようなイメージだろうか。ファンタージの象徴か、恐怖の象徴か、それとも宝石を守る者なのか・・・

さて、このボトルはどのような香味だろうか。

グレンエルギン 1995蒸留 21年熟成

【評価】
グラスを近づければ、美しく解放的な香り。バナナ、オレンジ、ピーチ、そして、バナナ。またピーチか。夜になっても気温が下がらない南国。
口に含む。ほんのわずかにブラックペッパー。フルーツと、熱い風。
ファンタジーへ誘われる味。

【Kawasaki Point】
85point

【基本データ】
銘柄: Glen Elgin 1995 21yo(グレンエルギン 1995 21年熟成)
地域:Highland(ハイランド)
樽: Bourbon(バーボン)
ボトル:ELIXIR Distillers(エリクサーディスラーズ)

ドラゴンが飛んで行く

ウィスキートレイルのドラゴン5番目

1995年蒸留2017年ボトリング

EIXIR DISTILLERSはボトラーズだが近々蒸留所を持つらしい

おそろしいドラゴン

またピーチか。

夜になっても気温が下がらない南国。ファンタジーへいざなわれる。


Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:厚岸2018 New born bourbon barrel 重く決まる左ストレート

厚岸 Single Malt Spirit 2018 Bourbon Barrel Non Peated(AKKESHI 2018 New born )を飲んだ。88点。

ニューボーンのウィスキーは、なぜこうワクワクするのだろうか。それが日本国内の生まれたばかりの蒸留所であればなおさらだ。厚岸(あっけし)蒸留所は、北海道の東、通称・道東(どうとう)と呼ばれる地域にある。(北海道はとても広い土地なので、本州の感覚で「同じ都道府県内」という感じではない。例えば札幌から厚岸までは車で5時間、350km。実に東京から名古屋までの距離に匹敵する!)
美しい自然と大きな海。牡蠣と湿原。長閑(のどか)な場所でのウィスキーづくり。ロマンティックだ。

同時に、怖くもある。ほかのウィスキーと同様に、フラットに接したいとも思う。だが表面的にどんなに否定しても、期待をして、そしてガッカリするのが怖くもある。

しかしそんなことを思っても思わなくても、グラスを手に取れば、香りが漂い、思考するより速いスピードで嗅覚は反応して、印象は決まってしまう。

さあ、グラスを手に取ってみよう。

厚岸シングルモルトスピリット 2018

【評価】
グラスから立ち上る香りは、堅い木の皮を装ったチョコレート。シュガーパウダーが、雪を表現しているのか。本物と見紛うパティシエの仕事。
口に含むと、熱いブランデーの焔が上がる。まるで若いボクサーのような真っ直ぐな眼差し。
重く決まる左ストレート。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄: 厚岸 Single Malt Spirit 2018 Non Peated(AKKESHI Single Malt Spirit 2018)
地域:北海道(Hokkaido)
樽: Bourbon(バーボン)
ボトル:Distillery Bottle (オフィシャル)

厚岸という地名はアイヌ語で「オヒョウニレの樹皮をはがすところ」

2018年1月にボトリング

まだフレッシュなシングルモルトは60度である

ノンピーティッド




Yuji Kawasaki そのウィスキーをもう一杯

レビュー:ブナハーブン1988 27yo BBR 美しい夜の・・・

Bunnahabhain 1988 27yo by Berry Bros & Rudd(BBRのブナハーブン1988 27年熟成)を飲んだ。89点。

BBR(ベリーブロス&ラッド)のボトリングだが、この星座シリーズのラベルは輸入元のウイスク・イーがつけたもののようだ。このウィスキーの蒸留日を誕生日ととらえ、いて座にしたようだ。ウィスキーはだいたい同じラベルのデザインになるので、変化があったほうがおもしろい。

ブナハーブン1988年蒸留 27年熟成

【評価】
そっと息を吸い込む。やわらかく鼻を包む煙。スウィートなのに緊張感がある。砂と砂の間に染み込む波を思わせる。やがてパッションフルーツ。
口に含む。前面のトロピカルな情熱の向こうに、ただただ消え去る煙。確かにあるが、つかみ取ることはできない。この相反する要素が、ウィスキーに物語を与える。
美しい夜の、意味深い短編の詩集。

【Kawasaki Point】
89point

【基本データ】
銘柄: Bunnahabhain (ブナハーブン)
地域:Islay(アイラ島)
樽: Burbon(バーボン)
ボトル:Berry Bros. & Rudd (ベリーブロス&ラッド)

Stellar Selection by Wisk-e

1988年12月12日に蒸留した原酒、「いて座」のラベル。

このいて座の絵は19世紀初頭に出版された星座カード「ウラニアの鏡」のものと思われる

砂と砂の間に染み込む波。

トロピカルな情熱の向こうに、ただただ消え去る煙

美しい夜の、意味深い短編の詩集。