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レビュー:山崎18年 完成された・・・

山崎18年(YAMAZAKI 18yo)を飲んだ。85点。
山崎はもちろん日本で一番有名なシングル・モルトだ。(参考ウィスキーのシングル・モルトとは何か?
さて、その香味はいかに?

山崎18年熟成


【評価】
グラスを傾け顔を近づければ、六月の森が香る。新緑と野草の花々。遠くで焚き木。早朝から昼前にかけての時の流れ。あるいは、夜のしじま。
口に含めば、香る、香る、香る。倒木の上で焚いたお香。完成されたパフューム。
完成されてはいるが、どこか心惹かれる前に心が離れてしまうウィスキー。

【Kawasaki Point】
85point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:山崎18年(YAMAZAKI 18yo)
地域:山崎、大阪 YAMAZAKI, OSAKA
樽:OAK, MIZUNARA, オーク、ミズナラ
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ボトルキャップ部分のロゴマークは「響」がモチーフ


SUNTORY SINGLE MALT WHISKY

18年熟成の山崎

山崎の崎は、寿にも読める


香る、香る、香る。倒木の上で焚いたお香。

サントリーの山崎蒸留所はここ。日本初のウィスキー蒸留所なのだ。
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レビュー:バランタイン17年 シグネチャー・ディスティラリー スキャパ

Ballantine's 17yo Signature Distillery SCAPA(バランタイン17年熟成 シグネチャー・ディスティラリー スキャパ)を飲んだ。86点。
バランタインというブレンデッド・ウィスキーを構成する原酒は、数十種類あるといわれる。その中で中心的な役割を果たしているのが「バランタインの魔法の7柱」と呼ばれるシングル・モルトたちだ。その7柱のうちの特に「スキャパ(SCAPA)」を強調してブレンドしたのが、今回のこの限定ボトル。(通称:スキャパ・エディション)
さてはて、その香味やいかに。



【評価】
グラスを傾け、立ち上る香りは、海辺に咲いた可憐な花。潮風。ヨット、オイル、ビーチバレー、桟橋の木。
唇からそっと流し込めば、ガラス窓の付いた船底、太陽の照った海原をゆっくりと進む。
潮の香りを味わいながら、可憐な花に思いを馳せる、そんなウィスキー。

※通常の「バランタイン17年」よりもSCAPAの特徴である爽やかな塩の香りが強調されている。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Ballantine's 17yo Signature Distillery SCAPA(バランタイン17年熟成 シグネチャー・ディスティラリー スキャパ)
地域:Islands, Highland, アイランズ、ハイランド など
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

シグネチャー・ディスティラリー・シリーズ

17年熟成

ジョージ・バランタイン&サン社

ラベルには、スキャパ湾から見たスキャパ蒸留所が描かれている。

潮の香りを味わいながら、可憐な花に思いを馳せる

“スキャパはバランタインを構成する象徴的なモルトのひとつです。
バランタインの歴史におけるスキャパの重要性に敬意を表し、
マスターブレンダーは特別にこの蒸留所ブレンドをつくりだしました”




レビュー:バランタイン17年 華やかさと安定感

Ballantine's 17yo(バランタイン17年熟成)を飲んだ。86点。
バランタインは、非常に有名なブレンデッド・ウィスキーだ。
(ブレンデッドが何かということについては、こちらの記事を参照してほしい。
 参考:シングルモルトと、ブレンデッドウィスキーの違いとは?

名の通ったブレンデッド・ウィスキー 「バランタイン」


【評価】
グラスに鼻を近づければ、ミツバチの飛ぶ花畑、さらさらと流れる小川、きらきらと太陽が反射している。やわからい土の香り。画家がなんども構図を検討した絵のような、深くどっしりとした熟成感。
口に含めば、先ほどの小川に横たわり水の流れを感じながら、焦げた土、イチゴとスパイスを感じる。
華やかさと安定感の同居したウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Ballantine's 17yo(バランタイン17年熟成)
地域:Highland, ハイランド など
樽:Oak, オーク
ボトル:Blended, ブレンデッド

ブレンデッド・スコッチ・ウィスキー

エンブレムの背景のエンブレム

ジョージ・バランタイン&サン社が生産

GEORGE BALLANTINE & SUN

熟成感のある色

華やかさと安定感の同居したウィスキー




レビュー:竹鶴17年 水彩の風景画のような・・

竹鶴17年(TAKETSURU 17yo)を飲んだ。88点。

竹鶴というのは、山崎蒸留所の初代工場長で、ニッカウィスキーの創設者の竹鶴政孝(たけつるまさたか)のこと。ジャパニーズウィスキーの父と呼ばれている。その竹鶴の作ったふたつの蒸留所(余市、宮城峡)のウィスキーをブレンドしたのが「竹鶴」というピュアモルトだ。
(ピュアモルトが何であるかについては竹鶴12年のレビューに書いた)

ジャパニーズウィスキーの父「竹鶴」の名を冠したウィスキー


【評価】
グラスに鼻を近づければ、甘い樽の香り。甘さの向こう、もわっとした煙を抜けて、スイカ、イチジク、ざら目の砂糖。深みを感じる香りを放つ。無骨で、仕事にまじめな男が目の前に立って、まっすぐこっちを見つめているかのような印象を受ける。
口に含めば、山間を走るSLに乗って、風を感じているかのよう。煙と、山の木をたしかに感じるが、しかし風が吹き抜けているのでしつこくならず。足元の木の床、リズミカルになる金属の音、近くの座席の誰かの塩むすびの香り。
ここにあるのはノスタルジー、水彩の風景画。素朴だが情緒豊かなウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:竹鶴17年(TAKETSURU 17yo)
地域:Japan, 日本
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


山間を走るSLに乗って、風を感じているかのよう。

ノスタルジー、水彩の風景画。素朴だが情緒豊かなウィスキー。


レビュー:バルブレア 16年熟成 確かな違い

BALBLAIR 16yo(バルブレア 16年熟成)を飲んだ。86点。
バルブレアといえば、バランタインの魔法の7柱のひとつ(※ブレンデッドウィスキーの「バランタイン」を構成する主要な原酒のひとつ)。
また、映画『天使の分け前』にもメインの舞台として登場する蒸留所だ。

バランタインの魔法の7柱のひとつ。バルブレア。


【評価】
グラスに鼻を近づければ、のどかな午後のピクニック、パンジー、土とハチミツ、マスクメロンのジューシーさ、木の温もり、よく風の吹く丘の上の林が見え、林の中を流れる川、川ゴケ、それから煙たさも上がってくる。
口に含めば、乾いた木の皮のチップ、川砂利、ホワイトペッパー。
一見すると穏やかで静かなため、見過ごしてしまいそうだが、しかし何かがこのウィスキーをより深く味わうように仕向け、確かな違いを感じるウィスキー。

【Kawasaki Point】
86point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:BALBLAIR 16yo(バルブレア 16年熟成)
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


よく風の吹く丘の上の林が見え・・・

口に含めば、乾いた木の皮のチップ、川砂利、ホワイトペッパー。

確かな違いを感じるウィスキー

『天使の分け前』の舞台ともなったバルブレア蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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レビュー:ラガブーリン 16年 ピートと樽香の螺旋

LAGAVULIN 16yo (ラガブーリン16年熟成)を飲んだ。88点。
映画『天使の分け前』でも紹介されていたウィスキーだ。

“アイラ島のプリンス”とも称されるラガヴーリン

【評価】
グラスに鼻を近づければ、麦、酸味、ピート香の先端は丸みを帯びているが、同時に鋭さも忘れておらず、雄雄しく上品。素朴でありながら洗練されている。ミレーの絵画のようなバランス。
グラスを傾け少量口に含めば、口当たりは柔らかいが、激しくピートが樽の香りと螺旋を描きながら主張する。しかしくどさがまったくなく、後味は満足のいく絵を描き終わったあとかのよう。
充実感を味わうウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:LAGAVULIN 16yo (ラガヴーリン16年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, オーク
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

ピート香の先端は丸みを帯びているが、
同時に鋭さも忘れていない

アイラ島のポートエリン地区に位置するラガブーリンの設立は1816年


充実感を味わうウィスキー

イギリスのアイラ島に位置するラガブーリン蒸留所の場所を、地図で確かめてみて。

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レビュー:ラガブーリン DE 1995 16年 肉料理の後は・・

LAGAVULIN Distillery Edition 16yo (ラガブーリン ディスティラリー・エディション 16年熟成)を飲んだ。68点。
ペドロ・ヒメネスというシェリー樽フィニッシュの一本。

LAGAVULIN Distillery Edition 16yo

【評価】
グラスに鼻を近づければ、木にこすりつけたオレンジ(つまり木とオレンジの皮の両方が同時に香る)、ビター。
口に含めば、重たいのに軽いシェリー酒、2つの酒を混ぜたかのように、カラメル、爽やかな重たさ、と言っても・・・、「構造」を感じるというより、「物語」のような徐々に移り変わる展開。
ゆっくり、肉料理の後に飲みたいウィスキー。

【Kawasaki Point】
68point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:LAGAVULIN Distillery Edition 16yo (ラガブーリン ディスティラリー・エディション 16年熟成)
地域:Islay, アイラ
樽:Oak, Pedro Ximénez, オーク、ペドロ・ヒメネス
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

重たいのに軽いシェリー酒、2つの酒を混ぜたかのよう


グラスに鼻を近づければ、木にこすりつけたオレンジ

「構造」を感じるというより、「物語」のような

肉料理の後に飲みたいウィスキー

アイラ島のラガブーリン蒸留所。ラガブーリンは「水車小屋のくぼ地」という意味のゲール語。
位置を地図で確かめてみて。プラスとマイナスで拡大縮小できる。

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レビュー:スプリングバンク1973 18年 ラムカスク ~激しいドラマ~

Springbank 1973 18yo Rumcask(スプリングバンク 1973年 18年熟成 ラムカスク)を飲んだ。88点。
現在はほとんど流通していない、いわゆるオールドボトルである。さてはて香味やいかに。

1991年9月にボトリングされている

【評価】
グラスを傾け香りを味わえば、アルコールの刺激、甘みと重みの含まれた酸味、そして甘みの奥にうっとりする木の香り。清涼感もある。木に擦り付けたアッシュ(灰)だが、まろやか。雨上がりの草花。古い洋書の読書。永い時間を連想させる。
いよいよ口に含めば、うっとりする甘みの後に、スパイシーさが上がってきて、その後、アルコールが全体を覆い、すべての要素をまとめて、旨みと調和させる。
激しいドラマを見せるウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Springbank 1973 18yo Rumcask(スプリングバンク 1973年 18年熟成 ラムカスク)
地域:Campbeltown, キャンベルタウン
樽:Rum Butt, ラム
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル



今はほとんど蒸留所が残っていないキャンベルタウンという港町で、操業を続けるスプリングバンク蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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レビュー:ダグラスレイン バルブレア17年 香りの素晴らしさは・・

Douglas Laing Old Malt Cask BALBLAIR 17yo (ダグラスレイン社 オールド・モルト・カスク シリーズ バルブレア 17年熟成)を飲んだ。66点。
スコッチ・ウィスキー映画『天使の分け前』にも登場するというので、バルブレアを飲んでみた。ダグラスレイン社というボトラーの17年。(ボトラーズボトルとは何かはこの記事に詳しい

バルブレア17年 ダグラスレイン社

【評価】
グラスに鼻を近づければ、麦の酸味があるのに爽やかな木の落ち着き。若い木の木材。麦の甘みと主張。不思議なまとまり。すっぱすぎない。
口に含めば、アルコールの熱さと木のえぐみ、麦の酸味。スッと引いていくが、それだけで終わる。えぐみが後味。
香りの素晴らしさは特筆に値するウィスキー。

【Kawasaki Point】
66point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:Douglas Laing Old Malt Cask BALBLAIR 17yo (ダグラスレイン社 オールド・モルト・カスク シリーズ バルブレア 17年熟成)
地域:Highlanda, ハイランド
樽:Oak, Sherry,  オーク、シェリー
ボトル:Douglas Laing, ダグラスレイン社

麦の酸味があるのに爽やかな木の落ち着き

シェリー樽の割りに明るい色
香りは特筆に価する


スコットランドでもかなり古い蒸留所のひとつと言われるバルブレア蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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レビュー:SMWS 春の試飲会 ~12本のレビューを一挙掲載~

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティの春の試飲会に行ってきた。(The Scotch Malt Whisky Society Spring Bottles Sampling)
分かりやすく言うと「5,000円で12種類のウィスキーが飲み放題」、という大変お得な会だ。まぁご想像の通り、アルコール度数の高いウィスキーをガバガバ呑めはしないのだけれども。春夏秋冬の季節ごと、全国で年4回開催されている、通称「おとなの飲み放題」だ。(開催情報はこちら

スコッチ・モルト・ウィスキー・ソサエティは、ボトラーズ。いろんな蒸留所から樽を買って、いい感じの時に瓶詰めして販売する。このボトラーズの特徴は、会員しか買うことが出来ないという点だ。(実際には会員に買ってもらったものを譲り受けたりすれば、会員じゃなくても手に入れられるけど)また、このボトルを入れているバーもちらほらある。

SMWS 2013年 春のボトルサンプリング会


今回は2013年春に発表された12種類のボトルのテイスティング・レビューを掲載する。
12位から1位までを一挙公開。
(ウィスキーの名前の冒頭についている数字は、SMWS独自の蒸留所と樽コード)


12位

R 1.4 PORTMORRANT1991 21yo (ポートモーラント1991 21年熟成)

【Kawasaki Point】
53point
【評価】
香りは、ミントキャンディ。古い木の棚。口に含めば、まとまった味わいだが、紹興酒。
ソサエティから出るラムとしてはハッキリ言って期待はずれ。前回のラム(R5.2)は良かったのに・・。


11位

33.128 ARDBEG 2005 7yo (アードベッグ 2005 7年熟成)

【Kawasaki Point】
68yo
【評価】
グラスに鼻を近づければ、炭の香りが強く主張する、青々とした茎の太い草を感じる。
口に含めば、煙が上がってくるが、同時に青臭い。


10位

37.53 CRAGGANMORE 1985 27yo (クラガンモア 1985 27年熟成)

【Kawasaki Point】
68point
【評価】
香りは甘くスパイシー。スパイスの上に柑橘のピール(皮)が乗る。アルコール感は強め。
口に含めば、刺激が小さく弾ける。アルコールに乗ってバーボン樽。肉汁、コンソメ、ブラックペッパー。香りの奥行きを感じる。
早めの時間に一杯飲みたい。



9位

93.54 GLENSCOTIA 2002 10yo (グレンスコシア 2002 10年熟成)

【Kawasaki Point】
71yo
【評価】
漂う香りは、清涼感のある、冬の生きている獣の毛の香り。
グラスを傾け一口含めば、鹿の毛を口に入れたかのよう。トウガラシパウダー。


8位

85.25 GLEN ELGIN 1999 13yo (グレンエルギン 1999 13年熟成)

【Kawasaki Point】
78yo
【評価】
グラスから立ち上る香りは、さわやかなぶどうとパイナップル、マスカットのミックスジュース。
口に含めば、少し煙たいバーベキューのほとりでかじった木の板。


7位

73.54 AULTMORE 1992 20yo (オルトモア 1992 20年熟成)

【Kawasaki Point】
80yo
【評価】
香りは、スイカ。ホースの水。陽炎と、山の上で突如吹く風の清涼感。
口に含めば、ヒレ肉、バターガーリック。木のうまみ。焦がした金網。


6位

29.128 LAPHROAIG 1990 21yo (ラフロイグ 1990 21年熟成)

【Kawasaki Point】
85yo
【評価】
薫るのは、燻製と、正露丸。少しのペッパー。
口に含めば、燻製したシャケトバ。囲炉裏の鉄瓶に垂らした醤油。
山荘にこもって書き物をしたくなるウィスキー。


5位

41.55 DAILUAINE 2004 8yo (ダルユーイン 2004 8年熟成)

【Kawasaki Point】
86yo
【評価】
グラスから薫るのは、花々がトラックの荷台に揺れて、麦畑を進む風景。
口に含めば、ゆっくりと分解されていく麦の味。まとまりと主張を感じる。


4位

64.42 MANNOCHMORE 1990 22yo (マノックモア 1990 22年熟成)

【Kawasaki Point】
86yo
【評価】
香りは、オレンジとグレープフルーツのかご。ガラスの中の煙。
口に含めば、シェリーの緩やかな香り。ぎゅっと詰まってはいない味。オレンジピールの苦味。
主張は強くはないが、何気ない午後に本を読みながら飲みたい。


3位

44.56 CRAIGELLACHIE 1989 23yo (クレイゲラヒ 1989 23年熟成)

【Kawasaki Point】
86yo
【評価】
グラスに鼻を近づければ、うっとりする畳の間の香り。バターの枯れた草。優雅。
ところが口に含むと、一転してスパイシー。花々の香り。うすくゆっくり二つ隣の席のドライフルーツを感じる。
香りと味に裏切りがあり、微笑をもたらすウィスキー。


2位

27.100 SPRINGBANK 2000 12yo (スプリングバンク 2000 12年熟成)

【Kawasaki Point】
87yo
【評価】
香りは、水仙のような華やかさ。鉄。水。
口に含んで舌でころがせば、華やかさは水に溶けて穏やかに香る。水苔。花弁を乾燥させた感じ
後味が鉄なのに、激しさではない。味わいを感じる。


1位

7.81 LONGMORN 1992 20yo (ロングモーン 1992 20年熟成)

【Kawasaki Point】
88yo
【評価】
香りは、缶詰のパイナップルの汁。湿度を感じる(ドライではない)。ホワイトペッパー。
口に含めば、ゆっくり滑らかなのに鋭くうまみ。ただし果実感ではない。
爽やかな夏の朝に、風でレースカーテンが揺れ、ゆっくり時間が流れるかのようなウィスキー。



今回のサンプリング会には、スコットランドはエディンバラから参加した人もいた。SMWSの会員で、日本旅行中にインターネットでサンプリング会があると知り参加したという、筋金入りのウィスキー好きだ。彼のお気に入りはオルトモアとラフロイグだった。ちなみに、グレンスコシアのスコシア(scotia)は、スコットランド(scotland)の古い言い方だ、というプチ情報もくれた。
また、参加者の中には私が11位にしたクラガンモアを1位に挙げる人もいた。また、6位のラフロイグは、「長熟の割りに期待を裏切られた」という声もあった。1位にしたロングモーンはやはり概ね評価が高かったようだ。

とにもかくにも春の宴は、さまざまの幸せそうな声で包まれていた。



レビュー:グレンドロナック18年 スパイシーな装飾

GlenDronach Allardice 18yo (グレンドロナック 18年熟成 アラダイス )を飲んだ。83点。
アラダイスとは、グレンドロナック蒸留所の創始者のジェームス・アラダイスに由来。

【評価】
グラスに鼻を近づければ、シェリー樽の香り。線香の深さ。淵が焦げた木の板。消毒液と本。醤油の一升瓶。
口に含むと、飲み口は華やか。オイリーな木の香りだが、スパイシーな装飾が施されている。あれだけ主張したシェリー樽の香りはくどくなく、消える。スパイシーさだけを余韻として残し、コンパクトな重たさを最後に残す。
華やかで、うっとりしすぎないシェリー樽のウィスキー。

【Kawasaki Point】
83point
※この点数の意味は?

【基本データ】
銘柄:GlenDronach Allardice 18yo (グレンドロナック 18年熟成 アラダイス )
地域:Highland, ハイランド
樽:Oak, Sherry, オーク、シェリー
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル

シェリー樽の香り。線香の深さ。
口に含むと、飲み口は華やか。

華やかで、うっとりしすぎないシェリー樽のウィスキー。

イギリスは東ハイランドにある、グレンドロナック蒸留所の位置を地図で確かめてみて。

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レビュー:スキャパ16年

SCAPA 16yo(スキャパ16年)を飲んだ。88点。
有名なブレンデッド・ウィスキーのバランタインの「魔法の7柱」の内のひとつ。(※バランタイン17年を構成する主要なシングル・モルトは7つあるとされ、今回紹介しているスキャパはそのひとつ)


【評価】
グラスから立ち上る香りは、透き通った潮風。正午が近い午前。ハチミツ漬けのオレンジの皮。ビーチにできた蜃気楼。
口に含めば、飛沫が舞う。穏やかだが、一幅の絵画を見せられたかのような主張を感じる。甘くゆったりとした時間。時間をかけてピートが分解する。
晴れた日の穏やかな波を漂うウィスキー。

【Kawasaki Point】
88point

【基本データ】
銘柄:SCAPA 16yo(スキャパ16年)
地域:Islands, アイランズ
樽: Bourbon, バーボン
ボトル:Distillery Bottle, オフィシャルボトル


スキャパには、一幅の絵画を見せられたかのような主張を感じる

ボトルに浮かぶヨット


スコットランドの最北のスキャパ蒸留所。地図を拡大してスキャパ湾を確認して。

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